アルツハイマーの原因は単純ヘルペス1型である

 イギリスのオックスフォード大学やマンチェスター大学で教鞭をとられ、現在マンチェスター大学の名誉教授でおられるイツザーキ氏の難解な英語の論文の結論は、『HSV-1がアルツハイマーの原因である』であります。皆さんに、この英語の長い論文の最後に書かれている結論をまず提示します。皆さんがイツザーキ氏の英語の論文を初めから終わりまで私がわかりやすく意訳した日本文を読み通すことは極めて困難です。従って、長い論文の中で研究されかつ論証され、最後に結論を出されたのですが、皆さんが知りたいのは論証の過程ではなくて結論であるはずですから、まず結論から意訳してあげますから、この結論をまず読んでください。私は自分の勉強のために『HSV-1がアルツハイマーの原因である』というテーマを証明するためになされた論理を完全に理解するために、初めから終わりまで訳しますから、興味のある人は英語とともに私の解説付きの訳文も読み通してください。彼女は臨床家ではなくて医学研究家でありますから、結論としてのアルツハイマーはHSV-1が原因であるというのは正しいのですが、臨床を通じて免疫学的な勉強を私ほどされていないので、あちこちに間違いがあるのは論文の全体を訳しながら指摘することをお約束しておきます。もっとも私は脳の研究者ではないので、だからこそ真実を語れる優れたルース・イツザーキさんの研究成果を自分自身のために、完全に理解しアルツハイマーもヘルペスウイルスが原因であることを証明したいので、英語の論文をグーグルの翻訳を基にしながら皆さんにもわかるように解説を付けながら私自身の翻訳をし始めたのです。現代の最後に残る病気の原因のすべてはヘルペスであるということを原因のわからない病気とされているアルツハイマーも原因を探る事によって伝えたいのです。アルツハイマーもまさに脳の神経細胞に感染したヘルペスなのです。漢方の煎じ薬と抗ヘルペス剤でアルツハイマーを予防し、且つ治すことができることを伝えたいのです。

Conclusions(結論)
 Further population epidemiological work would be invaluable for understanding the role of microbes, in particular HSV1, in AD. Using the Taiwan records, or those of any other country with comparable information, the subsequent development of dementia amongst subjects who had suffered mild herpes labialis or genital herpes could be investigated, although they would be far less likely to be documented, and therefore much less identifiable than severe cases. However, investigation of even asymptomatic HSV-seropositive people vs. HSV-seronegative people would be informative, although by the age of 60 the latter would comprise only a very small minority. Also, individuals could be selected who had suffered severe peripheral infections, on the basis that the inflammation thus caused could lead to inflammation in the brain, and reactivation of any latent microbe there. Of particular interest would be those who had suffered HSE, and also epilepsy patients—even those in whom no virus infection had been reported. If tissue, blood, or salve samples were available, APOE genotypes could be determined for any association with other characteristics.

 (アルツハイマー病(AD)を起こす病原体の役割、とりわけ(人類滅亡まで最後の最後まで残る)HSV-1が果たす役割を理解するために、数多くの人たちについての疫学的な仕事は、非常に価値あるものとなるでしょう。台湾で行われた疫学的な記録や、それに匹敵する情報を持っている他の国のデータを用いて、中等度の口唇ヘルペスや性器ヘルペスを患った患者の中から、その後に起こる痴呆という病気が調査されました。もっとも中等度のヘルペス感染を起こした患者については、それほど記録されていないので、より重症の症例ほど明らかにはされていないようですが。しかしながら、HSVの抗体が陰性である人たちとHSVの抗体が陽性でありますが、症状はなかった人たちを調査することは有益であります。もっとも60の年齢までに限ると中等度のヘルペス感染を起こした患者は非常に少数者となりますが。また、脳ではなく重篤な末梢のヘルペス感染を被った人は、次の条件で選ばれることができました。それは、このように末梢でヘルペスによる炎症が脳に炎症を引き起こすことができ、かつ脳においてどんな潜伏感染を起こす病原体であるヘルペスウイルスの再活性化を引き起こすことができたという条件で選びました。特に興味あるのは、HSE(ヘルペス性脳炎)を起こした人々と、てんかんになった患者さんであります。さらにどんなウイルス感染も報告されなかった人々にも興味がありました。もし、患者の組織や血液や唾液のサンプルが手に入れられれば、APOEの遺伝子型が他の特性との繋がりを見つけるために決めることができました。)


 Clearly, the types of antiviral which might be used for treating AD should be carefully chosen, especially if combined with an anti-inflammatory agent, as well as the duration of treatment and stage at which their usage would most effective. Even if the effects were merely a delay in onset of the disease, this would still be enormously beneficial for patients, carers and the economy. Of course, vaccination against HSV1 would be the better option, as prevention of disease is better than cure. Unfortunately, however, there is currently no vaccine for HSV1 and any vaccine trial would presumably have to extend for many years to find the outcome.

 (明らかにADを治療するために使われる抗ウイルス剤のタイプや、抗ウイルス剤を用いる治療の期間や、抗ウイルス剤の使い方が最も効果的である段階がいつであるかなどを考慮して注意深く選ばれるべきであります。とりわけ、抗炎症剤と一緒に使われる時は注意深く選ぶべきであります。その抗ヘルペス剤の効果というのは、たとえ病気の開始よりも遅れたとしても、このような注意は患者や介護者や経済にとっても、極めて利益があることでしょう。もちろんHSV-1に対するワクチンは、より優れた選択となるでしょう。というのは、病気の予防というのは治療より大切であるからです。しかしながら不幸にも、HSV-1に対するワクチンは現在のところ何もありません。しかもいかなるワクチンの試みもおそらくその結果を見つけ出すために何年もかかるでしょう。)


 Research data on a microbial cause of AD have been ignored or dismissed for three decades, very unfortunately for those who developed AD during that period and who therefore had no chance of benefitting from the information. Surely, now is the time to rectify the situation by determining and then using the best means of treatment at hand.

 (ADが微生物であるヘルペスウイルスが原因であるという研究データは30年間も無視され、却下されてきました。とりわけ不運なことは、その30年間の間にADにかかった人々と、従ってこの間、ヘルペスがアルツハイマーの原因であるという情報から利益を得るというチャンスを持てなかった人たちにとっては本当に不運なことでした。確かに今こそ手に入れた抗ヘルペス剤(アシクロビル)による最高の治療を決定し、かつ使うことによって、今までの状況を正しくする時であります。)(アシクロビルだけでは予防も治療も不十分です。漢方の濃度の濃い煎じ薬を併用することによって患者の免疫を上げながら脳細胞の傷を治し脳細胞に侵入したヘルペスが溶解感染しないように、かつ最後は脳細胞にエピゾームの形で潜伏感染させる必要があります。)


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 「アルツハイマーの原因は1型単純ヘルペスであることがわかった。」この真実は30年前既にわかっていたのですが、最近初めて表に出ることが可能になったのです。原文の論文を英訳する前に、皆さんに分かりやすく論文の要旨をまず簡明にまとめてみましょう。

 30年前から、単純ヘルペスウイルス1型(HSV1)がアルツハイマー病(AD)の原因であるという証拠が明らかになっていましたが、世界の医学会は誰も認めることはしませんでした。今やっと認められたのです。

 アポリポタンパク質E遺伝子の4型対立遺伝子(APOE-ε4)を持っている人が、長期にわたり繰り返し免疫を抑制され続けると、単純ヘルペスウイルス1型(HSV1)ウイルスが増え続け、末梢神経から脳まで感染した結果、脳内に潜伏感染してしまいます。脳内に潜伏感染したヘルペスウイルスは、さらに免疫が低下した時に、脳内で潜伏感染しているHSV1は脳のあらゆる種類の脳細胞に入り込み、脳のグリア細胞との戦いで炎症を起こし続け、神経細胞が傷つき崩壊し、様々な脳疾患を生み出してしまいます。崩壊する神経細胞によって病名が様々つけられるのです。それが、老人性痴呆(SD)であり、線維筋痛症(FM)、てんかん(Epilepsy)、アルツハイマー病(AD)、および単純ヘルペス脳炎(HSE)、さらに統合失調症(Schizophrenia)なのであります。従って、これらの脳疾患は単純ヘルペスウイルス1型(HSV1)が原因であるので、治療するためにすぐに抗ヘルペス剤を用いるべきであります。実際に抗ウイルス剤を予防投与として用いれば、後に老人性痴呆(SD)を発症する患者が劇的に減ってしまったのです。

 アルツハイマー病(AD)の原因としてヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)および7型(HHV7)の2つのヘルペスウイルスも関わっていることがわかりました。最も大事なことは、ADの原因であるベータアミロイド(Aβ)は、原因ではなくて、ヘルペスウイルスから脳の神経細胞を守るために存在していることがわかりました。それはすぐ後で書くようにDAMPの仕事をしているのです。DAMPについては詳しく後述します。ベータアミロイド(Aβ)は、抗ヘルペス剤と同じく、ヘルペスウイルスから予防的に脳を守るのみならず、攻撃する積極的な作用も持っていることがわかりました。つまり、DAMPの仕事をしているのです。だからこそベータアミロイド(Aβ)を除去しようとするADの薬剤の開発が失敗するのも当然のことなのです。

 最近わかったことなのですが、ヘルペスウイルスが脳神経細胞に入り込むと脳神経細胞が傷つきます。傷ついた脳神経細胞はDAMPs (damage-associated molecular patterns)という非特異的な分子を作ります。まさにアミロイドβはDAMPの一つなのです。それではDAMPについて詳しく勉強していきましょう。皆さんはご存知の通り、免疫には自然免疫と獲得免疫があります。いずれの免疫の働きも病原体が侵入してきたことを認識することから始まります。自然免疫系は病原体が人体に侵入したときに大食細胞や樹枝状細胞は病原体の存在をパターン認識受容体(PRR)を使って感知します。PRRはpathogen recognition receptorと英語でいい、日本語で病原体認識レセプターと訳します。PRRは病原体のPAMPを認識します。PAMPはpathogen-associated molecular patternsと英語でいい、日本語で細菌関連分子パターンと訳します。PRRでPAMPを認識すると大食細胞や樹枝状細胞は様々なサイトカインを作り出し炎症反応を誘導して病原体の排除や組織の修復を行い始めます。一方、病原体でない化学物質と結びついたペプチドなどの複合体などのアレルゲンもPRRによる自然免疫系の認識機構が重要な役割を果たしているのです。

 さらに組織や細胞の損傷はダメージを受けた細胞や傷ついた細胞外基質(結合組織)から放出される成分をDAMP、英語ではdamage-associated molecular patternというパターンで、免疫のレセプターであるパターン認識受容体によって察知されることがわかりました。DAMPは日本語でダメージ関連分子パターンと訳されます。DAMPには宿主細胞の核内タンパク質であるhigh-mobility group box 1(HMGB1、)やミトコンドリアに含まれているホルミルペプチド(fMLP)やエネルギー通貨であるアデノシン三リン酸(ATP)や核酸最終代謝産物である尿酸やまさにアルツハイマーの原因と言われているアミロイドβなどがあります。まさにアミロイドβは細胞にヘルペスウイルスが感染したという証拠となるのです。この真実をルース・イグザーキさんは30年前に見つけ出していたのです。つまり、脳神経細胞に入り込んだヘルペスをDAMPの形で脳の免疫細胞であるミクログリア細胞に伝えようとしていた証拠がアミロイドβなのです。

 ここでHMGB1(High Mobility Group Box 1)について詳しく勉強しましょう。というのはHMGB1は、最近注目されだしたDAMPの中でもっとも重要な一成分であるからです。HMGB1は、p53(ガン抑制遺伝子の転写因子)やNF-κB(転写因子)などの転写因子の機能発現に重要な核内DNA 結合タンパク質であります。と同時に、HMGB1(High Mobility Group Box 1)は活性化された樹状細胞、マクロファージやヘルペスウイルスが侵入し殺されてしまった壊死細胞から細胞外に放出されます。

 

 皆さんは、私がどれほどヘルペスウイルスに執着しているかの理由はお分かりになりますか?16歳から今までヘルペス脳炎で悩んできたからです。さらに右目の失明もヘルペス性網膜症のために苦しみ続けたからです。私の人生はほとんどヘルペス脳炎で支配されてきたのです。憎っくきヘルペスめ!

 まず私は1歳の時に父親が死に、極貧の家庭に生まれ育ちました。小学校5年生の時に硬球の直球が右目に当たり失神したことがありました。これが私の人生の没落の第一歩であったのです。中学3年まではそれこそ最悪の教育環境でしたが、顔は悪かったけれども頭は学校の先生に褒められっぱなしでした。中学校はオール5で卒業し、卒業生代表になり答辞の文章も自分で作って読みました。「心に太陽を」というタイトルでした。自分の作った答辞を読み終わった後、長く勤められていた私の中学校である「宇治中学校の歴史」を書かれていたのでそれなりに有名人であった大路先生がつかつかと私の席に近寄って、「この答辞の文章は誰が書いたのか」と聞かれました。「自分で書いたのです」と答えたところ、「君はすごい子だね」と言われたことも覚えています。

 ところが中学校3年生ごろから頭がすぐにカッとなり、熱くなったり、ぼーっとなる回数が多くなり、さらに突然に眠たくなったり、右の片頭痛に突然襲われたり、右目も徐々に見えなくなり、毎日毎日が不愉快な生活になり始めました。視力検査で左目は1.2でしたが、右は0.1以下でした。校医はその違いについても誰も問題視はしてくれませんでした。というのは、これだけ左右の差があれば片頭痛が怒って当然であったにも関わらずであります。実際あったのですが。私自身は青春時代というものが誰もがこのような大変化が現れるものだと思い込んでいました。そんな状態でも、中学3年まではあらゆる分野で活躍することができていました。もちろん家で勉強したという記憶は全くなく、ましてや予習復習などはしたことがなく、家庭での勉強などは全く縁のない生活でした。遊びが全てでありました。

 とにかく中学3年時からは毎日の生活が不愉快でたまりませんでしたが、なんとか休まず普通の生活はできていました。あまりにも様々な症状がひどかったので、近くの増井医院に行って相談したのですが、このような症状は特別に問題ないということでした。彼も私の症状が「ヘルペス脳炎」であるということはわかるはずもなかったのです。

 ところが高校から上記の症状がひどくなり、毎日が苦しくて苦しくて成績はどんどん落ちていきました。新しいことを学ぶことができなくなってしまっていたのです。高校でブラスバンド部長、編集部長、生徒会議長にもなったのですが、片頭痛がひどくてすぐに辞退してしまいました。その頃からこの病気は一生治らない病気だと思い始めていました。その後も同じような状況が続き、京大病院や京都府立医大病院や阪大病院にも行ったのですが、原因不明だということで20年間苦しみ続け、死にたくても死ぬ勇気がなかったので、死に切れませんでした。甘えの極限というべき行為であったのですが、最高の尊敬していた素晴らしい母親に「なんで産んでくれたんだ」と言わざるを得ない地獄まで落ちていきました。母親の答えは「産んだ罪だ」と。そうです、この世に生を受けるということは、生を受けさせた親の罪であるということは言うまでもなかったので、新たなる命を生み出す罪を犯さないために、私も一生結婚しないと決めてしまいました。

 ところが37歳の時に自分の人生を一変させる出会いがありました。それが漢方医療を教えてくれた薬剤師の妻であり、漢方を完全に習熟していた岳父との出会いがあったのです。なぜそれまで結婚しなかったのかについて妻に語ると、「漢方を飲むと良くなるよ」と勧められました。京都府立医大では漢方の「か」の字も出なかった時代ですから、濃度の濃い濃い大量の漢方煎じ薬を飲むことに無理やりさせられたのですが、なんと6ヶ月後には様々な症状が消えていったのです。ここで私は天啓と言ってもいいほどの漢方のすごさに驚き、頭も明晰になり始め、初めて医学や漢方の勉強を本格的にできるようになったので歩きながら特に漢方を勉強し始め、わからないところがあれば、妻と岳父に聞くことによってマスターし尽くしたのです。

 その後、ステロイドを使わずに漢方だけを実践することによって何十万人の難病を治してきたのです。そして15年前に私の中学校から始まった病気は、ヘルペス脳炎であるということも診断することができたのです。かつヘルペス脳炎の中にアルツハイマー病、パーキンソン病、てんかん、精神分裂症(統合失調症)、筋萎縮性側索硬化症、レビー小体型認知症、重症筋無力症、多発性硬化症、脳炎、髄膜炎、睡眠時無呼吸症候群、ナルコレプシー(居眠り病)、ギラン・バレー症候群、運動失調症などの数多くの難病は全て神経に住み着く8種類のヘルペスウイルスとの戦いで生じる病気であることを臨床的に見つけることができたのです。

 私も55年悩んできたヘルペス脳炎の治療のためと、かつアルツハイマー病の予防投与のために、大量の抗ヘルペス剤を飲み続けているので、73歳のクソよぼジジイ医者ですが、脳の働きは世界中のどんな医者にも負けなくなりつつあります。このように自分の病気を診断し、かつ治療できるのは私自身しかいないのは、私が3つ目の大学である京都府立医科大学を卒業し、免疫を上げる漢方や鍼灸などの中国医学だけを使うことによって初めて可能になったのですから、16歳から37歳まで続いた自殺企図の時代を乗り越えて生き続けた意味はあったと、近頃は自分の人生を肯定的に捉えることができるようにやっとなりました。きたる3月7日が74歳の誕生日ですが、私の青春時代が初めて始まる第1日目の誕生日祝いを心の中だけで密かにやろうと考えています。何故ならば私は未だかつて誕生日祝いをしたことがないうえに、3月7日が来るたびに母親に罪を犯させた呪う日だと決めていたので、自分の心の大変化に大いに驚いています。もちろん家族には言うつもりはありませんが。

 長いイントロダクションになりましたが、ヘルペスが人類の絶滅まで最後に残る病気の原因であるということは言い続けています。もちろん全ての人がヘルペスにかかっているわけですが、全ての人がヘルペスとの戦いで病気が出るわけではありません。免疫を自分自身のストレスのために抑え続けたり、医者から免疫を抑える薬を出され続けた人は、その間ヘルペスが増殖し、免疫が戻った時に、そのような人達だけにヘルペスとの戦いによるヘルペス感染症が新たに始まるのです。

 まずは世界中で一番長寿国の一つである日本において、一番問題になっている病気はなんでしょうか?アルツハイマー病(AD)でしょう。統計の取り方で変わりますが、日本では約500万人の老人がアルツハイマー病(AD)であり、軽度のアルツハイマー病(AD)を入れると、1000万人を越えるともいわれています。このアルツハイマーの原因がヘルペス1型であるということが証明された論文が英国のマンチェスター大学の女性名誉教授であるRuth Itzhaki(ルース・イツザーキ)によって書かれた「ヘルペス1型がアルツハイマーの原因である」という論文の簡潔な要約文を下にまず英語で掲載します。それを1行ずつ私が逐語訳のみならず意訳もせざるを得ない場合もあります。必要であれば原文の英語の内容にコメントと解説を加えることがあります。もちろんGoogleの翻訳機である“google 翻訳”も医者ではないので、あちこちで翻訳の間違いがあります。その間違いも訂正しながら正しい翻訳を提示しましょう。

 このRuth Itzhaki(ルース・イツザーキ)の要約文の後に、Ruth Itzhakiが書いた長い元の論文を英国のオックスフォード大学の臨床神経科学科が中心となって論評し編集し、精密に調べられた2018年10月19日に発表されたオックスフォード大学の論文の全文の英語を掲載し、その翻訳を後で私が行いながらコメントも加えたいと思います。この英語の論文の全文は長文であり、かつ専門の医学者が書いた極めて優れた論文なので、これを全訳することは私にとって最高の勉強になるので楽しみです。何故ならば、私が50年以上苦しみ戦ってきたヘルペス脳炎に対する世界の医学者の正しい診断と治療の根拠を完全に知ることになるからです。いうまでもなく、私自身は15年前に知り、かつ現在は抗ヘルペス剤のアシクロビルを大量に飲むことによって既に治療していますが。さらにこの論文によって、私のヘルペス脳炎で始まった苦しみの半生が、最後はヘルペス脳炎に対する完璧な診断と治療をし尽くしてハッピーエンドで終わるという確信を持って残りの人生を終えるのみならず、全世界の3500万人のアルツハイマー患者を救済して死ぬことができるからです。これも私自身が50年以上も悩んできた病気のために医者になり、全てのヘルペス脳炎を治し切る道筋を残せるのも、私の人生も無駄ではなかったと納得して死ぬことができるのです。こんな素晴らしい死に方が他にあるでしょうか?

 Alzheimer’s disease (AD) is a major brain disease, afflicting about 18 million elderly people worldwide. This figure will rise with increasing longevity, so there is an urgent need for effective treatment. The brains of AD sufferers contain many abnormal deposits called plaques and tangles, which are thought to play a crucial role in the disease. However, the causes of their formation and of the disease itself are unknown. We have been investigating whether a common virus has a role in AD. We found that many elderly people harbour this virus within their brain but only those who have a specific genetic factor are at risk of developing AD.

  (アルツハイマー病は、主たる脳の病気であり、世界中の1800万人の初老の人たちを苦しめています。)(実は現在アルツハイマー病で悩んでいる人は3500万人といわれています。)この数字は長くなっていく寿命とともに上昇していくでしょう。だから効果的な治療が早急に必要なのであります。AD患者の脳はプラーク(老人斑)やタングル(もつれ)といわれる多くの異常な沈殿物を含んでいます。プラークやタングルはADという病気では非常に重要な役割を占めていると考えられています。しかしながら、このような形生物の原因や、かつAD自身の病気の原因はわかっておりません。私たちは普通に見られるウイルスがADにおける役割を占めているかどうかをずっと研究してきました。私たちは初老の老人たちが脳に隠れさせているが、ただ特異的な遺伝子因子を持っている人だけがADに罹患する危険があるということを見つけました。)(この特別な遺伝子というのが、アポリポタンパクE(ApoE)といって、みなさんご存知のように脂質異常症の時にVLDL、LDL、IDL、HDLという話を聞かれたことがあるでしょう。特にLDLは悪玉コレステロールを運ぶリポタンパクであり、HDLは善玉コレステロールを運ぶリポタンパクであることを聞いたことがあるでしょう。この4つのVLDL、LDL、IDL、HDLのリポタンパクを構成している主なアポリポタンパクの一つがApoEなのです。このApoEというタンパクの遺伝子はε2、ε3、ε4の3つの対立遺伝子(アリルといいます)があります。それぞれに遺伝子に対応するタンパクE2、E3、E4の3つの種類があります。ところがこのApoEが多いと、アルツハイマー病(AD)の危険因子だということがわかったのです。

 ApoEは幹細胞で産生され、全身の他の臓器に必要なコレステロールや脂肪酸を運搬してくれます。肝臓の細胞の外に排出されたApoEタンパクは、今言ったコレステロールや脂肪酸と複合体を形成してリポタンパクとして血中に存在しています。そして色々な細胞表面にあるApoE受容体であるVLDL受容体、LDL受容体、IDL受容体、HDL受容体に結合し、血中にある細胞外の脂質を細胞内へ運ぶ際のリガンドとして機能するのです。逆にApoEは細胞からコレステロールやリン脂質などを引き抜く作用を持っています。コレステロールは脂質であることを知っておいてください。つまりこの2つの機能は、ApoEは脂質代謝を制御しているのです。医院などの検査でHDLコレステロール(HDL-C)が高い人は、細胞からHDLがコレステロールを引き抜く力があり、一方LDLコレステロール(LDL-C)が高い人は、細胞外からLDLが細胞内にコレステロールを運ぶ力があります。従ってLDLが高い人は、血管の内皮細胞にコレステロールがたまりやすいので動脈硬化になりやすく、一方HDLが高い人は血管の内皮細胞からコレステロールを引き抜く力が強いので動脈硬化になりにくいのです。1993年にApoEの対立遺伝子の一つであるε4が高い家族はAD患者が多く、かつε4の遺伝子数が増加するほどADの発症年齢が低下し、発症率も高いことが発見されたのです。その後、家族性だけではなく、AD患者においてApoEε4の遺伝子型を持っている人がなりやすいということもわかったのです。

 ApoEは中枢神経系では免疫細胞であるアストロサイト(星状細胞)やミクログリア(小神経膠細胞)で産生され、これらの細胞から分泌されたApoEは、4つのVLDL、LDL、IDL、HDLのリポタンパクと結合し、神経細胞表面に存在するApoE受容体を介して神経細胞の中に取り込まれるのです。アポリポタンパクは中枢神経系の発達や神経細胞損傷の修復に必要なコレステロールなどの脂質を神経細胞に輸送しているのです。

 皆さん、余談ですが、なぜ神経細胞がコレステロールや脂肪酸などの脂質が必要なのかご存知ですか?簡単に言えば、それは以前に述べたことがあるのですが、神経軸索は髄鞘(ミエリン)で覆われており、脂質の含有率が70%と高く、軸索を通る電気信号が漏れないように電気的な絶縁効果を高めていることはご存知でしょう。ユダヤ人の中でも特にアシュケナージは、遺伝的にスフィンゴ脂質が多いので跳躍伝導がしやすくなり、神経の電気信号の伝達が漏れることなく素早く伝わるので頭の回転が早く、記憶力が極めてよいので天才が多いということを述べたことがありますね。スフィンゴ脂質はさらにシナプスの樹状突起の成長が非常に早いということも述べたことがあります。ところがあまりにもスフィンゴ脂質が多くなると、3つの遺伝子病であるテイサックス病やニーマンピック病やゴーシェ病などにかかりやすく、スフィンゴ脂質が多すぎると、さらに死に至ると生殖が不可能な病気になることを書いたことがあります。

 本論のApoEに戻りましょう。ApoEε4以外の遺伝子型を持つアルツハイマー病の患者も存在したり、またApoEε4を持っていてもアルツハイマーを発症しないこともあるので、ApoEε4はADが生じる直接的な原因ではないのですが、あくまでも非常に強い遺伝的危険因子であることがわかっております。だからこそ本当の直接的なADの原因は単純ヘルペス1型であるということを発見したのがRuth Itzahkiさんであるのです。もちろんなぜApoEε4という遺伝子によって作られたタンパクであるApoE4というのがADの一番大きな危険因子であるかについては誰もまだ知りません。ただApoEは抗酸化作用を持っており、一番強い抗酸化作用を持っているのはApoE2 であり、一番弱い抗酸化作用を持っているのはApoE3であることがわかっております。注意してもらいたのは、ApoEε4は遺伝子型であって、ApoE4は表現型であります。遺伝子型というのはタンパクを作る暗号としての遺伝子そのものであり、表現型というのは遺伝子の命令によって作られたタンパクであることをしっかり分別しておいてください。

 さらに説明を加えておくと、ApoE遺伝子にはε2、ε3、ε4の3つの対立遺伝子があり、それぞれの遺伝子によって発現されたタンパクにE2、E3、E4があるということは既に述べました。実はこのE2、E3、E4は3つのアイソフォームが存在するというべきだったのです。アイソフォームは、別名イソ型とも呼ばれます。E2、E3、E4は3つのアイソフォームが存在するという意味は、3種類のタンパク質があるのですが、この3つのタンパク質は機能的には同じでありますが、構造的には一部分異なったタンパク分子であるという意味です。つまり同一遺伝子産物でありますが、mRNAのスプライシングの違いや、タンパク質のプロセッシング(加工)の違いで作られるのです。)

 Subsequently we discovered that the viral DNA is located specifically within plaques; also, infection with this virus causes production of the main components of plaques and tangles (called beta-amyloid and abnormal tau), indicating that the virus might be a cause of these abnormal deposits. Our recent experiments with antiviral agents indicate that they might be an effective treatment to slow AD progression in that they decrease the levels of beta-amyloid and abnormal tau which the virus induces. Also, the future possibility exists of prevention of the disease by vaccination against the virus.

 (その結果、私たちはプラーク(老人斑)の中に)ウイルスのDNAが特異的に存在していることを見つけました。かつ、このウイルスの感染がβアミロイドと呼ばれるプラークや、異常なタウタンパクと呼ばれるタングルなどの主なる成分を産生する原因となることも発見しました。このことはウイルスがこれらの異常な沈殿物の原因となるということを示しているのです。抗ウイルス剤を用いた私たちの最近の実験は、ADの進行を抑えるための効果的な治療であるということを示しています。何故ならばそのような抗ウイルス剤が、ウイルスが引き起こすβアミロイドや、異常なタウタンパクの量を減らすからです。)(この抗ウイルス剤というのが、まさにアシクロビルという抗ヘルペスウイルス剤なのであります。)(また、このウイルスに対するワクチンによってADという病気の予防の可能性が存在しているのです。)(このウイルスというのがヘルペス1型ウイルスであります。もちろんヘルペス1型に対するワクチンというのは作ることは無理です。何故ならばヘルペスウイルスは感染しても殺しきることができなくて、感染した細胞の核にエピソームの形で隠れてしまうので、仮に記憶T細胞や記憶B細胞が存在しても、意味がないからです。Ruth Itzhakiさんは臨床家ではないので、この事実をご存じないのです。)
今日はここまでです。2019/02/28



(アルツハイマー病(AD)は主要な脳疾患であり、世界中で約1,800万人の高齢者が苦しんでいます。この数字は寿命が長くなるにつれて上昇するため、効果的な治療が急務です。AD患者の脳は、プラークおよびもつれと呼ばれる多くの異常な沈着物を含み、これらは疾患において決定的な役割を果たすと考えられている。しかしながら、それらの形成および疾患自体の原因は知られていない。我々は、一般的なウイルスがADにおいて役割を果たすかどうかを調査しています。我々は、多くの高齢者が脳内にこのウイルスを抱えていることを発見したが、特定の遺伝因子を有する人々だけがADを発症する危険がある。その後、ウイルスDNAがプラーク内に特異的に存在することを発見しました。また、このウイルスに感染すると、プラークおよびもつれの主成分(ベータアミロイドおよび異常タウと呼ばれる)が産生され、ウイルスがこれらの異常な沈着物の原因である可能性があることを示しています。抗ウイルス剤を用いた我々の最近の実験は、それらがウイルスが誘発するベータ - アミロイドおよび異常なタウのレベルを減少させるという点で、それらがAD進行を遅らせるための有効な治療法であり得ることを示す。また、ウイルスに対するワクチン接種による疾患の予防の将来の可能性が存在する。Google 翻訳)

Corroboration of a Major Role for Herpes Simplex Virus Type 1 in Alzheimer's Disease.(アルツハイマー病における単純ヘルペス1型が果たしている主な役割の証拠)

Itzhaki Ruth F.(イツザーキ・ルーフ・F)
Author information(著者のイツザーキ・ルーフ・Fが提供する情報)

Abstract(概要)
 Strong evidence has emerged recently for the concept that herpes simplex virus type 1 (HSV1) is a major risk for Alzheimer’s disease (AD). This concept proposes that latent HSV1 in brain of carriers of the type 4 allele of the apolipoprotein E gene (APOE-ε4) is reactivated intermittently by events such as immunosuppression, peripheral infection, and inflammation, the consequent damage accumulating, and culminating eventually in the development of AD. Population data to investigate this epidemiologically, e.g., to find if subjects treated with antivirals might be protected from developing dementia—are available in Taiwan, from the National Health Insurance Research Database, in which 99.9% of the population has been enrolled. This is being extensively mined for information on microbial infections and disease. Three publications have now appeared describing data on the development of senile dementia (SD), and the treatment of those with marked overt signs of disease caused by varicella zoster virus (VZV), or by HSV. The striking results show that the risk of SD is much greater in those who are HSV-seropositive than in seronegative subjects, and that antiviral treatment causes a dramatic decrease in number of subjects who later develop SD. It should be stressed that these results apply only to those with severe cases of HSV1 or VZV infection, but when considered with the over 150 publications that strongly support an HSV1 role in AD, they greatly justify usage of antiherpes antivirals to treat AD. Three other studies are described which directly relate to HSV1 and AD: they deal respectively with lysosomal changes in HSV1-infected cell cultures, with evidence for a role of human herpes virus type 6 and 7 (HHV6 and HHV7) in AD, and viral effects on host gene expression, and with the antiviral characteristics of beta amyloid (Aβ). Three indirectly relevant studies deal respectively with schizophrenia, relating to antiviral treatment to target HSV1, with the likelihood that HSV1 is a cause of fibromyalgia (FM), and with FM being associated with later development of SD. Studies on the link between epilepsy, AD and herpes simplex encephalitis (HSE) are described also, as are the possible roles of APOE-ε4, HHV6 and HSV1 in epilepsy.

 (1型単純ヘルペスがアルツハイマー病の主要な危険因子であるという考えに対する有力な証拠が最近出てきました。このような考え方が提示しているのは、まずアポプロテインEε4遺伝子(ApoE-ε4)の保持者の脳に潜伏しているHSV-1(1型単純ヘルペスウイルス)が、色々な病気に関わる出来事によって、時に再活性化されます。例えば免疫抑制や、末梢での病原体感染や、炎症などであります。その結果生じる障害が蓄積し、そしてその結果最終的にはアルツハイマー病(AD)を発症するのです。)(活性化されるという言葉は、使うべきではないのです。現代の医学界は「ウイルスの活性化」という言葉が大好きでありますが、これほど曖昧な言葉はないので廃止すべきです。何故ならば、「活性化」という言葉の中には全く相反する2つの意味が含まれているからです。一つは、免疫を抑えることによってウイルスが増殖するという意味と、別の病原体感染が起こって免疫が高まってヘルペスウイルスとも戦い始めるという2つの全く違った意味があるからです。つまり活性化という言葉には、免疫を抑制することと、免疫を高めるという相反する意味が同時にあるからです。正しい活性化という言葉の使い方は、免疫が上がるか免疫が下がるかのどちらかにすべきです。医学において似たような間違った言葉の使い方があちこちにあります。研究者が製薬メーカーからお金をもらって研究をした時に、自分の研究と研究費を出してもらった製薬メーカーとの間に利益相反はないと常に書く必要があります。ということは、純粋に研究のためにお金を製薬メーカーに援助してもらっただけで、決して製薬メーカーの金儲けのためにやる研究ではないということを明言しているはずなのですが、実は製薬メーカーのために働いていると自ら宣言しているということに気づいていないのです。何故ならば、「利益相反とは、ある行為により、一方の利益になると同時に、他方への不利益になる行為である」からです。アッハッハ!正しくは利益相同ではないというべきなのに。アッハッハ!) (この事実を疫学的に調査することができる人口データは、つまり、抗ヘルペス剤(アシクロビル)で治療された被験者(患者)が、台湾において痴呆にかかることがないかどうかを見つけるための人口データは、台湾の人口の99.9%が登録されている国民健康保険研究データベースから手に入れることができるのです。このデータから微生物感染と様々な病気についての情報を広く今でも探し出せるのです。3つの出版物が今出版されておりそこに書かれていることは1つ目が老人性痴呆(SD)の発症のデータと、2つ目は水痘帯状疱疹ヘルペス(VZV)、またはヒト単純ヘルペスウイルス(HSV)によって引き起こされたヘルペスの病気の顕著で明確な症状を持った老人性痴呆の治療についてのデータの2つであります。そのデータから得られたインパクトの強い結果が次の2つのことを示しました。老人性痴呆(SD)になる危険率は、HSV血清検査陰性(HSV-IgG抗体陰性)の被験者は、HSV血清検査陽性(HSV-IgG抗体陽性)の被験者よりもはるかに小さいのみならず、抗ヘルペス剤治療をやった人は、のちに老人性痴呆(SD)を発症するリスクが劇的に減ったというのです。強調されるべきことは、2つあります。一つは、こういう結果は、抗ヘルペス剤を使うのは、HSV1とVZV感染症が重篤である患者にのみ適用すべきであるということと、もう一つはアルツハイマー病(AD)におけるHSV1の役割を強く支持している150以上の既に出版されている刊行物があることを考えれば、ADを治療するために抗ヘルペス剤のアシクロビルを使うことの正当性を証明していることです。この2点が、台湾の国民健康保険研究データベースの調査の結果であります。さらに他のヘルペスについての3つの研究は、HSV-1とADが直接つながりがあるということを詳しく述べています。この3つの研究のそれぞれは、HSV-1に感染した細胞を培養した時のライソソームの変化を取り扱い、その結果、なんとアルツハイマー病(AD)を引き起こすのに、6番目のヘルペスウイルス(HHV-6)と、7番目のヘルペスウイルス(HHV-7)も役割を占めている証拠も見つけました。さらにヘルペスウイルスに感染した細胞の遺伝子発現におけるウイルスの影響をも見つけ出し、さらにかの有名なβアミロイド(Aβ)がウイルスに抵抗する特性もあることを見つけました。) (ライソソームというのは、英語で“lysosome”と書き、リソソームやリソゾームライソゾームや、水解小体(すいかいしょうたい)とも言われます。真核生物が持つ細胞小器官の一つであります。語源は、“lysis(分解)”と“some(〜体)”に由来します。生体膜(細胞膜)につつまれた構造体で、細胞内で様々な物質を消化する場所です。ライソソームの内部には加水分解酵素があり、エンドサイトーシスやオートファジーによって細胞内に取り込まれたウイルスなどや、他の生体高分子はライソソームで加水分解されます。分解された物体のうち有用なものは、細胞質に出て行きます。不用物はエキソサイトーシスによって細胞外に廃棄されます。単細胞生物においては、リソソームが消化器官として働いています。また植物細胞では液胞がリソソームに相当する細胞内器官です。
 「アルツハイマー病(AD)において、6番目のヘルペスウイルス(HHV-6)と、7番目のヘルペスウイルス(HHV-7)が役割を占めている証拠」は2つめの英語の論文に詳しく書かれていますので、その翻訳を楽しみに待ってください。「ヘルペスウイルスに感染した細胞の遺伝子発現におけるウイルスの影響をも見つけ出し」の意味について説明しましょう。ヘルペスウイルスは、細胞に感染するとトランスフォーメーション(形質転換)といって、その細胞の遺伝子に自分の細胞をアトランダムに侵入させ、違ったタンパク質を作らせるという意味です。さらに「かの有名なβアミロイド(Aβ)がウイルスに抵抗する特性もある」というのはどういう意味でしょうか?みなさんご存知のように、世界中の製薬メーカーは、アルツハイマー病(AD)はβアミロイド(Aβ)とタウタンパク質が原因なので、この2つのタンパク質を除去する薬を何十年も探し回っていますが、失敗に終わっている話はみなさんご存知でしょう。実はβアミロイド(Aβ)とタウタンパク質の2つは、ヘルペスウイルスと戦う武器に過ぎないということを示唆しています。これについては後に詳しく書かれています。(このお互いに直接には関わりのない3つの研究は、まず一つはHSV-1を標的とした、つまり抑制するための抗ヘルペス剤を用いた治療に関わる統合失調症(精神分裂症)を取り扱い、2つめはHSV-1が線維筋痛症(FV)、3つ目は線維筋痛症(FV)は後年になって老人性痴呆症(SD)の発症に関わっているという研究の3つであります。)(この文章は、統合失調症も線維筋痛症も老人性痴呆症も、HSV-1が関わっていることを示しているのです。統合失調症は、今なお遺伝子病と考えている人が多いのですが、実は1型ヘルペスウイルスによるものなのです。
 2つ目の線維筋痛症というのは、正しくは神経線維筋痛症というべきであって、線維性組織や筋肉や腱や靭帯などの結合組織の痛みを特徴とする関節リウマチでない痛みを伴う疾患であります。組織に痛みがあるにも関わらず、炎症がないという特徴的な病気が線維筋痛症であります。これは何を意味しているでしょうか?答えは極めて簡単です。組織に痛みがあるというのは、その組織の痛みを感じる神経に1型ヘルペスウイルスが存在し、そこでヘルペスと免疫が戦っているということを示しています。この免疫の働きの細胞はNK細胞です。以前書いたことがあるのですが、元来、神経細胞はMHC-1がほとんど存在しないので、キラーT細胞がヘルペスを認識することはできません。したがってMHC-1が要らないNK細胞が髄鞘と髄鞘の隙間のランビエ絞輪や神経細胞体から軸索が始まる軸索起始部に現れるヘルペスウイルスを察知し、殺しにかかっている時の刺激や傷を痛みとして感じているのです。
 老人性痴呆症(SD)は、英語で“senile dementia”といいます。老人の記憶や知的能力が徐々に悪くなり、錯乱した行動をとるようになる状態を言います。実は、老人性痴呆症の種類には5つあります。1つ目がアルツハイマー病、2つ目が血管性認知症、3つ目がレビー小体病、4つ目がピック病(前頭側頭型認知症)、5つ目が若年性認知症の5つです。
 レビー小体病“Dementia with Lewy bodies”は、アルツハイマー病の60%に次いで多い病気で、老人性痴呆の約20%を占めています。この病気は物忘れもあり、一見アルツハイマー病に似ています。主に大脳皮質の多数の神経細胞内に「レビー小体」という特殊な変化が現れるもので、レビー小体型認知症、びまん性レビー小体病とも呼ばれます。レビー小体は、パーキンソン病に特徴的なものと見なされていましたが、レビー小体が脳の下方の脳幹に出るのに対し、レビー小体型認知症の場合は、大脳皮質全体に出現します。パーキンソン病患者の場合、中脳のドーパミン神経が変性脱落しますが、レビー小体型認知症の場合は、中脳を顕微鏡で見ると、神経細胞の中に特殊な異常な構造物があり、これを「レビー小体」と呼びます。この構造物を細胞封入体と呼びます。細胞封入体はサイトメガロウイルスが細胞にエピソームの形で隠れている姿なのです。
 ちなみに封入体には3種類あります。レビー小体のように細胞質内に形成される封入体を細胞質内封入体、核内に形成される封入体を核内封入体、両者に形成される封入体を混合型封入体と呼ぶのです。ちなみに封入体形成についてはヘルペスウイルスのサイトメガロウイルスが有名ですが、サイトメガロウイルスが感染した細胞にフクロウの目に類似した巨細胞封入体が生じるのは、核内および細胞質内の両者に封入体がみられる混合型封入体であります。8つのヘルペスウイルスの中で一番大敵なのがサイトメガロウイルスであります。サイトメガロウイルスについてはいずれ詳しく詳しく書くつもりです。
 血管性認知症は、脳の血管が詰まる脳梗塞や、血管が破れる脳出血などのように、脳血管に障害が起きると、その周りの神経細胞がダメージを受けて、脳障害が起こるのです。)

(さらにヘルペスと脳疾患に関わる様々な研究がなされています。例えばてんかんと単純ヘルペス性脳炎(HSE)の関連についての研究、さらにアルツハイマー病(AD)と単純ヘルペス性脳炎との関連の研究がされて、いずれも詳しく書かれています。同じように、てんかんにおけるApoE-ε4、HHV-6、HSV-1の可能な役割も研究され詳しく書かれています。)(一言で言えば、8種類のヘルペスウイルスの最大の特徴はなんだと思いますか?8種類とも全身に張り巡らされている神経を構成しているあらゆる神経細胞に住み続けることです。しかも既に述べたように、神経細胞にはMHC-1というタンパク質がないことを充分に知っておいて下さい。MHC-1とは一体何でしょうか?それは病原体(ウイルス)が細胞に入った時に、病原体(ウイルス)を分断してペプチドにしてMHC-1タンパク質に乗せて、この両者をキラーT細胞に見せる仕事をしますね。病原体(ウイルス)を殺すことができる高等免疫の唯一の武器はキラーT細胞でありますね。このキラーT細胞が異物を敵だと認識できるのは、その異物に絶対にMHC-1が乗せられる必要があるのです。ところが一旦神経細胞にヘルペスウイルスが入り込むと、ヘルペスを細胞もろとも殺すことができる最強のキラーT細胞は、無力になってしまうのです。なぜならば神経細胞にはMHC-1が存在しないからです。だからこそ、ずる賢い8種類のヘルペスウイルスは5億年前に地球上に初めて生まれた脊椎動物の神経に隠れ始め、今なお、あらゆる脊椎動物の神経細胞に潜み、繁栄を続けているのです。しかも脊椎動物は中枢神経があるからこそ脊椎動物が地球の生物のトップに君臨しているのです。この中枢神経にヘルペスウイルスが侵入したら何が起こるのでしょうか?私が16歳から悩み続け、今も悩んでいるヘルペス脳炎が起こるのです。皆さんご存知のように、人間の神経はまず大きく2つに分かれますね。末梢神経と中枢神経です。さらに3つにも分けることができます。それは運動神経と知覚神経と自律神経であります。とりわけ中枢神経である脳に住み着いたヘルペスウイルスが、今この英語の論文が問題にしているアルツハイマー、統合失調症(精神分裂症)、てんかんに関わりがあるのは当然のことなのです。)
今日はここまでです。2019/03/07



Introduction(前書き)
 The viral concept of Alzheimer’s disease (AD) proposes that herpes simplex virus type 1 (HSV1) in brain of apolipoprotein E gene (APOE-ε4) carriers accounts for some 60% of cases (Itzhaki et al., 1997). Most of the population is infected with this virus by the age of 70. The concept postulates that HSV1 travels to the brain probably in middle age, where it remains in a latent state, with very limited transcription and probably very low or zero protein synthesis. Reactivation from latency occurs intermittently, caused by events such as immunosuppression, peripheral infection and inflammation. Accumulation of the consequent damage—direct viral action and major inflammatory effects—leads eventually to the development of AD (Wozniak and Itzhaki, 2010).

(アルツハイマー病がウイルスが原因であるという概念は次のようです。まずapo-lipo-protein E gene (APOE-ε4)の遺伝子を持っている人の脳の中にいる1型単純ヘルペスウイルスが約60%の症例を占めているというわけです。)(私の臨床経験では、人口のたった60%どころか90%の人が、成人までに1型単純ヘルペスウイルス(HSV-1)に感染しています。しかし、私の患者の中には極めて稀にHSV-1に感染していない人が見られることがあります。) (人口の大部分は70歳までにはこの1型単純ヘルペスウイルス(HSV-1)にかかっています。このADの原因がヘルペスウイルスという概念はさらに次のように示しています。HSV-1はいわゆる免疫が正常である時は潜伏感染の状態にとどまり、増殖が行われていません。つまり免疫が正常である限りは非常に限られたヘルペスウイルスの転写だけが見られ、ほとんどHSV-1の増殖のためのタンパク合成が行われていないのです。)(先ほど述べたように、HSV-1は死ぬまでに全ての人が感染しているのでありますが、免疫を自分で抑えたり、医者にステロイドホルモンを出されない限りは、生涯潜伏感染の状態で終わるものなのです。従って、ストレスがない人や、病気で医者にステロイドホルモンや不妊治療で黄体ホルモンを出されない限りは、免疫は落ちることがないので、潜伏感染しているHSV-1が増殖することはないのです。ということは、HSV-1によるアルツハイマー病はステロイドホルモンを出しすぎたり医者に投与されすぎたりした人がなるものです。黄体ホルモンは代謝された後、コルチコステロンという副腎皮質ホルモンになるから、免疫を抑えてしまうのです。もちろん、現代の競争資本主義社会においてストレスのない人などというはほとんど皆無ですがね。アハハハ!)

(潜伏感染からHSV-1が再活性するのは時に起こりますが、それは免疫抑制や感染や炎症のような出来事によって引き起こされるのであります。)(以前も述べたことがあるのですが、ヘルペスウイルスの再活性は免疫を抑制することによって増えるということです。ところが感染や炎症が起こった時には免疫が上がるので、隠れていたヘルペスとの戦いが新たに始まるという意味ですから、この論文の著者であるItzhaki(イツザーキ)さんの理解は、まるっきり間違っているのです。というのは、免疫抑制の状態では増えるだけですから、外から臨床的には再活性しているかどうかはわかるはずがないのです。しかも感染や炎症が起こった時に、免疫が上がっているからヘルペスの戦いも始まり、その結果、臨床的にいわゆる再活性しているように見えるだけで、再活性化という状態の時には症状は何もないのです。Itzhaki(イツザーキ)さんは研究者ですから、臨床をしておられないので、このような間違った解説になるのです。というよりもItzhaki(イツザーキ)さんは免疫学を充分に勉強されているはずなのですが、世界中の優れた免疫学者の間違いに気が付いていないので、世界中の他の医者と同じような間違いを犯してしまうのでしょう。残念ですが。)
(このような再活性によって生じる傷の蓄積が、言い換えると、直接的なウイルスの活動と脳での免疫とヘルペスウイルスとの戦いによる主要な炎症の結果がアルツハイマー病(AD)の発症を最終的にもたらすのです。この事実を2010年にWozniak(ウォズニャーク)とItzhaki(イツザーキ)が発表しています。) (この言い方も問題があります。the consequent damageというのは、脳に対する障害という意味のようですが、もっと詳しく説明しましょう。まずHSV-1が幼少期に母親から唾液から乳幼児の口や喉や鼻に入りこみ、周辺の細胞や末梢神経節に侵入し、そこで潜伏感染を続けます。とりわけ鼻の粘膜には匂いを感知する嗅覚神経受容体があります。アレルギー性鼻炎とか花粉症の治療でリンデロン(ステロイド)の点鼻薬を用いると鼻粘膜の免疫が落ちて第一脳神経である嗅神経に感染します。この嗅神経の神経細胞に感染したヘルペスウイルスが免疫が正常であれば潜伏感染で隠れるのですがリンデロンを使えば使うほど、潜伏感染をしていたHSV-1は増殖感染を始め増殖したHSV-1はさらに神経を上行し、最後は中枢神経の海馬へと侵入していくルートがヘルペスウイルスがいとも簡単に脳の中枢に感染するルートであります。一方、脊髄神経から脳へ入っていくルートもあります。免疫が下がるたびごとに末梢神経から増えたHSV-1が徐々に徐々に脊髄神経に入っていき、さらに上行し中枢神経に入ります。このルートは嗅神経から入るルートに比べてはるかに時間がかかるのです。免疫が下がるたびごとに、HSV-1は長い時間をかけて増殖し脊髄の神経細胞を殺しながら中枢神経のADを起こす神経細胞に入り込んでしまうのです。
 ALSという病気はご存知ですね。ALSは英語でAmyotrophic lateral sclerosisといい、日本語で筋萎縮性側索硬化症と訳します。ALSは、運動神経系が少しずつヘルペスウイルスによって犯されて神経細胞変性を起し運動神経細胞が死んでいくのです。重篤な筋肉の萎縮と筋力低下をきたす運動神経変性疾患です。筋肉そのものの病気ではなく、筋肉を動かし、かつ運動をつかさどる神経(運動ニューロン)だけが障害をうけます。その結果、脳から「手足を動かせ」という命令が運動を行う筋肉神経に伝わらなくなることにより、力が弱くなり、筋肉がやせていきます。その一方で、体の感覚、視力や聴力、内臓機能などはすべて保たれます。ALSの患者は、長い間、発症後3~5年で生じる呼吸筋麻痺や嚥下筋麻痺で亡くなる病気です。これらのすべての症状はヘルペスウイルスによるものです。

 ADの始まりの症状はなんでしょうか?それは軽度の記憶障害から始まります。記憶に関わりが一番深い神経細胞はなんでしょうか?それは海馬の神経細胞であります。海馬について詳しく勉強しましょう。海馬の勉強を始める前に、海馬をめぐる脳について勉強する必要があります。いうまでもなく、脳の全てを勉強することはまず不可能ですから、まず海馬に直接関わる大脳辺縁系や大脳基底核などについて少し詳しく勉強しましょう。ついでにヘルペスが原因であるパーキンソンについても触れることになるでしょう。というのは、大脳基底核にある黒質が作るドーパミンが少なくなると、パーキンソン病が生ずるからです。パーキンソン病もヘルペスが関わっているのです。その証拠を後で説明しましょう。脳の病気は、遺伝子の異常によって生ずる遺伝子病でない限りは、長い時間をかけて必ず外部から侵入する異物が脳神経細胞に入りこみ、最後は脳の免疫に発見され、脳神経細胞が異物ともども免疫細胞に殺されてしまう結果、生じるのです。永遠に殺せない異物は、しかも神経が大好きな異物はヘルペスウイルス8種類しかないからです。
 パーキンソンは大人の病気でありますが、実は同じ病気が子供にもあるのです。瀬川病といわれている筋緊張異常によるジストニアを主徴とする小児のパーキンソン病といってもいい病気です。ジストニアとは、意志によらない自分では制御できない運動(不随意運動)の一つで、比較的長い筋肉の収縮により生じます。ジストニアは体の様々な部位にみられ、斜頸、顔面痙攣、書痙(字を書く時、けいれんや痛みなどが起こって書けなくなる。)などがあります。多くの場合はジストニアにより意志による運動(随意運動)が妨げられます。たとえば、足のジストニアでは歩行障害や転倒の原因となり、体幹のジストニアではねじれ(捻転ジストニア)により日常生活が妨げられます。パーキンソンで見られる振戦(ふるえ)やミオクローヌス(筋肉のピクツキ)などを伴うことが多々あります。パーキンソンと同じ治療薬であるL-DOPAが著効を示し、その効果は副作用なく永続します。

 まず海馬は脳のどこにあるのでしょうか?海馬は英語で“hippocampus”といいます。またなぜ海馬と呼ばれるのでしょうか?下の写真をみてください。左の人の脳の海馬は、右のタツノオトシゴに似ていませんか?頭の部分が馬の頭に似ているでしょう。タツノオトシゴは英語で“sea horse”といいます。海では足が要らないので、まさにぴったりの名称ですね。

 海馬は大脳辺縁系に属する海馬体の一部です。厳密には海馬は、海馬体の一部の神経細胞層を持つ部位のみを示します。それでは大脳辺縁系とはなんでしょうか?大脳辺縁系は英語で“ limbic system”といいます。“limbic”の語源は、ラテン語の“limbus”であり“edge”という意味であり、端という意味ですね。大脳辺縁系は大脳から脊髄に続く奥深くの端っこの方にあるので大脳の辺縁にある系というのです。大脳辺縁系は、上の図の青文字で示した6つの構造物である海馬、扁桃体、帯状回、乳頭体、脳弓、中隔から成り立っています。大脳辺縁系の役割は、人間の脳で情動の表現や意欲、そして記憶や自律神経活動に関与しています。さらに生命維持や本能行動、情動行動に関わっています。とりわけ海馬は記憶の形成に、扁桃体は情動の発現に大きな役割を果たしています。

 ついでにパーキンソン病に関わっている大脳基底核についても勉強しましょう。大脳基底核は尾状核、被殻、淡蒼球の3つから成り立っています。尾状核と被殻をまとめて線条体、被殻と淡蒼球をまとめてレンズ核と呼びます。線条体が尾状核と被殻を含んでいることをしっかり覚えておいてください。線条体は新線条体と腹側線条体に分けられますが、通常は新線条体のことを指します。大脳基底核は大脳辺縁系に囲まれていますが、その様子がイメージできにくいので、大脳基底核は大脳辺縁系の関係が理解しやすいように下に絵図を掲載しておきます。その絵図を見ながら説明していきましょう。大脳基底核は英語で“basal ganglia”といい、大脳皮質はニューロンの細胞体がある場所であり、色が灰白になっているのですが、驚くべきことには神経細胞体がある皮質ではない大脳の深い所の髄質にあるにも関わらず、大脳基底核も灰白質なのです。元来、髄質は神経細胞体ではなくて神経線維があるところなのです。神経線維があるべき髄質に神経細胞体があるところが大脳基底核なのです。言い換えると、大脳基底核は、ニューロンの細胞体があり、隠れた皮質の飛び地と言ってもいいのです。

 大脳基底核は、以前は主に錐体外路運動を司る中枢と考えられてきましたが、近年では解剖学的に錐体外路という神経路が実在しない(大脳基底核から脊髄へ直接の出力はない)ということがわかったので、誤解を避けるために錐体外路という用語は次第に使われないようになってきています。錐体外路運動は、意識されない不随意運動の調節や筋肉の緊張の維持の働きがあります。私は昔から錐体外路があると教え込まれていましたので、今回勉強し直して、初めて錐体外路がないという真実を知ってびっくり仰天でした。

 大脳基底核は大脳皮質と視床、脳幹を結びつける役割を果たす神経核の集まりであります。神経核とは、英語で“nucleus”と言い、複数形で“nuclei”と言います。中枢神経内で主に灰白質からなり、何らかの神経系の分岐点や中継点となっている神経細胞体群のことです。視床や脳幹については後ほど説明します。

 哺乳類の大脳基底核の具体的な機能は、運動調節、認知機能、感情、動機付けや学習など様々な機能を担っています。大脳基底核の神経変性疾患の代表としてパーキンソン病があります。神経変性疾患というのは、ヘルペスによる神経細胞変性により神経細胞が死滅したために生じる病気であるという意味です。パーキンソン病は無動、寡動、安静時振戦、筋固縮などの運動症状がよく知られています。その他に、大脳基底核の神経変性疾患(ヘルペス性細胞変性による神経壊死疾患)としては、ハンチントン舞踏病やジストニア(不随意運動)などがあります。これら大脳基底核の異常が起こると、思わずジズトニア(不随意運動)をしてしまうことです。言い換えると、大脳基底核が随意運動の実行に重要な役割を果たすことを示していますが、その機能が正常に働かないので、知らぬ間にジストニア(不随意運動)をしてしまうのです。

 次回はパーキンソン病もアルツハイマー病も、同じくヘルペスウイルスによるものであることを証明したいと思います。パーキンソン病もアルツハイマー病も、チロシンやチロシンキナーゼが関わっていることをお伝えしておきます。次回はこの話が中心となるでしょう。乞うご期待!

今日はここまでです。2019/03/14



 The main initial discovery on which this concept was based was that HSV1 DNA was detectable in brain of both AD patients and elderly normal people (i.e., the latter were infected but were asymptomatic; Jamieson et al., 1991), the two groups differing in that most of the AD patients were APOE-ε4 carriers (Itzhaki et al., 1997). It was therefore suggested that APOE-ε4 carriers suffer either greater viral damage on reactivation or have poorer repair of such damage.
(まずこのHSV1がADの原因であるという最初の大きな発見は、次の事実に基づいていました。それは、HSV1のDNAがADの患者と初老の正常な人々の両者の脳に見いだすことができていたからです。つまり正常な人はHSV1に感染していたのですが、無症状だけであったということです。(ほとんどの人がヘルペスウイルスに感染していますが症状がない人はごまんといます。)1991年のジャミーソンらの報告です。この両者の違いは、DAの患者の大部分がAPOE-ε4の保持者である点でした。これは1997年のイツザーキらの報告です。)(以前書いたように、HSV1に感染していても、APOE-ε4の遺伝子がない人は、症状が出にくいということです。) (従って、次のことが示唆されます。APOE-ε4の遺伝子の保持者はHSV1ウイルスの再活性化によって脳の神経細胞に大きなダメージを被ったか、それともそのような傷の修復がうまくできなかったかのいずれかであります。) (何回も書いていますように、再活性化という言葉は、正しくは「免疫が落ちている間に増えたHSV1が、免疫が戻った時にHSV-1との戦いが始まったり、さらに免疫を抑えている間に新たな神経細胞に感染したウイルスもろとも、脳の免疫細胞であるグリア細胞がそのような神経細胞を殺そうとした時に」というべきなのです。さらに加えるべきは、ヘルペスが脳の神経細胞で増殖した後、その神経細胞は神経細胞変性によって壊死してしまうというべきなのです。皆さん、脳には幾つかの免疫細胞があることをご存知ですか?この免疫細胞を含めて最新の脳の研究成果をいろいろな側面からまとめてみましょう。)

 人間の脳には1000億個以上のニューロン(脳神経細胞)と、その10倍以上ものグリア細胞(脳膠細胞)があります。グリア細胞は、神経細胞の生存や機能発現のための脳内環境の維持と脳の代謝をサポートしているのみならず、脳内に侵入した様々な病原体から脳細胞を守るために免疫の役割も果たしています。とりわけ近頃は、衛生状態が良いので体外から病原体が脳内に侵入する可能性はほとんど皆無となりました。ところが殺しきれないヘルペスウイルスだけは特殊なのです。しかもヘルペスウイルスは、末梢神経であろうが中枢神経であろうが、全てシナプスで連結しているので、一旦末梢神経に入ると長い時間をかけて免疫が抑えられるたびごとに、知らぬ間に中枢神経まで増殖してしまっているのです。長い時間かけなくてもヘルペスウイルスは簡単に脳内へ入り込むことができるのです。どこから侵入すると思いますか?なんと、老若男女の鼻の粘膜にある嗅神経受容体から入り込むのです。とりわけ近頃はアレルギー性鼻炎が多くなったので、鼻炎の症状を抑えるためにリンデロンの点鼻薬を使うようになりました。第一脳神経であるとりわけグリア細胞の中で一番免疫の働きを実行するのは大食細胞に似たミクログリアであります。ミクログリアについては後で詳しく説明します。

 まず中枢神経系にある膠細胞(グリア細胞)には、1)アストロサイト(は英語でAstrocyteと書き、日本語で星状細胞と書きます)、2)上衣細胞(は英語でEpendymal cellと書きます)、3)オリゴデンドロサイト(は英語でOligodendrocyteと書き、日本語で希突起膠細胞といいます)、4)ミクログリア(は英語でMicrogliaと書き、小膠細胞といいます)の4つがあります。ちなみに、末梢神経の膠細胞は、シュワン細胞(Schwann cell)であり末梢神経の軸索に巻き付き、中枢神経のオリゴデンドロサイトと同種の細胞です。オリゴデンドロサイトは中枢神経系の神経の髄鞘を形成しています。シュワン細胞は、神経軸索を取り巻く髄鞘(ミエリン)を形成します。一方、神経膠細胞(しんけいこうさいぼうは、英語でganglional gliocyteと書きます。)とは脊髄神経節および自律神経系神経節の神経細胞体を取り囲む細胞で外套細胞、衛星細胞(サテライト細胞)とも呼ばれ細胞体を守っています。

 グリア細胞の一つである1)のアストロサイトの働きは、ニューロンが放出したイオンや神経伝達物質を取り込んで脳内環境を保持する他、ニューロンの生存に必要な神経栄養因子を合成し分泌します。また、グリコーゲンを貯蔵し、エネルギー源としてグルコースをニューロンに供給します。アストロサイトの1番大切な仕事は、血管内皮細胞とともに血液脳関門(BBB)を形成し、血液の中から脳に必要な物質だけを選択的に取り入れて、脳に有害な異物を排除する仕事があります。
 次に2)の上衣細胞の働きは、アストロサイトに似た役割を持っています。この上衣細胞は脳室内表面に細胞体があります。脳室については下で詳しく説明します。
 次に3)のオリゴデンドロサイトの働きは、脳神経細胞の軸索を取り巻く髄鞘(ミエリン)になります。
 最後に4)のミクログリアの働きは、異常代謝物、つまり脳細胞にヘルペスが侵入して増殖した後に、細胞変性効果の結果、細胞死した細胞の中の分解産物などのゴミを取り込んでさらに分解してしまいます。例えばアルツハイマーの原因といわれているアミロイドβやタウタンパクなどの異常な残骸を処理するのもミクログリアなのであります。

 皆さんご存知ですね。30年以上前から、アルツハイマーの原因はアミロイドβやタウタンパクと言われてきましたが、実は記憶障害が起こるのは海馬にある脳細胞に入り込んだ1型ヘルペスウイルスが細胞を溶解させ、細胞死させた後の後遺症に過ぎないことを知っていますね。ところが全世界の製薬メーカーはアミロイドβ(Aβ)やタウタンパク(Tau protein)がアルツハイマーの原因であると思い込んで、AβやTau protein(タウタンパク)を作らせない薬を作ろうとして失敗ばかりしていますね。原因と結果をハナから逆にしているので、ADを治す薬ができるわけはないので、こんな研究はすぐにやめたほうがいいのです。お金の無駄遣いですよね。それよりも一度もやったことのない抗ヘルペス剤を投与してあげればいいのにね。残念ですね。

 そもそもアルツハイマー病という名前はどうして付けられたのでしょうか?1906年、ドイツのアルツハイマー博士が、よく見られるものとは異なる精神疾患が原因で死亡した女性の脳組織を調べて、異常な変化に気づいたからです。彼が初めて見つけたので、彼に敬意を評してアルツハイマー病と名付けたのです。まず生存中のこの患者の症状には、記憶障害、言語障害、予測不可能な行動や認知機能の異常がありました。患者の死後、博士は患者の脳を調べ、多数の異常な凝集体(Aβ)と神経線維のもつれ(タウタンパク)を発見しました。この異常な凝集体は現在では、アミロイド斑あるいは老人斑と呼ばれ、実態はアミロイドβの凝集体であることがわかりました。神経線維のもつれは現在では、神経原線維変化と呼ばれ、タウタンパクであることがわかっております。脳内のアミロイド斑と神経原線維変化の2つは、アルツハイマー病の主な特徴ですが、さらに3つめの特徴は、脳内の神経細胞(ニューロン)間の連結(シナプス)の消失であります。

 アルツハイマー病がどのように始まるのかは、脳医学会はまだわかっていないのですが、今私が翻訳しているこの論文のイツザーキさんが証明したように、実はヘルペスの感染が長い時間をかけて脳細胞まで感染して、ヘルペスウイルスが次から次に脳細胞に感染して脳細胞を壊死させてしまったからです。従って脳の障害は、ヘルペスが最初に脳に感染してからADの症状が出現するまで、10年以上もかかっているのです。ADの発症前の症状のない段階においても、すでに脳の中ではヘルペスウイルスとの戦いが起こり始めているのです。アミロイドβ(Aβ)蓄積はアルツハイマー病発症から15〜20年以上前に始まり、引き続いてタウ病変が起こっているので、老人斑蓄積が確認される健常者やmild cognitive impairment(MCI)が生じているのです。mild cognitive impairment(MCI)というのは、日本語で「初期認知機能障害」と訳します。若年性のアルツハイマーはそれほど時間がかかりません。なぜならば、鼻粘膜の嗅覚神経受容体から侵入したヘルペスウイルスが簡単に記憶を司る脳内の海馬に入り込んで海馬の細胞を壊死させることができるからです。

 このようにして徐々に徐々に死滅していく脳神経細胞が知らぬ間に増えているのです。元来、細胞というのは4つの成分である糖質、脂質、タンパク質、核酸が主要成分であります。この4つの成分は全て人体にとって大切でありますが、とりわけタンパク質は細胞の機能を支える上で一番大切なのです。タンパク質の仕事は、化学反応を触媒する酵素、輸送や貯蔵を行うタンパク質、遺伝子を調節するタンパク質、構造を支えるタンパク質など非常に広範囲の仕事をしてくれます。一方、糖質や脂質は、大部分はエネルギーに関わっているだけですから、一時的にエネルギーがなくなってもすぐに細胞は死ぬことはないのです。

 ヘルペスとの戦いによって死滅した脳神経細胞が含んでいる機能的に一番大切なタンパクの残骸である変質した異常タンパクが脳の中に沈着し、脳のいたるところにアミロイド斑とタウ蛋白からなる神経原線維の変化が生じてしまうと、当然脳の機能は低下していくのです。正常なニューロンの数が少なくなり、脳の働きも当然機能しなくなっていくと、やがて病変は、脳内で記憶を形成するのに必要不可欠な、海馬のみならず前頭葉や側頭葉の神経細胞まで広がっていきます。ニューロンがさらに死滅するにつれて、影響を受けた脳は全体的に萎縮し始めます。最後にはニューロン同士が相互に連絡し合う能力も失い、最終的には脳の細胞がヘルペスのために完全に死滅していくのです。

 私は16歳からヘルペス性脳炎で悩み続けてきました。脳の中に日本一といってもいいぐらいに大量にヘルペスウイルスが巣食っています。私は今現在、ヘルペス脳炎と、今後起こるであろうヘルペスによるアルツハイマー病やパーキンソン病やてんかんや精神分裂症にならないために、まず55年間に増えたヘルペスウイルスを殺すために5倍量の濃い濃い免疫を高める成分が入った漢方煎じ薬を毎日毎日飯よりも大量に摂取しています。と同時に、ヘルペスウイルスを増やさないように抗ヘルペスウイルス剤を大量に飲んでいます。だからこそ74歳のクソよぼじじいがこんなに元気に最先端の医学論文を書くことができているのです。16歳からヘルペス脳炎で悩んできたのですが、日本の医者、世界の医学会は誰一人として診断をつけることができなかったのです。医者になったからこそ、自分の宿命の病気を診断することができたのも漢方煎じ薬との出会いがあったからです。しかも私の病気は若年性ヘルペス性脳炎、つまり若年性アルツハイマー病であったのです。この病気の診断をつけてから大量の濃い濃い漢方煎じ薬と大量の抗ヘルペス剤を必要なだけ服用できるようになったのも医者になったからです。さらにヘルペス脳炎の症状のみならず坐骨神経痛や偏頭痛や慢性の疲労(慢性疲労症候群)や嗜眠症(過眠症)なども全て楽になり、今なお医学の最先端の勉強を続けることができているのです。これだけでも生まれ悩み生き続けた価値はあるのかもしれませんね。しかしながら、右目のヘルペス性網膜症による失明は時遅しでした。しかしながら、左目が見えるので頑張れるのです。

 この文章の最後のお遊びですが、認知症の家族歴を持つテキサス州の事業家が、これまでに発表されたあらゆる科学研究を調べ、それらの研究成果をひとつにまとめてアルツハイマー病のしくみを総括的に説明した研究者に対し、400万ドル(4億円)の賞金を出すと発表しました。この4億円は、私とイツザーキ氏に与えるべきではないでしょうか?アッハッハ!なぜ私が賞金の半分をもらうべきかご存知ですか?それは抗ヘルペス剤だけではあくまで脳神経細胞にいるヘルペスウイルスを増殖はさせないのですが、増えたヘルペスウイルスをグリア細胞で殺し、かつ傷ついた脳組織を修復するのに唯一自分の免疫と免疫を上げる漢方煎剤の二刀流が必要なのです。しかも漢方煎剤は免疫を上げることによって、抗ヘルペス剤以上にヘルペスウイルスを増殖させなくしてくれるのみならず、ヘルペスによって傷ついた神経を修復してくれるのです。その証拠は漢方煎剤を飲むだけでヘルペスの抗体が減っていくデータも持っているのです。この臨床の成果はいずれ世界に発表する予定です。乞うご期待。

 従って、大量の漢方煎剤は抗ヘルペス剤よりもはるかに価値があるのです。この真実を知っている私が3億もらって、イツザーキ氏は1億で良いと思いませんか?アッハッハ!!アッハッハ!!本当は金なんかいりません。病気を治すことが私の生きがいですからね!今現在、日本では600万人、世界中には5000万人ものアルツハイマー病の患者がいます。これからもどんどん老人が増えるとともに、アルツハイマーの老人だらけの地球になってしまうことになります。だからこそ、大量の漢方煎剤と抗ヘルペス剤が必要になるのです。

 実は耳寄りなアルツハイマーにならない方法を教えてあげましょう。お金は一切かからない方法です。極めて簡単なのです。自分のステロイドホルモンを出さない生き方(心の在り方)をすることです。その生き方を教えてあげましょう。1つ目はストレスのない最高の脳と心の状態は、まず我欲をかき過ぎないことです。さらに2つ目は、他人の幸せに対して嫉妬を感じるどころか逆に心から喜んであげることです。できますか?3つ目は、免疫を抑える薬を絶対に使わないことです。この意味はわかりますね?

 先ほど、「上衣細胞の働きは、アストロサイトに似た役割を持っています。この上衣細胞は脳室表面に細胞体があります。脳室については下で詳しく説明します。」と書いたのですが、今から説明しましょう。

 まず脳室とはなんでしょうか?脳の中の空洞です。脳の中には4つの空洞である脳室があります。脳室は髄液で満たされ、この4つの脳室は互いにイケイケになっています。髄液は脳脊髄液とも呼ばれます。というのは、脳と脊髄、そしてこれらを包んでいる膜(硬膜)の間を流れる無色透明な液体だからです。脳脊髄液は4つの脳室を形成している2つの側脳室と、第三脳室、第四脳室内の脈絡叢(choroid plexus)で産生され、脳室を出て脳表にあるくも膜下腔に至ります。クモ膜下出血で有名な例のクモ膜下腔です。

血管がクモ膜下腔と脳室系は脳の実質で隔てられていますが、第四脳室に開いたルシュカ孔・マジャンディ孔で互いに交通しています。主に上矢状静脈洞領域から突出しているくも膜顆粒(くも膜絨毛arachnoid villi)を経て静脈系に吸収されます。脳脊髄液は脳に分布する毛細血管からも吸収されたり、リンパ管からの吸収も関与しています。この脳脊髄液の役割は明らかではありませんが、主に脳の水分含有量を調節し、脳の形を保ち、かつクッションの役割をしています。

今日はここまで。2019/8/24

 脳室の内壁は脳室上衣という1層の上衣細胞層から成り立っています。上衣細胞は一般的に多数の運動性繊毛を有しており、脳室系の内腔表面を覆って脳室と脳実質組織の間の境界を形成し、脳脊髄液の循環にも関与していることがわかっております。脳室付近で脳の実質から出血が起こった場合、脳室上衣を破って脳室内出血となることがありますが、これは脳内の出血量が多いので極めて重篤で致命的になることもあります。

 脳について少し勉強しておきましょう。脳は大きく3つに分けられます。1)大脳、2)脳幹、3)小脳です。まず1)の大脳は、大脳半球と間脳から成り立っています。次に2)の脳幹は、延髄と橋から成り立っています。ただし脳幹の中に間脳を含めることがあります。3)の小脳はご存知ですね。さて、1)の大脳に含まれる間脳は大脳半球と中脳の間にあります。大脳と中脳の間にあるので間脳と言われるのです。間脳の覚え方としては、2つの大脳半球の間にあるので間脳という覚え方もあります。間脳は大脳と中脳の間にもあるので中脳にも繋がっています。間脳は間にある脳に過ぎないように思いますが、実は間脳は自律神経の中枢である視床下部や、種々なホルモンを分泌する下垂体(脳下垂体)や、あらゆる体性感覚などの感覚を司る視床などを含んでいます。ストレスがかかると間脳が働き出し、ストレスホルモンであるステロイドホルモンを大量に分泌しているのです。という意味では、現在のストレス社会においては、最も大切な脳は間脳かもしれませんね!アッハッハ!しかも間脳は大脳半球のほぼ全ての入力と出力を下位中枢と中継する交差点の信号ともなっているのです。人間は大脳が最も発達していることから、間脳も他の動物と比べて最大であります。

 それではストレスの多い毎日の生活で極めて大切な間脳の視床についてもう少し詳しく勉強しておきましょう。視床は嗅覚を除く全感覚の中継の役割を果たしています。昔はこの間脳の視床部分は視覚と関係があると考えられていたので、視床という名前がつけられたのです。まさに感覚の中で視覚が極めて大事ですから、当然ですね。さらに間脳は生活の中で知らずして恒常性を保ってくれる自律神経やホルモンなどを介して内臓全体を制御してくれています。間脳は視床下部にある自律神経核によって自律神経である交感神経と副交感神経を制御しています。交感神経は獲物を捕らえる闘争反応や敵から逃れる闘争反応等を制御しているので、2つを合わせて闘走神経とも言われています。副交感神経は消化や睡眠等のリラクゼーション反応等を制御しています。従って副交感神経は幸せの神経とも言っていいのです。間脳は視床下部のホルモン制御によって脳下垂体(下垂体)を支配し、食欲、性欲、睡眠欲等をコントロールしています。

 さらに大事なことは間脳の視床下部は免疫も制御しているのです。例えば、病原体が感染すると、まず最初にIL-1やTNFが大食細胞から産生されるのはご存知ですね。体内の大食細胞で産生されたIL-1やTNFは、間脳の視床下部にある体温調節機能に働きかけ、温熱中枢のスイッチの閾値を変えて発熱させることによって全身の免疫を高めます。まさに敵が人体に侵入した時に炎症を起こし、IL-1やTNFのようなサイトカインを作って、直接間脳に働きかけることによって生体の体温を上昇させて感染から身を守ってくれるのです。ところが近頃は、様々な高価な生物製剤が作られ、症状を取るために一挙に大食細胞が作り出したTNFの働きを消滅させるのは、間脳にある免疫の働きを強める視床下部の機能も無くしてしまうことは極めて残念なことです。
 次回はグリア細胞(膠細胞)について説明します。乞うご期待!

今日はここまでです。2019/03/28



 皆さん、脳神経細胞ではない4種類のグリア細胞は、脳の中にどれぐらい存在するのかご存知ですか?なんと神経細胞の10倍存在します。既に述べたように神経細胞は1000億個あることはご存知でしょう。つまり1兆個のグリア細胞が脳の存在しているのです。脳は本来、脳の働きを司る脳神経だけでいいはずなのに、その10倍のグリア細胞が何故脳に必要なのでしょうか?もちろん脳神経細胞が霊長類の王様である人間の脳の働きを助けるためにあります。それでは脳に侵入する異物を処理するミクログリア(小膠細胞)は、グリア細胞のうちいくらを占めているのかご存知ですか?グリア細胞のうち10%がミクログリアなのです。つまり脳の中には1000億個の神経細胞があるのですが、それと同じ数の1000億個のミクログリアが存在します。何のために1000億個のミクログリアが必要になったのでしょうか?それは神経が大好きなヘルペスウイルスを処理するために増えざるを得なかったのです。ところがミクログリアにも2種類のミクログリアがあるのです。これも何故であるかは後で答えを出しますから、楽しみにして待っていてください。ミクログリアについては極めて長い話になりますから、覚悟して読んでください。私は何十回も神経の病気は全てヘルペス8種類が原因であるということを言い続けてきました。そのヘルペスを処理するためのミクログリアの話を始めましょう。何故ヘルペスウイルスは他のウイルスが滅多に感染することがないのに、脳に感染することができるのでしょうか?答えは極めて簡単です。既に述べたように、あらゆる神経はシナプスを通じて足の先の末梢神経から頭のてっぺんの脳神経まで繋がっているからです。言い換えると、乳幼児期に親からもらったヘルペスに対する抗体が徐々になくなってしまう時期、つまり自分で抗体を作ることができる生後4〜7ヶ月前後にヘルペスウイルスに皮膚や粘膜から感染すると、ヘルペスに対する免疫が一切ないので、どんどんヘルペスウイルスが増殖し、一生持ち続けることになるからです。もちろん親が8種類のヘルペスウイルスに感染していなければ、この時期にヘルペスに感染する可能性は非常に少ないのです。しかしアルツハイマーの原因である1型単純ヘルペス(HSV1)にかかっていない人が結構います。この人たちは年老いてもアルツハイマーになる可能性は非常に少ないのです。一方、水痘帯状ヘルペス(VZV)は感染しやすいが抗原性が強いので、すぐに見つけられて抗体が作りやすいのです。言い換えると、人間の免疫は水痘帯状ヘルペス(VZV)を長期に渡って潜伏感染させる力があると言えます。

 ちなみに乳幼児期に医者たちは水痘帯状ヘルペスのワクチンを勧めますが、1型単純ヘルペス(HSV1)に対しては絶対に勧めません。何故でしょうか?それはワクチンを打った後にメモリーT細胞やメモリーB細胞は、VZVの抗原に対して作りやすいのです。さらに一度VZVが細胞にエピソームとして潜伏感染してしまうと、感染した人の免疫が少々落ちたところで増殖する戦略がHSVほど進化していないと言えます。さらにいえば、免疫が下がれば8種類のヘルペスウイルスの中で神経で再活性化(増殖・再活発化)しやすいのはHSV1であると言えます。ヘルペスに関してのすごいデータは世界で私しか持っていないので、いずれそれをまとめてアメリカの雑誌に英語で書く予定です。乞うご期待。

 その前に私の理論を実践してくれたすごい宇宙飛行士の記事がありますから、それを皆さんしっかり読んでください。宇宙飛行士は一人で孤独に宇宙空間を飛び続ける間のストレスに耐え続けるためにステロイドホルモンを出し続けている間に、5つのヘルペスウイルスが増殖し、地球に無事に帰還した時に、ホッとした宇宙飛行士の免疫が回復し、体内からヘルペスウイルス5種類を排泄する戦いまでやるんだという私の理論を証明してくれたとっておきの記事が、2019年3月25日に全世界に発信されました。News weekに載せられた記事の日本語版を掲載します。まさに世界中の医者がステロイドを医療でヘルペスを世界中の患者に増やし続けているという証拠を宇宙飛行士が証明してくれました。宇宙飛行士さん、わざわざ私の理論を証明するために遠い遠い宇宙の果てまでの宇宙飛行をしてくださってありがとう!ありがとう!ワッハッハ!ワッハッハ!

【半数以上の宇宙飛行士から再活発化したヘルペスウイルスを検出】2019年3月25日(月)18時35分

<国際宇宙ステーション(ISS)での滞在中、潜伏中のヘルペスウイルスが再活性化することがわかった>


 宇宙飛行は、私たちが想像する以上に過酷だ。宇宙空間を飛び交う宇宙放射線にさらされながら、閉鎖環境に閉じ込められ、無重力状態で暮らすこととなる。そしてこのほど、宇宙飛行によって潜伏状態のヘルペスウイルスが再活性化する確率が高まることが明らかとなった。

宇宙飛行している間、ストレスホルモンの分泌量が増加
 アメリカ航空宇宙局(NASA)ジョンソン宇宙センターらの研究チームは、2019年2月7日、「スペースシャトルや国際宇宙ステーション(ISS)での滞在中、潜伏中のヘルペスウイルスが再活性化することがわかった」との研究結果を学術雑誌「フロンティアーズ・イン・マイクロバイオロジー」で発表した。

 研究チームでは、宇宙飛行前、宇宙飛行中、帰還後にそれぞれ採取した宇宙飛行士の唾液、血液、尿の検体を分析した。その結果、10日間から16日間スペースシャトルに滞在した宇宙飛行士89名のうち53%にあたる47名と、最長180日間にわたって国際宇宙ステーションで生活した23名のうち61%にあたる14名の唾液や尿の検体からヘルペスウイルスを検出。ウイルス排出の頻度や量は、健常者のものと比べても明らかに高かった。

 研究チームの一員でジョンソン宇宙センターに所属するサティシュ・メータ博士は「宇宙飛行している間、コルチゾールやアドレナリンなど、免疫システムを抑制するストレスホルモンの分泌量が増加する。通常ならばウイルスを抑制したり軽減したりする免疫細胞の働きが、宇宙飛行中から帰還後最長60日程度弱まることがわかった」と述べている。

帰還後最長30日間、体液に排出されていた
 研究チームが検出したのは、既知のヘルペスウイルス8種類のうち、口腔ヘルペスや性器ヘルペスの原因となる単純ヘルペスウイルス(HSV)、水疱瘡や帯状疱疹の原因となり、生涯にわたって神経細胞に残存する水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)、伝染性単核球症を引き起こすサイトメガロウイルス(CMV)とエプスタイン・バール・ウイルス(EBV)の4種類だ。これらのウイルス排出は無症候性のものがほとんどで、ウイルスの再活性化によって何らかの症状が出たのは6名のみであった。
 しかし、帰還後も継続するウイルス排出によって、免疫機能が低下している人や非感染者に感染させてしまうおそれはある。メータ博士によると「伝染性の水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)とサイトメガロウイルス(CMV)は、国際宇宙ステーションから帰還後最長30日間、体液に排出されていた」とそうだ。

「宇宙飛行においてウイルスの再活性化への予防対策が不可欠だ」
 これらの研究結果から、研究チームは「宇宙飛行においてウイルスの再活性化への予防対策が不可欠だ」と説く。理想的な対策はワクチン接種だが、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)を除き、ワクチン接種の効果が期待できるものはないのが現状だ。研究チームでは、当面、ウイルスの再活性化に伴う症状に合わせた治療法の開発に取り組んでいく方針だという。

 本論に戻りましょう。
 ヘルペスウイルスが感染した細胞を処理するのがグリア細胞の一つであるミクログリアであります。ところが4つのグリア細胞である1)アストロサイト、2)上衣細胞、3)オリゴデンドロサイト、4)ミクログリアの中で最も数が多いのは「アストロサイト」です。星のような外見から命名されたアストロサイトは、実は細胞体からスポンジのように複雑な形の突起を伸ばして、脳の空間を満たしています。アストロサイトの役割は、神経細胞に栄養を与えたり、反応性の高い過剰なイオンや神経伝達物質を速やかに除去することにより、神経細胞の生存と働きを助けています。脳を血液から入ってくる有害物質から守るのは血液脳関門(blood brain barrier)です。頭字語でBBBと言います。このBBBを作っているのもアストロサイトなのです。4つの膠細胞は、もちろん神経細胞のように活動電位を発して神経伝達を行うことはないのですが、アストロサイトがシナプス伝達のスピードを高めたり、局所の脳血流の制御を行っています。さらに睡眠時に脳から有害物質を取り除くのも、アストロサイトの働きです。カルシウムがシグナルの働きをするのですが、このカルシウムシグナルの伝達の仕事をも制御しているのはアストロサイトなのです。例のごとく寄り道をしてカルシウムシグナリングについて勉強しておきましょう。

 カルシウムシグナリングは英語で、“Calcium Signaling”と書きます。“Calcium Signaling”とは細胞の機能を制御するカルシウムイオン(Ca2+)依存性の情報伝達経路であります。皆さんはカルシウムが骨の成分だけだとばかり思っておられるでしょうが、細胞内情報伝達機構を制御する極めて重要な仕事もカルシウムイオン(Ca2+)がしているのです。人間を含む脊椎動物では細胞質のCa濃度は低濃度であり、体内のほとんどのCaは骨などの硬組織や細胞内Ca貯蔵庫(Caストア)に貯蔵されています。細胞内Ca貯蔵庫(Caストア)には小胞体とミトコンドリアがあります。ところがこれらのCaは何らかの刺激がきっかけで、細胞内Ca貯蔵庫(Caストア)である小胞体とミトコンドリアに貯蔵されていたカルシウムは、細胞質に流入することにより細胞内のタンパク質と結合して、その機能を調節し、細胞内情報伝達機構を制御するセカンドメッセンジャーの仕事をしています。セカンドメッセンジャーは今のところ外からの情報を細胞内の核にある遺伝子に伝える第2番目の伝達者です。1番目の伝達者は外からの刺激ですね。金属原子が正の電荷を帯びたCa2+は非常に単純なものでありますが、細胞内のCa濃度の変化は幅広い細胞応答を生み出すことができるのです。このアストロサイトによるカルシウムシグナリングの制御の異常が起これば、てんかん(Epilepsy)やADが起こるのです。

 さぁ、ここから脳の免疫の中枢であるミクログリア(microglia)の話に入りましょう。ミクログリアという名前は、アストロサイトやオリゴデンドロサイトに類似の細胞でありながら、サイズが小さいことから単純にミクロという名前が付けられました。正常な脳の中でのミクログリアは突起を伸ばしているだけなのですが、周辺の細胞にヘルペスウイルスによって障害が生ずると、突起を縮め、細胞体部分が大きくなる「活性化型」にかわり、やがて、アメーバ状に形を変えて、その障害を処理しようとします。まさに末梢にいる大食細胞とそっくりですね。

 ミクログリアの起源は胎児期に卵黄嚢で造血細胞から分化して、神経管に浸入してくる中胚葉起源の細胞であります。実際、中枢神経の損傷の周辺をアメーバ運動しているミクログリアは末梢の自然免疫細胞の代表であるマクロファージと区別がつきません。形態のみならず、ミクログリアの表面に発現する分子も、さらに死んだ中枢神経の細胞をどんどんと食べるのもマクロファージと同じです。当然この両者は同じ起源であるのです。

 ミクログリアはいろいろなマーカーによって検出できます。チアミン・ピロフォスファターゼ(Thiamine pyrophosphatase: TPPase)や、非特異的エステラーゼ(nonspecific esterase: NSE)などの中枢神経系の細胞の中ではミクログリアにのみ特異的に発現する酵素類なので、TPPaseとNSEを検出することによってミクログリアと特定できます。また、末梢のマクロファージの特異的抗体や、補体受容体に対する抗体を用いても脳内のミクログリアを免疫染色によって確定できます。一方、ミクログリアの細胞表面には主要組織適合遺伝子複合体(Major histocompatibility complex: MHC)分子が存在し、それに対する抗体はミクログリアの優れたマーカーとなります。ミクログリアがMHCⅠやMHCⅡを発現しており、とりわけ黒質の神経細胞はMHCⅡを強く発現しているのです。ミクログリアがMHCⅠとMHCⅡを同時に持っているのはびっくり仰天ですね。何故ならば、ミクログリアは脳の中の異物やヘルペスウイルスを取り込んで、ヘルペスウイルスのタンパクをペプチドにして両方に結びついて、MHCⅡにはヘルパーT2リンパ球にヘルペスの抗原を提示できるのみならず、MHCⅠとヘルペスの抗原をキラーT細胞に提示できるのがすごいのです。これをクロスプレゼンテーションというのです。ここでクロスプレゼンテーションの復習をしてみましょう。

 クロスプレゼンテーションは、日本語で「交差抗原提示」といいます。別にクロスプライミングともいいます。日本語で「交差抗原刺激」と訳します。ウイルスのように感染した細胞内で増殖する病原体に対して、あるいはがん細胞内で産生されるがん抗原に対しては、MHCクラスIを介した抗原提示により免疫反応を起こす一方、細菌など細胞外で増殖する病原体や毒素に対して、あるいは結核菌のようにマクロファージ等の抗原提示細胞である大食細胞などに感染する病原体に対しては、抗原提示細胞のMHCⅡを介した抗原提示により免疫反応を起こさせるのです。このような機構は樹状細胞をはじめ、B細胞や肝類洞内皮細胞において存在しています。と同時に、脳のグリア細胞の一つであるミクログリアにも存在しているのです。

 ちなみにミクログリアやマクロファージの活性化状態は、M1型とM2型に分類できることがわかりました。M1ミクログリアは、TNF-α・IL-1β・IL-6などの炎症性サイトカイン、一酸化窒素、活性酸素などを産生して、ヘルペスウイルスに感染している神経細胞をやっつけるミクログリアです。一方、M2ミクログリアは、TGFβ・IL-10などの抗炎症性サイトカイン、BDNF(Brain-derived neurotrophic factor)といわれる脳由来神経栄養因子を産生し、脳に侵入してきた異物である化学物質を処理する仕事をします。したがって、M2型のミクログリアは抗炎症・神経保護因子を産生・放出する神経保護性ミクログリアと言えます。しかも一つのミクログリアがM1型になったり、M2型になったりします。これはちょうど末梢血におけるTh1の仕事をしているのがM1型であり、Th2の仕事をしているのがM2型といえます。残念なことに脳のミクログリアはヘルペスと戦っても勝てるわけではないにも関わらず、M1型で脳の神経細胞に感染した神経細胞もろともヘルペスを殺そうとして、アルツハイマーを起こすことに一役買っている可能性があります。

“Brain-derived neurotrophic factor”であるBDNFは、中枢神経系や末梢神経系の一部のニューロン(神経単位)の維持と成長に作用する役割を持ち、かつ新しいニューロンやシナプスに分化することを促進します。特に脳の中ではBDNFは、海馬大脳皮質大脳基底核で活性化されています。それらの部位は、アルツハイマー病に関わる学習、記憶、高度な思考に必須な領域であり、BDNFそれ自体は、長期記憶に重要であります。M2ミクログリアにヘルペスウイルスが感染すれば、記憶が障害されてしまう可能性があります。

 ミクログリアの具体的な働きを勉強しましょう。先にも述べたようにミクログリアの細胞表面にはMHC分子であるMHCⅠとMHCⅡが末梢のマクロファージと同じく発現しています。ヘルペスウイルスとミクログリアとの戦いによって損傷した部位に浸潤した活動期のミクログリアはアメーバ状になり、活発にヘルペスウイルスが感染している脳神経細胞を貪食している姿が見えます。その様子はマクロファージと区別がつきません。ちなみにマクロファージも脳に存在しているので、損傷部位の血管も透過性が高まり、末梢のマクロファージが脳の血管から脳組織の損傷部位に浸潤し、ミクログリアとともに貪食活動をしているのです。

 ヘルペスウイルスによって損傷を受けたニューロンから放出された大量のATPがケモカインとなりミクログリアを呼び集め、損傷細胞からごくわずかに遊離されるUDPがミクログリアの食作用を促進するのです。細胞膜の断片として遊離されるホスファチジルセリン(PS)がEat me signal(「私を食べ殺してくれ」というシグナル)となるのです。ホスファチジルセリン(PS)はグリセロリン脂質の一つで、レシチンと呼ばれ、細胞膜の内側に多く、細胞に異常が起こった時に細胞の内側から細胞の外側に移動するとアポトーシスが起こり、その神経細胞は自殺してしまうのです。全ての細胞にヘルペスウイルスが感染した際に、細胞が死んでしまう方法はアポトーシス以外にネクローシスの2つがあります。ネクローシスとは、免疫が下がって神経細胞に感染し、増殖し尽くしたヘルペスウイルスが、次の神経細胞に感染するために利用し尽くした神経細胞が、細胞変性効果によって死んでしまうことです。つまりヘルペスウイルスが感染して細胞を殺す方法はアポトーシス(自殺)とネクローシス(壊死)の2つがあります。

今日はここまでです。2019/04/04



 脳内の清掃システムの中心メンバーであるミクログリア(神経小膠細胞)の働きをさらに勉強しましょう。脳に整然と配置されているミクログリア(神経小膠細胞)が脳細胞を無差別に攻撃するどころか、どんな敵をどのようにして攻撃し、脳の神経細胞を守るのでしょうか?どのような状況で脳内の免疫細胞であるミクログリア(神経小膠細胞)の活性が高まり、そのようにして特定の損傷を受けた細胞のみを貪食するのかを勉強しましょう。

 ヘルペスウイルスによって損傷を受けた脳細胞からは、脳の損傷を治すために必要なエネルギーとなるATPがまず放出されます。このATPというヌクレオチドは、エネルギー源になるのみならず、実は同時に脳神経細胞が傷ついたという信号にもなるのです。脳神経細胞の周辺の細胞外液のATP濃度は正常状態では低いのですが、ATP濃度の高い部位はそこに損傷細胞が存在する信号となるのです。ATPはヌクレオチドの一つであるアデノシントリホスフェイトですから、当然アデニンはプリンを持っております。ミクログリアは7種類のプリン受容体を発現しています。それはP2X1〜P2X7の7つです。PはプリンのPです。その一つであるP2X4受容体が刺激されると、ミクログリアの突起はATP濃度の高い方向に向かって伸びていきます。ちょうど末梢の大食細胞の突起と似ていますね。さらにその損傷部位に近づくと、ミクログリアのP2Y12受容体が刺激されると、ミクログリアはBDNFなどのニューロトロフィンを遊離します。BDNFは“brain derived neurotrophic factor”の頭字語であり、日本語で「脳由来神経栄養因子」と訳します。ニューロトロフィンは神経系で分泌される小さなシグナルタンパク質であり、神経細胞を生存させるシグナルとして働く場合もあれば、細胞を殺すというまったく逆のシグナルとして働く場合もあります。まず損傷を受けた脳細胞はATPを救助信号として、「私を見つけて、助けて、Find me and help me」と叫んでいるのです。ATPはエネルギーとして使われているのではなく、救助シグナルとして使われているのです。ところが、その救助がすでに間に合わない状態である場合にミクログリアはアメーバ状に形を変えて、その場に移動して損傷を受けた細胞を貪食します。どのようにしてミクログリアは傷ついた細胞を助けるのか殺すのかを見極めるのでしょうか?ミクログリアはP2X4というプリン受容体以外に、もう一つのプリン受容体であるP2Y6受容体を持っています。このP2Y6という受容体は、ATPやADPには反応しないのです。P2Y6受容体を活性化するのはウリジン二リン酸(UDP)であるのです。

 UDPは細胞外に遊離される分子ではなく、死にかかった脳神経細胞からごく少量遊離されます。P2Y6受容体がUDPで刺激されると、ミクログリアのアメーバ運動が活性化され貪食機能が高まります。同時にさらに死んで細胞膜が壊れた時に提示される膜成分のリン脂質の成分であるホスファチジルセリンを認識して初めて、その細胞のみを貪食するのです。このホスファチジルセリンは「私を食べて信号、Eat me signal」となるのです。ミクログリアは単なる破壊者でも、無差別な掃除係でもないのです。非常に高度な認識機能を備えているので、末梢の大食細胞よりも、より高度な細胞なのです。

 ミクログリアは、単に脳神経細胞の医者になったり、殺し屋になるだけではありません。神経細胞の間にあるシナプスの保守点検と、同時に維持にも重要な役割を果たしているのです。例えば視覚回路の中継核である外側膝状体で活発に行われている左右の視覚路の選択のプロセスにも関わっているのです。未熟な視覚回路では左右両側の視神経節細胞からの入力を受けていますが、視覚の発達に応じて主に同側からの入力を伝える不要シナプスが除去されていくのです。

 それではこのような選択的な除去はどのように行われるのでしょうか?まずどのようにして不要シナプスを認識しているのでしょうか?これは既に述べたように、ミクログリアが脳内免疫細胞として働くことができるからです。例えばミクログリアに発現している補体分子であるC3の合成が、活性化因子C1qにより高まり、C3受容体を多く発現しているシナプス部位を認識して除去しているのです。また、ミクログリアが持っているMHCⅠが神経傷害時のシナプス除去に関与していることも分かっています。

 ここでヘルペスウイルスに感染した脳神経細胞が炎症を起こした時に、どのようにミクログリアが神経細胞に作用して痛みを引き起こすのかを具体的な例を見てみましょう。例えば、ヘルペスウイルスにより脊髄神経が損傷すると、脊髄後角のミクログリア細胞が活性化状態となり、先ほど述べたP2X4受容体タンパク質を作り出します。この受容体は脊髄後角神経から細胞外へ放出されたATPによって刺激されます。

 それではATPはどのようにしてヘルペスウイルスによって傷つけられた神経細胞から細胞外へ放出されるのでしょうか?そのメカニズムにVNUTというタンパク質が関与しています。VUNTとは、英語で“Vesicular Nucleotide Transporter”と言います。“Vesicular”は小胞型であり、“Nucleotide”がヌクレオチドであり、“Transporter”がトランスポーターであり、日本語で輸送体であります。従ってVUNTの略は「小胞型ヌクレオチド輸送体」となります。このヌクレオチドは、言うまでもなくATPのことであります。VNUTはATPを神経の中の小胞内に貯蔵する働きをします。ATPを運ぶ小胞が神経終末の膜と融合すると、小胞内のATPが細胞外へ放出されます。脊髄後角神経から放出されたATPは、上で述べたようにP2X4受容体に作用してミクログリアを刺激し、神経を興奮させる物質を放出します。それが神経に作用して痛みを引き起こすのです。

今日はここまでです。2019/04/11


 In a striking parallelism in the PNS, APOE-ε4 was found to be a risk for cold sores (herpes labialis), which are caused mainly by HSV1 (Itzhaki et al., 1997). Also in genital herpes, caused usually by HSV2, APOE-ε4 is a risk for recurrence of genital ulcers (Jayasuriya et al., 2008). The subsequent finding that antibodies to HSV (these are known to be long-lived after herpes simplex encephalitis (HSE)) were present in cerebrospinal fluid from AD patients and age-matched controls showed that productive HSV1 infection had occurred, indicating that HSV1 is not a passive resident in the central nervous system (CNS; Wozniak et al., 2005). The data cannot be explained by a greater susceptibility of AD sufferers, or of APOE-ε4 carriers, to HSV1 infection, as the virus was present in brain at almost the same frequency in AD patients as in the controls, and was far more frequent among non-APOE-ε4 carriers than among APOE-ε4 carriers in the controls (although admittedly, the numbers in each category were very small).

 (PNSの場合と同じく、APOE-ε4が、やはりHSV-1によって口唇ヘルペスを起こすリスクになることが1997年にイツザーキによって発見されました。)(PNSというのは“Parasympathetic nervous system”の頭字語であり、日本語では「副交感神経系」と訳します。つまりHSV-1は、自律神経の副交感神経や交感神経にも感染することを示しています。) (またHSV-2によって一般に引き起こされる性器ヘルペスにおいても、APOE-ε4は性器潰瘍の再発のリスクであります。2008年にジャヤスリヤによって発見されました。) (単純ヘルペス性脳炎(HSE)にかかった後に、HSVに対する抗体が長期に血液に見られ、AD患者の脳脊髄駅にずっと存在していたことと、かつHSV-1が増殖感染し、抗体が増えていたということが分かりました。)(ひとたびHSVに感染すると、免疫は抗体を作って対抗しますが、HSVは人間の免疫よりもはるかに賢いので、感染した細胞にエピソームという形で潜伏感染し続けることは皆さんご存知ですね。しかも生きることはストレスに耐えることと同義ですね。ストレスに耐えるためにストレスホルモンと言われるステロイドホルモン、別名副腎皮質ホルモン、別名糖質ホルモンを出しますね。いうまでもなくステロイドホルモンは免疫を抑えますね。その間、宇宙一ずる賢いヘルペスウイルスは潜伏感染から増殖感染へと変わり、どんどん潜伏していた細胞で増え続けます。使い切った細胞をネクローシスかアポトーシスさせて殺した後、周辺の細胞にどんどん感染していきます。そのうちに免疫が戻ったときに、新たにヘルペスに対するIgG抗体を免疫は作りますね。一方、増殖したヘルペスが感染した細胞は、キラーT細胞によって殺されますね。もちろんエピソームで潜伏感染してしまったヘルペスウイルスは、キラーT細胞でも見つけることができないので、殺せません。再びストレスで免疫を落としてしまうと、ヘルペスはエピソームの潜伏感染から増殖感染へと変貌します。このサイクルを人体で繰り返し続けるのです。私が常々言っているように、最後に残る病気はヘルペスの戦いであり続けるのはいうまでもないことなのです。このイツザーキさんの論文でも、脳の病気であるアルツハイマーや精神分裂症(統合失調症)やうつ病やてんかんも、全てヘルペスが原因であるということを証明したのです。もちろんこの論文には書かれていないパーキンソン病や、筋萎縮性側索硬化症(ALS)や他のすべての精神疾患は、ヘルペス8種類が引き起こす病気であると言っても過言ではないのです。私はまさに脳の病気や精神病はすべてヘルペスであるということを実証し、かつ治療法を確立するために苦しみの果てに医者になり、漢方の出会いがあったからこそ、74歳のクソヨボガキジジイでもこのような真実を見つけ出す勉強を今なお続けることができるのです。

 この世の最高の薬は漢方生薬しかありません。なぜならば免疫をあげてヘルペスを殺し、かつ潜伏感染をさせることができるのは、濃度の濃い濃い漢方生薬しかないからです。実は最高の生薬は、煎じて成分を出すというようなもったいない漢方の飲み方ではなくて、漢方を粉にして飲むことが最高なのです。これについては、機会があれば詳しく書きます。乞うご期待!

 私は16歳から単純ヘルペス性脳炎、英語で“herpes simplex encephalitis”、頭字語でHSEでありますが、このヘルペス脳炎の診断と治療のために医者になったのです。この診断は世界中でたった一人、私しかできなかったのですから、医者になった価値はあるのです。CNSは、“central nervous system”の頭字語で、中枢神経系と訳します。)
(このデータは、HSV-1感染をAD患者がよりしやすいということと、APOE-ε4遺伝子の保有者が、よりHSV-1感染をしやすいという理由にはなり得ません。というのは、ウイルスは比較対象群と同じく、AD患者においてもほとんど同じ頻度に脳の中に存在していたからです。さらに、ヘルペスウイルスは比較対象群のAPOE-ε4遺伝子の保有者よりもAPOE-ε4遺伝子を保有していない人の方がはるかにヘルペスウイルスの感染は多かったからです。)


 Links between HSV1 action and AD (Tables 1, 2) include the discovery that the viral DNA is located very specifically within AD plaques (Wozniak et al., 2009a), and that the main component of plaques, beta amyloid (Aβ), accumulates in HSV1-infected cell cultures (Wozniak et al., 2007; De Chiara et al., 2010; Santana et al., 2012), and in the brains of HSV1-infected mice (Wozniak et al., 2007); subsequently others confirmed and extended these results (see review, Wozniak and Itzhaki, 2010). Taken together, the data suggest that HSV1 is a cause of Aβ products and plaques. We and others have shown too that the main component of tangles—an abnormal form of the protein called tau (P-tau)—accumulates in HSV1-infected cell cultures (Zambrano et al., 2008; Wozniak et al., 2009b; Alvarez et al., 2012).
(HSV-1の活動とADの関係を示す発見がいくつかあります。まず一つは、HSVのDNAがAD老人斑の中に極めて特異的に存在しているということ。)(“plaque”は斑と訳しますが、脳の組織にあるときには、老人斑と訳します。脳の老化を示す病理学的所見であり、その中心にアミロイド沈着が見られます。正常な老人の脳などにも認められますが、とりわけアルツハイマー病ではあちこちに多発しているのです。)(2つめは、老人斑の主な成分はまさにβアミロイド(Aβ)であり、これはHSV-1に感染した細胞の培養の中で蓄積しているのです。)(細胞培養については後で詳しく書きます。)(3つめは、HSV-1に感染したマウスの脳においても、斑とβアミロイド(Aβ)が見つけられたのです。その後他の研究者たちが上にあげた3つの結果を確認し、いろいろな動物で広く実験して、同じ結果を得たのです。以上をまとめると、HSV-1が、βアミロイド(Aβ)と斑の原因はHSV-1であることを示しているのです。私たちも、同じ結果を示しました。つまり神経の絡みの主な成分はタウタンパクと呼ばれ、英語でP-tauと呼ばれます。この異常なタンパクがHSV-1に感染した細胞を取り出して培養すると、どんどん蓄積し、増えていくことを示しました。)

 (細胞培養とはなんでしょうか?英語でcell cultureと言います。細胞培養は、ある特定の細胞を体外に取り出して、次のような手続きと条件のもとで培養します。まず細胞が生きるために必須の栄養素であるアミノ酸、炭水化物、ビタミン、ミネラル、さらに成長因子、ホルモン、二酸化炭素と酸素を含んだ容器に取り出します。かつ細胞が生き続けるためにペーハーを最適にするためのペーハー緩衝液を入れ、かつ浸透圧や温度を調整しながら、細胞を体外で増やしていくのです。したがって、HSV-1が感染している細胞を増やせば増やすほど、アミロイドβ(Aβ)やタウタンパク(P-tau)が増えるということは、まさに、AβやP-tauを増やしたのはHSV-1が原因であるということは極めて簡単な答えですね。もちろんHSV-1が感染していない細胞も対照として比較しながら実験していることは言うまでもないことです。もちろん正常な細胞からはAβやP-tauは増えないのは今さらいう必要もないでしょう。なぜこんな簡単なことをアルツハイマー病(AD)の研究者たちか気づかないのでしょうか?不思議でたまりません。この世の中は不思議なことが多すぎますね〜。アッハッハ!)


 It should perhaps be stressed that the viral concept does not preclude a major role for Aβ and P-tau in the etiology of AD, even though their effects are still little understood; instead it suggests a cause of their accumulation—namely, HSV1 infection. Further, in HSV1- infected cells in culture, treatment with various types of antiviral have been found to decrease the level of Aβ and particularly, that of P-tau (see e.g., Wozniak et al., 2011). )Usage of antivirals such as acyclovir (ACV), which inhibits viral DNA replication, showed that P-tau formation depends on viral DNA replication, whereas Aβ formation does not do so; inhibition of the latter by such agents probably occurs via inhibition of virus spread.
 (ADがHSVによるものだという考え方は、AβとP-tauがADに及ぼす影響が今なお少しししか理解されていないにもかかわらず、ADの病気が起こる原因においてAβとP-tauの果たす主要な役割が除外できないということも強調されるべきなのです。にもかかわらず、AβとP-tauの蓄積の原因は、HSV-1感染であることは示されています。さらに培養されたHSV-1感染細胞の中に、様々なタイプの抗ヘルペス剤で治療薬をとして投与すれば、AβととりわけP-tauの量が減るということが見つかりました。例えば、HSVのDNAの複製を抑止できるアシクロビル(ACV)のような抗ヘルペス剤を使えば、P-tau形成はHSV-DNAの複製に依存しているが、一方、Aβ形成はHSV-DNAの複製に依存していないということがわかりました。)(これは何を意味していると思いますか?答えは次の文章に書かれています。)(アシクロビルのような抗ヘルペス剤は、Aβ形成を抑制することが起こるのは、ヘルペスウイルスが細胞から細胞に伝染するのを抑制するからであります。)(この意味が理解できますか?つまり、ひとつの細胞でヘルペスが増えることはできないのですが、増えた細胞が新しい細胞に感染していきますよ、ということです。 
 次のテーマに移りましょう。2つあります。)


Detection of HSV1 in Brain and Evidence for its Role in AD
(脳の中にHSV-1が見つけられたことと、2つめはADにおけるヘルペスウイルスの役割に対する証拠があるということです。)

The presence of HSV1 in brain is central to these concepts.Following its discovery in elderly brains by the author’s group, studies by five other groups confirmed its presence there (see review, Wozniak and Itzhaki, 2010).
(もちろんHSV-1がADの原因であるという考え方は、まず脳にHSV-1が存在しているということです。イツザーキさんのグループによって、初老の人たちの頭脳にHSV-1が発見された後に、5つの研究グループが同じように脳の中にHSV-1の存在が確認されました。)(ヘルペスの臨床を20年前からやってきた私に言わせると、こんな研究がなんでいるのでしょうかと思うぐらいです。なぜならば、ヘルペスは神経細胞に住み着くことが大好きなのです。一度末梢神経にHSV-1が感染すると、免疫が下がるたびにHSV-1は増殖を続け、次の新たなる新鮮な神経細胞にシナプスを通じて感染していきます。末梢神経も中枢神経もすべてシナプスと連結しているわけですから、脳の中枢神経細胞にまで感染し続けるのは当たり前のことなのです。)

今日はここまでです。2019/04/18

Other data too have provided confirmation—sometimes indirect, from very diverse types of approach (Table (Table22 and see review, Itzhaki, 2014), including studies on HSV1-infected APOE-transgenic mice or APOE-transfected cell cultures, GWAS, epidemiological investigations on anti-HSV1 IgG and IgM antibodies in serum from AD patients, or on infectious burden, and measurement of IgG avidity index (Agostini et al., 2016) as an indicator of reactivation (IgG presence indicates infection with HSV1, and IgM indicates HSV1 recent reactivation). The results showed an association between systemic infections and cognitive decline, with HSV1 particularly implicated, and many authors explicitly stating that their results supported a viral role in AD.

 他のデータもHSV1とAPOEがADの原因に関わっていることを確認しました。例えば、間接的ではありますが、HSV1に感染したAPOEトランスジェニックマウスまたはAPOEトランスフェクト細胞培養に関する研究や、GWASによる研究や、ADの患者の血清中の抗HSV1 IgGおよびIgM抗体に関する疫学的調査など、非常に多様なアプローチから得られえたデータによってであります。さらに、HSV1の感染負荷(量)、および再活性化(増殖と免疫との戦い)の指標としてのIgGアビディティインデックスの測定などで得られたデータなどであります。IgGの存在はHSV1に既に感染していることを示し、IgMはHSV1の最近の再活性化を示します。(IgMは、初感染のみに見られますが、ヘルペスウイルスだけは、再活性化に際しても見られるのです。言い換えると、ヘルペスウイルスに対してはワクチンが効かないという意味です。) これらの研究結果は、ヘルペスの全身感染(ヘルペスは人体の全身の細胞に感染します。とりわけ神経細胞はヘルペスウイルスだけが感染できる独占的な縄張りであります。)と認知機能低下との関連を示しており、とりわけHSV1は特に関与しており、多くの研究者は、以上の研究の結果がADにおけるウイルスの役割を明確に支持していると示しています。

 (上の文章で使われている難解な専門用語について説明します。)

 GWASは、英語で、Genome-wide association studyといい、日本語でゲノムワイド相関解析といいます。このGWASによる解析が、様々な疾患に関連する遺伝子多型を検出することを可能にしました。GWASは、ゲノム全体をほぼカバーするような、50万個以上の一塩基多型、英語でsingle nucleotide polymorphismといい、略してSNPと書き、スニップと呼ばれる遺伝子型を決定し、主にSNPの頻度(対立遺伝子や遺伝子型)と、疾患や量的形質との関連を統計的に調べることができるのです。

 トランスジェニックマウスは、多分化能を持った胚性幹細胞(ES細胞)に人為的に外来遺伝子を導入し、遺伝子を発現させたマウスです。様々な遺伝子がどのような機能を果たしているかを明らかにする方法です。トランスジェニックマウスでは、人為的に組み込まれた遺伝子から生じるたんぱく質などの性質を観察、測定することで遺伝子の機能を解析できます。

 トランスフェクションは、英語でtransfectionと書き、核酸を動物の(人間の)細胞内へ導入することです。核酸とはご存知のように、リボ核酸 (RNA)とデオキシリボ核酸 (DNA)の2つがあります。人間の遺伝子を構成している核酸はDNAですね。DNAは、塩基と糖、リン酸からなるヌクレオチドがホスホジエステル結合で連なった高分子です。

 アビディティーとは、簡単に言えば抗原と抗体の結合力の総和のことです。抗原抗体反応では、抗原上のエピトープ(抗原)と抗体上のパラトープ(抗体)との間で、可逆的な結合が起こっています。一価のエピトープと一価のパラトープとの結合力はアフィニティー(Affinity)と呼び、日本語で親和性と訳します。ます。抗体は2価以上のパラトープを持っており、抗体全体として、アフィニティーよりもはるかに大きい力で、多価のエピトープを持つ抗原と結合しています。このような抗原と抗体との結合力の総和をアビディティー(Avidity)と言い、日本語で結合力と訳します。

 HSV1の感染負荷(量)について説明しましょう。ADの患者が、HSV1の感染負荷(量)が多ければ、抗ヘルペス剤を投与すれば、ヘルペスの再活性化のリスクが減るということです。


 However, two recent articles (Olsson et al., 2016; Pisa et al., 2017) maintained that HSV1 is present in only a small proportion of brains of elderly people and AD patients. In the former study, the reason was probably usage of old fixed material, long duration of storage—known to be detrimental to PCR. However, in neither study did the authors specify the sensitivity of their PCR, so the level in some of their brain samples might well have been below their detection limit. The main topic of the other study was a search for fungi in brain; the authors stated that they detected HSV1 DNA in only 1 out of 10 brain samples (Pisa et al., 2017). However, as in the Olsson et al. (2016) study, the authors did not state the sensitivity of detection, and no recovery experiments were described, i.e., addition of HSV1 DNA to samples that were apparently virus DNA-negative to find if any contaminant was interfering with detection of the viral DNA. The second study sought also specific HSV1 proteins by immunohistochemistry (IHC), using fixed brain slices, and HSV1-infected HeLa cell cultures as “controls.” However, the level of virus and viral proteins in human brain would have been vastly less than in the infected cell cultures—so unsurprisingly, their IHC results were negative.

 しかし、最近の2つの論文では、HSV1は高齢者とAD患者の脳のごく一部にしか存在してしないと書かれていました。一つ目の研究では、その理由はおそらく、検体のDNAを増やすためのPCRを行う時に問題があったのです。(PCRというのは英語でpolymerase chain reactionといい、日本語でポリメラーゼ連鎖反応と訳します。)検体を固定する時に古すぎた固定素材の使用と、検体の長期間の保管が問題であったのです。ただし、2つの研究のどちらでも、著者はPCRの感度を指定していないため、脳のサンプル(脳の検体)の一部のレベルはPCRがDNAを検出する限界を下回りすぎていた可能性があります。2つめの研究の主な主題は、脳内に真菌が存在するかどうかの検索でした。そのついでにHSV1のDNAが検出可能かを見ただけです。著者は、脳サンプル10個のうちわずか1個でしかHSV1の DNAが検出できただけだと述べました。しかし、2016年に行われたオルソンらの研究と同じように、2つの研究の著者らは検出感度を述べておらず、回収実験も記載されていませんでした。(回収実験は、別名、添加回収試験と呼ばれます。添加回収試験は、分析法の正確さを確認する方法の一つです。ある試料(河川水など)とそれに既知濃度の目的成分を添加したものについて分析を行います。得られた分析結果を比べ、両者の差が実際の添加量と一致すればその分析法は正確であると判断するための実験です。)つまり、ここでは、ウイルスDNAの検出を妨げる汚染物質があるかどうかを調べるために明らかにウイルスDNA陰性であったサンプル(検体)にHSV1 のDNAを追加しました。2番目の研究では、固定脳スライス(脳の切片)と「コントロール」としてのHSV1感染HeLa細胞培養を使用した、免疫組織化学(IHC)による特定のHSV1タンパク質も探しました。しかし、人間の脳のウイルスおよびウイルスタンパク質のレベルは、感染した細胞を培養した液にあるよりも、はるかに少なかったのです。そのため、当然のことながら、IHC(immune-histo-chemistry)の結果は陰性でした。(感染した細胞を培養して増やすと、当然、元の脳のHSV1の量よりも増えるのは当たり前ですからね。)

 HeLa細胞(ヒーラさいぼう)は、ヒト由来の最初の細胞株。in vitro(試験管の中)での細胞を用いる試験や研究に幅広く現在も用いられている、世界的に有名な細胞株です。1951年に子宮頸癌で亡くなった30代黒人女性の腫瘍細胞から分離され、株化された。この細胞の名称は、ヘンリエッタ・ラックスから得られた細胞であったので、ヘンリエッタの名にちなんでHeLa細胞と命名されました。読むのは「ヘラ」ではなくて「ヒーラ」と読みます。

 免疫組織化学(IHC)は、英語で、immuno-histo-chemistryといいます。IHCは、抗体を用いて、組織標本中の抗原を検出する組織化学の一手法です。別に、染色操作を用いるので、免疫染色(Immunostaining)ともいいます。なぜ染色を用いるのでしょうか?本来、見えない抗原抗体反応(免疫反応)を可視化するために発色操作を行うので、「免疫染色」とか「抗体染色」とか「免疫抗体法」とも呼ばれます。抗体の特異性を利用して組織を“染め”わけ、抗原の存在および局在を顕微鏡下で観察できるので、特定遺伝子の発現確認や、各種の「マーカータンパク質」を用いることで、病理組織の診断にも使われます。また電気泳動したタンパク質分子を特殊な膜に移し替え、その膜を特定タンパク質に対する抗体で免疫染色する方法がウェスタンブロッティングです。染色するために、抗体に色素や蛍光色素を結合させる方法の他に、金コロイドや酵素を用いたりします。

 PCRは、上に書きましたが、英語でpolymerase chain reactionの頭字語であり、日本語でポリメラーゼ連鎖反応といいます。検体にある少ないDNAを増やすための手法です。英語をそのまま片仮名読みにして「ポリメラーゼ・チェーン・リアクション」と呼ばれることが多いです。ヒトのゲノム(30億塩基対)のような非常に長大なDNA分子の中から、自分の望んだ特定のDNA断片(数百から数千塩基対)だけを選択的に増やす(増幅させる)ことができます。しかも極めて微量なDNAしか含まれていない溶液を使っても、目的のDNAを増やすことができます。増幅に要する時間が2時間程度です。プロセスが単純で、全自動の卓上用装置もできています。

 Another aspect linking HSV1 to AD, and relating also to the degradation of Aβ, is lysosomal impairment, which many studies have shown contributes to neurodegeneration, neurons being particularly susceptible to lysosomal damage. Very recently, Kristen et al. (2018) found that in cell cultures, HSV1 infection and also oxidative stress (OS) increased lysosomal load and impaired lysosomal function, the impairment including a reduced activity of lysosomal hydrolases and cathepsins, and in the case of OS, effects on the maturation of the cathepsins. Such changes could account for the accumulation of lysosomes and decreased functionality of lysosomal proteins, which are known to occur early in the development of AD. The authors pointed out that several polymorphisms associated with AD, such as APOE, ABCA7, CD2AP and Phosphatidylinositol Binding Clathrin Assembly Protein (PICALM) are associated also with the HSV1 life cycle, and that some of these lead to abnormalities in autophagy. All these data support the involvement of lysosomal damage in the development of AD, resulting in inefficient removal of toxic substances from cells, and they support the role of HSV1 in AD. The fact that the concentration of lysosomal proteins is known to be higher in AD patients’ brains and CSF might reflect attempts by cells to rectify the impairment of the lysosomal system.

 HSV1をAD(アルツハイマー病)と関連していることや、かつAβ(アミロイドβ)の分解にも関連するもう1つの側面は、脳神経細胞のリソソーム障害であります。このリソソームの障害のために、脳神経変性(HSV1が感染した脳神経細胞の変性が起こり、細胞が死滅することです)が生じることを多くの研究が示しています。とりわけ、ニューロン(神経細胞)は特にリソソーム損傷を受けやすいのです。ごく最近2018年に、クリステンらが細胞培養で、HSV1感染と酸化ストレス(OS)(Oxidative stress)がリソソームに大きな負荷をかからせて、その結果、リソソーム機能を低下させ、リソソーム加水分解酵素の活性低下や、カテプシン(cathepsin)の活性低下を含む障害を見出しました。さらに、酸化ストレス(OS)(Oxidative stress)が生じる場合は、カテプシン(cathepsin)の成熟に対する有害な影響をも発見しました。そのような変化(障害)は、リソソームの蓄積とリソソームタンパク質の機能低下を説明できます。このような有害な変化は、ADの発達の初期に起こることが分かっています。著者らは、APOE、ABCA7、CD2AP、ホスファチジルイノシトール結合クラスリンアセンブリタンパク質(PICALM)(clathrin assembly lymphoid myeloid leukemia geneで作られたPhosphatidylinositol binding clathrin assembly proteinのことです。)など、ADに関連するいくつかのタンパクを作る遺伝子の多型がHSV1ライフサイクルにも関連していること、およびこれらの一部がオートファジーの異常(つまりリソソームの異常)につながることを指摘しました。これらのすべてのデータは、ADの発症におけるリソソーム損傷の関与を支持し、細胞からの有害物質(ヘルペスウイルスが感染して死滅した脳神経細胞の残骸であり、DAMPとも言われ、この中にアミロイドβやタウタンパクが入っているのです。)の非効率的な除去をもたらし、ADはHSV1が一役買っていることを示しています。リソソームタンパク質の濃度がAD患者の脳とCSF(脳脊髄液と訳し、英語はcerebro-spinal fluidで、略語でCSFといいます。)でより高いことが知られているという事実は、リソソーム系の障害を是正するための細胞による試みを反映しているのです。

 リソソームは、英語でlysosomeと書き、ライソソームとか、リソゾームとか、ライソゾームとも発音します。真核生物が持つ細胞小器官の一つです。上図の(12)がリソソームです。日本語で水解小体と訳されます。語源は、“lysis(分解)”+“some(〜体)”に由来します。生体膜(細胞膜)につつまれた構造体で細胞内消化の場であります。加水分解酵素を持ち、エンドサイトーシスやオートファジーによって、細胞膜内に取り込まれた生体高分子はここで加水分解されます。分解された物体のうち有用なものは、細胞質に吸収されます。不用物はエキソサイトーシスによって細胞外に廃棄されるか、残余小体(residual body)として細胞内に留まります。単細胞生物においては、リソソームが消化器として働いています。また植物細胞では液胞がリソソームに相当する細胞内器官であります。

 酸化ストレスは英語で、Oxidative stressであり、略でOSといいます。酸化ストレスとは、「酸化反応により引き起こされる生体にとって有害な作用」のことで、活性酸素と抗酸化システム(抗酸化物質)、抗酸化酵素とのバランスとして定義されています。生体組織の通常の酸化還元状態が乱されると、過酸化物やフリーラジカルが産生され、タンパク質、脂質そしてDNAが障害されることで、さまざまな細胞内器官が障害を受けます。酸化ストレスの人体への影響は大きく、判明しているだけでも、ADHD、がん、アテローム動脈硬化症、パーキンソン病、ラフォラ病、心不全、心筋梗塞、アルツハイマー病、鎌状赤血球症、脆弱X症候群、扁平苔癬、尋常性白斑、自閉症、うつ病、慢性疲労症候群、およびアスペルガー症候群などの疾患・症候等が酸化ストレスと関与しています。実は、上記の疾患の中で、原因不明と言われている病気のすべては、ヘルペスウイルスに感染した細胞がヘルペスによって死滅させられた時に、死滅した細胞の成分を処理する時に生じる病気なのです。活性酸素種はヘルペスウイルスなどの病原体を攻撃し、殺すための免疫系としての機能も持ち併せているため有益な機能でもあるのです。だからこそ、ヘルペスと戦ったりしないように、キラーT細胞にPD-1というレセプターを発現させたのです。言い換えると、PD-1は永遠に殺しきれないヘルペスとの平和条約としてのシンボルであったのです。ところが抗がん剤のオプジーボは、PD-1に対する抗体であるので、PD-1とオプジーボという抗体が結合すると、ガン細胞との戦いのみならず、あらゆる細胞に入り込んでいるヘルペスウイルスとの戦いが始まり、人が死ぬという副作用も出てしまうのです。オプジーボについてはこちらを呼んでください。

 短期間の酸化ストレスについても、ミトホルミシスと呼ばれる老化の進行のプロセスを予防する上で重要な役目を果たす場合があります。ホルミシスとは、ある物質が高濃度あるいは大量に用いられた場合には有害であるのに、低濃度あるいは微量に用いられれば逆に有益な作用をもたらす現象を示す言葉です。さらにミトホルミシスとは、ミトコンドリアにおけるホルミシスであり、ミトコンドリアのホルミシスが老化に関わっているということが分かっております。

 カテプシンは、英語でcathepsinと書きます。 細胞内の蛋白質異化作用に重要な働きをする酵素で,蛋白質のポリペプチド鎖の中間のペプチド結合を加水分解し,2つまたはそれ以上のポリペプチドを生じる蛋白分解酵素の一種です。分解するペプチド鎖に対する特異性によって,カテプシンA,B,Cの3型に分れ,カテプシンCが最も特徴がはっきりしています。カテプシンCは酵素番号 3.4.4.9で,高等動物の腎臓,脾臓,膵臓などの中に見出されます。

 クラスリンは、英語でclathrinと書きます。は細胞外マトリクスの分子がエンドサイトーシスにより取り込まれる際に形成される、エンドソーム外側を形作る骨格となるタンパク質である。クラスリン分子は三脚巴構造 (triskelion) を取り、エンドソーム形成時は、複数のクラスリンが重合して格子を作り、サッカーボールの様な構造を形作ります。 細胞分裂中期においては、有糸分裂紡錘体の動原体繊維(正確には微小管もしくは微小管結合タンパク質)と結合し、動原体繊維の配置と向きを制御しています。さらに、p53タンパク質と結合し、p53の転写活性化能を制御します。

今日はここまでです。2019/08/08

 ABCA7(は、英語でATP-binding cassette sub-family A member 7であり、縮めてABCA7と言います。このABCA7というタンパクはABCA7遺伝子にコードされています。ABCA7というタンパクの機能は輸送体です。何をどのように輸送するのでしょうか?細胞内外から様々な分子を出し入れします。このABCという輸送体はトランスポーターとも呼ばれますが、様々な細胞に存在していますが、とりわけ白血球や胸腺や脾臓や骨髄などの免疫系の細胞に多くあります。このタンパクは免疫系の細胞の脂質の恒常性を維持する働きがあります。したがって、ABCA7の変異体タンパクはアルツハイマー病にかかりやすいのです。というのは、ADを発症する人はABCA7の遺伝子の不活化変異体を持っている人はADになりやすい可能性が高い事がしめされています。)

 CD2AP(は、英語でCD2-associated proteinといいます。CD2AP遺伝子にコードされているタンパクです。機能は細胞骨格を作るアクティンを制御する足場分子をコードしています。)

 ホスファチジルイノシトール結合クラスリンアセンブリタンパク質(PICALM)(は、英語でclathrin assembly lymphoid myeloid leukemia proteinといいます。clathrin assembly lymphoid myeloid leukemia geneで作られたタンパクです。この遺伝子のアリールは年取ってから発症するADのリスクと関わりがあります。クラスリンについては上に書きました。

 ホスファチジルイノシトール(は、英語でPhosphatidy-linositolと書き、略してPtdInsと書きます。またはPIと略します。グリセロリン脂質に分類されるリン脂質の一つ。ホスファチジルイノシトール(PI)は両親媒性分子であります。両親媒性というのは油にも水にも溶けるという意味です。真核生物の細胞膜の細胞質側に存在しています。ホスファチジルイノシトール(PI)を基本骨格にもつすべての脂質をイノシチド (inositides) またはホスホイノシチド (phospho-inositides) と呼びます。ホスファチジルイノシトールはグリセロール(グリセリン)と脂肪酸からなるリン脂質の一つであり、アルコール部分がイノシトールというアルコールになっています。加水分解されると、1分子のグリセロール、2分子の脂肪酸、1分子のイノシトールと、1分子から3分子までのリン酸が生成します。全てのリン脂質の中で最も酸性度が高い。リン酸化 イノシトール環の3,4,5位の水酸基が7つの異なった組み合わせでリン酸化されることができ、多くの種類のキナーゼの基質になりうるため、ホスファチジルイノシトール(PtdIns)はシグナル伝達に関わっています。2位と6位の水酸基は、立体障害のためにリン酸化されないのです。リン酸化された7種の全ての異性体が動物から見つかっていますが、植物からはホスファチジルイノシトール 3,4,5-三リン酸だけ見つかっていません。ホスファチジルイノシトールの摂取は血中のHDLコレステロール値を上昇させる作用があります。

 オートファジー(は、リソソームにより細胞質内のタンパク質や細胞内小器官を分解するシステムです。 細胞内のタンパク質や細胞内小器官(オルガネラ)は、不要となったり、あるいは必要である場合に応じ、オートファジー(autophagy)によって分解され、その成分は細胞内で再利用されます。)

今日はここまで。2019/8/9

 Two other very recent publications which are consistent with the viral concept of AD have elicited much interest and publicity, resulting in some previously sceptical opponents of the viral concept conceding some possibility of its validity. The first, by Readhead et al. (2018), analyzed the transcriptomes of brain samples from AD patients and controls, using four independent cohorts from different geographical regions of the USA. They found that herpesviruses 6A and 7, and also HSV1, were present in elderly and AD brains, the levels of HHV6 and HHV7 being significantly higher in the AD samples than in the controls, in three of the four cohorts. Their results substantiate and augment earlier studies detecting HHV6 (Lin et al., 2002) and HSV1 (Jamieson et al., 1991) in elderly brains (which revealed a similar frequency of HSV1 in brain of AD patients and controls but a much higher HHV6 frequency in patients (see also review, Hogestyn et al., 2018). Readhead et al. (2018) found also an association of virus levels with clinical dementia rating, neurofibrillary tangle density and amyloid plaque density. Plaque size too was affected by virus presence, as they showed by suppressing the gene for miR-155, a neuroprotective micro RNA: miR-155 knockout mice were crossed with APP/PS1 mice and it was found that the progeny had more and larger plaques than the APP/PS1 controls. Importantly, their analysis of protein and mRNA levels suggested that infection with these viruses causes changes in several transcriptional regulators (including several regulators of APP processing and AD risk-associated genes such as gamma-secretase subunit presenilin-1 (PSEN1), BACE1, Clusterin (CLU), PICALM. These data too are consistent with earlier studies using GWAS on associations between microbes, particularly herpesviruses, and AD, as described by Licastro et al. (2011) and Carter (2013). Lin et al. (2002) raised the possibility that HHV6 infection might be merely an opportunistic infection, but suggested that it was more likely that HHV6 acts in concert with HSV1, as studies by others had shown that HHV6 augments the damage caused by other viruses in animal tissue and in cell cultures. Also, the data of Readhead et al. (2018) argue against HHV6 and HHV7 being merely opportunistic infections, in that they reveal association between virus levels and levels of various characteristic AD features, as mentioned above.

 ADがヘルペスウイルスと関わりがあるという考え方と一致する2つの他のつい最近出たばかりの出版物が、多くの関心と世間の周知をもたらし、その結果、以前はヘルペスウイルスがADに関わっている考え方に反対してきた人々がADにヘルペスウイルスが関わっていると認めるようになりました。その最初は、Readhead等による2018年に行われた米国の異なる地域からの4つの独立したコホートを使用して、AD患者とコントロール(AD患者ではない正常な人)の脳サンプルのトランスクリプトームを分析したコホート研究です。彼らは、ヘルペスウイルス6Aおよび7、さらにHSV1が高齢者およびADの患者の脳に存在し、4つのコホートのうち3つで、HHV6およびHHV7のレベルがコントロール(AD患者でない対照群)のサンプルよりもADサンプルで有意に高いことを見つけ出したのです。それらの結果は、高齢者の脳からHHV6およびHSV1を検出される以前のヘルペスとADとが関わっている研究をも正しいことを実証し、確証してくれました。AD患者とコントロール(AD患者と比較する為のAD患者でない人)の脳でHSV1が見つかる頻度は同じでありますが、AD患者にHHV6が見つかる頻度はもっと高かったのです。Readheadらは、これらのヘルペスウイルスレベルと臨床的認知症評価や神経原線維変化密度(タウタンパク密度)およびアミロイドプラーク密度(アミロイド凝集密度)には関連があることも見つけ出してくれました。アミロイドプラーク(アミロイド斑)の大きさもまたヘルペスウイルスがあれば大きくなることも示しました。このような事実をReadheadらはヘルペスウイルスが神経を保護する作用のあるマイクロRNAであるmiR-155の遺伝子を抑制することで次の方法を使って明らかにしました。その方法とはmiR-155ノックアウトマウスがAPP / PS1マウスと交配されると、その子孫にはAPP / PS1対照マウス(APP/PS1がないマウス)よりも多くのプラークがあることを示したのです。重要なことは、タンパク質およびmRNAレベルの分析により、これらのウイルスとの感染はいくつかの転写を制御する因子に変化を引き起こすことであります。これらの転写制御因子には次のようなものがあります。APP処理の遺伝子とADになるリスクに関連した遺伝子のいくつかの転写調節因子などでありますが、もっと具体的いえば、γ-セクレターゼのサブユニットであるpresenilin-1 (PSEN1)、BACE1、クラステリン(CLU)、PICALMなどであります。これらのデータも、リカストロらによって説明されているように、微生物、特にヘルペスウイルスとADの間の関連性に関するGWASを使用した以前の研究と一致しています。リンらは2002年にHHV6感染は単なる日和見感染である可能性を提起しましたが、同時に他の研究が示したようにHHV6が動物組織内や細胞培養内の他のウイルスによって引き起こされる損傷をHSV1と協調して増強する可能性が高いことも示唆しました。また2018年にReadheadらのデータはHHV6とHHV7は、日和見感染ではないことを示しました。というのは、ウイルスの量の大小と前に述べたADの性格を示すさまざまな特徴の多少のレベルとの関連を明らかにしているからです。言い換えると、ウイルスが多ければ多いほどADになりやすいということです。

(上の文節で使われている難解な専門用語について説明します。)

トランスクリプトーム(とは、特定の状況下において細胞中に存在する全てのmRNAの総体を指す呼称です。特定全転写量と訳していいかもしれません。ゲノムは原則として同一個体内のすべての細胞で同一ですが、トランスクリプトームでは状況が異なり、同一の個体にあっても組織ごとに、あるいは細胞外からの影響に呼応して固有の構成となります。)

コホート研究(は英語でcohort studyといいます。分析疫学における手法の1つであり、特定の要因に曝露された集団と曝露されていない集団を一定期間追跡し、研究対象となる疾病の発生率を比較することで、要因と疾病発生の関連を調べる観察的研究であります。)

ヘルペスウイルス6A(とは、何でしょう?人間のヘルペスウイルスには8種類ありますが、6番目のヘルペスウイルスはHHV-6AとHHV-6Bの2種類あります。2つとも脳炎や骨髄抑制や肺炎を起します。HHV-6AはHHV-6Bに比べて臨床的な特徴ははっきりしません。HHV-6Bは、ヘルペスウイルスの中でも日和見感染症の起因病原体として重要な cytomegalovirus(CMV)と同じ β ヘルペスウイルス亜科に属しています。HHV-6B の初感染は、乳幼児期の熱性発疹症である突発性発疹(突発疹)の原因となります。HHV-6Aは成人に見られることが多くよりHHV-6Bより神経細胞に住み着くことが多いのです。これを神経向性が強いといいます。もっとも臨床上2つをまとめてHHV-6として取り扱っても問題はありません。

コントロール(は、英語でcontrol experimentといい、日本語で対照実験(たいしょうじっけん)と訳します。すべての科学研究において、結果を検証するための比較対象を設定した実験でコントロール実験とも呼ばれます。条件の差によって生まれる結果の差から、実験区分の結果を推し量る基準となり、実験の基礎となります。1つの条件のみ変更し他条件は一致させるようにして生じる異なった結果を変えた条件のためだと考える訳です。その方法について、具体的に述べましょう。例えば、薬の臨床試験であれば、効果のない偽薬と、新たに開発した薬剤とを投与する2つの実験群を考えますが、偽薬を与えられた方が対照実験(つまり薬を与えられなかった群)となります。対照実験の対象となるグループをコントロールグループ(統制群とか対照群)と呼びます。また、対照実験には陰性対照(ネガティブコントロール、NC)と陽性対照(ポジティブコントロール、PC)の二種類があります。いずれも結果があらかじめわかっている対照群ですが、前者(ネガティブコントロール、NC)は結果に影響を及ぼさないものであり、先の薬の例では偽薬があてはまります。一方、陽性対照(ポジティブコントロール、PC)は効果があることがわかっている対照群であります。薬剤の例で言えば、既に臨床試験をクリアした(本試験対象の薬剤に期待される効果と、同種の効果が実証された)薬剤があてはまります。また、PCR (polymerase chain reactionといい、日本語でポリメラーゼ連鎖反応と訳します。)や菌検査にもネガティブコントロール(NC)やポジティブコントロール(PC)は用いられます。これは、増幅したDNAや、培養された微生物が、実験者のDNAや、空中落下塵によるコンタミネーション(汚染)によらないことを証明するためです。対照実験を行う意義は、結果の差を推計統計学的に考慮して、有意差があったかどうかを判断できるという点があります。また、その差の大きさによって、効果がどれほどあったのかという点についても知ることもできます。例えば、薬剤の臨床試験の場合、偽薬効果を排除できるということがあります。対照実験を行わない場合、被験者がその効果を期待することによって、本来の効果以上の変化が起きてしまう可能性があり、これをプラシーボ効果といいます。対照実験では偽薬を与えられた被験者も偽薬であることは知らないため、そのバイアス(プラシーボ効果)を取り除くことができます。)

miR-155(について、述べましょう。まずmiRの意味から説明しますが、miRはmicroRNA の略語でマイクロRNAと呼び、日本語では微小RNAと訳します。RNAは核酸のことですね。それでは、miR(miRNA)とRNAとはどう違うのでしょうか?RNAはribonucleic acidの略で日本語でリボ核酸と呼びます。RNA(リボ核酸)は、リボヌクレオチドがホスホジエステル結合で繋がった核酸です。RNAのヌクレオチドはリボース(五炭糖)とリン酸、塩基から構成されます。基本的に核酸塩基としてアデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)、ウラシル(U)があります。下にRNAのヌクレオチドを記載しておきます。ポリメラーゼによりDNAを鋳型にして転写されます。RNAの塩基はDNAの塩基に対応しています。

 各塩基はDNAのそれと対応しているが、ウラシルはチミンに対応する。RNAは生体内でタンパク質合成を行う際に必要なリボソームの活性中心部位を構成しています。生体内でのRNAの挙動や構造や機能により、伝令RNA(メッセンジャーRNA、mRNA)、運搬RNA(トランスファーRNA、tRNA)、リボソームRNA (rRNA)、ノンコーディングRNA (ncRNA)、リボザイム、二重鎖RNA (dsRNA) などさまざまな分類がされます。この分類の中のノンコーディングRNA (ncRNA)の中のmiR(miRNA)なのです。
 それでは、ノンコーディングRNA (ncRNA)の中のmiR(miRNA)は一体、何者なのでしょう。上の図にmiRNA(miR)の単位のヌクレオチドの化学構造式を示しましたね。このmiRNA(miR)構成単位のヌクレオチドが直鎖状に連結していくのです。上の図のBaseは核酸単位塩基を示しています。miRNA (microRNA) は、ゲノム上(DNA上)にコードされ、多段階的な生成過程を経て最終的には20から25塩基の長さのmicroRNA(微小RNA)となります。これを機能性核酸と呼びます。機能性核酸とは何でしょうか?つまり、DNAをタンパクに翻訳してくれるRNAではないのでncRNA (non-coding RNA、ノンコーディングRNA、非コードRNA) の分類に含まれるRNAでありますが様々な機能を持っているのです。この鎖長の短いmiRNAは、ほかの遺伝子の発現を様々な形で調節するという、生命現象において重要な機能を担っているのです。
 このmiRNAの発見が年々新たに行われました。2001年以降、さまざまな種類の生物 (植物のシロイヌナズナやイネ、さらに 動物ではシー・エレガンス, ショウジョウバエなどさらに哺乳類ではマウス, ヒトに存在していることが明らかになったのです。したがって、明らかになったmiRNAの種類が多様性があるので命名法も決められたのです。新たに発見されたmiRNAの名称は、以下の(1)~(5)にしたがって決められるようになりました。まず、どの生物がmiRNAの種類を決めます。次にmiRNAの構造のタイプを定義します。3番目に短い塩基配列を見つかった順番に応じて登録番号を決めます。4つ目にどのようにしてmiRNAが生成されたかの過程の由来を定義します。最後の5つ目にmiRNAの名称を定義します。microRNAの名称の付け方のルールが決められていますから、それを列挙しましょう。1つずつ具体的に説明しましょう。

(1) 生物の種類を定義する。
ショウジョウバエ型miRNAの場合、dmeの略称を使用する。
マウス型miRNAの場合、mmuの略称を使用する。
ヒト型miRNAの場合、hsaの略称を使用する。
(2) 構造のタイプを定義する。
前駆体の場合、mirを使用する。
成熟体の場合、miRを使用する。
一部例外も存在する。
(3) 塩基配列の登録番号を定義する。
同定された順に番号を付ける。
類似した配列の場合、番号の後ろに小文字のアルファベットを付ける。
(4) 生成過程の由来を定義する。
異なる遺伝子座を由来とする場合、数字で区別する。
異なる前駆体を由来とする場合、5'末端側の鎖を5p、3'末端側の鎖を3pとして区別する。
定義しない場合もある。
(5) miRNAの名称を定義する。
(1)~(4)で定義した因子をハイフン (“‐”) でつなげる。
一例として、dme-let-7、mmu-mir-1-1およびhsa-miR-15a-5pなどが挙げられる。

(4)の5'末端、3'末端について説明しましょう。DNAやRNA分子のリン酸ジエステル結合は、五炭糖の3'または5'位の炭素に結合したOH基との間に形成され、直鎖状の高分子が形成されます。この炭素分子との結合の方向性や位置が、核酸の合成の順序や方向や転写、翻訳の順序や方向に密接に関連するため、トータルの核酸分子を見た時の方向性を示す目安として、5'から3'方向'とか3'から5'方向という言い方がよく使われるのです。核酸の鎖の一部を形成している五炭糖の5つの炭素にはそれぞれ番号がついています。核酸の鎖をまっすぐした時に炭素の3'から5'の方向にたどった時の一番最後のヌクレオチドが5'末端とよばれるのです。鎖の途中では、5'末端に近い側が5'側、3'末端に近い側が3'側といいます。特に末端OH基がリン酸エステルの状態の時とそうでないときとを区別し、5'-OH末端、5'-P末端のようによびます。

 miRNAがどのように合成されるのか説明しましょう。人間のゲノムDNAには、miRNAの塩基配列とほぼ相補的な配列が含まれています。一般に、この配列はmiRNA遺伝子と呼ばれています。ここでいう相補的とは、核酸塩基がワトソン・クリック型塩基対を形成していることです。具体的には、A (adenine, アデニン), T (tymine, チミン), G (guanine, グアニン), C (cytosine, シトシン), U (uracil, ウラシル) の5種類の天然型塩基が特定のペアー同士で水素結合によって塩基対を形成していることです。AとTまたはUは2本の水素結合により対をなしています。GとCは3本の水素結合により対をなしています。したがってGとCの水素結合は1本数が多いので、GとCの塩基対はAとTまたはUの塩基対よりも安定性が高いのです。
 miRNAには3種類あります。まず1つ目はpri-miRNAであり初期転写産物と言われ、英語でprimary miRNAといいます。Primary(初期)のpriを取ってpri-miRNA と略します。2つ目はpre-miRNAといい、前駆体転写産物といわれprecursor miRNAの略語で、precursor とは前駆体といい、preを取ってpre-miRNAとなります。3つ目がmature-miRNA となり、成熟転写産物と言われます。この成熟転写産物であるmature-miRNAは、はじめて機能を発揮できるので機能性miRNAとも呼ばれます。
 それでは次にpri-miRNA (primary miRNA、初期転写産物)の生成がどのように行われているか勉強しましょう。miRNA遺伝子がRNAポリメラーゼIIによって1本鎖RNAに転写されると、転写されたRNA配列内で相補な部分は、内在的に結合して2本鎖となり、そうして最終的な構造はヘアピンループ型の構造(tRNAに類似した形状)となります。この構造をとったmiRNAはpri-miRNA (primary miRNA、初期転写産物) と呼ばれます。pri-miRNAは数百~数千塩基長の長鎖RNAであり、5’末端側にキャップ構造(5'-cap) といわれる7-methyl-guanosine 5'triphosphate (7mGppp) が形成されており、3'末端側にポリAテール (3'-poly-A tail) が付与されます。ポリA鎖は多数のAMP(Adenosine monophosphate)から構成されており、ポリアデニル化(Polyadenylation)によってRNAをアデニン塩基で伸長するのです。ポリアデニル化(Polyadenylation)はRNAにポリA鎖(poly-A tail)を付加することであります。真核生物では、ポリアデニル化は翻訳可能な成熟mRNAを生産するために不可欠であります。AMPはアデニル酸(アデニルさん、adenylic acid)とかアデノシン一リン酸(Adenosine monophosphate)ともいわれ、RNA中に見られるヌクレオチドの一種です。AMPは核酸塩基のアデニン、五炭糖のリボース、1つのリン酸から構成されています。
 次にpre-miRNA (precursor miRNA, 成熟したmiRNAの前駆体)の生成について勉強しましょう。核内に存在するRNaseIII様のDrosha (ドローシャ) と呼ばれる酵素がこのpri-miRNA分子の一部を切断して、約70塩基長のループ構造をもつpre-miRNA (precursor miRNA) を作ります。次いで、pre-miRNA分子はExportin-5と呼ばれるキャリアタンパク質によって細胞核の外に輸送され、細胞質で最後にmature-miRNAが作られます。

 今日はここまです。難しいですがmiRNAは、がん、心血管疾患、神経変性疾患、精神疾患、慢性炎症性疾患などの発症と進行に関わっているので、特に、細胞のがん化に深く関わっているので詳しすぎるほど勉強するのです。しかも、これらの病気の原因はすべてヘルペスウイルスが関わっているので興味のある人は着いてきて下さい。

2019/8/11

 次にmature-miRNAがどのようにつくられるのかを説明しましょう。まず、pre-miRNAは細胞質に放出された後、Dicer(ダイサー)と呼ばれる酵素によるスプライシングによって、pre-miRNAは20から25塩基長の2本鎖miRNAとなります。
 2本鎖miRNAは、Ago(Argonaute, アルゴノート)タンパク質からなるRISCタンパク質群に取り込まれます。Ago(Argonaute, アルゴノート)タンパク質とは何でしょうか?アルゴノートタンパク質は、アオイガイ(Argonaut、貝殻を持つタコの仲間)が持つらせん形の貝殻に似た形をした植物の変異体から発見されたタンパク質です。RISCタンパク質群は英語でRNA-induced silencing complexといい、日本語でRNA誘導サイレンシング複合体と訳します。RISCタンパク質群のアルゴノートタンパク質によって、ダイサーによって作られた2本の低分子干渉RNA分子(miRNA)は、周囲に漂っている他のウイルスRNAを破壊するために2本の内1本が使われるのです。それはアルゴノートタンパク質は2本の低分子干渉RNA(miRNA)から2本の内1本の鎖を引き剥がした後、それに合うmRNAを探し出すのです。それを見つけたら、mRNAを切断し、破壊するのです。以上を簡単にまめると、RISCに取り込まれた2本鎖miRNAはRISC中で引き剥がされ2つの1本鎖miRNAが生まれます。そのうち、より不安定な1本鎖は分解されます。残ったもう一方の安定な1本鎖miRNAはmRNA (messenger RNA, 伝令RNA) の3'-UTR (untranslated region, 非翻訳領域) と部分相補的な遺伝子配列をもっているので、その1本鎖miRNAは自身と部分相補的な塩基配列をもつmRNAに結合することで、その遺伝子の翻訳反応を阻害するのです。このような機能をもつ1本鎖miRNAはmature-miRNA (成熟miRNA, 機能性miRNA) と呼ばれます。

 上に述べたように機能性のncRNA(non-coding RNA、ノンコーディングRNA、非コードRNA)の中でも、短鎖RNAはsmall RNA (スモールRNA, 小さなRNA) と呼ばれています。 small RNAにはsiRNAとmiRNAがあります。miRNAの話は終わりましたが、siRNAについて勉強しましょう。
 siRNAは英語でsmall interfering RNAといい、21-23塩基対から成る低分子二本鎖RNAです。siRNAはRNA干渉(RNAi)と呼ばれる現象に関与しており、siRNAは伝令RNA(mRNA)を破壊することによって特異的に遺伝子の発現を抑制します。この現象はウイルス感染などに対する生体防御機構の一環として進化し、ウイルスRNAの転写を阻止する機能をもっています。この働きはヘルペスウイルスのDNAがRNAに転写される時に発揮されヘルペスウイルスの増殖を阻止すると考えられます。細胞の遺伝子発現の調節にも関わっています。siRNAは外来性の2本鎖RNAであり、ヘアピンループ構造を形成しています。その作用機構はRNAi機構です。RNAiは英語でRNA interferenceといい、日本語でRNA干渉と訳し、二本鎖RNAと相補的な配列を持つmRNAが特異的に分解される現象です。
 一方、miRNAはsiRNAと違い、複数のmRNA配列に部分相補的に結合します。miRNAは、mRNAの翻訳反応を物理的に阻害することで、さまざまな遺伝子発現を抑制するので、 1種類のmiRNAは、多種類のmRNAの遺伝子発現調節に関わっています。 逆に言い換えれば、1種類のmRNAの遺伝子発現は、多種類のmiRNAによって調節されています。
 miRNAは単一で機能しているのではなくて、ほかの種類のmiRNAと協力することで、複数のmRNAの遺伝子発現を抑制し、miRNAは制御機能のバランスを保ち、生物の恒常性を維持しているのです。もっと具体的に言えば、miRNAは、細胞の発生、分化、増殖、細胞死などの基本的な生命現象の調節に関わっています。特に哺乳類の場合、2,500種類以上のmiRNAが遺伝子発現の30-90%を制御しているんのです。
 さらにmiRNAはがん、心血管疾患、神経変性疾患、精神疾患、慢性炎症性疾患などの発症と進行に関わっています。特に、がんに関わるmiRNAに、正の制御をする (がん化を促進する) ものと負の制御をする (がん化を抑制する) ものの2種類のタイプが存在することもわかりました。正の制御をするmiRNAはonco miRNA (oncogenic miRNA, がん促進型miRNA)と負の制御をするmiRNAはTumor Suppressor miRNA (がん抑制型miRNA)と呼びます。

代表的なonco miRNAとtumor suppressor miRNAの一例
miRNAの種類 onco miRNA/tumor suppressor miRNA がんの種類
miR-21 onco miRNA 乳がん、子宮頸がん、肺がん、大腸がんなど
miR-34 tumor suppressor miRNA 前立腺がん、肺がん、大腸がん、肝臓がんなど

 低分子干渉RNA(siRNA(small interfering RNA))とヘルペスウイルスについて考えましょう。miRNAは、慢性炎症性疾患の発症と進行にも関わっていることはすでに述べました。現代社会において、人類に最後に残された慢性炎症性疾患とは何でしょうか?ヘルペスウイルスです。多くのウイルスは長く伸びた2本鎖RNAを形成した上でゲノムを複製しています。よって、細胞内に2本鎖RNAが見つかると、それは感染の兆候であることが多いため、往々にして細胞死を伴う活発な反応を開始します。ところで動植物の細胞は、ウイルスを直接攻撃するより対象を限定した防衛手段も持っています。この攻撃はすでに述べたようにRNA干渉(RNA interference、RNAi)と呼ばれています。とにかく2本鎖RNAの存在はトラブルの前兆であることが多いのです。なぜなら、我々の細胞が持つRNAは、特にmRNAに関してはほとんどが1本鎖の状態で存在しているからです。但し例外的に、tRNAとリボソームはヘアピン状構造を取って短い2本鎖形成領域があります。

 さて、ヘルペスウイルスの生存戦略は極めて巧妙で人間の免疫で攻撃されてもそのままじっとしていることはありません。ヘルペスウイルスはRNA干渉(RNAi)に対して反撃する方法を持っています。ヘルペスウイルスはウイルスのmRNAを破壊しようとする人体の作ったsiRNAが結合しないようにさせます。ウイルスの増殖の為のmRNAにsiRNAが結合しないようにウイルスはsiRNAの働きを阻止する抑制タンパク質を作ることができるのです。ウイルスはsiRNAとぴったりの長さを持つRNA小片だけを見つけ出してそれに合う抑制タンパク質を作り、siRNAの働きを阻害してしまうのです。

 APP / PS1マウス、APP(は英語でAmyloid precursor proteinといい、日本語でアミロイドβ前駆体タンパク質と訳します。アミロイド前駆体タンパク質(Amyloid precursor protein; APP)が α-、β-、γ-セクレターゼ複合体などの酵素活性により切断されて生成されるのがアミロイドβです。アミロイド前駆体タンパク質(Amyloid precursor protein、APP)は、多くの組織で発現され、中枢のニューロンのシナプスに集中している内在性膜タンパク質です。神経シナプス形成、神経可塑性、抗菌活性、および鉄輸出の調節因子に関わっています。アミロイド β(Amyloid beta; Aβ)は 40 個程度のアミノ酸から成るペプチドでAPPと同じく膜貫通タンパク質であります。
 PS1(は英語でPresenilinと書き、プレセニリンと読みます。プレセニリン(Presenilin)にはプレセニリン1 (presenilin 1, PS1)とプレセニリン2 (presenilin 2, PS2)があります。プレセニリン1 (presenilin 1, PS1)とプレセニリン2 (presenilin 2, PS2)は家族性アルツハイマー病の原因遺伝子として、1995年に同定されました。PS1(第14番染色体)、PS2(第1番染色体)はそれぞれ467個、448個のアミノ酸からなる8回貫通型の膜タンパク質で、両者の構造は非常によく似ており、細胞内では主に小胞体やゴルジ体に局在しています。
 アルツハイマー病の脳に沈着するAβ(アミロイドβ)はその前駆体であるAPP(アミロイド前駆体タンパク質)からβ-セクレターゼおよびγ-セクレターゼと呼ばれるプロテアーゼ群によって切り出されてきますが、プレセニリンはそのγ-セクレターゼの活性本体です。プレセニリンに異常が起こると、γ-セクレターゼによるAPPの切断位置が2アミノ酸だけC末側にシフトし、正常ではあまり産生されない長いAβが生み出されるようになります。したがって、このAβ(Aβ42)は正常のAβ(Aβ40)よりも凝集しやすく脳に沈着しやすいのです。家族性アルツハイマー病で見られる数多くのプレセニリン変異はいずれも、Aβ42の産生を高めるのです。私は家族性アルツハイマー病というのはヘルぺスウイルスが家族同士でうつし合い、免疫を抑えるストレスの度合いが強い家族に見られるアルツハイマーであり、何も遺伝子的に家族に伝わっていく病気ではないと考えています。
 プレセニリンはまた、神経系の発生過程に働くNotchシグナリングにおいて、Notchの細胞内ドメインを切断するプロテアーゼとして働いていることも指摘されている。事実、PS1、PS2ダブルノックアウトマウスではγ-セクレターゼ活性、Notch切断活性いずれも消失することが示されている。プレセニリンのプロテアーゼ活性には、6番目と7番目の膜貫通ドメインに存在する2つのアスパラギン酸残基が重要であるらしい。我々はプレセニリン類似タンパク質の系統発生学的な解析を行い、これら2つのアスパラギン酸は線虫からヒトに至るまですべての種において保存されていることを見出した。)

 Notch経路(ノッチけいろ;Notch signaling pathway)(は神経、造血、血管、体節などの様々な分化過程に関係し、ヒトを含め脊椎動物から節足動物まで多くの後生動物でよく進化論的に保存された遺伝子調節(シグナル伝達)経路です。NotchカスケードはNotchとNotch受容体、それと核へNotchシグナルを伝える細胞内タンパク質から成り、Notchシグナリング経路は青春期に達すると新しい細胞の成長を抑制し、成人では神経ネットワークを安定にします。)

ノックアウトマウス(Knock-out mouse)(とは遺伝子操作により1つ以上の遺伝子を欠損(無効化)させたマウスのことです。 遺伝子の塩基配列は決定しているものの、その遺伝子産物の機能が不明な場合にその機能を推定するために用いる重要なモデル動物です。)

ガンマ‐セクレターゼ(gamma-secretase)(とは、タンパク質分解酵素セクレターゼの一であり、ベータセクレターゼによって切断されたアミロイド前駆体蛋白質(APP)を細胞膜貫通部位で切断し、アルツハイマー型認知症の原因物質とされるアミロイドベータを産生します。また、生物の発生や細胞の分化に重要な役割を果たすノッチ受容体の切断にも関与しています。)

 BACE1(は、英語でβ-site Amyloid precursor protein Cleaving Enzyme 1であり、β-セクレターゼのことです。アミロイドβ前駆タンパク質(APP)を切断する酵素の一つで,この反応によりアルツハイマー病に特徴的な老人斑の主要構成成分であるアミロイドβタンパク質(Aβ)を生じます。老人斑形成を抑制するアルツハイマー病治療薬候補としてBACE1阻害物質が考えられています。)

 クラステリン(は英語でClusterinと書き、アポリポタンパク質 Jのことです。75〜80 kDaのジスルフィド結合ヘテロ二量体タンパク質で、細胞片とアポトーシスのクリアランスに関連しています。 ヒトにおいて、クラステリンはCLU 遺伝子によってコードされています。CLU遺伝子は酸化ストレスに関連する神経変性疾患、癌、炎症性疾患、老化など多くの疾患に関わっています。)

 GWAS(は、英語で、Genome-wide association studyといい、日本語でゲノムワイド相関解析といいます。このGWASによる解析が、様々な疾患に関連する遺伝子多型を検出することを可能にしました。)



 The second article, by Eimer et al. (2018), extends greatly previous antimicrobial research by the group, and by Bourgade et al. (2015) specifically on the antiviral properties of Aβ, the deposition of which they describe as an innate immune response to infection. The authors found that HSV1 and HHV6 can induce amyloid plaque production in infected mice within 24–48 h, and that Aβ oligomers inhibit HSV1 infection in 3-D human neural cell culture models, and protect 5XFAD transgenic mice from acute viral encephalitis. They showed also that Abeta, probably in the form of a soluble oligomer, ensnares the virus through its heparin-binding domain via the viral envelope glycoproteins, thereby protecting brain cells from infection; fibrilization of the amyloid cloak occurs rapidly. This cloaking echoes the suggestion by Robinson and Bishop (2002) that amyloid acts protectively by entombing pathogens—a then heretical notion that was either ignored or derided. Cloaking is consistent also with the finding that in AD brains, HSV1 DNA is very specifically located within amyloid plaques (Wozniak et al., 2009a).

 2018年のEimerらによる2番目の記事やグループおよび2015年のBourgadeなどの研究では、具体的に、Aβの抗ウイルス特性やさらにその結果、生ずる沈着は感染に対する自然免疫応答として説明されています。イクザーキらは、HSV1とHHV6が24〜48時間以内に感染マウスでアミロイド斑の産生を誘導し、Aβオリゴマーが3Dヒト神経細胞培養モデルでHSV1感染を阻害し、5XFADトランスジェニックマウスを急性ウイルス性脳炎から保護することを発見しました。彼らはまた、おそらく可溶性オリゴマーの形態のAβタンパク質が、ヘルペスウイルスエンベロープの糖タンパク質を介するヘパリン結合ドメインによってウイルスを捕らえ、それにより脳細胞を感染から保護することを示しました。アミロイドの外皮の線維化は急速に起こります。2002年にRobinsonとBishopによって示唆されているのですが、このアミロイドの外皮はアミロイドが病原体を墓に葬る作用を持っているのです。このような異端的な考え方はその当時、馬鹿にされたか無視されたかのどちらかでした。アミロイドが外皮になるという考え方は、AD脳では、HSV1 DNAがアミロイド斑内に非常に特異的に局在しているという事実とも矛盾がないのです。(2009年にWozniakらによる。)

(上の文節で使われている難解な専門用語について説明します。)

 3Dヒト神経細胞培養モデル(は、英語でthree-dimensional (3D) human tissue culture models と書きます。このモデルは中枢神経系に対する今流行の三次元モデルです。このモデルはアルツハイマー病の脳の構造的機能特徴を模倣しています。そして何ヶ月の間、中枢神経系の活動を実証し続けているのです。このモデルはパーキンソン病や他の中枢神経系の病気の脳の活動に対して脳の組織モデルとして役に立ちます。)

 5XFADトランスジェニックマウス(は英語で5x Familial Alzheimer’s diseases Transgenic mouseと書きます。 家族性アルツハイマー病の変異を5種持たせた外来遺伝子導入マウスであります。)



 Both sets of authors acknowledge that their very interesting data show association of herpesvirus with AD but cannot prove causality. In contrast, and very importantly from the viewpoint of AD patients especially, population studies in Taiwan published in the last 12 months do provide evidence of causality.

 上記の著者の両方の研究は、彼らの非常に興味深いデータがヘルペスウイルスとADの関連を示していますが、因果関係を証明できないことを認めています。一方対照的に、かつAD患者の観点から非常に重要なことは、過去12ヶ月に渡って発表された台湾の集団研究は因果関係の証拠を実際に提供してくれます。


Evidence From Population Epidemiological Studies for a Role of HSV1 and Other Herpes Viruses in Dementia
認知症におけるHSV1および他のヘルペスウイルスの役割に関する集団疫学研究から得られた証拠

 Three very significant publications have appeared in the current year, all providing data on the health and illnesses of a population over several years—information which is not available in the UK1 nor, probably, in most other countries. In Taiwan, there are records of over 99% of the population and it seems that the data are being exhaustively mined by Taiwanese epidemiologists for links between, for example, various viruses, and certain chronic disorders, including senile dementia (SD). These are yielding important results. All three articles describe data on herpes virus infections—a family of viruses that affects the vast majority of people worldwide, at least by the age of 60 or so. These viruses, once in the body, are harbored there for life, usually in a latent state but can be reactivated to an active, replicative state. Only a certain proportion of those infected actually show overt symptoms; the remainder are asymptomatic (as is the case for many or perhaps all microbial diseases). In the Taiwan publications, the word “infection” is used to denote people who showed overt signs of the disease such as shingles or recurrent cold sores or genital sores, rather than for all those who carry the virus asymptomatically in either a latent or an active, productive state. Also, the term “SD” is used rather than AD because in some cases the diagnosis was uncertain.

 今年、3つの非常に重要な出版物が登場しました。これらの出版物はすべて、数年にわたる人口の健康と病気に関するデータを提供してくれます。これは、英国やおそらく他の国では入手できない情報です。台湾では、人口の99%以上の記録があります。そのデータは、たとえば、さまざまなウイルスと老人性痴呆(SD)を含む特定の慢性疾患との関連について、台湾の疫学者によって徹底的に調査されているようです。(SDはsenile dementiaと英語で書き、老人性痴呆と訳します。)これらは重要な結果を生み出しています。 3つすべての記事で、ヘルペスウイルス感染に関するデータが記載されています。ヘルペスは、少なくとも60歳程度までに世界中の大多数の人々に感染しているウイルスのファミリーです。これらのウイルスは、一度体内に侵入すると、通常は潜伏状態で一生そこに潜んでいますが、再活性化されて複製活性化状態にされます。実際に感染した人の一定の割合のみが明白な症状を示します。残りは多くのまたはおそらくすべての微生物病の場合と同様に無症候性です。台湾の出版物では、「感染」という言葉は、帯状疱疹または再発性ヘルペスまたは性器の痛みなどの病気の明白な兆候を示した人々を示すために使用され、潜伏期または活動期や増殖期のいずれかでも無症候性でウイルスを運ぶだけで症状のないの人のすべてに対しては用いられません。また、いくつかの症例では診断が不確実であったので、その時はADではなく「SD」という用語が使用されます。

(上の文節で使われている難解な専門用語について説明します。)

 老人性痴呆(SD)(はsenile dementia (SD) 認知症のうち、加齢による障害が原因で起こるものです。老年期になって脳が変性・萎縮するために、判断・理解・記憶・計算などの知的機能の低下や性格の変化がみられ、普通の日常生活や社会関係が保てなくなり、アルツハイマー型や動脈硬化性の認知症などがあります。)


 Two of the articles investigated varicella zoster virus (VZV) infection in relation to long-term neurocognitive changes and the development of dementia. VZV causes chicken pox, but after acute infection it remains in the body lifelong in latent form, and in some people in older age it reactivates, causing shingles, which both sets of authors referred to as herpes zoster (HZ) and the virus as HZV. The first article, by Tsai et al. (2017), investigated 846 patients (mean age 62.2 years) who were diagnosed with HZ ophthalmicus (HZO) in 2005 and who developed dementia in the following 5 years. The development of dementia was compared with that of an age-matched control group of 2,538 subjects during the same 5-year period. The percentage of patients with HZO who developed SD was 4.16%, whereas that of the controls was only 1.65% (P < 0.001), and the crude hazard ratio of developing SD within 5 years of HZO diagnosis was calculated to be 2.97 after adjustment for patients’ characteristics and co-morbidities. This represents a remarkably high risk of developing dementia amongst HZO sufferers.

 上記3件のうち2件の記事では、長期の神経認知の変化と認知症の発症に関連する水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)感染を調査しました。 VZVは水疱瘡を引き起こしますが、急性感染後は潜在的な形で生涯にわたって体内に残り、一部の高齢者では再活性化して帯状疱疹を引き起こします。この帯状疱疹の病気を両方の著者たちが帯状疱疹(HZ)と言ったり、その病気のウイルスをHZVと呼んでいます。(2017年のTsai等による最初の記事による。)(実は帯状疱疹と水疱(水痘)の原因ウイルスを症状だけでHSVとかVZVとかを厳密に区別することはできないからなのです。)2005年にHZ眼炎(HZO)(HZOはHerpes Zoster Ophthalmicusの略です。)と診断され、その後5年間に認知症を発症した846人の患者(平均年齢62.2歳)を調査しました。認知症の発症は、同じ5年間で2,538人の被験者の年齢をマッチさせた対照群のHZOと比較されました。 SDを発症したHZO患者の割合は4.16%でしたが、対照群のHZOの割合は1.65%(P <0.001)であり、HZO診断から5年以内にSDを発症する粗危険率は、患者の特性と併存疾患を調整した後、2.97と計算されました。 これは、HZO患者の認知症を発症するリスクが著しく高いことを表しています。

(上の文節で使われている難解な専門用語について説明します。)
 HZ眼炎(Herpes Zoster Ophthalmicus、HZO)(は、帯状疱疹ヘルペスによる顔面帯状疱疹に見られる眼部帯状疱疹です。HZOは顔面帯状疱疹や三叉神経第1枝の眼神経炎とヘルペス性結膜炎、動眼神経障害、ヘルペス性角膜炎、ヘルペス性ブドウ膜炎、眼頭蓋神経麻痺、後頭部痛を伴う事が多いです。水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)は第5脳神経の三叉神経の眼神経枝(V1)で再活性化されると眼部帯状疱疹(HZO)が発生します。HZOの眼科特徴は、眼瞼下垂、強膜角膜炎、末梢潰瘍性角膜炎、神経麻痺性角膜炎、緑内障、ドライアイ、視神経炎、点状表層角膜炎、滑車神経麻痺でkeratouveitis(角膜ぶどう膜炎)が含まれます。これらの合併症が生じる人達はほとんどがステロイドを始め、免疫を抑制する薬を飲んだり、塗ったり、あるいは過去にしてきた人たちです。眼科帯状疱疹後に単一の脳神経麻痺、それは第3、第4または第6脳神経が関与することはしばしばあり、常にではないが自然軽快性の病態である。帯状疱疹ヘルペスによる脳神経障害の病因は、ヘルペスウイルスの逆行性播種や活発なウイルス複製により引き起こされる血管障害やさらに直接的な細胞変性損傷(細胞死)によるものです。眼部帯状疱疹の、珍しいが重篤な合併症はzoster髄膜脳炎(帯状疱疹性髄膜脳炎)です。眼科帯状疱疹(HZO)では、眼筋麻痺や第3神経(動眼脳神経)や第6神経(外転脳神経)。HZOの患者にはさらに非疼痛性神経学的合併症が第4神経麻痺(滑車脳神経)、髄膜炎、第7神経麻痺(顔面脳神経麻痺)も見られる事があります。これらはすべてヘルペスウイルスが原因であるのは、ヘルペスウイルスはあらゆる脳神経細胞に住み着いているからです。
 顔面帯状疱疹後(HZO)の後頭神経痛について、もう少し詳しく勉強しておきましょう。私が16歳から悩んできた宿痾であった後頭神経痛のメカニズムを知りたいからです。
 後頭部の痛みは緊張性頭痛、片頭痛、または後頭神経痛によって引き起こされます。後頭頸部ヘルペスは頸椎神経C2、C3が関与しています。頸椎神経C2、C3枝は時々顔面神経と交通し、加えて顔面神経症状を引き起こすことがあります。顔面ヘルペス病変とC2、C3領域の疼痛の組み合わせが見られます。12本の脳神経とC1-C3脊髄神経は解剖学的につながっているからです。三叉神経からの求心性の細い神経のほとんどは、下降する三叉神経管に沿って走行し、C2レベルのニューロンの集合部(神経核)にシナプスします。C2、C3、およびC4の小さな繊維は、二次ニューロンの同じ集合部(神経核)へ脳へと伸びていきます。

今日はここまで。2019/8/17

 ヘルペスによって起こされる後頭神経痛とともに顔面ヘルペス病変が続発することがあります。顔面の疼痛は三叉神経の第2枝である上顎神経と第3枝である下顎神経領域帯状疱疹によって引き起こされます。C2-C4皮膚分節の疼痛を伴う水疱を発生しアシクロビルにて皮疹は改善しますが、三叉神経の第二および第三枝の深刻な疼痛を持つようになり新たにPHNと診断される病気が残るのです。PHNもガバペンチンやリリカにて疼痛緩和は可能ですが根治は不可能です。

皮膚分節(とは正確には皮膚分節知覚帯といいます。皮膚の表面は皮膚分節知覚帯と呼ばれる領域に分けられています。1つの皮膚分節知覚帯は、1つの脊髄神経後根から伸びている感覚神経が支配する領域です。感覚神経は、触感、痛み、温度、振動などの知覚可能な情報を皮膚から脊髄に伝えます。)

PHN(とは、英語でPost-herpetic neuralgiaと書き、日本語で帯状疱疹後疼痛と訳します。帯状疱疹の水ぶくれ(水疱)や赤い発疹(ほっしん)の症状が治った後も長期間にわたって続く痛みを、帯状疱疹後神経痛(PHN)といいます。加齢とともにPHNへに移行していくリスクは高くなり、50歳以上の患者さんの約2割に見られます。帯状疱疹後神経痛(PHN)は、ウイルスが神経を長くかつ深く傷つけることで起こるため、帯状疱疹になったら、できるだけ早く抗ウイルス剤と漢方煎じ薬を服用してウイルスの増殖を抑え、かつ自分の免疫と免疫を手助けする漢方煎じ薬で残ったウイルスを殺し傷を治すことが重要です。)

1.65%(P <0.001)(のPというのは、probabilityの略語のPであり、確率と訳します。確率とは、ある事象の起こる可能性の度合いであります。それでは、そもそもある事象の起こる可能性の度合い(確率)とは、具体的に何なのか考えて行きましょう。たとえば、ジャンケンを例に挙げて説明します。この場合、ジャンケンをやるのは勝つ為ですね。しかしながら、勝つ為にグー・チョキ・パーのどれを出すのか考える人はいないでしょう。勝つ可能性を運にまかせるしかないからです。グー・チョキ・パーの3つの手のうち、相手に勝てる手は1通りしかないのですが、相手がどんな手を出すのかわからない時に勝つための可能性を確率というのです。したがって、自分が出せる手のうち、勝てる確率は3つのうち1つですから 1/3 = 0.33..が確率(probability)になります。0.33を%に直すと33%が確率となります。
 ジャンケンで確率10%というのは、ジャンケンで10回に1回勝つということであります。これを、p値に直すとp値が0.05(5%)というのは、20回に1回に起こりうるということになります。また、p値を表す際、「p < 0.05」という表示がよく見られます。「p値は、5%より小さい確率」という意味です。つまり、p値が小さいほど、起こりうる確率が小さくなるのです。ここでさらに確率の意味を理解するのに有意水準と帰無仮説とは何かについて語る必要があります。

今日はここまで。2019/8/18

 まず帰無仮説とは何かについて説明しましょう。医学は、生きた人間の病気を相手にしています。病気を治すのは自分の免疫であります。生きた人間の免疫は、刻々と変化してきます。というのは、生きるということは、ストレスに耐えるということと同義語です。病気を治す免疫の強さは、ストレスに耐えるために人間自身が出すステロイドホルモンの度合いにより、かつ医者が出すストレスホルモンの量により、瞬間瞬間で変化します。ところが、一旦ステロイドホルモンで免疫を抑えた時に増えたヘルペスウイルスは、増えたままなのです。人体に病気は有史以来、病原体が人体に侵入した時に、免疫と病原体の戦いによって起こるので、病気といいます。ワクチンと抗生物質が発明、発見された現代文明においては、病気がなくなったはずですが、ひとたび人体にヘルペスウイルスが感染すると、殺しきれないヘルペスウイルスだけが唯一の病気の原因(病原体による原因)として残っているのです。

 この真夏の暑さで既に何万人の老人が熱中症にかかり、500〜600が熱中症で亡くなっています。みなさん、熱中症の原因はなんだと思いますか?ヘルペスなのです。ところが、ヘルペスはすべての老人に感染していますから、なぜ同じ暑さの中でも元気で死なない人がいるのですかという疑問が湧き出ます。これを証明する一番簡単な方法は、抗ヘルペス剤を飲ませた老人と、飲ませていない老人で、熱中症の度合いを見ればすぐにわかることでしょう。私の医院では、別の病気で抗ヘルペス剤と漢方煎じ薬を飲んでいる人は、熱中症にはならないということがわかっています。この事実を一般化して、真実であることを証明するために様々な統計学的手法を使う必要があるのです。

 もっとハッキリ言いましょう。アルツハイマーはヘルペスが中枢神経細胞に侵入し、侵入した神経細胞を利用し尽くして、役立たずになった細胞から、次の中枢脳神経細胞に、新たに感染することを繰り返します。役立たずになった細胞が潰れた内容物をDAMP(damage-associated molecular pattern)といい、その一つがアミロイドβ(Aβ)であり、アルツハイマー(AD)がひどい人ほど脳に溜まっていくのです。従って、アミロイドβ(Aβ)はアルツハイマー(AD)のの原因ではなくて、結果に過ぎないということをルース・イツザーキ先生は証明しようとしておられるのです。

 ADの原因は何であるかに対する答えは無数にあるのです。私の答えは免疫を上げる濃度の濃い煎じ薬を飲ませ、同時に抗ヘルペス剤を大量に服用してもらうことによって症状が良くなることが、アルツハイマーはヘルペスが原因であるという証明になるのであります。自分自身が16歳からいわば若年性ヘルペス性脳炎を患っていたのでありますが、今現在、大量の漢方煎じ薬と抗ヘルペス剤を服用することによって、74歳の現在でもバリバリの現役の医療を続けることができているのも一つの個人的な証拠となるのです。

 イツザーキ先生の論文は、医学者としてアルツハイマーはヘルペスが原因であるという答えを推論統計学によって、証明しようとされているのです。彼女の論文を理解するためには、帰無仮説や有意水準という2つの概念を皆さんにも理解してもらう必要があるのです。

 まず帰無仮説について説明しましょう。帰無仮説は、英語で、Null hypothesisといいます。Nullはゼロとか無という意味で、htpothesisは仮定という意味ですね。推論統計では、2つの測定された現象の間に関係がない、またはグループ間に関連性がないという一般的な言明または既定の立場です。現代のアルツハイマーの原因は、アミロイドβ(Aβ)であるというとされています。これが帰無仮説となっています。帰無仮説とは一般的に「ある仮説」が正しいかどうかの判断のために立てられる仮説です。たいていは否定されることを期待して立てられるます。イツザーキ先生は、この仮説を否定するために立てたのです。もっとわかりやすく言えば、例えば、「コインを20回投げたとき14回表が出たとしたらコインに歪みがないといえるか」という問題を考えた場合に、「コインに歪みがない」という仮説が帰無仮説になります。逆に、この帰無仮説に対立している証明したい正しい仮説を対立仮説といいます。統計においては 帰無仮説をH0 という記号で表し、この仮定と異なる仮説を対立仮説といい、H1という記号で表されます。つまり帰無仮説を間違いであると検証することと、そして2つの現象の間に関係があると信じる根拠があるかどうかを結論づけることが、現代の科学の一つである医学の実践における中心的な仕事となるのです。この文章で皆さんに気をつけてもらいたいことがあります。「2つの現象の間に関係があると信じる根拠があるかどうか」という言葉の中の「信じる根拠」という点です。私としては、「2つの現象の間に関係がある根拠があるかどうか」が本来の科学であると思いたいのですが、実は科学の中の医学というのは、すべての人にある条件で、絶対的に出現する現象というのは実はないのです。最初に言ったように、医学は刻々と変化する生きた人間を取り扱っていますから、絶対的な条件を決めることはできないからです。だいたいこれで帰無仮説の意味はわかったでしょう。それでははぜ帰無仮説という言葉の中に「帰無」という言葉が入ったと思いますか?英語のNull hypothesisという言葉を統計学者が訳したのです。日本語に訳す時に、無に帰す、無になる、つまり間違った仮説という意味で日本語に翻訳したのです。

 それでは次に、有意水準とは何かについて勉強しましょう。有意水準は、検定において帰無仮説を設定したときにその帰無仮説を棄却(誤りだと)する基準となる確率のことです。α(アルファ)で表され、5%(0.05)や1%(0.01)といった値がよく使われます。有意水準は検定を行う前に設定しておきます。このα(アルファ)の決め方が、実は問題なので、推論統計学の難題となっていることをまず知っておいてください。

 帰無仮説が正しいか、対立仮説が正しいかを検定することを、統計学的仮説検定といいます。統計学的仮説検定(statistical hypothesis testing)は、統計学を学習する中で鬼門だといわれるほど、初めての人には難しいのです。いずれにしろ統計学は難しいので、ついてこれる人はついてきてください。

 有意水準は検定を行う前に設定しておきます。有意水準を0.05(5%)に設定するということは、「5%以下の確率で起こる事象は、100回に5回以下しか起こらない事象だ。したがってこのような100回に5回しか起こらないまれな事象が起こった場合、偶然起こったものではないとしてしまおう」という意味です。したがって、P値が0.05(5%)を下回った場合、そのP値は偶然取る値ではないと結論付けられます。言い換えると、「極めて珍しいことが起こった」あるいは「何かしら意味があることである。つまり有意である。」ということを表します。しかし、P値が5%以下となったとしてもその値を取る可能性は0ではないので、有意水準αは「本当は帰無仮説H0が正しいのに、誤って帰無仮説H0を棄却してしまう確率」とも言えます。この「本当は帰無仮説H0が正しいのに、誤って帰無仮説H0を棄却してしまうこと」を「第1種の過誤」といい、αは「第1種の過誤を犯す確率」とも呼ばれます。さらに、「第2種の過誤」もあるのですが、統計学に興味のある人は自分で勉強してください。

 このアルファの決め方はともかくとして、まずこのα以下の確率(p)を持つことは、「稀に起こること」と判断します。その結果、その仮説は棄却されることになります。つまりこの仮定は間違っていると考えるわけです。

 有意水準α (0<α<1) は、どの程度の正確さをもって帰無仮説H0を棄却するかを表す定数です。有意水準αの仮説検定は、p<αの時に、H0を棄却します。このとき、「統計量はα水準で有意である」という。有意水準αは仮説H0が正しいにも関わらず、仮説検定で棄却してしまう確率(第一種の誤りを犯す確率)に等しい。日本工業規格では、「第1種の誤りの確率の上限値。」と定義している。

 有意水準αの値としては、0.05(5%)を用いるのが一般的ですが、その値のとり方は学問・調査・研究対象によっても違いがあり、社会科学などでは0.1(10%)を用いる場合もあり、厳密さが求められる自然科学では、0.01(1%)などを用いる場合もあります。有意であるからといって「偶然ではない」と断定できるわけではなく、「偶然とは考えにくい」という意味に過ぎないのです。有意水準αについて、興味ある話を付け加えておきます。

 2010年代初頭に入ると科学は「再現性の危機」に苦しんでいて、研究者も助成機関も出版社も、学術文献は信頼できない結果にまみれているのではないかと不安を募らせています。2017年に72人の著名な研究者が、新たな発見をしたと主張する際の証拠の統計的基準の低さが再現性の危機の一因になっているとする論文を発表しました。新発見の統計的有意性を評価するために、科学者が好んで用いる有意水準αの値は0.05から0.005に引き下げるべきであると主張する統計学の大家もいます。その一方、イリノイ工科大学の計算機科学者の一人は「実験する方法が多数ある限り、どんなに小さい有意水準 αの値を用いてもその中に一つの実験方法が偶然に有意になる可能性が極めて高い」と新しい方法論的な基準を求めています。実際小さい有意水準αの値を用いたら、多数の論文が出版できなくなってしまうのです。さらに、2019年には科学者800人超が、『Nature』に署名し、P値(確率値)が有意水準αより大きい場合、「有意差があるとはいえない」とまでしかならないが、誤って「有意差がない=薬などの効果がない」と推論する文献は791文献中の51%に見当たったということで、「統計的有意性α」を使うのをやめて、信頼区間を互換区間という言葉に言い換えて使用すべきだと主張しています。

 粗ハザード比(crude hazard ratio)。まずhazard ratioについて説明します。ハザード比とは統計学上の用語で、臨床試験などで使用する相対的な危険度を客観的に比較する方法です。英語でHazard Ratio、略してHRとも言います。ある臨床試験で検討したい新薬Aと比較対象の薬剤Bとを比べたとき、ハザード比が1であれば2つの治療法に差はなく、ハザード比が1より小さい場合には治療Aの方が有効と判定され、その数値が小さいほど有効であるとされます。 例えばA薬と対象のB薬を比較するというある臨床試験でハザード比が0.94という結果であれば、A薬はB薬よりリスクを6%減少させたという意味になります。別の例で説明すると、ある薬物研究において治療された集団が対照集団の2倍の単位時間当たりの割合で死亡する場合、このハザード比は2であり、治療による死亡の危険性が高いことを示しています。粗という英語のcrudeがついた粗ハザード比は、他の条件を考慮に入れない生のままのハザード比を粗ハザード比といいます。粗ハザード比もハザード比も、さらにもう一つの補正ハザード比(adjusted hazard ratio)も、実際的には同じだと考えてください。

 皆さん、このように医学論文を読むときは、統計検定学が新しい発見をした時は必要になってくるのです。要するに、本来、医学と言うのは病気を治すために存在するものです。イツザーキ先生はアルツハイマーを治そうと必死で研究をしておられたのです。治すためには、まず原因が分からなければならないのが第一原則です。ところが現代の医学は原因不明であり、Aβ(アミロイドβ)が原因であると主張していますが、彼女はヘルペスがアルツハイマーの病気の原因と証明しようとしているのです。へルぺスウイルスは感染していても潜伏感染の状態では人間の免疫では手も脚も出せないという特別な病原体ですから、ワクチンも効果がなく、自分の免疫を抑制しないということしかないのです。というのは、免疫を落とした時に長い長い時間をかけて末梢神経から脳の中枢神経まで神経から神経へと増殖し続けた状態が脳の前頭葉や側頭葉にある認知機能を司る脳神経細胞やさらに海馬にある記憶を司る脳神経細胞にヘルペスウイルスが居ついてしますのです。さらにこれらのヘルペスウイルスは免疫が落ちると居ついたこれらの脳細胞で増殖したあと、増殖の為に利用し尽くした脳細胞を殺し(細胞変性効果)、次の脳細胞へと感染し続けるのです。細胞変性効果によって死んだ脳細胞から放出された残骸がAβ(アミロイドβ)であるという主張がイグザーキさんのエッセンスですから、私がイグザーキさんのように大学の研修者であるならばまず大量の漢方煎じ薬をADの患者に服用させ、かつ副作用がない抗ヘルペス剤であるアシクロビルを大量に服用させれば症状が軽減するかどうか治験実験ができるのですが、松本クリニックは私の理論を理解でき、かつ私の治療を受けたいと言う希望のある人には実際この治療を行っており、確実に症状が取れていることを日々確認しています。このように私は患者さんがADの治療を求められる時には、自由診療で行えるのですが研究という立場ではないので、患者さんの症状が良くなれば何もわざわざ治療成績を研究成果としてのイツザーキさんがやってこられた患者とコントロールを比較して統計検定学を用いる必要がないのです。

 いずれにしろ、私の立場は患者の病気は病原体によるものですからその病原体が何であるのかと明確にし、その病原体を患者さん自身の免疫で処理するという手伝いをするだけです。殺し切ることができないヘルペスウイルスが人類最後の唯一の病気の原因であることを知っているのでアルツハイマーの治療も漢方煎じ薬と抗ヘルペス剤で患者の症状を病気を治す事によって確実に取ることだけです。

 最後に、統計的有意水準α (0<α<1) は、どの程度の正確さをもって帰無仮説H0を棄却するかを表す定数ですが、この有意水準αを決めるのは極めて恣意的です。したがって、このαは、まさに非科学的な値ですから病気や研究の真実を語っているものではないと充分知っておいて下さい。病原体以外の原因で起こる病気は病気と呼ぶべきではないのです。近頃は贅沢が高じて生活習慣病が世界中に蔓延していますが、これは贅沢病と呼ぶべきであって病気ではないのです。それではガンは何なのでしょうか?ほとんどが遺伝子の突然変異を起してガンになります。この遺伝子の突然変異はヘルペスウイルスによって起されるものが多いので病気と言っても良いと思います。もちろん、ヘルペスウイルスが原因以外のガンもありますが。

2019/08/19


 In the second article, by Chen et al. (2018), 39,205 patients with HZV, age range 54–90, were diagnosed during the period 1997–2013 and were followed over an average period of 6.2 years. The incidence of dementia was compared with that of 39,205 controls (mean age of both groups was 63.5 years). The hazard ratio was only very small, namely, 1.11. A possible explanation for this marked difference from the HZO results is that in HZO the virus is more likely to enter the brain and cause damage there than in HZV infection. However, HZ patients who were treated with antiherpes antivirals—acyclovir, valacyclovir, tromantadine, famciclovir—showed a dramatic decrease in incidence of dementia to about a half of that in the untreated group, adjusted HR, 0.55; 95% CI, 0.40–0.77, (P < 0.0001).

 2番目の記事では、2018年のChen等によるものですが、年齢範囲54〜90の39,205人の患者が、1997〜2013年の間にHSVと診断され、平均6.2年にわたって認知症になる発症率をHSVでない39,205人の対照の発生率と比較しました(両群の平均年齢は63.5歳でした)。ハザード比は非常に小さく、1.11でした。 HZOの結果とこの顕著な違いについての可能な説明は、HZV感染の場合よりも、HZOの方がウイルスが脳に侵入して損傷を引き起こしやすいという可能性が高いということです。しかし、抗ヘルペス系抗ウイルス薬(アシクロビル、バラシクロビル、トロマンタジン、ファムシクロビル)で治療されたHZ患者は、認知症の発生率が未治療群の約半分という劇的な減少を示しました。補正ハザード比は0.55で、95%CI、0.40–0.77、(P <0.0001)。

 補正ハザード比(ハザード比は英語でHezard Ratioと書き、略してHRとも言います。ハザード比とは統計学上の用語で、臨床試験などで使用する相対的な危険度を客観的に比較する方法です。ある臨床試験で検討したい新薬Aと比較対象の薬剤Bとを比べたとき、ハザード比が1であれば2つの治療法に差はなく、ハザード比が1より小さい場合には治療Aの方が有効と判定され、その数値が小さいほど有効であるとされます。さらにA薬と対象のB薬を比較するというある臨床試験でハザード比が0.94(94%)という結果であれば、A薬はB薬よりリスクを6%減少させたという意味になります。ハザード比は、説明変数の2つのレベル、たとえば死亡とか生存の2つの変数で表される条件に対応するハザード率(ハザード関数)の比率です。ハザード関数は、ハザード率ともいいます。ハザードという言葉は、「潜在的危険性」という意味であり、具体的にはたとえば、被験者が時点tまで生存したという条件のもとで、その時間に死亡する確率です。時点tにおける死亡のリスクや危険度を表すために使われているものです。例えば、薬物研究において、治療された集団は、対照集団の2倍の単位時間当たりの割合で死亡する可能性があるときにハザード比は2といい、治療による死亡の危険性が高いことを示しています。

 もっと具体的にいえば、ハザードというのは以下の3つのことを示します。
1)イベント(事件)の発生率でその中にはイベントの発症率や罹患率や死亡率などがあります。2)発生する速度(スピード)、強さの指標です。3)単位時間あたりのイベントの発生、単位は時間-1。割合 (%) とは異なる(割合は単位無し)。たとえば、「治療法A で10人を3年ずつ観察し2人亡くなった」は、「2人 / 30人年」となる。「治療法Bで6人を5年ずつ観察し1人亡くなった」は、「1人 / 30人年」となります。イベントには良いイベントと悪いイベントがあります。もちろん、良いイベントは、ハザードが大きい方が好ましいのは言うまでもありません。一方、悪いイベントは、ハザードが小さい方が好ましいのです。たとえば、治療法の比較においては、死亡率が小さい方が好ましいのです。

 補正ハザード比というのは、英語でadjusted hazard ratioと書きます。補正ハザード比に対して、未調整ハザード比があります。まずハザード比を出すときに病気にかかわる全ての因子がその病気を発症する群と非発症群の間で一致すると仮定します。ところが両者の群では背景因子が同じ因子とその背景因子が異なる因子が明確に分けることができることがあります。それらの背景因子のリスクの大きさを調整して出したハザード比を補正ハザード比といいます。

 ちなみに、医学の研究においてその成果を統計医学的に検討する時に、統計検定学を用いるのですが、大きく分けて方法は3つあります。1つはリスク比を求める事であり、2つ目はオッズ比を求める事であり、最後の3つ目はハザード比を求めることであります。これらは医学の分野ではなく、数学の分野ですから数学の好きな人は自分で勉強して下さい。

今日はここまで。2019/8/20

 95%CI(Confidence interval)(は、日本語で信頼区間と訳します。区間推定を表す指標の代表的なものが、95%信頼区間です。これを95% cofidence intervalといい、縮めて95%CIといいます。95%信頼区間とは、平均値を区間(線)で示したものです。95%CIを理解するためには、標準誤差SEを理解しなければなりません。さらに標準誤差を理解する為には、標準偏差を理解する事が必要ですからまず最初に標準偏差を勉強しましょう。

 標準偏差は英語でstandard deviationといい、略してSDといいます。母集団から得られた個々のデータのばらつきを表すものであり、分散(すぐ下で説明します。)の正の平方根で定義されます。皆さんは、大学受験のとき自分の学力がどのレベルにあるか予備校の自分の偏差値を見て志望校を決めた記憶があるでしょう。全国模擬テスト(データA)では、標準偏差値が80台をはるかに超えていても進学校の集団(データB)では偏差値が60台になることを経験された人もいるでしょう。まさに標準偏差値は母集団のばらつきの度合いを見るためにあるのです。標準偏差は分散と同様にデータAの方が大きいことから、データAの方がデータBよりもばらついていることが分かります。それはアホから最優秀の受験生が集まって受験する全国模試の点数のばらつきが頭のいい人ばかりが集まっている進学校の点数のばらつきより大きいのは当然であるからです。

 母集団のn 個のデータ(個人のそれぞれの得点)の1, x2, …, xnからなる母集団(受験者全体)を考えます。その母集団の平均(または母平均)μ(ミュー)は、次の通りに定義されます。母集団は受験生の点数です。データはx1, x2, …, xnは受験生の個々の点数です。


 上の式をもっと分かりやすく説明すれば極めて簡単な式なのです。単純に受験生の点数を足して、人数で割って平均点を出しているだけなのです。左の式を書き換えると、μ(平均点)=(x1+x2+…xn)÷nになります。平均点μは x(xの上に―)と表すことがあります。
 このとき、母集団の平均(母平均) μ あるいは xを使って次式で得られる量 σ2 を分散(または母分散)と定義します。


 さらにこの分散の平方根σ(シグマ)を母集団の標準偏差と定義します。
 分散はデータの散らばり具合を表す量ですが、元のデータを平方しているので元のデータや平均値と次元が異なり直接比較することができないのです。平方根をとると元のデータと同じ次元になるので、分散よりも標準偏差の方が散らばり具合を表す量として便利なことがあります。母集団の大きさや母集団の質によって偏差値が変わりますね。賢い人の母集団が多いほど自分の偏差値が下がる事も覚えてるでしょう。次に標準誤差を勉強しましょう。

 標準誤差(SE:standard error)は推定量の標準偏差であり、標本から得られる推定量そのもののバラつきの度合いを表すものです。標準誤差は、一般的には「標本平均の標準偏差」を意味します。標準誤差の計算には中心極限定理を使います。中心極限定理は、確率論・統計学における極限定理の一つです。大数の法則により、ある母集団から無作為抽出した標本の平均は標本の大きさを大きくすればするほど母平均(平均)に近づきます。大数の法則とは、確率論・統計学における基本定理の一つであり、極限定理と呼ばれる定理の一種です。極限定理という言葉は、母数を可能な大きさにしたとき(極限にしたとき)に表われる定理です。たとえばサイコロを振り、出た目を記録します。これを厖大に繰り返せば、出た目の平均が、出る目の平均である 3.5(1+2+3+4+5+6=21、21÷6=3.5)から外れる確率をいくらでも小さくできます。これは大数の法則から導かれる典型例です。これに対し中心極限定理は標本平均と母平均との誤差を論ずるものです。中心と言う言葉が付くのは母集団の平均がいわば母集団の中心になるからです。中心極限定理は、平均μ、分散に従う母集団からサンプルサイズnの標本を抽出する時、その平均値の分布はnが大きくなるにつれて正規分布に近づくというものです。すなわち、標本平均の標準偏差はに近づきます。

        正規分布の表

 正規分布(ガウス分布ともいいます)とは,図のような左右対称の連続型の確率分布です。正規分布は最も代表的な分布の一つです。例えば物理などの実験における測定の誤差,テストの点数さらに国民の集団の頭の良さなどは(ほぼ)正規分布に従うのです。
 標準誤差は、母集団からアットランダムに抽出された標本から標本平均を求める場合、標本平均の値が元の母平均に対してどの程度ばらついているかを表すものです。サンプルサイズが大きくなると標準誤差は小さくなり、サンプル自身が母集団であれば標準誤差が0になります。

 さて、元の95%CI(Confidence interval)について説明しましょう。Confidence intervalは日本語で信頼区間と訳します。データの平均(標本平均)から母集団の平均(母平均)がどれくらいか,といった範囲を推定する指標が信頼区間です。つまり標本の数が少ない上にその標本を選び取った母集団が大き過ぎるときに、95%の確率で母平均がその範囲に含まれることを知るために95%CI(Confidence interval)を用いるのです。データの平均(標本平均)から母集団の平均(母平均)がどれくらいか、といった範囲を推定する指標が信頼区間です。95%信頼区間とは、95%の確率で母平均がその範囲に含まれることを表しています。この他に99%信頼区間が用いられる場合もあります。たとえば、脳卒中片麻痺患者10名の健側握力を測定して、95%信頼区間が14.7kg~23.2kgであったとき、脳卒中片麻痺患者の健側握力は95%の可能性で14.7kg~23.2kgの間に存在すると推定できます。このことを95%CI、14.7-23.2と表示するのです。

 補正ハザード比は0.55で、95%CI、0.40–0.77、(P <0.0001)(補正ハザード比は0.55でハザード比は95%の可能性で0.40~0.77の間に存在すると言う意味です。) 
 ここでついでにコックス比例ハザードモデルについて勉強しましょう。コックス比例ハザードモデルは英語でCox proportional hazard modelと書き、別名コックス比例ハザード分析とかコックス比例ハザード回帰、コックス回帰、比例ハザード分析など多様な呼び方をされることがあります。これは、生存分析の多変量解析となります。時間の経過で発生する{生、死}、{転倒あり、転倒なし}、{歩行可能、歩行不可能}などのイベントに対して、調査した複数の項目の何が影響するかを調べるための統計的手法です。データの尺度や分布は問わない分析方法です。異なるのは、時間の経過で発生するという、時間的な要素を考慮している点です。

 例として、地域在住の高齢者50名を対象として、1年間で転倒が起こったか、起こらなかったかを調べたとします。同時に、調査開始から何ヶ月後に転倒が起こったか、起こらなかったかを調べます。ある者は5ヵ月目に転倒していたかもしれません。また、ある者は8ヵ月目には転倒していませんでしたが、それ以降は調査できなかったとします。この例で、5ヵ月、8ヵ月という期間は「観察打ち切りの期間」となります。その観察打ち切りの期間を考慮した転倒の有無に対して、膝伸展筋力や片足立ち時間などの、複数の、どういった項目の組み合わせで転倒発生を早めているかを調べるときに、コックス比例ハザードモデルを適用します。



The third and most striking article, and the one directly relevant to HSV1 and AD was by Tzeng et al. (2018). The authors investigated 8,362 subjects aged 50 years or over during the year 2000 who were newly diagnosed with HSV1 or HSV2 infections—presumably recurrent herpes labialis or genital ulceration, on at least three outpatient visits within the year. The control group of 25,086 age- and gender-matched subjects had no HSV infection during the year 2000. The incidence of dementia in both groups was investigated during the 10 years 2001–2010. The risk of developing SD in the HSV group was found to be 2.56-fold greater, 95% CI 2.351–2.795; P < 0.001), similar to the risk associated with ophthalmic HZO infection. The main effect was seen in those with HSV1 rather than HSV2 infections. Subtypes AD and vascular dementia had similar risk profiles.

 3番目の最も印象的な記事、およびHSV1とADに直接関連する記事は、2018年にTzeng らの著者たちは、2000年に50歳以上の8,362人の新しい患者がHSV1またはHSV2感染でおそらくは再発性口唇ヘルペスまたはヘルペス性生殖器潰瘍の病名で1年以内に少なくとも3回外来を受診した人たちを調査しました。 年齢および性別を一致させた25,086人の対照群では、2000年の1年の間にはHSV感染はありませんでした。両群の認知症の発生率は、2001年から2010年の10年間に渡って調査しました。 HSVグループでSD(senile dementia、老人性痴呆)を発症するリスクは、眼科HZO感染に似通った値である2.56倍、95%CI 2.351–2.795 (P <0.001)であることがわかりました。主要なSDの発症リスクは、HSV2感染よりもむしろHSV1感染者に多く見られました。 サブタイプADと血管性認知症のリスクプロファイルは似ていました。



 HSVグループでSD(senile dementia、老人性痴呆)を発症するリスクは、眼科HZO感染に似通った値である2.56倍、95%CI 2.351–2.795(P <0.001)(の95%CI 2.351–2.795(P <0.001)の意味は、2.351倍~2.795倍の間にHSVグループでSD(senile dementia、老人性痴呆)を発症するリスクが95%の確率で推察されるということです。すでに上で述べましたがCIは英語でConfidence intervalといい、日本語で信頼区間と訳します。)

 サブタイプAD(は英語でSubtypes ADと訳します。ADでは脳が萎縮していますからMRIで脳の萎縮パターンを観察すると、アルツハイマー病(AD)の3つの神経病理学的サブタイプを確実に予測できます。1つ目は典型的な萎縮、2つ目は辺縁系優位の萎縮、3つ目は海馬だけが温存され萎縮がないタイプの3つです。人口統計学的変数、臨床変数、および認知変数のサブタイプ間で大きな重複がありました。記憶能力は、海馬温存および非萎縮群の非記憶認知機能により依存していたのです。海馬温存および萎縮のないグループは、それほど進行的な疾患の悪化を示さなかった。)

 血管性認知症のリスクプロファイル(患者数が多い代表的な5つの認知症とその原因となる病気を解説します。1)アルツハイマー型認知症、2)血管性認知症、3)レビー小体型認知症、4)前頭、側頭型認知症(ピック病)、5)若年性認知症の5つがあります。この5つ全てはヘルペスウイルスによるものです。どの脳の神経細胞にヘルペスが住み着き、細胞性変性(脳神経細胞が破壊されること)によって神経細胞を殺した後、大量に増えたヘルペスウイルスが殺した細胞から次の新しい神経細胞に感染し、そこで再び増殖し、その細胞も細胞性変性で殺し、増えたヘルペスがさらに新たなる神経細胞に感染するということを繰り返すことによって、脳の神経細胞が脱落した数の度合いによって脳の萎縮の度合いも決まるのです。しかも、老人性痴呆の5つのタイプを分けるのは、脳のどの機能が不全になったかによって決められたり、あるいはヘルペスウイルスは直接、脳の神経細胞に感染するだけではなくて、脳の血管の内皮細胞にも感染し、脳神経細胞と同じように増殖を繰り返し、血管内皮細胞の変性を起こし、さらにその周辺の神経細胞が死んでいくということを繰り返すことによっても、脳の機能と脳の細胞の数が減っていくこともあるのです。さらに脳には神経細胞のみならず、グリア細胞といわれるミクログリアやアストロサイトやデンドロサイトなどの免疫細胞、あるいは支持細胞にもヘルペスウイルスは感染することができるので、脳の中枢神経細胞や、脳の血管内皮細胞と同じように、これらのグリア細胞を殺すことによって、脳内にいる細胞が減っていくことによって、脳の萎縮がさらにひどくなるということもあるのです。脳の中の神経細胞は1000億個あると言われています。それに加えて脳のグリア細胞や、様々な支持細胞が1兆個あると言われています。これらの数が減れば減るほど脳は萎縮し、脳の機能がどんどん衰退していくのです。ですから、5つのタイプに分けるというのも、あくまでも臨床上分けているだけで、原因はただ一つヘルペスウイルスであるという認識が現代のアルツハイマーの学者の頭には全くないことが残念です。

今日はここまで。2019/8/21

 今日は、臨床症状的に分けられる5つの老人性痴呆の中で、1番目のアルツハイマー型認知症について説明しましょう。5つの中でアルツハイマー型認知症の患者が一番日常生活が困難になります。なぜ日常生活が困難になるかというと、最終的にはアルツハイマーの患者の脳のあらゆる細胞がヘルペスウイルス感染によって、先ほど述べた細胞性変性によってどんどん殺されていく度合いが一番大きくなった最終的な老人性痴呆の病名となるのです。したがって、アルツハイマー型認知症は、大脳全体が大きく萎縮してしまうのです。萎縮の始まりは、短期記憶や見当識をつかさどる「海馬」を含む側頭葉です。側頭葉の内側面にある海馬の細胞がヘルペスウイルスによって破壊されると、細胞から細胞への連続的な電気信号が伝わらなくなり、記憶の機能が正常に働かなくなります。そのため、初期の段階から極端なもの忘れや、見当識障害が目立つことになります。5つのタイプのいずれも、まず短期記憶や物忘れや新規に新しいことを記憶する脳の働きが悪化することから始まります。さらに、見当識が障害されます。見当識(けんとうしき)とは、現在の年月や時刻、自分がどこに居るか、誰と話しているかなど基本的な生活状況の把握ができることです。見当識が保たれているかどうかが意識障害の指標となります。意識を説明知るのは実は極めて難しいのですが、医学の分野で使われる意識(Consciousness)とは、一般に、「起きている状態にあること(覚醒)」または「自分の今ある状態や、周囲の状況などを認識できている状態のこと」を指します。

 海馬は英語で、hippocampusと書きます。大脳辺縁系にある海馬体(hippocampal formation)の一部であり、特徴的な層構造を持ち、脳の記憶や空間学習能力に関わる脳の器官です。大脳辺縁系は、大脳の奥深くに存在する尾状核、被殻からなる大脳基底核の外側を取り巻くようにあります。人間の脳で情動の表出、意欲、そして記憶や自律神経活動に関与している複数の構造物の総称です。

 海馬隊について詳しく書きましょう。海馬体は、歯状回(dentate gyrus)、海馬、海馬支脚(subiculum)、前海馬支脚(presubiculum)、傍海馬支脚(parasubiculum)、嗅内皮質(entorhinal cortex)に分けられます。このうち、歯状回、海馬、海馬支脚は、細胞層が単層であり、その上下を低細胞密度の層と無細胞層が挟んでいます。そのほかの部位は複数の層からなっている。とりわけ歯状回と海馬にみられる単純な層構造は、神経解剖学や電気生理学の研究進展に貢献してきている。虚血(動脈血の減少)に対して非常に脆弱であることも知られています。何故ならば海馬は、様々な機能、とりわけ脳で一番必要な記憶の働きには大量のエネルギーが必要であるからです。さらに全ての老人性痴呆における、とりわけアルツハイマー病における最初の病変部位になります。心理的ストレスを長期間受け続けるとコルチゾールの分泌により、海馬の神経細胞が破壊され、海馬が萎縮します。ステロイドホルモンであるコルチゾールは、免疫を抑えることによってヘルペスウイルスをどんどん増やすので、免疫が上がった時に細胞性変性を起こし、海馬の神経細胞を殺してしまうので、脳の萎縮が甚大になっていきます。心的外傷後ストレス障害(PTSD)やうつ病の患者の脳の萎縮も高度です。統合失調症患者でも、記憶を司る海馬ある側頭葉や判断力や短期記憶を司る前頭葉に脳構造の萎縮がみられます。

 側頭葉てんかんでは、側頭葉の深部にある海馬という場所から発作が出ていて、海馬が高度に萎縮している場合があります(海馬硬化)。また、その近くの扁桃体という場所も同様な変化が生じている場合もあります。そのような場合、萎縮してしまった海馬、扁桃体を切除することによって、てんかん発作を抑制することが可能と考えている医学者もいます。PTSDやうつ病や統合失調症やてんかんもヘルペスによる細胞変性の結果、脳神経細胞が大量に喪失したので、脳の萎縮も当然であるのです。

 アルツハイマーの患者は、においがわからない人が多いのです。実は、アルツハイマーの患者は、脳の側頭葉の奥深くにある海馬の萎縮より前に、嗅神経の機能が低下しているからです。においの情報は末梢神経である12対(種類)の脳神経のうち、第一神経である嗅神経を通じて大脳辺縁系に伝達されます。しかしながら、嗅神経は末梢神経とは言えないのです。というのは、嗅神経は中枢神経といってもいいのです。というのは、鼻腔にある嗅上皮の感覚細胞が中枢へと突起したものが嗅神経であり、その突起の嗅神経自身は最終的には約20本の嗅糸にまとまる細い線維の叢(くさむら、集まり)であって、本来は嗅細胞自身の中枢性の突起であります。この中枢性の突起は、大脳辺縁系の領域の記憶を司る海馬と直結しているのです。

 これまで全ての神経細胞は再生しない、つまり神経細胞には幹細胞がないといわれていましたが、嗅神経と海馬には再生能力があることが発見されました。したがって特に再生能力が高い嗅神経を漢方煎じ薬でヘルペスとの戦いで細胞変性を起こした細胞を、新たに作り直したり修復することができるのです。だから私は16歳から若年性アルツハイマー(ヘルペス性脳炎)で苦しんできたので、大量の漢方煎じ薬を毎日服用しているのです。

 上に鼻腔と嗅神経と大脳辺縁系と海馬と嗅覚受容体と鼻粘膜の関係を絵で示します。ついでにヘルペスウイルスが鼻腔から侵入して海馬にいとも簡単に感染する様子を描き添えました。

 ここで皆さんに聞きたいのです。どうして全ての老人性痴呆の初発症状は記憶障害であるのかご存知ですか?私が答えを出してあげましょう。頭の良い人は上の絵図を見て既に答えがわかっているでしょうが、説明しましょう。上の図を見ればわかるように、初感染で簡単にヘルペスウイルスが鼻粘膜の嗅覚受容体に感染して、嗅神経を通って海馬まで到着した後、海馬の神経細胞に入り込み、核の中でエピソームの形で隠れるまでの絵図であります。免疫を抑えない限りは、海馬の神経細胞の核の中でいつまでもエピソームの形で隠れているのですが、免疫が落ちた時に、いわゆる再活性と言われる増殖が始まるのです。海馬にも無数の神経細胞がありますから、最初の感染した神経細胞から、次の神経細胞へと感染していくのです。

 私が常々いっているように、脳に関わる病気は全てこのヘルペスが脳のあちこちの領域に感染し、その領域で細胞変性を起こし、神経細胞が破壊される領域によって、てんかん、鬱、統合失調症、失神、痙攣など、あらゆる病気がヘルペスによって起こされるのであります。時間があれば、どのように上記の精神疾患がヘルペスによって起こされるのかについて、必ず書くつもりです。今までは、精神病に関してはほとんど一行も書いたことがないのですが、いずれ精神病の専門家にならざるを得ないようですね!アッハッハ!

 成書にはアミロイドβとリン酸化タウタンパクという「たんぱく質のごみ」が脳神経細胞を破壊して、脳は萎縮していくと書いてありますが、そうではないのです。アミロイドβやリン酸化タウタンパクはヘルペスによる細胞変性によって、脳神経細胞が破壊された後に、脳神経細胞の残骸が細胞外に出て行っただけなのです。神経細胞自身の破壊が脳の働きが異常になり、細胞が減った分だけ萎縮が見られるのです。

 本格的なアルツハイマーになる前の軽度認知障害は、MCIということがあります。英語で、Mild Cognitive Impairmentであり、Mildは軽度(初期)、Cognitiveは認知の、 Impairment障害という意味であります。軽度(初期)認知障害は認知症の一歩手前の状態といえます。MCIの中心的な症状は、短期記憶からもの忘れが始まり、趣味や日課に興味が薄れていきます。BPSD という、アルツハイマー認知症の行動心理症状について説明します。BPSDは英語でBehavioral and psychological symptoms of dementiaであり、Behavioralが行動の、 psychologicalは心理の、symptomsは症候の、dementiaは痴呆という意味です。この子の英語の略語がBPSDであり、抑うつ症状や、イライラ感や、性格が変わったと感じられるのです。日常生活は普通に送れるものの、加齢や教育レベルだけでは説明しきれない、もの忘れや失敗が見られます。しかし、全般的には認知機能には問題がないのです。

 ところが中期になると、記憶障害の進行が始まり、長期にものを覚えておく記憶(長期記憶)もなくなり、会話能力の低下、理解力の低下、洋服の着脱や入浴に介助が必要となり、慣れた道でも迷ってしまうことがあります。BPSD (Behavioral and psychological symptoms of dementia)は、徘徊し始め、攻撃的な言動が増え、妄想や幻覚なども出てくるのです。この妄想や幻覚はヘルペスによる統合失調症に特徴的に見られます。さらに記憶力の減退が進み、最近の記憶だけでなく、昔の記憶も薄れ始めます。着替え、入浴、トイレなども一人では難しくなり、介助が必要になります。介護医療がますます栄えるのです。

 さらに後期なると、自分のことや親しい人がわからなくなり、会話能力もなくなってしまい、基本的な生活ができなくなえり、睡眠リズムが乱れ、やがては寝たきりになってしまいます。脳の萎縮が進み、わが子に対して「あなたはどなた?」と聞くなど、失認も目立つようになります。失認(しつにん)とは視覚、聴覚、触覚などの感覚を介して対象物を認知することができない障害のことです。 視覚、聴覚、触覚などの他、自分の病気についての失認や右側か左側かの空間を無視してしまうことも失認に含まれます。日常的な介護が必要になりますが、BPSD (Behavioral and psychological symptoms of dementia)は減ります。

 2番目の「血管性認知症」について勉強します。この血管性認知症の原因は、脳卒中が一番多いのです。脳卒中は、脳梗塞や脳出血などの総称ですが、認知症の原因になるのは脳梗塞のほうが多いです。脳梗塞になると、脳の血管が詰まってその先の組織に酸素や栄養が届かなくなり、脳神経細胞が死んでしまいます。そのせいで発症する認知症を、血管性認知症といいます。もちろんヘルペスウイルスが脳血管の内皮細胞に感染した時に、脳の免疫の働きによって、内皮細胞もろともヘルペスを殺す時に血管性認知症が起こることもあるのです。脳梗塞も、小さな脳梗塞が繰り返されると、大脳皮質の下の白質の機能が損なわれます。白質というのは脳神経細胞の軸索の集まりを言います。白質の機能が損なわれるというのは、軸索の機能が損なわれることです。軸索が損傷すると、電気信号を送受信できなくなり、脳の働きがなくなるのは当然でしょう。高血圧や糖尿病があり、脂質異常を診断されている人は特に注意が必要です。高血圧や糖尿病の人では小さな脳梗塞が繰り返されやすく、特に多いのは、細い血管が詰まって起きる「小血管性認知症」です。

 血管性認知症の症状は、ダメージを受けた血管の部位によって変わってきます。初期の段階では記憶障害が目立たず、手足のしびれや麻痺、抑うつ、意欲の低下などが表れやすく、「話せない」「歩けない」「排尿障害」などが早い時期から表れる傾向もあります。また、理解力があるのに新しいことを覚えられないなど、まだら状に症状が出ることもあります。脳梗塞の発作が起きるたびに認知症が進行するので、次の発作を起こさないことが治療の中心になります。血圧のコントロールや、糖尿病などの生活習慣病の治療が欠かせません。

 3つめの「レビー小体型認知症」は、脳の萎縮は目立たないのが特徴です。1番目のアルツハイマー型認知症、2番目の血管性認知症の他に多いのが、3番目のレビー小体型認知症です。レビー小体とは、もともとパーキンソン病の患者の脳幹で発見された異常たんぱく質です。パーキンソン病の場合、このレビー小体は脳幹のみに発生しますが、脳幹の細胞に感染したヘルペスが大脳皮質にまで感染すると、神経細胞が壊されてレビー小体型の認知症となります。脳全体の萎縮は軽いですが、パーキンソン病特有の「筋肉がこわばる」「手足が震える」「動作が遅くなる」などの症状(パーキンソニズム)が出やすいです。最初はパーキンソン病と診断され、その後レビー小体型認知症とわかるケースも少なくありません。いうまでもなく、パーキンソン病もヘルペスによる病気です。レビー小体型認知症は、ありもしないものが見える「幻視」が初期の段階で表れます。「部屋のすみに人がいる」「かわいいネコがいるね」など、具体的なものがしっかり見えるという特性があります。レビー小体型認知症は記憶障害があまり目立たないので、初期の段階で気づくためにはパーキンソニズムや幻視に注目する必要があります。ほかにも、夢を見ているときや寝入りばなに大声で叫んだり、暴れたりする「レム睡眠時行動障害」が表れることも多いです。自律神経に関わる症状も出やすいので、めまいや発汗、排尿障害などが出ることもあります。自律神経にヘルペスが感染した時には、自律神経が支配する発汗、排尿障害が出やすくなるのです。めまいは第8脳神経にヘルペスウイルスが感染した時に生じるのです。

 幻聴は、ヘルペスが第8脳神経の分岐支脈である蝸牛神経に感染し、蝸牛神経細胞体の核の遺伝子に入り込んで、遺伝子の働きを変えた時に幻聴が起こるのです。難聴とはまるで逆ですね。難聴は蝸牛神経の軸索がヘルペスウイルスによって傷つけられためなのです。幻視は、第2脳神経である視神経細胞の核の中にある遺伝子に入り込んだヘルペスウイルスが遺伝子の働きを異常にさせて、見えないものが見えてしまう現象です。幻視は盲目と逆の現象であります。盲目は視神経に感染したヘルペスウイルスが細胞変性症を起こして視神経を傷つけたり殺したりする結果、目が見えなくなるのです。以上まとめると、第3番目のレビー小体型認知症の特徴は、パーキンソニズムや幻視です。さらに睡眠障害が出やすく、レム睡眠時にも症状が出やすいのです。一方、記憶障害は軽いのです。

 4つめの「前頭側頭型認知症」は、その名のとおり前頭葉や側頭葉が萎縮する認知症です。神経細胞内に「ピック球」という異常なタンパク構造物が出現して起こる「ピック病」が原因となることもあります。ピック球は神経細胞内に形成される好酸性および好銀性の球状物であり、リン酸化タウが主たる成分であります。神経細胞内では特に樹状突起側に形成されるのが特徴でもあります。このピック病の原因もヘルペスなのです。このピックは、人間の脳で一番大切な前頭葉が障害を受けることです。前頭葉は脳全体の司令塔ともいえる部分で、喜怒哀楽の感情や思いやり、規律を守るといった人間らしい活動を支えています。そのため、前頭側頭型認知症(ピック病)によって前頭葉の働きが低下すると、まさに「人格が変わる」ような状態になってしまうのです。ピック病の具体的な症状としては、反社会的な行動をとっても罪悪感を感じないのです。さらに落ち着きがなくなったり、だらしなくなったり、人に対して横柄で乱暴な態度をとるなどの身勝手な行動が増えてきます。万引きや無賃乗車など、反社会的な行動をとることもあり、しかも悪意も罪の意識もありません。また、同じ行動を繰り返す「常同行動」をとることも多くあります。毎日同じものを食べる、同じコースで散歩に行くといった行動が習慣化し、止められることを嫌います。見当識障害はないので、道に迷うことはめったにありません。側頭葉に症状が強く出るときには、言葉がわからなくなるなど、言語に異常がみられます。

 最後の5つめの「若年性認知症」は、65歳未満で認知症を発症するケースを「若年性認知症」といいます。平均発症年齢は51歳で、その原因は血管性のものであり、血管性認知症に分類してもいいのですが、若い人に見られるので、若年性認知症として5番目の認知症に分類されたのです。若年型のアルツハイマー型や、若年型の前頭側頭型もあります。若年性の場合、周りが何かおかしいと気づいても、認知症を疑うことは少ないため、更年期障害やうつ病と診断されることが多いのです。この若年性認知症は、若くからヘルペスウイルスが脳に感染した若い人に起こるだけの話です。

2019/08/22