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革命的アトピー(アレルギー)の根本治療法

- 漢方を用いたアトピー(アレルギー)完治の自然後天的免疫寛容の理論と証拠 -

(免疫反応を抑制せずに症状の引っ掻き傷の後始末だけをすれば完治する。痒みは好きなだけ掻けばよいのです。)


松本漢方クリニック 院長 医学博士 松本仁幸
(京都大学卒業、大阪外国語大学中退、京都府立医科大学卒業)

 まずなぜ漢方が免疫を上げることができるのか、その根拠を説明しましょう。漢方はご存知のように様々な植物の草根木皮からできております。植物が一粒の種から茎となり葉っぱをつけ、立派な成草に生育するまでに、人間と同じく常に異物と戦わねばなりません。ウイルスであり、細菌であり、原虫などの害虫と戦わなければなりません。その武器となるのが植物が持っている免疫であります。まだまだ植物の免疫機構に関しては、人間の免疫ほど詳しくは調べられてはいませんが、下等な免疫のメカニズムがわかってきました。もちろん植物の免疫が絶対ではないので、米などの作物は農薬の力を用いて害虫をやっつける手助けをされているのです。

 このような免疫の成分が詰め込まれている植物の草根木皮を世界一賢い中国人の祖先たちが3000年前から経験的に人間の病気を、とりわけ感染症をやっつけるために用いてきたものです。もちろん害虫を寄せ付けないために植物の免疫の成分は苦いのです。苦ければ苦いほど敵は植物に近寄ることができず、害虫に負けずに育っていったのです。古来から“良薬口に苦し”と言われる根拠はここにあるのです。以前から私は漢方の苦さに免疫を高める成分が入っているのだと言い続けてきました。まさにその通りで、苦味の成分が植物の免疫を上げる様々なタンパク質が含まれていたのです。免疫を全く知らなかった中国人の祖先たちの偉大さに、またまたシャッポを脱がざるを得ません。

 

 一方、食べ物として利用されてきた植物は全てが美味しいものです。薬草となる植物は苦いので、害虫は近寄りにくいのでありますが、食用となる植物は美味しいので、免疫の力も弱く害虫が好んで住み着きたがったので、古来農業は害虫との戦いだったのです。この害虫をやっつけるために農薬が開発されたのですが、これがまたアレルギーの原因となってしまったのは何とも皮肉なことであります。

 

 ときに患者さんから聞かれる質問に“漢方薬にも農薬が使われているので、この農薬がアレルゲンになるのではないか?”という質問があります。確かにどれだけ漢方薬の栽培に農薬が使われているかについての情報は持ち合わせていないのですが、漢方薬に農薬が使われる度合いは、作物に使われる場合に比べてはるかに少ないと考えられます。今述べたように、元来美味しくない栄養にならない薬草には様々な寄生虫が引っ付きたがらないからであります。栄養になる美味しいものは人間のみならず害虫も好むものですが、苦い薬になる植物は人間も害虫も嫌うのは当然のことなのです。

 アレルギーとは環境の汚染異物を体内から排除しようとする高貴な戦いであり、症状が出るということは免疫の働きが勝っていることを意味します。アレルギーが治るということは、強大な汚染環境との戦いに負ける、つまり人体の武器であるIgE抗体が自然に作れなくなることであります。これを私は自然後天的免疫寛容と呼んでいます。この免疫の働きはサプレッサーT細胞によってもたらされます。これは世界で初めて私が臨床で見つけたのですが、2007年に京大の坂口志文先生がサプレッサーT細胞そのものを発見されました。これで私の理論は完璧になりました。さらに動物実験で大量のアレルゲンをマウスに入れ続けると、アトピーの症状もいつの間にか最後には消えてしまうことを東大の免疫学の教授であった多田富雄先生が見つけ出され、この功績で文化功労賞を授与されています。

 このような明確な自然後天的免疫寛容の証拠が臨床的にも基礎医学的にも発見されているにもかかわらず、アトピーの標準医療ではステロイドや抗アレルギ-剤や抗ヒスタミン剤を用いて免疫の遺伝子の働きを停止させるか、遺伝子によって作られた免疫のタンパクの働きを抑えることによって、結局はIgE抗体の産生と使用を一時的に抑えることに終始しています。このとき、一時的にはIgE抗体の産生能力が抑制されますが、薬が切れると再び遺伝子の働きがONとなり、様々な免疫のタンパクが作られ、使用され、戦いが再開されるいたちごっこになります。しかもステロイドはサプレッサーT細胞の働きをも一時的に抑制してしまうので、ステロイドを使う限り自然後天的免疫寛容が生じず永遠に治らない病気となるのです。一方、漢方や他の中国医学の手法により免疫の抑制をせずに痒みを抑えずに掻き続ければ、最後に戦いは終わりアレルギーも完治します。

 最近も“食べて治すアトピー”という記事があちこちの新聞に載せられていますが、このような記事にはなぜ食べ物を食べてアトピーが治るかについては一言も触れていないどころか、相変わらず食べ物自身がアレルゲンであるような間違った考えは続いているようです。アレルゲンはあくまでも食べ物のタンパクに結びついた化学物質であるという事を誰も指摘しないことは悲しいことです。無知な大衆は大新聞に書かれている上っ面の皮相的な記事が正しいと信じ込んでいるので、いつまでもいつまでもマスコミに踊らされ続けるのですが、誰もその間違いに気がつかないのです。

 

 なぜ一介の開業医である私が、このようなアレルギーの治療法を発見できたのでしょうか。漢方は単に経験医学に過ぎなく、正しい免疫の理論は全くありません。しかしながら漢方は経験的に免疫を上げてきたからこそ価値を持ち続けてきたのです。にもかかわらず、漢方医と言われる人はこのような免疫を上げる漢方を用いながら、他方では免疫を抑えることしかできない西洋薬とを同時に用いてほくそ笑んでいるだけです。漢方を用いる限り製薬メーカーの作った薬は絶対に使ってはならないのです。使ってよい薬は免疫をヘルプする抗生物質と抗ウイルス剤と、あえて言えば、降圧剤と胃薬だけであるのです。

 はじめに

 アトピー性皮膚炎(アレルギ-性皮膚炎)の根本治療に深く関わり治療法を確立したと、確信が持てるまで十年近くの月日がかかりました。ステロイドは麻薬にすぎないと分かってから、ステロイドを用いずにアトピーの根本治療が可能になったのは、まず漢方との出会いがありました。

 

 小学校のころに右目に当たった硬球のために鞭打ち症状と右目だけの強度視力障害を併発し、中学の後半ころから偏頭痛で悩まされ未来を長く悲観して生きた時代がありました。その間、名医を訪ねて自分の病気の原因を探ったのですが誰も答えを用意してくれませんでした。更に、健康も自信も失っていきました。

 

 自分を自ら抹殺する前に自分自身で自分の病気の原因を知るために三つ目の大学である京都府立医科大学に入り直したのです。そこで初めて自分の病気の原因が小学校のころに右目に当たった硬球のためだと分かりました。15年後に分かったのです。第二頸椎が大きくずれて、長期間神経が刺激され炎症を起こし続けていたのでした。15年間放置したため徐々に頸椎が変形し固定してしまったため、もはや手が付けられないと言うわけです。何故もっと早く来なかったのか。もう根治治療はなく痛ければ神経ブロックをしてあげるからと言われるだけでした。元来、繊細な人間でしたのでこの言葉に更に苦しみました。

 

 その後、鬱々として時が経ちましたがこれは自分の運命だからと思い始め、とにかく医者になりました。

 

 それから縁あって結婚したのですが、これが人生の転機になりました。岳父が50年ものあいだ漢方薬局をやってきていまして、偏頭痛は必ず漢方で治るから漢方の煎じ薬を飲みなさいと言いました。西洋医学しか知らない人間にとっては、漢方薬は胡散臭いインチキ薬だという認識しかありませんでしたが、岳父のすすめる薬だからと渋々飲みました。ところが数カ月もしないうちに起床時に必ず有った偏頭痛が消えているではありませんか。私にとっては晴天の霹靂でした。偏頭痛がなければ一日が始まらなかったのですから。ここで初めて漢方の凄さを身をもって体験したのであります。もちろん右後頭部にある不愉快な重圧感や右目の強度近視は残っていました。が、恐らくこの持病の強度の偏頭痛で苦しまなければ医者にもならなかったでしょうし、漢方の出会いもなかったでありましょう。今思えば幸運の偏頭痛であったわけです。

 

 さてそれからというもの歩きながら漢方を勉強しました。分からないところは岳父と漢方に通じている薬剤師である妻に尋ねて勉強を続け、さらにアレルギ-や膠原病の独自の治療法を確立することができたのです。さらに努力を続け漢方の高貴薬である動物生薬である牛黄と熊胆が慢性肝炎に効くことを明らかにして医学博士の学位を取得できたのであります。(これらについては新たに書物を書く予定です。)

 革命的アトピーの根本治療法(症状の後始末だけをすれば完治する。)

 (1)何故私の治療法が革命的アトピー(アレルギー)治療法になるのか?

 まず私の治療法や考え方が革命的である理由を結論から箇条書きにします。

 ●現在の正統的なアトピーの治療法は免疫を抑えて、症状を一時的に取ることだけが全てでありますが、一切免疫を抑えなければ必ず免疫寛容を起こし治ることを証明したこと。これは2007年に京大の坂口志文先生が見つけたサプレッサーT細胞により、完全に証明されました。この発見により坂口志文先生は功績を認められ、京都大学のサイトを見れば、彼は膠原病やアレルギーなどの免疫疾患の発症を抑制している制御性Tリンパ球、つまりサプレッサーTリンパ球を発見し、その機能と分子的基礎を明らかにしたことで様々な医学賞を授与されています。そのほとんどが製薬メーカー関連の財団からの医学賞でありますので、彼は膠原病やアレルギーが同じ原因で発症しており、かつ免疫を抑える薬を使わなければ、私の言う自然後天的免疫寛容が起こることも知っているにもかかわらず、この真実は語ることができないと思われます。残念です。真実の医学を実践し、患者の病気を治している一介の開業医に何の賞も与えられないのも不条理なことだと思われませんか?学者の目は常に研究費を出してくれる製薬メーカーに向けられることはあっても、実際は患者には全く一顧だにもしないという一例であります。皆さん、一介の開業医である私が知っていることやできることが京大の教授が知らないと思いますか?ワッハッハ!

 ● 従って免疫抑制剤であるステロイドや抗アレルギー剤や抗炎症剤を治療に用いてはならないことを証明したこと。なぜならば遺伝子を一時的に変えても必ず修復遺伝子が働き出して、元に戻すときにリバウンドが生ずるので意味がないからです。

 ● 痒いときに掻いてはいけないのが現在のアレルギー学会の考え方ですが、掻きたければ掻けば良いという事を証明したこと。掻くなと言ったところで患者は睡眠中に知らず知らずに引っ掻いて楽しんでいるのです。腸管から吸収される必要がない食物残渣がうんこであるように、アトピーで引っ掻いて出す異物は吸収されてしまった化学物質である皮膚のうんこであるからです。皮膚のうんこは掻きまくって免疫寛容が起こるまで出し続けるべきなのです。

 ● 食事制限は一切する必要は無いことを証明したこと。アレルゲンは食べ物ではなくて、食べ物に含まれている化学物質であるので食事制限をする意味がないのです。ただ化学物質は食べ物のタンパク質に結びついて初めてアレルゲンになるので、医者や医学者は食べ物がアレルゲンであるかのような言い方をしているだけです。悲しい事です。

 ● 皮膚を乾燥させない為に保湿剤を用いる必要の無いことを証明したこと。皮膚が乾燥するのは引っ掻いて異物を出した後の傷跡から水分が蒸発するからです。乾燥がアトピーの原因ではないのです。傷を治せば乾燥も自然に消失してしまいます。 乾燥はあくまでも原因ではなくて異物を排除しようとする正しい免疫の働きの結果であるのにもかかわらず、医学界は乾燥が原因だと言い続けています。アッハッハ!

 ● アトピーそのものを治療しなくても、炎症そのものは放置すれば異物が排除され、その傷跡だけを処置すればいずれはアトピーは治ってしまうことを証明したこと。(ただしアトピーの合併症であるブドウ球菌感染症とヘルペス感染症だけが本当の医療の対象になることを証明したこと。さらに感染症を防ぐには創傷をいかに早く治さなければならないかを証明したこと。) この文章だけを読んで喜び勇んで赤ちゃんのアトピーは放置すれば治ると信じ込んでいる愚かな母親がいます。その後感染が起こり栄養不良が生じて初めて当院にアトピーの赤ちゃんを連れて来られる母親がいます。私に文句をつける母親がいました。遊ぶこと以外知らない無知な母親が増え続けています。勉強もせずにたった数行を読むだけで分かった気になる馬鹿な母親が増え続けています。勉強は私のように一生続けるべきであるのに、勉強しない母親を誰も指導しない時代になってしまったのです。残念です。

 ● アトピーは人間が作り出した人工化学物質と戦っていることを証明したこと。したがってアトピーは文明が作った病気といえます。現代文明の病気の原因は事実上4つしかありません。化学物質、風邪のウイルス、ヘルペスウイルス、細菌の黄色ブドウ球菌と連鎖球菌だけです。この4つ原因の中で一番大きな原因は化学物質であり、このために膠原病とアレルギーが増え続けているのです。残念です。

 ● アトピーを治すことは結局全てのアレルギーが治ることと同じであることを証明したこと。異物を吐き出す場所によって、皮膚のアトピー、目のアレルギー性結膜炎、鼻のアレルギー性鼻炎、気管支粘膜の喘息にアレルギーが分けられます。その中で皮膚は吐き出す場所としては最も広く、かつ、皮膚で炎症を起こしても致命傷になることはないのです。ただ、傷につく黄色ブドウ球菌感染が大敵となります。従ってひどいアレルギーの全ては一番出しやすい場所である皮膚に症状が起こるアトピーに変わってしまうのです。常に黄色ブドウ球菌感染に注意を払わないと、敗血症になったり、スティーブンジョーンズ症候群を起こしたり、TEN(トキシック・エンドダーマル・ネクロシス)という重症なアレルギーと感染症が重複する新たな病気が出現することがあるので、患者一人で勝手にステロイドをやめる事は危険極まりないことであることを付け加えておきましょう。

 ● してはいけない事はただ一つ、日本に住み続けることである事を証明したこと。(ただ日本に住み続ける限りは人工化学物質との戦いに敗北し共存する以外に無いことを証明したこと。アレルギーのない文明社会はないのです。したがって自然後天的免疫寛容を起こして、アレルゲンと共存する以外に道はないのです。アマゾン源流に住んでいる裸の土着民である人々や、パプアニューギニアに住んでいる裸族もアレルギーは一切ありません。ダニをはじめ、あらゆる種類の蚊に刺されても、彼らは一切アレルギーを起こしません。それはこれらの生物が持っている毒素に対して、とっくの昔に自然後天的免疫寛容をおこしているからです。つまり進化論的後天的免疫寛容を起こしてしまっているからです。)

 ● アトピーを治すのは体質を変えるということではなく、戦いに負けることを証明したこと。(体質などというのは、元来定義不可能であり、あえて言えば、両親から受け継いだ遺伝子、つまりタンパクの設計図であります。遺伝子を変えるなどという事はできるものではないことを証明したこと。)体質を変えることができれば、脳質を変えることができるはずです。なぜならば脳は身体の一部であるからです。そんなことは絶対に不可能です。もっとはっきり言えば、体質とは遺伝子が決めるものです。したがって遺伝子を変えるなどということは絶対に無理なのです。ただ免疫の遺伝子だけは縦横無尽に変えることができるのです。自然後天的免疫寛容もある意味では免疫の遺伝子の変化の所産といえるでしょう。現在、世界中で遺伝子を変えようとしていますが、必ず失敗するでしょう。38億年かかって作られた遺伝子は無限の時間の中で変異したものであり、iPSのように瞬間的に変わったように見えても、無理やり変えられた遺伝子は必ず修復することができる遺伝子によって徐々に元に戻されてしまうからです。iPSも実は99%以上が癌細胞ができてしまっているのです。従ってiPSを作ったときに、まず伝えるべきは癌細胞を作ったと言うべきであって、iPSという言葉は元来使うべきではないのです。多能性幹細胞という言葉は宣伝のために作られた言葉であって、実は“訳の分からない細胞”と名づけるべきものであります。癌が生ずるのはまさに遺伝子が変異したためであり、この変異した遺伝子を元に戻せない細胞が癌化してしまうのです。残念です。

 自然の摂理は、もし人体にiPSが必要であれば、長い時間をかけて自然に生み出すものです。京大の某教授がiPSを作り出したといって世界は大騒ぎしていますが、何も大騒ぎするほどのことではないのです。ただ単に訳の分からない細胞を作ったからといって喜ぶことはないのです。iPSは人間の生命にとって必要なのは一回きりでいいのです。それは万能細胞である受精卵だけでよいのです。言うまでもなく、iPSは100%偽の受精卵ですけどね。アハハハハ!

 なぜ京大の某教授は、癌を治す事ができると言わないのでしょうか?癌はまさに正常な遺伝子が異常になった遺伝子の細胞なのです。にもかかわらず彼は決して癌を治す事ができるという事を口にしません。なぜでしょうか?答えは簡単です。彼の作ったiPSはほとんど全てが癌細胞であり、ほんのわずかの癌細胞でなかった細胞はいずれ癌細胞になるか、アポトーシスで死ぬか、何らかの形で死に絶えてしまう可能性のある細胞に過ぎないからです。人間はとうとう傲慢さを超えて神になろうとしています。不可能です。現代の“バベルの塔”がiPSであるのです。遺伝子という神に挑戦するという傲慢さの間違いをいち早く気づくべきです。

 ● アトピーは制御するものでもなく、一生付き合っていくものでもなく、完治できるということを証明したこと。2007年にわが母校の京大の坂口志文先生が発見されたサプレッサーT細胞が発動されれば、あらゆるアレルゲンと共存できるようになるのです。

 ● アトピーの治療の99%が医者の作った医原病や薬の作った薬害病であることを証明したこと。製薬メーカーが使う薬は免疫を抑える薬しか作れないのです。しかも薬は全て化学物質であり、人間にとっては異物になるのです。したがって全ての薬は免疫学的にアレルゲンとなるのです。したがって人体がIgEで薬という化学物質と戦うと薬剤アレルギーという副作用が出ます。次に人体の免疫がIgGで薬という化学物質と戦うと薬剤性の膠原病が生じます。さらに人体の免疫を抑え続けると感染症になりやすくなります。感染症こそ人類発祥以来戦い続けた敵であり、致命的になることもあります。もちろん、現代はワクチンと抗生物質で病原体を絶滅させる事ができたのですが最後に残された病原体はヘルペスだけですから、医者がステロイドを出さない限りはヘルペスで死ぬ事はなくなりました。さらに免疫とは関係なく、薬は細胞の機能に影響を与え、機能不全を起こしたりすると毒薬となってしまうことがあります。したがって異物であると同時に毒薬でも価値ある薬は、病気そのものを治すことができるときのみ許されるのです。それは抗生物質とワクチンだけであります。このふたつが作られたからこそ人間の寿命は延びたのです。

 私は、アレルゲンは化学物質から成り立っていると言い続けています。化学物質の概念は漠然としていますからはっきりさせましょう。化学物質とは何ですか?化学反応によって人工的に作られた物質を「化学物質」といいます。天然にあるものを存在し続けるものを天然化学物質といいます。本来、化学物質とは天然の化学物質をいいますが本来、原子、分子および分子の集合体や高分子重合体のような独立且つ純粋な天然にある物質でした。ところが、科学や化学が進んだ結果、人工的に元素又は化合物に化学反応を起こさせることによって得られた便利な化合物である人工化合物が圧倒的に多くなったのです。何億種類も生み出されたのです。これがアレルギーの原因となっているのです。人工化合物には2種類あり、現在は、主として炭素原子を骨格としてできている化合物を有機化合物、そうでないものを無機化合物と呼んでいます。

 このような定義は、実際の臨床で見られるアレルギーや自己免疫疾患(膠原病)とどのように繋がっているかは解かりにくいでしょうから詳しく説明しましょう。極端に言えば、すべての物質は化学物質ですから、すべての化学物質に対してIgEで戦うアレルギーやIgGで戦う自己免疫疾患(膠原病)が起こる可能性があります。以前に書いた様に天然の化学物質に対しては自然後天的免疫寛容を起し共存ができているのです。問題は人工化学物質が世界中でこの1年間に、毎日昼夜を問わず、平均2.6秒間隔で新しい化学物質が単離されたり合成されたりしていることです。現代文明が作り出した何千万あるいは何億種類といわれる化学物質のすべてが人体に摂取される訳ではないので新たなる人工化学物質のすべてがアレルギーや自己免疫疾患(膠原病)を引き起こす訳ではないのです。

 Bリンパ球のB cell receptor(BCR)はすべての天然、人工を問わず化学物質を原理的には認識できます。ところがB cell receptor(BCR)はご存知の様に膜に引っ付いたIgMです。この膜から剥がれた時にIgM抗体として血中に流れるのです。BCRが化学物質を認識してこのIgMを作り、五量体のIgMが血流に流れてもこの五量体のIgMは補体の働きを活性化させるだけです。IgM抗体は元来、単体(単独)では抗体としてのオプソニン作用や中和作用や補体の活性化をさせる力がIgGに比べて極めて弱いのです。従ってIgM抗体が5つ集まった五量体で補体を活性化することができるのです。補体を活性化させてMAC(membrane attack complex)日本語で膜侵襲複合体といい、細菌やヘルペスを殺してしまうのです。補体についてはここを読んで下さい。補体はアレルギーと膠原病には直接、関係ありません。昔、書き切った補体の非常に大事な仕事を書き忘れたのでここで書き綴ります。補体はBリンパ球が持っているコレセプター(co-receptor)と結びつくリガンド(Ligand)に必要です。このコレセプター(co-receptor)とリガンド(Ligand)が結びついてリンパ球が活性化されることもあるのです。

 BCRがあらゆる化学物質を認識してその化学物質と結びついてもIgMをIgGやIgEにクラススイッチすることはできないのです。クラススイッチできるのはThリンパ球(ヘルパーTリンパ球)のT cell receptor(TCR)に認識されたペプチドやペプチドと結びついた化学物質と化学化合物に対してしかBリンパ球が作り出す抗体のクラススイッチができないのです。IgGからIgEへの抗体のクラススイッチについてはここを読んで下さい。皆さんの中で頭の良い人は今まで私はIgGからIgEへのクラススイッチは書き過ぎるほど書きましたが、IgMからIgGへのクラススイッチがどのようにして起こるについては一行も書いたことがないのはお気づきでしょう。その通りです。世界中のあらゆる免疫学には一度も言及されたことがない事です。もちろん、IgMからIgGへのクラススイッチのプロセスをすべて私は知っていました。いつか書かざるを得ないと思っていましたがその日がとうとう来ました。例の如く、免疫の事は極めて難しい学問ですからすべては神なる免疫の遺伝子によって病気は治るのですが、免疫学は難しすぎるので医学者は適当に安易に免疫の働きを抑えることで症状を取るというつまらない事をし続けているだけです。さぁ、IgMからIgGへのクラススイッチについてすべてを明らかにしていきましょう。極めて長いストーリーになりますが興味ある人は着いて来て下さい。

今日はここまで。2019/6/30


 元来、生命は遺伝子だけを持った無生物か生物かのどちらにも属さないウイルスから始まりました。36億年前に原核生物で且つ単細胞と言われる前に生まれたのが細菌です。どんどん生命の進化が進み、現生人類であるヒト種(ホモサピエンス)が生まれたのは10万年前です。現生人類である人類は食物がないという問題よりも病原体との戦いの方が遥かに苦しんだのです。免疫の進化も人類が発祥する前から見られ、その時にはすでに先天免疫(自然免疫)や後天免疫(獲得免疫)も存在していました。生命発祥以来、あらゆる生物は病原体の戦いを続けてきました。生命体の一つである人間もその例にもれなかったのです。今なお文明社会は、最後に残った唯一の病原体であるヘルペスウイルスで苦しんでいます。ヘルペスは殺しきれないウイルスですが、免疫を上げる濃い濃い煎じ薬を服用し(断っておきますがツムラの薄い薄いエキスの漢方ではないですよ。)且つ症状に応じて抗ヘルペス剤をヘルペスウイルスを潜伏感染させるまでに飲めばあらゆる病気は起こらないのです。治ってしまうのです。人類は長寿という宝物を得ることができました。しかしながら、その長寿は健康長寿ではなくて不健康長寿であります。その不健康の病気は何でしょうか?アルツハイマーと痛みです。この文明社会からアルツハイマーと痛みがなくなれば人類社会はどれだけ幸せになれるでしょうか。アルツハイマーの最終的な原因はヘルペス性脳炎であり、痛みの最終的な原因はヘルペス性神経痛なのです。

●今、書こうとしているテーマはIgMからIgGへのクラススイッチやIgMからIgEへのクラススイッチの仕組みについてであります。いうまでもなく、このIgM抗体やIgG抗体やさらにキラーT細胞もNK細胞などの免疫系の兵士たちをそもそも人類が必要としたのは細菌とウイルスとカビと寄生虫から、まず身を守る為に生まれました。衛生状態が良くなり寄生虫はなくなりました。カビはもともと大した病原体ではないですが、細菌は抗生物質ワクチンで退治されてしまいました。ウイルスもワクチンで平らげられました。ところが、ワクチンでは征服できずに最後に残ったウイルスが一つだけあります。何でしょう?8種類のヘルペスであります。αヘルペスといわれるHSV-1(単純ヘルペスウイルス1型)、HSV-2(単純ヘルペスウイルス2型)、VZV(水痘・帯状疱疹ウイルス)とβヘルペスといわれるHCMV(ヒトサイトメガロウイルス)、HHV-6(ヒトヘルペスウイルス6型)、HHV-7(ヒトヘルペスウイルス7型)とγヘルペスといわれるEBV(エプスタイン・バール・ウイルス)、HHV-8(カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス)の計8種類です。皆さん、この8つの名前は絶対、確実に覚えて下さい。逆に言うと、現代人が必要な免疫の働きはこの8つのヘルペスウイルスを殺しきる働きであり、且つ製薬メーカーが作るべき薬は正に8つのヘルペスを人体から亡き者にする薬です。残念ながら、免疫の力も如何なる薬も遥かにヘルペスの方が賢すぎるので殺す事は永遠にできないのです。例え、人類がこれから先百万年生き続けようとも無理です。それどころかその内にAIに全滅させられるでしょう。アハハハ!

 すべての人間は多かれ少なかれヘルペス8種類のうち何種類かに感染しています。にもかかわらず、ヘルペスとの戦いの症状が出ない人がいるのは何故かと疑問に感じる人がいるでしょう。そのような人は常に免疫が落ちていなかった人か今現在、免疫が高い人か、それとも症状が出るまでに自分自身のステロイドホルモン、もしくは医者にステロイドホルモンを使われて免疫を落とした人がステロイドが減った状態になって再び免疫が徐々に上った時に増えたヘルペスを殺す為に戦って症状が出たのです。つまり、症状が出るのは免疫が細胞内にいる認識できるヘルペスを殺している時なのです。エピソームで潜伏感染しているヘルペスは絶対に殺せないのです。言い換えると潜伏感染をさせ続ければヘルペスによる病気は絶対に出ないのです。逆説になりますが、ヘルペスの症状が出るのは潜伏感染をさせる為に絶対に必要な事なので喜べばいいのです。

 以下にヘルペスによる病気を出来る限り思いつく限り多く列挙しておきます。これらの病気はすべて濃い濃い大量の漢方煎じ薬と大量の抗ヘルペス剤を服用すればほとんどが良くなっていきます。さらに頻回の鍼灸を繰り返せば痛みのみならず、病気そのものがさらに良くなります。良くなる度合いやスピードは当クリニックへ来られる前にどれだけヘルペスを増やしたかどうか最も大きなファクターになります。免疫を抑える医療をしてきた人が治すのにそれだけ苦しみが増えます。

 症状があるいは病名が1つであっても、ヘルペスが原因である事はわかっているのですがそのヘルペスと免疫のNK細胞が戦っている神経が多いときには炎症を起す神経の名前の後に炎をつけてすべてわかる限り特に取り上げて書き連ねます。もちろん、神経でない場合はキラーT細胞との戦いである時もあります。いずれにしろヘルペスである時は必ず、前にヘルペス性をつけておきます。日常茶飯事に見られる症状の場合に限ることは知っておいて下さい。

 1)頭痛と偏頭痛(ヘルペス性交感神経炎、ヘルペス性大後頭神経炎、ヘルペス性小後頭神経炎、ヘルペス性大耳介神経炎、ヘルペス性髄膜炎、ヘルペス性三叉神経炎、別名:第5脳神経炎、ヘルペス性脳炎、)、2)顔面神経麻痺(ヘルペス性顔面神経炎)、3)三叉神経痛(ヘルペス性三叉神経炎)、4)耳鳴り(ヘルペス性聴神経炎、ヘルペス性蝸牛神経炎)、5)難聴(ヘルペス性聴神経炎、ヘルペス性蝸牛神経炎)、6)突発性難聴(ヘルペス性聴神経炎、ヘルペス性蝸牛神経炎)、7)熱性痙攣(ヘルペス性脳炎)、8)熱中症(ヘルペス性脳炎)、9)メニエール病(ヘルペス性蝸牛性炎、ヘルペス性前庭神経炎)、10)めまい(ヘルペス性前庭神経炎)、11)立ちくらみ(ヘルペス性前庭神経炎)、12)吐き気(ヘルペス性前庭神経炎)、13)車酔い(ヘルペス性前庭神経炎)、14)船酔い(ヘルペス性前庭神経炎)、15)慢性疲労症候群(ヘルペス性副交感神経炎)、16)脳脊髄減少症(ヘルペス性脳脊髄膜炎)、17)脊髄空洞症(ヘルペス性脳脊髄膜炎)、18)五十肩(ヘルペス性腕神経叢炎)、19)四十肩(ヘルペス性腕神経叢炎)、20)肩こり(ヘルペス性腕神経叢炎)、21)首こり(ヘルペス性副交感神経炎、ヘルペス性腕神経叢炎)、22)4倦怠感(ヘルペス性副交感神経炎)、23)口内炎(ヘルペス性口内炎)、24)口唇炎(ヘルペス性口唇炎)、25)口角炎(ヘルペス性口角炎)、26)歯肉炎(ヘルペス性歯肉炎、ヘルペス性三又神経第2枝の上顎神経炎、ヘルペス性三叉神経第3枝の下顎神経炎)、27)しわがれ声(ヘルペス性迷走神経の反回神経炎)、28)更年期障害(ヘルペス性自律神経炎)、29)加齢性黄斑変性症(ヘルペス性視細胞炎、ヘルペス性脈絡膜血管炎)、30)ベル麻痺(ヘルペス性顔面神経炎)、31)ラムゼイ・ハント症候群(ヘルペス性顔面神経炎、ヘルペス性聴神経炎)、32)Bリンパ性白血病(EBウイルス性血液癌)、33)寝汗(ヘルペス性交感神経炎)、34)異常な汗かき(ヘルペス性交感神経炎)、35)こむら返り(ヘルペス性下腿三頭筋(腓腹筋)炎)、36)顎関節症(ヘルペス性三叉神経第3枝の下顎神経炎)、37)舌痛、38)歯周炎(ヘルペス性三又神経第2枝の上顎神経炎、ヘルペス性三叉神経第3枝の下顎神経炎)、39)筋肉の痙攣(ヘルペス性運動神経炎)、40)目の結膜の痛み・違和感(ヘルペス性三叉神経第1枝の眼神経炎、ヘルペス性三叉神経第2枝の上顎神経炎)、41)目の奥の痛み(ヘルペス性視神経炎)、42)ブドウ膜炎(ヘルペス性脈絡髄膜神経炎)、43)目の強膜炎(ヘルペス性脈絡髄膜神経炎)、44)目の脈絡膜炎(ヘルペス性脈絡髄膜神経炎)、45)緑内障(ヘルペス性網膜炎)、46)自律神経失調症(ヘルペス性交感神経炎、ヘルペス性副交感神経炎)、47)関節リウマチ、48)リウマチ性多発筋痛症、49)線維筋痛症、50)漢方で梅核気といわれる喉の詰まる症状、51)熱の出ないあらゆる種類の腹痛、52)自己免疫性肝炎、53)悪性Bリンパ腫、54)キャッスルマン病、55)アルツハイマー病、56)パーキンソン病、57)てんかん、58)統合失調症、59)慢性活動性EBV感染症(CAEBV)、60)クローン病、61)潰瘍性大腸炎、62)あらゆる自己免疫疾患、63)いつまでも続く喉の痛み、64)慢性的な喉の詰まり・違和感などでありますが、結局のところ人体のあらゆる神経に潜む力があるヘルペスウイルスと免疫が戦うときに見られる症状であり、いわゆる病気であります。

 私が治した経験がある自己免疫疾患や理論的に原因がヘルペスしかないと考えられる自己免疫疾患をすべて羅列しておきましょう。と同時にその病気の炎症部位とどのように炎症が起こっているのかも簡単に丸括弧( )の中に示しておきましょう。元々、自分の免疫が自分を攻撃する自己免疫疾患という病気は存在しないということをまずご理解下さい。もし自己免疫疾患がないとなれば、それでは自己免疫疾患の原因は何かについては世界中の医学者たちも誰も答えを出していません。だからこそ私が答えを出しているのです。ヘルペスが以下のような病気を引き起こすあらゆる臓器の細胞に侵入し、免疫細胞がヘルペスが感染した細胞を同時に殺す事によって炎症が起こり細胞の働きがなくなり病気として現れるのです。このヘルペス感染細胞を殺すのには3つのやり方があります。1つはヘルペスの持っている糖タンパクの断片のペプチドとすべての細胞が持つMHC-Ⅰを認識したキラーT細胞によって殺されるか、2つ目はADCC(antibody-dependent cell-mediated cytotoxicity)によって殺されるか、3つ目は神経細胞に入ったヘルペスを細胞もろとも殺すNK細胞(ナチュラルキラーT細胞)の3つしかありません。もう一度、ADCCについて簡単に復習しましょう。ADCC(antibody-dependent cell-mediated cytotoxicity)は日本語で抗体依存性細胞傷害、又は 抗体依存性細胞介在性細胞傷害といいます。ヘルペスが感染した標的細胞の表面抗原に結合した抗体のFc部位がNK細胞(ナチュラルキラー細胞)、マクロファージ、好中球、好酸球などの殺し屋の細胞が持つFc受容体と結合することで、抗体のFcに依存した細胞傷害活性であるので抗体依存性細胞傷害といいます。これは獲得免疫による細胞性免疫機構の一つであります。皆さん、好酸球は何を殺す為に生まれたと思いますか?寄生虫です。寄生虫に対して抗体が作られますから、しかも好酸球にもFc受容体があるので、抗体のFc部分と結びついてADCCの働きが生まれるのです。勿論、寄生虫はマクロ的な大きさを持っているのでミクロのADCCの働きがどれだけ寄生虫を殺すのに効果があるかは別問題ですが。さらに現代文明社会においては寄生虫はいないので好酸球のADCCが働く必要はないでしょうが。自己免疫疾患がないことを理解する為に「自己免疫疾患がない」という論文のPart1Part2Part3Part4を読んで下さい。繰り返しますが下に列挙した自己免疫疾患の炎症はすべてヘルペスによるものであることを頭に叩き込んで下さい。従ってヘルペス性という言葉が病名の前に常に省かれている事を知っておいて下さい。しかも自己免疫疾患の治療はすべてステロイドホルモンです。一時的には大量に免疫を抑えるステロイドホルモンを入れれば症状がとまります。これを一時的な寛解といいますがステロイドを減らすとさらに酷い炎症が起こります。これを再発といいます。再発とは何でしょうか?ステロイドで一時的に抑えられた免疫が復活し再びヘルペスとの戦いが始まると激しい炎症が再開されるのです。これを医学界は曖昧にして自己免疫疾患が再発したと患者に信じ込ませるのです。悲しいですね。勿論免疫をステロイドで抑えている限りヘルペスを潜伏感染させることができないので永遠に治りません。ここから得られる教訓は何でしょうか?ステロイドで一時的に良くなる病気はすべてヘルペスが原因であるということです。

 ギラン・バレー症候群(炎症性多発性神経障害)、重症筋無力症(副交感神経炎)、多発性硬化症(髄鞘炎)、慢性胃炎(ヘルペス性胃炎)、慢性萎縮性胃炎、自己免疫性肝炎(サイトメガロ性肝炎、EBウイルス性肝炎)、原発性胆汁性胆管炎(肝内胆管炎)、潰瘍性大腸炎(大腸粘膜炎)、炎症性腸疾患(腸粘膜炎)、クローン病(消化器粘膜炎)、原発性硬化性胆管炎(肝内胆管炎)、自己免疫性膵炎(膵細胞炎、膵管炎、膵頭細胞炎)、高安動脈炎(大動脈炎)、グッドパスチャー症候群(肺胞炎、糸球体足細胞炎)、急速進行性糸球体腎炎(糸球体足細胞炎)、巨赤芽球性貧血、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性好中球減少症、特発性血小板減少性紫斑病、バセドウ病 、橋本病、原発性甲状腺機能低下症、1型糖尿病、特発性アジソン病、慢性円板状エリテマトーデス、限局性強皮症、天疱瘡、膿疱性乾癬、尋常性乾癬、類天疱瘡 、妊娠性疱疹、線状IgA水疱性皮膚症、後天性表皮水疱症、円形脱毛症、尋常性白斑、サットン後天性遠心性白斑・サットン母斑、原田病、自己免疫性視神経症、自己免疫性内耳障害、特発性無精子症、習慣性流産、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、抗リン脂質抗体症候群、多発性筋炎、皮膚筋炎、強皮症、シェーグレン症候群、IgG4関連疾患、血管炎症候群、混合性結合組織病

 またまた脱線してしまいました。本論のIgMからIgGへのクラススイッチがどのようにして起こるのかメカニズムについてであります。

 まず異物の代表である病原体が体内に侵入しました。すぐに病原体が入ってきた事を大食細胞や樹状細胞は察知する斥候の仕事をしています。大食細胞や樹状細胞はどのようにして侵入者を見つけ出すのでしょうか?まず、大食細胞と樹状細胞は病原体が持っている危険信号である特有の構成成分をpathogen-associated molecular pattern、縮めてPAMP、日本語で病原体関連分子パターンを認識することができる受容体、英語でpathogen recognition receptor、縮めてPRR、日本語で病原体認識受容体を持っています。PRRはこのPAMPを認識できる受容体、例えばToll like receptor(TLR)など20種類も持っています。この20種類のPRRが侵入者を見つけた時にマクロファージ(大食細胞)が活性化され戦う為の炎症性サイトカインが産生されます。その炎症性サイトカインは他の免疫の細胞に警告し活性化し病原体を殺す為に炎症を起します。炎症は損傷細胞により放出される細胞の中にある核タンパク質などの損傷関連分子パターン(DAMP)によっても促進されます。DAMPは英語でdamage-associated molecular patternsと書き、炎症によって傷ついた細胞から放出される分子のパターンを意味します。他の免疫の細胞がどんなものであるか、どんな働きを持って殺しの炎症を起すのかは後で機会があれば詳しく書きます。

 PRRの代表の一つであるToll like receptor(TLR)が認識する代表的なPAMPの一つがリポ多糖、英語でLipo poly saccharide、Lipoは脂質の、polyは多くの、saccharideは糖質という意味で縮めて LPSと言います。

 PRR(pathogen recognition receptor)には2つの重要な性質があります。1つ目は、PRRは多くの違った病原体が持っている共通の特徴をパターンで認識できることです。パターンとは類型という意味ですから、十把一絡げに共通の特色を認識できるので便利です。2つ目のPRRの重要な性質は、病原体が持っているPRRが認識するPAMPの構造は病原体にとって非常に重要であるのでPRRに認識されない為の突然変異を起こす事が簡単にはできない事です。というのは、PAMPの構造を変えてしまえば病原体自体が生存できなくなるからです。

 今までの話は主に病原体の中の細菌に関するPRRやPAMPやDAMPの話でした。ここで、ヘルペスウイルスに関してはどのように自然免疫は対応するかの話になります。IgMからIgGへのクラススイッチの話は自然免疫の話をしてから出てきますからもう少し待って下さい。ヘルペスウイルスが細胞の外にいる時にはヘルペスウイルスを殺す方法は2つあります。1つ目は、補体がヘルペスウイルスと結合してオプソニン作用で好中球や大食細胞に食べさせて殺す事です。2つ目は、上に述べたのですが補体の活性化カスケード反応の最終結果はMAC(membrane attack complex)といい、日本語で膜侵襲複合体といい、細菌やヘルペスを殺してしまう事ですね。ここで補体について少し復習しましょう。補体は英語でComplementと言います。補うと言う意味は抗体を補う、助けると言う意味で付けられました。補体系の役割は1)抗原を貪食細胞に味付けし貪食作用を強める(オプソニン化)、2)膜侵襲複合体(MAC)による細菌やウイルスの破壊、3)マクロファージ等を炎症巣へ呼び寄せる刺激(走化性刺激)の3つがあります。主に肝臓で合成され、血清のグロブリン分画の約5%を占める。補体が大量に使われて時に大食細胞が作る事があります。

 ところが、ウイルスが細胞の中に入ってしまうと補体は全くの無力です。そこでヘルペスウイルスが感染した細胞が先ほど述べたPRR(pathogen recognition receptor)が侵入してきたヘルペスウイルスを認識し、typeⅠ interferons(1型インターフェロン)といわれるInterferon α(インターフェロン-アルファ、略してINF-α)とInterferon β(インターフェロン-ベータ、略してIFN-β)の2種類のインターフェロンを産生します。ちなみに、このIFN-γという言葉をしばしば聞くことがあるでしょうが、このIFN-γはtypeⅡ interferonといわれるものです。このようにインターフェロンでも色々役割が違うのです。ついでに言えば、インターフェロンという言葉は、interfereという「妨害する」という動詞から生まれたのです。何を妨害するかはお分かりでしょう。敵の働きを妨害するのです。細胞がウイルスに感染された時に、INF-αとINF-βはすぐに感染細胞が作り、分泌します。感染細胞は細胞の膜にINF-αとINF-βに対するレセプターを持っていて、分泌されたINF-αとINF-βと結びつきます。結びついた結果、感染によってヘルペスウイルスの量を減らすことができる何百というウイルスに対抗できるタンパクが産生されます。

 さらに良いことには、周辺のほとんど全ての細胞は、INF-αとINF-βに対するレセプターを持っているので、同じようにINF-αとINF-βが、このレセプターに結合すると、近くにウイルスがいるぞという警告を与えられることになり、警告を感知した細胞は、ウイルスに対抗できる遺伝子を発現し、ヘルペスウイルスが自分たちにも実際感染すれば自殺をする準備を始めるのです。つまりアポトーシスをする準備をするのです。なぜ自殺をするのでしょうか?それは、ヘルペスウイルスが自分にも感染してしまい、自分の細胞で何千個のヘルペスウイルスが増えてしまうので、仲間の細胞を助けるために自分を犠牲にするのです。なんて細胞は人間よりも博愛主義なのでしょうか?アッハッハ!そんな細胞が自分を攻撃するような自己免疫疾患を作ると思いますか?アッハッハ!もちろん周りの細胞に感染が起こらなければ、有益なヘルペスウイルスから守る準備や、感染が起これば、他愛主義的な正常な状態に戻ることができるのです。従って、感染細胞が作った1型インターフェロンであるINF-αとINF-βは、オートクリンという働きと同時にパラクリンという働きがあることも知っておいてください。

今日はここまで。2019/7/3


 このセクションの論文は、IgMからIgGへの抗体のクラススイッチがどのようにして起こるかという話でしたね。なかなか答えまでたどり着くのに時間がかかりますから、先に答えを出しておいてあげましょう。ちょうどIgGからIgEへのクラススイッチは、インターロイキン4(IL-4)がスタートを切らせるのです。つまりインターロイキン4(IL-4)が肥満細胞から作られ、リンパ節(二次リンパ組織)にいるTh0細胞がTh2細胞になって、俄然、化学物質を殺しの世界から排除の世界へと変えてしまうということはご存知ですね。それではIgMからIgAの抗体のクラススイッチがどうなるかを簡単にまとめましょう。IL-4は一番最初はTh0をTh2に分化させ、最後はBリンパ球にIgGからIgEへのクラススイッチを起こさせるのです。同じようにインターロイキン12(IL-12)は、最初はTh0をTh1に分化させ、最後はBリンパ球にIgMからIgGへのクラススイッチを起こさせるのです。この最初に必要なIL-12を産生するのは、まさに大食細胞と樹状細胞なのです。病原体を貪食した大食細胞は、インターロイキン12(IL-12)をまず作って、リンパ節(二次リンパ組織)にいるTh0細胞をTh1細胞に分化させて殺しの世界を展開させるのです。これが結論です。私もこの結論まで行くのに、じれったくなったので、先に結論を書きました。

 ついでに極めて大事で忘れてはならないポイントを書き添えておきます。現代の文明社会に残された病気の原因は死んだ化学物質と生きた病原体のヘルペスウイルスだけです。従って、免疫の働きで病原体のヘルペスウイルスを殺しきれないけれども、潜伏感染させるのが、Th1の世界であります。一方、死んだ化学物質は、初めはIgMやTh1の世界であるIgGの殺しの世界では処理できないのは当たり前なので、無生物を処理するアレルギーのIgEの世界を支配するTh2の世界に変え、最後は免疫寛容で共存すれば、現代のすべての病気は治ってしまうのです。

 生きているヘルペスウイルスに対処するために大食細胞が作るサイトカインで一番大事なのはインターロイキン12(IL-12)であり、細胞としてはヘルパー1T細胞(Th1)であります。一方、死んだ化学物質に対して対応するサイトカインで一番大事なのはインターロイキン4(IL-4)であり、細胞としてはヘルパー2T細胞(Th2)であります。このインターロイキン4(IL-4) とTh1の組み合わせと、インターロイキン12(IL-12)とTh2の組み合わせは一緒に覚えてください。

 このようにTh1とTh2は対抗関係にあります。ちょうどTh1は生きた敵と戦い、Th2は死んだ敵と戦うからです。Th1の仲間のサイトカインは、インターロイキン2(IL-2)とIFN-γであります。Th2の仲間のサイトカインは、インターロイキン4(IL-4)とインターロイキン10(IL-10)であります。それではなぜTh1とIL-2とIFN-γは仲が良いのでしょうか?それは、IL-2は、Th1をどんどん増やそう増やそうとしてくれます。IFN-γは、別世界の対抗するTh2を増えないように増えないようにしてくれるからです。一方、どうしてTh2とIL-4とIL-10は仲が良いのでしょうか?それは、IL-4は、Th2を増やそう増やそうとしてくれます。IL-10は、対抗するTh1を増えないように増えないようにしてくれるからです。

 つまり病原体殺しの世界のTh1と化学物質共存の世界のTh2は、まさに目的の違う世界であります。Th1はヘルペスウイルスを殺そうとするが潜伏させるだけの免疫の世界であり、一方、Th2は化学物質を排除しようとしますが共存させるだけの免疫の世界であるのです。みなさん、これで私がしばしば「病原体殺しの世界がIgGであり、化学物質共存の世界がIgEである」という意味も、頭のいい人はすぐに気づくでしょう。ワッハッハ!まとめるとTh1とIL-2とIFN-γをワンセットで覚えておいてください。一方、Th2とIL-4とIL-10を別のワンセットで覚えておいてください。ちなみに、Th1サイトカインといわれる3つのサイトカインがあります。それがIL-2とIFN-γとTNFの3つです。一方、Th2サイトカインといわれる4つのサイトカインがあります。それがIL-4とIL-10とIL-5とIL-13であります。

 さて、インターロイキン12(IL-12)については今まで詳しく書いたことがありません。それを勉強しましょう。

 インターロイキン-12(IL-12)が、発見当初は「NK細胞刺激因子」の名称で報告されたのは、NK細胞にINF-γを作らせサイトカインであったからです。IL-12は、75kDaの糖蛋白で、互いに相同性のない2つのサブユニットがS-S結合して構成された二量体として生物活性を持っています。IL-12のレセプターは、NK細胞とT細胞(Th0)に発現するヘテロ二量体レセプター、IL-12Rβ1およびIL-12Rβ2に結合します。IL-12とIL-12レセプターが結合すると、細胞の核にシグナルが伝達され、免疫の働きがスタートします。

 IL-12は単球系細胞(大食細胞、樹状細胞)より産生され、T細胞(Th0)やNK細胞を増殖させ、細胞傷害活性誘導、IFN-γ産生を高めたりします。このように、IL-12には感染防御や抗ガン作用を持っています。まさにIL-12は殺しの出発点のサイトカインであります。言い換えると、IL-12は、未感作T細胞(Th0)を殺しのTh1細胞への分化を促進する一方、共存のTh2細胞への分化を抑制します。また、自然免疫細胞の一つであるナチュラルキラー細胞(NK細胞)に作用して、IFN-γを作れ、IL-2を作れと命令し、IL-2とIFN-γがどんどん作られます。このIL-2は、NK細胞自身に働いて、もっと増えろというオートクリンになります。一方、NK細胞で作られたIFN-γは、大食細胞に働いて大食細胞にTNF-αをもっと作れと命令します。さらに大食細胞が作ったTNF-αは、大食細胞自身に働いてIL-12をもっと作れと刺激しまくります。つまりTNF-αも自分自身の細胞に働くオートクリンの作用を示しています。オートクリンというのは、ある細胞が産生し分泌した物質が、産生細胞自身に作用することをいい、自己分泌ともいいます。難しいでしょうが、ついてきてください。とにかく、免疫系というのは古来から、人体と言う社会をあらゆる病原体や天然の化学物質という異物から守るために何十億年もかけて工夫に工夫を重ねて一点の瑕疵もない完璧な協力の蛋白システムを作り上げました。命を守るというシンプルな目的ですがその目的を遂行する為に免疫の遺伝子に作らせる蛋白が多岐に渡り、且つその役割は多様であり過ぎるのでそのすべてを完全に理解し、覚えるのは至難の技であります。しかも、免疫の働きは免疫の遺伝子の働きそのものですが、その遺伝子が解明されていないのにも関わらず、その至難の業を私は皆さんに見せつけようとしているのです。何故、このような不可能と思われる免疫の働きを自信満々に書き続けることが出来るのでしょうか?それは、過去30年以上に渡って患者の免疫ですべての難病(実は難病なんかないんですが)という名の病気を治す手伝いをすることが出来たからです。私の医学の勉強手段は、まず先生は患者であり、患者が治していくプロセスであり、最後は患者が難病を治したという証拠であります。つまり、まず証拠がありこの難病が治るという証拠を基にして今現在知られている免疫学(間違いが多いのですが)を勉強しなおして正しい免疫学を皆さんに開示してあげているだけなのです。病気を治すのに最高の医者は患者の隠された免疫の遺伝子であり、最高の薬は免疫の遺伝子が作る蛋白であることを世界でたった一人知っている人間は私だけなのです。残念ですね。残念ですね。私は単に患者の免疫の遺伝子の命令に従う奴隷に過ぎないのです。

 ここまでの話は、IL-12は、骨髄で生まれたTh0(ナイーブヘルパーT細胞、バージンヘルパーT細胞)が末梢血に出て、一次リンパ節である胸腺(thymus)で成熟し、再び血流に乗って二次リンパ組織であるリンパ節に到着して、APC(antigen presenting cell、日本語で抗原提示細胞)である樹状細胞や大食細胞が、ヘルペスウイルスを感染組織から運んでくるのを待っています。組織で樹状細胞や大食細胞が貪食したヘルペスウイルスは、グリコプロテイン(糖タンパク)という様々なタンパクを持っている上に、さらにそのタンパクがペプチドまで感染細胞の分解酵素(プロテアーゼ)で分解されています。ヘルペスウイルスのペプチドの断片がAPCの持つMHCⅡに乗せられて、リンパ節までAPCが運んできます。MHCⅡとペプチドの複合体を認識できるTh0細胞は、運んできた大食細胞や樹状細胞が作り出すIL-12がTh0細胞のIL-12レセプターと結びつき、その情報のシグナルがTh0の核の遺伝子に伝わりTh0をTh1に分化させると、Bリンパ球に中途半端な病原体殺しのIgM抗体から、本格的な病原体殺しのIgG抗体にクラススイッチさせるサイトカインを産生することができるのです。このサイトカインがTNFであり、IFN-γであり、IL-2の3つであります。

 この3つはBリンパ球のIgMからIgGへの抗体のクラススイッチにおいて協力しているのですが、とりわけIFN-γがBリンパ球にIgMからIgGへクラススイッチさせるのに一番大きな役割を果たしているのです。というのは、IgGには4つの亜型(サブクラス)のアイソタイプ(isotypes)があります。アイソタイプとは、クラスとも言いますし、日本語では種類と訳します。クラス(種類)がさらに細かく分類されて4つのサブクラス(亜型)ができるのです。IgG1、IgG2、IgG3、IgG4がありますが、Bリンパ球のサブクラスのIgG抗体が普通にクラススイッチする順序はIgG3、次がIgG1、次がIgG2、最後にIgG4であります。なぜでしょう?まずこの4つの抗体のクラスを決める遺伝子が染色体上にIgG3、IgG1、IgG2、IgG4の順序に並んでいるからです。またIFN-γがクラススイッチの際に、最も大きな影響力を持って最初に作るIgGがIgG3であるからです。しかもこのIgG3は、とりわけウイルスや細菌をオプソニン化する際に、最も効果的であり、かつ補体を活性化するのに最も強力な働きがあるからです。というのは、補体というのは安物の抗体といっても良いのですが、この補体だけではウイルスや細菌を殺すのに十分でなかったので、その補体の働きをさらに高めて、最初にできたのがIgGのサブクラスのIgG3であったのです。補体の働きを補い、かつ補体以上の優れた仕事をしてくれたのは、とりわけIgG3であったのです。

 ここまでの話をするのに長い時間がかかったことはお分かりになりますか?Th0は生まれた時に持っているIgMしか作れないのでありますが、Th0がIL-12とT細胞(Th0)のヘテロ二量体レセプターのIL-12Rβ1およびIL-12Rβ2と結び付くと、Bリンパ球IgMからIgGへクラススイッチせよというサイトカインで最も大事なのはIFN-γであることはすでに述べました。この抗体を作るのは言うまでもなくBリンパ球ですから、Bリンパ球がどんなTh1の出すサイトカインによってどのようにクラススイッチをし始めるのかが、ここからの説明となるのです。

 Th0細胞自身もリンパ管のリンパに乗って、自分のTCR(T cell receptor)にぴったり合う抗原(cognate antigen)を探し回ります。Cognate antigen(同族抗原)は、類似した抗原という意味で、何と類似しているかというと、自分のTCRに認識され、ぴったり合う抗原という意味です。

 みなさん、これまでの話は、IgMからIgGへのクラススイッチの話ばかりでした。ところがヘルペスウイルスが一旦細胞の中に入り込むときに働くキラーT細胞(CTL)についてはほとんど触れませんでしたが、実はヘルペスウイルスが神経細胞に入った時に、どのような痛みが出るかの話の中で、ずいぶんCTLの働きやNK細胞の働きについては触れたはずです。特にNK細胞はMHCⅠのない神経細胞に感染したヘルペスを細胞もろとも殺すことはご存知ですね。NK細胞は大体16時間で3〜4つのヘルペスの感染した神経細胞を殺すことができますが、長続きしないのです。ところがTh1細胞によって生み出されたIL-2は、NK細胞を再活性して、殺しの仕事を続けさせることができます。IL-2は、もともと細胞の増殖因子と言われていたもので、CTLやNK細胞やTh1細胞などを増殖させる力があることを知っておいてください。Th1サイトカインであるTNF、IFN-γ、IL-2は、ウイルスや細菌が人体の組織に感染した時に、人体を守る手助けをしてくれるのです。しかもTh1サイトカインは、自然免疫や獲得免疫に命令して、いろんな免疫細胞を動員させることができ、かつこのような病原体に対して極めて効果的な抗体を作ってくれるのです。最も効果的な殺しの抗体というのはIgMではなくて、まさにIgGであるのです。この3つのTNF、IFN-γ、IL-2のサイトカインは、病原体が殺されきるまで免疫系を常に働かせることができるのです。ところがヘルペスウイルスだけは例外なのです。ヘルペスウイルスは一旦人体に感染すると細胞に入り込んでエピソームの形で感染し続け免疫が下がった時に増殖し続けるのです。これをウイルス学者はヘルペスウイルスが眠りから醒めて増えていくので再活性といいますが、再活性を起させたのはステロイドホルモンを始めとする免疫抑制剤のすべてです。例のごとく、あちこち寄り道しながらIgM抗体をどのようにしてIgG抗体へクラススイッチするかの話はこれで一通り終わります。強力な殺しのIgGの世界もヘルペスだけは殺し切れません。先程述べたように自然抗体のNK細胞も16時間かかって神経細胞に入ったヘルペスウイルスもろとも3~4個の神経細胞を殺す事ができますが、疲れきったNK細胞をTh1がIL-2を作り続けて活を入れてくれます。IL-2がNK細胞をどんどん増殖させてくれるので殺しきれない神経細胞に入ったヘルペスをいつまでいつまでも見つけては殺す事を様々な神経に関する自己免疫疾患(本当はないのですが)が病名として生まれてくるのです。その病気のいくつかを上げてこの論文は終わりにしましょう。

 その病気のいくつかを上げてこの論文は終わりにしましょうと思ったのですが、最後に残った仕事があります。アレルギーはすべて化学物質が原因ですからアレルゲンに対してIgMができます。このIgMは、この世にある人体にとって異物をすべて認識して化学物質と結びついたペプチドに対してはIgMからIgGにクラススイッチする話を真上で書き切りました。逆に言うと化学物質だけを異物と認識したB細胞のBCR(B cell receptor)は果たしてIgMをIgGに、さらにIgGをIgEにクラススイッチができるかという問題です。答えは絶対にありえません。なぜならば、クラススイッチをするにはヘルパーT細胞(Th細胞)の助けがいるからです。またTh細胞にAPCである抗原提示細胞の樹枝状細胞(dendritic cells、略してDC)や大食細胞やB細胞がペプチドと結びついた化学物質を同時にTh細胞に提示する必要があるからです。IgMは生まれた時からB細胞の膜に付いているものですから、元々クラススイッチには関わりないのです。それでは、何億も人体に侵入してくる化学物質自体はアレルゲンになる為には、言い換えるとIgE抗体を作る為には絶対何らかのキャリアペプチド(蛋白)と結びつく必要があることを忘れないで下さい。人体の免疫は化学物質だけを単独に異物と認識してアレルギー反応を起こす事は絶対にないのです。

 もう一つ書き忘れたことがあります。実は、アレルギーの検査でアレルギー抗体であるIgEを調べる事ができるのはご存知ですね。この検査項目の代表は、コナヒョウダニ、ハウスダスト、ハルガヤ、カモガヤ、ブタクサ、ソバ、小麦、大豆、ミルク、卵白、スギ、ヒノキであることは皆さんご存知でしょう。ここで十分に理解してもらいたいのは大豆にしろ、小麦にしろ、卵白にしろ、ミルクにしろ、スギにしろ、ハルガヤにしろ、これらはすべて生き物から生み出されたものですから、必ず蛋白(キャリアペプチド)が含まれていますね。ところが蛋白だけではアレルゲンには成り得ないので、アレルゲンという異物となる為には化学物質が絶対に必要です。キャリア蛋白と化学物質の複合体でなければ、Th細胞に認識されないのです。Th細胞に認識されなければIgMからIgGから最後はIgEにクラススイッチできないのです。IgEができなければアレルギーは絶対に起こりません。

 それでは小麦やソバや卵白やスギやヒノキは蛋白(キャリアペプチド)を含まれていることは当然でしょう。小麦、そば、卵白は食べ物ですから蛋白が無いわけないでしょう。それではこのキャリア蛋白に結びつく化学物質はどこから、いつ入り込んだのでしょう?それが化学農薬であり、化学肥料であり、加工製品を作る時に用いられる様々な製造食品添加物であります。

 それではスギの花粉やハルガヤの花粉やブタクサの花粉がどうしてアレルゲンになるのでしょうか?それは花粉が雄の精子であり必ず蛋白が含まれています。この花粉に引っ付いた化学物質はまさに自動車の排気ガスそのものです。だからこそ、日本に花粉症が出現したのは1950年代の自動車ブームが始まった時です。それまでは花粉症は一切なかったのです。

 それではハウスダストはどうなのでしょうか?このようなアレルゲンは、名前は全く意味がないのです。というのは、まずハウスダストというのは、本体は一体なんなのでしょうか?文字通りハウスダストは家の中の塵(ちり)、埃(ホコリ)のことですね。アメリカの家庭のホコリと日本の家庭のホコリは同じですか?あなたの家のホコリと私の家のホコリと工場のホコリは中身は同じですか?同じはずがないですね。にもかかわらず、幽霊のようなハウスダストをアレルゲンの一つとして書き出すのは土台、間違っているでしょう。さらにダニについてはどうでしょうか?ダニのいない家など一つもありません。アマゾンの原住民などはダニを布団代わりにしているのではないでしょうか。でも、世界中の原住民がアトピーで苦しんだことはありません。なぜならば、原住民の世界には人工化学物質が全く存在しないからです。原住民は見かけは一番汚い野原に住んでいますが実は化学物質で全く汚されていない原野なのでアトピーは絶対に起こりようがないのです。アハハハ!やはり、ダニも蛋白満載の生き物ですから、もちろん、文明社会の見掛けはきれいですが化学物質も満載の汚い所(?)に住んでいますから化学物質まみれですね。

 他にアレルゲンの検査項目になっているのを列挙すれば、ネコのフケ、イヌのフケ、オオアワガエリ、ブタクサ混合物、ヨモギ、ハンノキ、シラカンバ、ペニシリウム、クラドスポリウム、カンジダ、アルテルナリア、アスペルギルス、ラテックス、ピーナッツ、米、マグロ、サケ、エビ、カニ、チェダーチーズ、牛肉、鶏肉などがありますがこれらが何故アレルゲンになるのか自分の頭で考えて下さい。さらに書き忘れたことを書き足します。アレルゲンは実は抗原と言っても良いのです。なぜならば、IgGで戦う時に膠原病(自己免疫疾患)になる時は化学物質と結びついた蛋白複合体は抗原(antigen)というべきなのです。IgGがクラススイッチしてしまうと抗原がアレルゲンと呼ばれるようになり、アレルゲンに対する抗原をIgEと言っているにすぎないのです。つまり、同じ化学物質と結びついた蛋白複合体をIgGが処理する時は抗原と言い、IgEが処理する時にアレルゲン(Allergen)と言い換えているだけなのです。同じ蛋白化学物質複合体と戦う時にIgGという武器を作る為にも、IgEという武器を作る為にも、Th細胞が認識して初めてIgGやIgEにクラススイッチできるのです。さらに付け加えざるを得ない事があります。

 自己免疫疾患は化学物質キャリア蛋白複合体が抗原となり、その抗原に対してIgGを作るのみならず、様々な組織の損傷によって炎症を引き起した結果、痛みを引き起こすリウマチ疾患などの膠原病(自己免疫疾患)を起しますが、この時どうして痛みが起こるかについては十分に説明していなかったのでここで改めて詳しく説明しましょう。同時にあらゆる痛みは最終的にはすべて神経に入り込んだヘルペスと免疫の戦いにより傷ついた神経が脳に伝えていると長々としてきました。それでは、化学物質キャリア蛋白複合体が炎症を引き起して生ずる痛みとヘルペスが痛みを感ずる神経でNK細胞と戦っている時の痛みがどのように違うのかを詳述しましょう。もちろん、無生物である化学物質キャリア蛋白複合体は免疫を抑えない限り簡単にクラススイッチできます。もちろん、ステロイドを大量に長期に使ってきた人はステロイドの離脱症状が酷い痛みに耐えざるを得ませんが、この痛みにはヘルペスと免疫との戦いが行われているのです。なぜならば、神経細胞に入り込んだヘルペスとNK細胞との戦いは、まさに戦場が痛覚神経線維そのものであるので、直接的に痛みが脳にすべてストレートに強い弱いに関わらず全部伝わってしまうのです。ところが炎症によって引き起される痛みは、痛みを引き起こす発痛物質を強める発痛増強物質によって痛みを脳に伝えるのです。従って、このような発痛物質は間接的な痛みをもたらすのです。それではヘルペスによって起される直接的な痛みではなくて、このような間接的な痛みがどんな発痛物質によって引き起こされるのかを最後に詳しく述べましょう。もちろん、これが最後になるかは気まぐれな私のことですからわかりませんが。アハハハ!しかも、このような間接的な痛みはIgEに抗体がクラススイッチすれば痛みは痒み変わってしまうのです。ここで少し考えてみましょう。どうして私がIgGの世界を殺しの世界であるかという意味を詳しく教えてあげましょう。この説明は具体的にIgGが作られるまでの経過を説明することになります。

 食べ物や水分を摂取する時に化学物質と蛋白複合体が入ってくる場合と摂取された化学物質だけ蛋白やペプチドと結びついて化学物質蛋白複合体になる場合もあります。これらは腸管で消化吸収されてペプチドと化学物質に分解される物もあるでしょうし、そのまま腸管の粘膜から直接取り込まれる物もあるでしょう。化学物資単独の物であれば水と一緒に腸管の粘膜から吸収される物もあるでしょう。いずれにしろ、これらは腸管の粘膜下にある毛細血管から吸収されて、栄養成分は全身に運ばれて人体のすべての細胞に栄養物として取り込まれていくでしょう。常に大食細胞や樹枝状細胞は組織に異物が入って来る事をパトロールしています。栄養物として細胞に入り込めない化学物質蛋白複合体は組織に溜まります。且つ化学物質も大量に組織に溜まります。化学物質と組織にある様々な蛋白と結びついた物も異物として大食細胞や樹状細胞に取り込まれます。樹状細胞に取り込まれた化学物質蛋白複合体は分断され抗原として樹状細胞のMHC-Ⅱに結びつき近くのリンパ節に運ばれます。そのリンパ節でこの抗原がTh0細胞に提示されTh0細胞のTCR(T cell receptor)にピッタリ合うだけでは戦えません。もう一つ樹状細胞からの刺激が必要です。この刺激の事を共刺激といいます。別名、副刺激ともいいます。B7という樹状細胞からの共刺激を介してTh0細胞が活性化されTh1細胞になります。TCR(T cell receptor)に結びついた抗原と共刺激をしてくれるAPC(antigen presenting cell、日本語で抗原提示細胞)のB7と結びついたCD28からの2つのシグナルによりTh0はTh1に分化、増殖し、さらに分化したTh1はTh1型のサイトカインであるIL-2、IFN-γ、TNFなどを産生し、病原体との戦いに備えます。IL-2、IFN-γ、TNFについてはすでに述べましたので読み返して下さい。皆さん、Thのhはそもそも何の意味があるのかご存知ですね。ヘルパーのhです。何をヘルパーするのかご存知ですか?Bリンパ球が抗体を作る手助けをするのが本来のThの仕事なのでhが付いたのです。Bリンパ球が抗体を作る手伝いをするのは活性化されたTh1の細胞膜に発現するCD40-Lなのです。ここでCD40について少し勉強しましょう。

 B細胞がIgGを作るまでには、まずB細胞を活性化する必要があります。B細胞の活性化には3つのシグナルが必要です。1つ目はB細胞受容体からのシグナル、2つ目がB細胞補助受容体からのシグナル、3つ目がCD4陽性T細胞(Th)からのシグナルの3つが必要ですね。

 1つ目のB細胞受容体について詳しく説明しましょう。骨髄で成熟したナイーブB細胞は表面にIgMというレセプターが10万個発現しています。このIgMというB細胞のレセプターがY字型になっているのはご存知でしょう。このY字型のレセプターが10万個も1つのB細胞にあるんですよ。ビックリですね。このY字型のレセプターの両手を病原体表面の抗原により手をつながられる(架橋される)ことによりB細胞内へのシグナルが伝達されます。Y字型の一本足の足は短いのでシグナルが核まで伝わらないのです。核までに伝える為にIgMのY字型の一本足にIgαおよびIgβと呼ばれる膜を貫通するタンパクと連結(会合)しており、これらの会合体が機能的に完璧なB細胞抗原受容体 (B cell receptor、BCR)となるのです。つまり、完全なBCRはIgMとIgαとIgβから成り立っていると言えるのです。Igβの細胞質部分に存在するチロシン残基がリン酸化されることによって、シグナル伝達経路が始動されるのです。

 次に2つ目のB細胞補助受容体について説明しましょう。B細胞補助受容体はCD21 (補体受容体2、CR2)、CD19、およびCD81(B7-1)から成り立っています。このCD21がCR2と呼ばれるのはCR2のCはcomplementであり、Rはreceptorと書き、合わせて complement receptor (補体受容体2、CR2)といいます。ヘルペスウイルスは補体を分解する特性を持っています。この為、補体C3が分解されて出来た断片のC3dがCD21と結合することができるのです。B細胞受容体(BCR)とB細胞補助受容体(CD21)が細胞質で会合(連結)すると、今度はIgαに細胞質部分で会合した(連結した)チロシンキナーゼによってCD19がリン酸化され、シグナル伝達経路が始動するのです。

 さらに、抗原による活性化においてはCD4陽性T細胞(Th)の分泌するサイトカインが必要です。B細胞はAPCの仕事もできることは覚えておられますね。従ってB細胞抗原受容体(BCR)は樹状細胞と同じように受容体によるエンドサイトーシスにより抗原を取り込むことができます。B細胞は取り込んだ抗原を提示したMHC-IIとCD4陽性T細胞(Th)が相互作用すると、B細胞表面のCD40とT細胞表面のCD40Lが結合し、且つTh1細胞から産生されるIL-2、IFN-γ、TNFなどのサイトカインの刺激によりB細胞が活性化されてIgM抗体からIgG抗体へとクラススイッチ(アイソタイプスイッチ)することができるのです。

 IgGを作り出す前にB細胞は増殖する必要があります。結合したCD4陽性T細胞(Th)からIL-2、IFN-γ、TNFなどのサイトカインにより活性化されると、B細胞が増殖を開始し、一次反応巣 (primary focus) を形成します。その後、これらの細胞は髄索と濾胞に移動します。濾胞に存在するTfh細胞(濾胞ヘルパーT細胞)は英語でT follicular helperといい、縮めてTfhと書きますが、Tfhが二次リンパ組織の瀘胞胚中心の形成および高親和性B細胞の選択と記憶B細胞や形質細胞への分化に重要な役割を果たしています。近年、CXCR5を発現することにより二次リンパ組織の瀘胞胚中心に位置するCD4+T細胞サブセットがT細胞依存的な抗体産生に重要な役割を果たします。一方、髄索に移動したものはTh2細胞からのサイトカインであるIL-4、IL-5、IL-10により形質細胞へと分化します。この髄索で形成された形質細胞は主としてIgMを産生します。一方、濾胞に移動したものは大型化し、さらに活発に分裂します。この細胞は中心芽細胞(centroblast) と呼ばれます。中心芽細胞は増殖するにしたがい胚中心(germinal center)を形成し、リンパ節を腫大(腫脹)させます。この胚中心を暗領域(dark zone)といいます。やがて分裂が停止し、中心細胞 (centrocyte) となります。この中心細胞 (centrocyte)は胚中心の外側にある明領域(light zone)に移動して元々濾胞に住み着いている濾胞樹状細胞と相互作用します。

 みなさん、B細胞が抗体を作ったり、クラススイッチしたりする話を進めるにつれて、どこでクラススイッチが起こり、どのように、さらにどのような免疫細胞の手助けがいるかということを書き始めると、どうしてもリンパ節の話が出てきます。ところがリンパ節は、もともと抗原提示細胞やT細胞やB細胞の3つが集まって、初めてIgG抗体やIgE抗体ができる場所であります。ところがリンパ節の構造は簡単ではありません。命を守る免疫が成熟するための部位がまさに二次リンパ節なのであります。従って真上に書いた二次リンパ節についての専門用語である、一次反応巣 (primary focus)、髄索、濾胞、瀘胞胚中心(胚中心)、暗領域(dark zone)、明領域(light zone)などが次々と出てきます。したがって、私のためにも、皆さんの理解のためにも、原点に戻ってリンパ節の話を改めて説明しましょう。

今日はここまで。2019/7/10

 まずリンパ節の模型図を下に掲げます。それを見ながら勉強しましょう。
 リンパ節は線維性皮膜をもった縦径1mmから1-2cm、そら豆型のリンパ組織で人体にはリンパ管に沿ってトータルで600個ほどあります。何故リンパ管に沿ってリンパ節があるのかわかりますか?リンパ節は、リンパ球をはじめとする免疫の細胞の仕事場であるからです。リンパ管に流れているときは、遊んでいる時だと思ってください。リンパ節に入って初めて免疫の仕事が始まるのです。ちなみに仕事の始まりは、組織に入ってきた化学物質とヘルペスウイルスを貪食した樹状細胞が組織の毛細リンパ管から入り込み、リンパ管に入り込み、一番近いリンパ節(所属リンパ節)の輸入リンパ管からリンパ節に入って、Tリンパ球やBリンパ球と協力して侵入者を処理し始めるのです。この処理の仕方を説明しようとしてリンパ節の構造も知っておく必要があるので、リンパ節の話がここでは主題となるのです。もちろん血中にも化学物質やヘルペスが運ばれてきますから、これらは動脈から毛細静脈に特別に存在するHEVという毛細静脈の内皮細胞の間を抜けて、リンパ節に運ばれます。リンパ節は全身に分布していますが、頚部、腋窩、鼠径部、腹膜にたくさん見られます。

 リンパ節は外側の皮質と内側の髄質に分かれています。輸入リンパ管とリンパ洞は繋がっています。リンパ洞(リンパどう、英:lymphatic sinus)とは、リンパ節の被膜や小柱と実質リンパ組織との間に存在するリンパ流路となる間隙で、細網線維と細網細胞によりクモの巣状の構造を示します。輸入リンパ管からリンパ洞内にリンパに乗って異物が侵入すると、リンパ節実質から多数のマクロファージがリンパ洞内に流入し、異物を貪食します。リンパ洞は、多種類の細胞が見られ、細網細胞、リンパ球、形質細胞、マクロファージ、樹状細胞(Dendritic cells(DCs))、濾胞樹状細胞(Follicular dendritic cells(FDCs))などが多種類の細胞が存在しています。リンパ洞は輸入リンパ管から始まり辺縁洞になり、さらに中間洞になり、さらに髄洞になり、最後は輸出リンパ管になりリンパ節を出て全身のリンパ管に続いていくのです。

 髄質は、髄索と髄洞からできています。辺縁洞は、皮質から始まるリンパ洞の最初であり皮質から髄質の間は中間洞となり髄質に入り込むと、名前が髄洞になります。髄索には細網細胞のほかリンパ球が多いのですが、Bリンパ球がほとんどでTリンパ球は少ないのです。Bリンパ球が圧倒的にTリンパ球より多い理由は、髄索の中にある濾胞でTリンパ球の手助けを借りてBリンパ球が増殖する場所が髄索でありTリンパ球は増える必要がないからです。他に形質細胞(抗体産生ができるようになったBリンパ球)、マクロファージ、DCsが見られます。これらの細胞は髄索と髄質も皮質も自由に出入りできるのです。ちなみに人体にはBリンパ球は30億個あります。Tリンパ球は3千億個あります。なぜTリンパ球がBリンパ球の百倍も多い理由については機会があれば後で詳しく書きます。次に見慣れない細網細胞について説明しましょう。

 細網細胞は、リンパ節にのみ見られる長い数本の突起を伸ばす星形の細胞です。線維芽細胞の特殊化したタイプで、細網線維芽細胞とも言われます。多種類のケモカイン(走化性因子、細胞を呼び寄せる因子)やサイトカインを産生します。さらに細網線維芽細胞と言われるぐらいですから、細網線維を作り出し、主にBリンパ球をはじめとするさまざまな免疫細胞が活動するための足場となる網目構造を、細網細胞と自分が作り出した細網線維が一体になって作りだします。この網目のすき間に、Bリンパ球系の細胞がたくさん見られます。

 リンパ節(lymph nodes)はリンパ管の走行の途中に点綴された、扁平な楕円形ないし「そらまめ」形の器官で、その大きさは長径2~3cm、短径約1 cmの大きいものから、顕微鏡でしか見られない小さいものまでさまざまであり、表面を膠原繊維性の被膜で包まれています。通常一側が凹んで、リンパ節の門(hilus)をなし、ここに血管が出入し、ここから1~3本の輸出リンパ管が出て行きます。輸入リンパ管はリンパ節の門(hilus)からではなく、他の皮膜の表面から数本の輸入リンパ管からリンパが入ってきます。輸入リンパ管が被膜を貫くところ、および輸出リンパ管が門を出るところには弁があり、リンパの逆流を防いでいます。リンパ節に流入するリンパ(リンパ液)によって、様々な抗原物質を樹状細胞が運んできます。リンパ節にいるヘルパーT細胞は、cognate antigen(認識できる抗原)に出会ったときだけこれらを認識して、これらに対する免疫反応が開始されます。またリンパ節の中には多数の大食細胞が存在していて、流入するリンパに含まれる細菌などの異物を食作用によって捕捉し、リンパを濾過する役目も果たしています。言い換えると、リンパ節は、リンパに乗ってくるヘルペスウイルスや化学物質をも処理し、濾過されたリンパとなって輸出リンパ管を通って出て行きます。

 ICOS やICOS Lは一体何なのでしょうか?
まずICOS は英語でinducible costimulator moleculeといい、inducibleの頭文字のIとcostimulatorの先頭の3文字のCOSを合わせてICOSという略語を作ったのです。 このICOSという分子はTh細胞が持っているレセプター(receptor)であります。別名CD278とも言われているTh細胞のレセプター(receptor)です。次にICOSLは英語でinducible costimulator molecule Ligandであります。Ligandというのは、特定の受容体(receptor、レセプター)に特異的に結合する物質であり、日本語でもリガンドといいます。このICOSLはB細胞が持っているリガンドであり、T細胞の持っているICOSと結合します。

 IgM抗体は最初に作られるのはどのように、且つ何時なのでしょうか?またICOSとICOSLとは何でしょうか?
まずTh細胞のレセプターとB細胞のMHC-Ⅱと結びついたペプチド(抗原)が結びつく前にB細胞がやらなければならないことがあります。だけではB細胞は活性化されない以前にTh細胞はB細胞を手助けするのでTh細胞であることは何回も書きました。だからこそ、Th細胞のHはヘルパー(helper)であります。ヘルパーT細胞を縮めてTh細胞というのです。つまり、Th細胞のレセプターとB細胞のMHC-Ⅱと結びついたペプチド(抗原)が結びつくだけではB細胞は活性化されないので、さらにcostimulator (共刺激分子)と言われるTh細胞のCD28とB細胞のB7が結びつく必要があります。ところが新たにもう一組のcostimulatorが必要であることが細菌の免疫学の進歩でわかりました。それがB細胞が持っているICOSL(inducible costimulator molecule Ligand)とT細胞が持っているICOS(inducible costimulator molecule)が結びつかなければならないのです。以上に述べた3ヶ所でTh細胞とB細胞が結合するとTh細胞を活性化させることができるのです。活性化されたTh細胞はCD40Lというリガンドが発現されます。一方、このCD40Lと結びつくCD40というレセプターが活性化したB細胞に発現します。活性化したTh細胞に発現したCD40LもB細胞に発現したCD40も共刺激分子といいます。すべての成熟Bリンパ球にCD40は存在していますが、抗体だけを作る専門化した形質細胞には存在しません。またリンパ節に存在している濾胞樹状細胞や線維芽細胞やマクロファージ(大食細胞)も刺激されると強く発現します。上に述べた3ヶ所でTh細胞とB細胞が結合した上で、さらに4つ目のB細胞のCD40とT細胞のCD40L(CD154)が結合すると、B細胞は増殖と分化が生じ、最後はB細胞のクラススイッチと抗体産生をもたらすのです。B細胞のCD40がTh細胞のCD40Lと結びつかなければB細胞が細胞死(アポトーシス)していまします。いかにTh細胞のCD40Lが大切かお解かりになるでしょう。難しいでしょう。興味のある人は着いて来て下さい。

 ここでB細胞がTh細胞を助けている事について説明しましょう。 つまりB細胞がTh細胞にまず抗原提示を行い、且つ共刺激分子(costimulator)であるB7と、且つICOSLの3つを提供している事になります。するとTh細胞は完全に成熟した仕事のできる大人になります。この大人になったTh細胞をTfh細胞(濾胞ヘルパーT細胞)となり、英語でT follicular helperといい、縮めてTfhと書く成熟した本当のヘルパーT細胞(Th)となり、本当にB細胞にクラススイッチや体細胞超変異(英語でsomatic hypermutation)をもたらす事ができるのです。

 リンパ節がリンパ節である特徴は何か?3つあります。
1つ目はリンパ濾胞がある事。リンパ濾胞には一次リンパ濾胞(primary lymphoid follicle)と二次リンパ濾胞(secondary lymphoid follicle)があります。二次リンパ濾胞はgerminal centerともいい、胚中心と日本語でいいます。
2つ目は濾胞樹枝状細胞が存在している事。濾胞樹枝状細胞は補体が運んできた抗原を奪い取ってBリンパ球に抗原を手渡す仕事をしています。濾胞樹枝状細胞は生まれた時からリンパ節のリンパ濾胞に住み込んでいる住人であり、移動することはありません。つまり、リンパ節外に移動する事はありません。
3つ目はリンパ節の毛細静脈血管からリンパ球が出て行きやすいHEVがあること。
HEVとは何でしょうか?HEV英語でHigh Endothelial Venuleといい、日本語で高内皮細静脈といいます。細静脈からリンパ節へのリンパ球の通り道になっています。

 最後にリンパ節は何かについて、且つ何をする所かまとめておきましょう。
リンパ節とは、抗原(antigen)、APC(抗原提示細胞)、T細胞、B細胞が集積し、そこでナイーブT細胞が活性化させます。一方、すでに活性化されたB細胞やT細胞が再活性される場所でもあります。活性化されたB細胞やT細胞をエフェクターB細胞、エフェクターT細胞といいます。リンパ節はナイーブT細胞やナイーブB細胞をエフェクターB細胞、エフェクターT細胞に変える場所であり、エフェクターB細胞は抗体を産生しエフェクターTh細胞はサイトカインを作り、キラーT細胞(CTL)はヘルペスウイルス感染細胞を殺す事ができるのです。一言でリンパ節の仕事をいうと、樹状細胞によってリンパ液に乗って運ばれてきた化学物質やヘルペスウイルスを遮る濾過装置と言えます。

 それでは形質細胞や活性化したBリンパ球はどこに行くのでしょうか?
二次リンパ濾胞(germinal center)、別名、胚中心で作られた形質細胞はリンパ液に運ばれて脾臓や肝臓に移りそこでIgMをどんどん作り出します。他の活性化されたB細胞は二次リンパ濾胞(germinal center)に留まり、ますますクラススイッチやsomatic hyper mutation(体細胞超変異)をし続け、さらに増殖します。増殖した後、リンパや血液に乗って別のリンパ器官に移動します。そこでこれらのBリンパ球は、Bリンパ球が必要な濾胞樹状細胞に提示されている抗原とB細胞を助けてくれるTfh細胞を提供してくれる二次リンパ器官を見つけ出すのです。

 それではキラーT細胞はどのように活性化され、どこへ移動するのでしょうか?
T細胞の一つであるキラーT細胞も樹状細胞によってリンパ節の傍皮質(paracortex)という皮質の近くで提示されたcognate antigen( 同種抗原)を認識できた時に活性化されます。同種抗原とは免疫応答を引き起こすことができる抗原であります。もっと専門的に詳しく説明すると、Tリンパ球とBリンパ球が同時に認識できる同じ抗原のエピトープです。エピトープとは、英語でepitopeと書き、エピトープ (epitope) は、抗体が認識する抗原の一部分であります。 抗体は病原微生物(ヘルペスウイルス)や高分子物質(化学物質ペプチド複合体)などと結合する際、その複合体全体を認識するわけではなく、抗原の比較的小さな一部分のみを認識して結合する。 この抗体結合部分を抗原のエピトープと呼ぶのです。

 一度、CTLは活性化されると2倍、4倍、8倍…と増殖してリンパ管を循環します。CTLのいくつかは二次リンパ節に入り込み同じように増殖します。また他のCTLはヘルペスウイルスに感染された細胞を殺す為に血液から出て感染部位に行きます。

 なぜ、リンパ節が腫れたりするのか?その答えを出していきます。
大量にステロイドを投与されたり、長期にステロイドを投与された人にリンパ節が腫れる人がいます。時には、正常なリンパ節の大きさはすでに上で書いたように線維性皮膜をもったそら豆型の縦径1mmから1~2cmであります。それが10倍の大きさになることもあります。この腫大の原因の1つはリンパ節の中にいるリンパ球が増殖した結果であります。2つ目は、活性化したリンパ節にいるTh細胞によって産生されたサイトカインがどんどんリンパ節にマクロファージを寄せ集めるからです。以前に述べたようにTh細胞がサイトカインの工場であり、いろんな免疫細胞を引き寄せるケモカインも作る工場であるからです。集まった細胞がリンパ節の一番外側にある線維性皮膜の真下にある辺縁洞(英語で訳すと marginal sinus)の流れを悪くしてその結果、栓をしてしまうからです。そうすると、リンパ節に古液性成分が保持され、ますます腫大が酷くなります。3つ目は、二次リンパ濾胞(germinal center)でBリンパ球やTリンパ球がどんどん増殖する活動が大体3週間続くと病原体は撃退されてしまい、補体にオプソニン化された(opsonized)大量の抗原が濾胞樹枝状細胞に乗り移って、最後はこの大量の抗原がB細胞に奪われてしまっています。3週間後には大抵の増殖したB細胞は二次リンパ濾胞(germinal center)を離れてしまっているか、もしくはそこで仕事を得て死んでしまっているかのどちらかです。すると腫れているリンパ節も徐々に小さくなっていくのです。二次リンパ濾胞(germinal center)になった領域も一次リンパ濾胞に戻って行きます。こうしてリンパ節の腫れは徐々に引いていくのです。ところが、EBウイルスがBリンパ球に入り込んでしまうとキラーT細胞もNK細胞も手が出せなくなるのです。なぜならば、EBウイルスはBリンパ球の核の中に入り込み、エピソームの形で潜伏感染を続けるのでキラーT細胞もNK細胞のみならずTh細胞もさらに感染したBリンパ球自身も正常な活動が全くできなくなり、謂わば、すべてが停止状態になりその結果リンパ節の腫れがいつまでも続くのです。このような状態が続くと他の医者は悪性リンパ腫とか白血病といった診断を下し、大量のステロイドを入れて、その間ヘルペスウイルスが正常なBリンパ球に感染し続けて、後に本当の白血病を起してしまうのです。勿論、リンパ球はステロイドに弱いですから見掛けは一時的にTリンパ球もBリンパ球も殺されていますのでリンパ節の腫大は一時的に小さくなることもありますが。

今日はここまで2019/7/12

 ギラン・バレー症候群(炎症性多発性神経障害)、重症筋無力症(副交感神経炎)、多発性硬化症(髄鞘炎)、原田病、自己免疫性視神経症、自己免疫性内耳障害、多発性筋炎、皮膚筋炎などですが、神経にかかわる病気はすべてヘルペスが関わる事を知っておいて下さい。

 Th1サイトカインとTh2サイトカインについて非常に大切な事を書き忘れましたから書き添えます。ヘルパーT細胞であるTh1、Th2の仕事はサイトカインを作る工場と考えて下さい。残りのT細胞であるregulatory T cell(Treg)もIL-10やTGF-βを作るサイトカイン製造工場であります。唯一つサイトカイン製造工場ではないT細胞があります。それがキラーT細胞であります。別名、CTLですね。

 もう一つ、大事なことを書き忘れました。Th1細胞はIL-2、IFN-γ、TNFの3つが代表的なTh1サイトカインと述べました。これらは一言で言うと病原体を病原体と戦い最後は殺すように様々なシグナルを免疫系に出させる最初の敵が来たという危険信号(danger signal)と言ってもいいのです。それではまずIL-2はどんな仕事をするのでしょうか?NK細胞にIFN-γを出させて、且つ大食細胞にTNFやIL-12を作れ作れと刺激し続けます。次に2つ目のIFN-γはどんな仕事をするのでしょう?述べたように、マクロファージにTFNとIL-12を出し続けさせます。それでは3つ目のTFNはどんな仕事をするのでしょうか?何回も述べていますように、TNFは自分自身であるマクロファージにIL-12をどんどん作らせてTh0をTh1にさせる事とNK細胞にIL-2を作らせてNK細胞自身にもっと自分自身の細胞を増殖させるのです。さらにTNFはNK細胞に働いてIFN-γを作れ作れと命令し、このIFN-γは大食細胞に働いてTNFとIL-12を作らせ続けるのです。ややこしいですが、皆さんは全部覚える必要はありません。簡単にいえば、自然免疫の中枢細胞である大食細胞と自然免疫の殺しの細胞であるNK細胞とお互いに協力し合って自然免疫の力をどんどん増やし続けているのです。近頃、遺伝子組み換えの操作を用いて作られている生物製剤であるヒュミラやレミケードはTNFに対する抗体を作ってヘルペスに対する免疫の働きを完璧に抑制するのでヘルペスが無限に増えてしまうのでこのような生物製剤を一度使えばやめることはできないのです。ヒュミラは年間2兆5千億円も売り上げていますが、正にこのような薬を使うとあるはずのない自己免疫疾患は治らないどころか、新たなるあらゆる病気を作るヘルペスを増やしているだけなのです、もともと自己免疫疾患のすべてはヘルペスが原因であるのでその原因を増やしている現代の医学はとんでもない医療をやり続けているのです。残念で残念でなりません。現代の病気の原因はすべて化学物質とヘルペスですから、免疫を唯一上げることができる大量の漢方煎じ薬と抗ヘルペス剤を併用すればすべての病気は治るのです。にもかかわらず、真逆の医療が世界を支配していることが残念で残念でなりません。とりわけ日本のアルツハイマーもヘルペスが原因ですからエキスがなくて煎じ漢方薬と抗ヘルペス剤で予防できるのです。残念ですね。残念ですね。悔しいですね。

 このような働きがなくなった時に、まだ病原体が生き続けていると、人間は感染症で死んでしまうのですが、現代の最後に残った感染症はヘルペスウイルスだけですから、極端に言えば、病原体殺しのTh1の世界は必要でなくなったと言えるのです。何故ならばヘルペスウイルスのために死ぬことは絶対にないからです。ヘルペスウイルスとの戦いで危険な状態になるのは、免疫を抑え続けてヘルペスウイルスを増殖させ続け、骨髄の白血球、とりわけBリンパ球に侵入したヘルペス、とりわけEBウイルスが骨髄のBリンパ球の造血幹細胞に入り込んで、そのBリンパ球の幹細胞の遺伝子をトランスフォーメーション、形質転換、つまり遺伝子の突然変異を起こすことによって、血液の癌と言われるBリンパ球白血病や、他の様々なガンを引き起こすになってしまうことです。Bリンパ球の白血病のみならずTリンパ球の白血病も存在します。Bリンパ球やTリンパ球の白血病をまとめてリンパ球性白血病と名づけるのです。

 アルツハイマーは世界で一番多いのは日本であり、600万人のアルツハイマーの患者がいます。アルツハイマーも抗ヘルペス剤を投与すれば予防できるのにもかかわらず、このアルツハイマーの原因も免疫を抑え続ける世界に冠たる優れた(?)国民皆保険の結果、年老いても増殖し脳まで侵入し続けたヘルペスウイルスによって起こされたものであるのは、実に皮肉な悲しい真実であります。免疫を抑える薬はすべて病気作りのこの上のない罪作りの毒薬です。残念ですね。残念ですね。免疫を上げる本当の薬は濃い濃い漢方の煎じ薬だけです。

今日はここまでです。2019/07/04

 あらゆるアレルギーの権威ある書物を読んでみて共通する間違いは、まず遺伝子のレベルまで明らかにされた免疫学を無視し、目に見える症状だけを捉えて、その症状が患者にとって不愉快であるという点だけを強調し、その原因を深く考えずに勝手にアレルギーそのものがハナから否定的に捉えられていることであります。何故このように先入観的にアレルギーが有害だと決め付けられてしまったのでしょうか?その根拠は幾つかあります。アレルギーの研究の歴史を見ますと、普通の人間の生活では決して起こり得ない不自然な実験、例えばイソギンチャクの毒素を犬に注射したり、牛の血清を兎に注射するなどの異物を無理やり動物に投与する実験からアレルギーの研究が始まっています。このような実験結果は異常でないはずはないのです。ちょうど死刑囚に毒薬を大量に入れて刑を執行して殺すのと似ています。もちろん毒薬を入れられた犬や牛には何の罪はないのですが、毒薬でも少量であれば人間や牛や犬の免疫は、その毒薬を処理できるのですが、処理するやり方がアレルギーであり膠原病なのです。この毒薬である異物をIgEで処理すればアレルギーとなり、IgGで処理すれば膠原病になるのです。このように哺乳動物に異物を入れる実験は死刑囚を毒殺するのと同じく、最悪の場合は死に至るような悪い結果が出るものですから、異物の入れ方にかかわらず、どんな異物が人体に入ってもそれを排除しようとする反応(アレルギー) は全て悪いものだという印象を植え付けました。

 そのようないろいろな実験から、1906年にオーストリアの小児科医ピルケがこのように異物が体に入り、人体にとって有害に見える症状を起こすときに、アレルギーという言葉を提唱したのであります。その語源はALLOS(OTHER)とERGON(WORK)の二つの語を引っ付けて、本来の働きとは異なる(変わった)仕事(反応)すなわち、変わった反応、つまり奇妙な反応という考え方から生まれました。この名称は極めて示唆的であります。というのは、ピルケの時代はあくまでもアレルギーという言葉は学問上の言葉であり、一般の人は誰も知りませんでした。その後、世界は科学文明をどんどん発達させ、十万種類以上の人工化学物質を大量に世界中にばらまいてしまいました。その結果、最近アレルギーはどこにでも見られ、アレルギーという言葉を知らない人は誰もいなくなりました。言うまでもなく、花粉症も実は極めて最近に生まれた症状であります。世界中の先進国が自動車の排気ガスを空中にばら撒いたために生じたアレルギーであります。花粉症の場合は自動車の排気ガスの窒素酸化物という化学物質と、花粉のおしべが持つタンパク質である粘液と結びついてアレルゲンとなり、これが哺乳動物の目の結膜や鼻の粘膜に付着すると、これがIgE抗体と肥満細胞の3者が結びついて、花粉症の様々な症状が出るようになったのです。

 元来免疫というのはIgM抗体やIgG抗体を作り、その結果2度と病気に罹らないようにしてくれる正しい仕事と考えられてきたのであります。ところが最近の研究で分かったのですが、まず排除すべき抗原と出会ったBリンパ球がIgM抗体を作り、次に別のヘルパー1Tリンパ球の指令を受けて同じBリンパ球がIgG抗体を作るのであります。これを免疫の抗体のクラススイッチと言います。この段階でクラススイッチが終わればアレルギーは起こらないのでありますが、殺しきれない敵である化学物質に対しては、人間の免疫はさらにもう一段階クラススイッチを行います。つまりヘルパー2Tリンパ球の指令を受けて、IgG抗体をIgE抗体に作り変えることにより、化学物質を殺すのではなくて排除しにかかるのです。このときに初めてアレルギーが出現するのです。なぜこのようなIgE抗体を作るようになったのかについて説明していきましょう。

 ピルケの活躍していた1900年代の初めは、このようなクラススイッチはおろか、抗体という概念さえも無かったのです。従ってこの意味で、ピルケはこのアレルギーのクラススイッチの事実を予言していたとも考えられます。しかしこのようなIgE抗体までを作るクラススイッチを、果たして否定的に捉えて良いのでしょうか?生命は38億年かけて合目的に進化を遂げ、人間の免疫を完成させてきたのであります。必要でない器官や機能は進化の過程で廃棄されたり退化し、必要な機能はさらに改善されてきたのです。ところが誰もがIgG抗体の一万分の一くらいのIgE抗体は常に保有しています。免疫の発生の胎生期に人体は自己の成分に対して免疫反応を起こさないように、自分の成分に対しては免疫細胞と他の全ての成分の細胞に同じタンパク質を持たせたのです。このタンパク質を作る遺伝子をMHCⅠと呼び、そのタンパク質をMHCⅠタンパクと呼びます。このタンパクはいわば味方の旗印であり、この同じMHCⅠという旗印を持っている自己の細胞を自己の免疫細胞は攻撃しないような仕組みを作り上げました。これを免疫寛容といいます。このような免疫寛容というプロセスを経て先天的に非自己、つまり自分にとって異物だけを攻撃するように進化させてきたのであります。これを先見的免疫寛容と名付けて良いでしょう。

 1個の受精卵が10ヵ月後に3兆個の体細胞にまで増大成長するなかで、DNAによって作られた遺伝子は全ての細胞に同じ受精卵から生まれた細胞であることを示すために全て同じMHCⅠというタンパクを細胞に持たせたのです。従って自分の成分に対して自分の免疫が攻撃しないようになっているのです。これを私は先見的免疫寛容と名づけたのです。

 しかしながら人体に侵入しても増殖はしないが人体にとって有害である物質、つまりいわゆる毒が侵入したときに生理学的に排除できないときや、また生理学的には排除できる有害物質が大量に侵入したために排除できなくなったときに、人体はどうするでしょうか?その目的の為に密かにIgE抗体を作る能力を温存しておいたのだと私は考えます。つまり、人類発生以来、地球上には人体にとって無数の天然の異物が存在しています。知らずにこれらの天然の異物が人体に摂取されたときに、それを排除しようとするのは当然のことなのです。そのような天然の毒がある濃度を超えると、人の生命を奪う可能性があるときにそれを排除するために最後に免疫を発動させ、このときに使う武器としてIgE抗体を作るわけです。特に現代文明は化学物質に満ち満ちています。このような天然の異物ではない人間が作った化学物質という異物は、ほとんど全てがあるレベルを超えて人体に侵入すると必ず人を殺してしまうでしょう。だからこそ、これらの天然の異物・人工の異物を排除するためにこそ、免疫の中に密かに隠されていた最後の正しい手段はIgEであったのではないのでしょうか?そうでなければわざわざ最後にクラススイッチしてIgE抗体を作る余地を残さなかったはずであります。それなのに何故学者はこのような考え方ができないのでしょうか?答えは簡単です。アレルギーで人体から排除すべき化学物質というのは科学文明によって生み出され、必ず人間の幸せを増やすと盲目的に考えられている人工物質であるものですから、化学物質が悪いことをするはずが無いと思い込まれています。現代の人間は、ましてや文明の最先端にいる化学物質を作る化学者やその他の科学者は、本能的に自分たちが支えている文明が悪をなしているとは決して思いつかず、無意識の内に否定してしまっているからであります。2010年のノーベル化学賞は2人の日本人に授与されました。鈴木先生と根岸先生です。彼らの受賞理由は、パラジウムを触媒とする「クロスカップリング」と呼ばれる有機合成法の開発であり、彼らが見いだした合成反応は、有機合成化学に飛躍的な進展をもたらし、さらに天然にない化学物質を安価に簡単に作ることができるようにさせたことであります。ますます便利でありますが人体にとって異物となる人工化学物質が大量に作られ続けることになり、その結果アレルギーがより一層生じることになります。お断りしておきますが、何も彼らが新しい化学物質を作ったからといって非難しているわけではありません。後でお分かりになると思いますが、これらの化学物質と免疫は共存できるようになるシステム内蔵しているからです。後で詳しく述べます。

 

 このような間違った考え方はIgE抗体の世界だけではありません。免疫には抗体による免疫の働き以外に細胞性免疫というのがあります。例えば、結核菌に対する免疫の働きは過剰反応のひとつで、遅延型過敏反応を起こすので、人間の免疫が悪事を成しているのだと考え、間違った免疫の働きだと考えられています。これも大間違いです。今でこそ抗生物質ができたので結核もずいぶんと減りましたが、免疫が結核菌に敗北したのは何も免疫の働きが間違いではなくて、ただ結核菌が人間の免疫よりもさらに進化し、ずる賢くなっていただけです。結局このような間違った考え方の出発点は、生命の中で人間が最高位に属しているという傲慢さから生まれたのです。免疫は結核菌をやっつけようと全力を尽くしているのにもかかわらず、相手が強すぎただけなのです。このような考え方は人間がいかに自己中心的でうぬぼれの強い存在であることを示しているのです。38億年かかって作り上げられた免疫の遺伝子の発動である免疫の働きは絶対なのです。ただ進化しすぎた人間の脳は同時に自分の快楽を最大限に求めようとする利己心も拡張しすぎてしまったのです。

 最近イギリスのマンチェスター大学の教授であるPeter Woodという免疫学者が書いた本に、結核菌に対する私の考え方が正しいということが証明されました。つまりPeter Woodは遅延型過敏反応を否定的に捉えていないのです。彼は遅延型過敏反応の肯定的な側面を認め、次のように述べています。少し専門的になりますが書き添えておきます。遅延型過敏反応の目的は、抗体や細胞傷害性T細胞(キラーT細胞)が効率的に採用できない細胞内に潜伏している病原体に対して生じるのです。上に述べたように結核菌が大食細胞の細胞内に入り込んでしまうと、抗体やキラーT細胞は手も足も出ないのですが、マクロファージは結核菌を取り込んで激しい戦いをしているだけで、運よく結核菌を殺せることもあるし、残念ながら殺せないで肺結核になってしまうだけです。つまり結核にかかる人は、自分の免疫のほうが結核菌よりも弱かっただけの話です。もちろん言うまでもなく、結核に対するワクチンもできているので、現在は結核も怖い病気ではなくなっています。

 ついでにさらに詳しく遅延型過敏反応の目的やその意義について述べておきましょう。その目的は極めて単純であります。様々な人体の組織に感染している結核菌のような病原体由来の抗原が、その組織の所属リンパ節でヘルパー1Tリンパ球を活性化し、成熟させた後、このヘルパーT細胞は血流を循環し、結核菌が存在する感染部位へ戻り、ここでヘルパーT細胞が様々なサイトカインを放出し、血液中の未熟なマクロファージである単球を感染部位へ集め、そこで単球やもともとそこにいたマクロファージを活性化するのです。活性化された単球やマクロファージは、貪食した結核菌を傷害する活性を増強し、患者に与える損傷を最小限にとどめつつ結核菌を殺そうとします。ところがこの戦いは簡単にすまないことがあり、慢性的に戦いが続くと肺結核のような病巣を作ってしまうのです。これを肉芽腫といいます。このようなときに結核の治療が必要となるのです。

 

 例えば、天然に見られるクラゲやイソギンチャクに刺されて、その毒を排除しようとしてアレルギーを起こすのは当たり前のことです。なんとならば、この地球上には人間以外に約8千万種の生命がいます。その全てが人間に好意的であるはずがありません。人間は単なる種の一つにすぎないのです。このような天然の種が作り出している天然の異物が、人間にとって有害である異物は無限に存在し、それを摂取した後に異物として認識し排除するのは当たり前なのです。宇宙が誕生して150億年、地球が誕生して45億年、生命が誕生して38億年、人類が誕生して250万年といわれます。この生命誕生以来の言わば無限の時間の中でそれぞれの種は敵と味方を分類し、お互いに領域を荒らさずに共存してきたのです。

 例えば、人間の免疫はアレルゲンとして認識するのはタンパク質だけです。にもかかわらず人間は他の動植物のタンパク質を摂取して生存し続けました。どうして絶対に必要な栄養物のひとつであるタンパク質だけがアレルゲンとなるのでしょうか?それは無限の時間の中で自分の生存に必要なタンパク質を免疫が異物と認識しないように自然と免疫的に共存できるようになったと考えます。私はこれを進化論的免疫寛容と名付けたいのであります。ところが生存のためには不必要な自然に見られるタンパク質は、進化論的免疫寛容は成立しなかったわけであります。従って古来から天然の異物に対してアレルギーを起こすことは何も不思議なことではないのです。アレルギーを起こさないためには、そのような異物を避ければ良かっただけの話だったのです。ところがアレルギーを起こしたときは、わざわざそのような異物と接触した人間の無知が問題だったのです。触れればかぶれたりするならば触れなければ良いわけであり、食べたり飲んだりしてアレルギーを起こすならば口に入れなければ良かったわけです。ところが現在の文明においては、生きるために嫌が応でも科学技術によって生み出された言わば新種の異物と接触し、吸い込み、飲み込み、食べなければ生きられないが故に、アレルギーが文明病的な最も多数の人が患う病気になってしまったわけであります。21世紀は全ての人がアレルギー患者になっているということを自信を持って予言できます。

 もちろん文明の作り出した新しい異物は人間にとって初めて出会ったタンパク質ではありません。何も人間が全くこの世になかった新しいアミノ酸を作り出し、全く新種のタンパク質を作ったわけではありません。新しい異物というのはあくまでも化学物質であります。既に述べたように、人間の免疫はタンパク質だけしか異物と認識することができないので、タンパク質でない文明が作り出した新しい化学物質を異物として認識できないのです。それではどのようにしてこれらの化学物質を異物として認識するのでしょうか?これらの化学物質は、人体に摂取されるときに単一の化学物質として吸収されるのではなくて、様々なタンパク質と結びついて取り込まれるのです。このようなタンパク質をキャリアタンパク質といい、化学物質のほうをハプテンと呼ぶのです。キャリアタンパク質と結びついたハプテンが、免疫にとって新しいタンパクと認識され、これがアレルゲンとなるのです。もちろん単一の薬として化学物質を人体に投与するときに、これらの化学物質である薬が人体のタンパク質と結びついて、新たなるアレルゲンとなることもしばしばあります。これらが薬剤性のアレルギーを起こすことを今さら書く必要もないでしょう。

 

 私達の身の回りを見てみましょう。科学技術文明の恩恵を受けない生活必需品があるでしょうか?衣食住の全てのものが、何らかの形で人工的な物質が加味されております。江戸時代を思い出してください。この時代は全てが自然から得た天然の産物を形を変えただけのものが生活必需品だったわけであります。全て自然循環の中で暮らせば良かったのです。したがってこの時代は100%人工的アレルギーとは無縁の時代でありました。まさにアレルギーとは人工化学物質文明が生み出した文明病なのであります。

 このような文明が作り出した人工化学物質が満ち満ちている時代にアレルギーを避ける方法は二つしかありません。一つは、文明を否定して人工化学物質の無い自然の状態に生活を戻すことです。例えば日本を逃げ出してアマゾンやパプアニューギニアの原住民と一緒に生活することです。無理なことです。二つ目は、アレルゲンを受け入れて化学物質と共存することであります。アレルギーを起こす人はアレルゲンと戦い、それを排除する戦いに傷つきながらも勝利していることを意味するのです。アレルゲンを受け入れるということは、武器である免疫のアレルギー抗体であるIgE抗体が自然と作られなくなるまで我慢することです。昔は放っておけばアレルギーは自然と治ると言ったのはこのことなのです。これがまさに知らないうちに自然後天的免疫寛容を起こしていたのです。ところが現代はあまりにもアレルゲンとなる化学物質が多すぎるので、放置しておけば自然と治るという時代ではなくなりつつあります。ひとつひとつのアレルゲンに対して自然後天的免疫寛容を起こさねばならない化学物質が多すぎるので、アトピーの症状がいつまでも長引いて、赤ちゃんが痒みのために夜間眠れずに泣き叫び、痛々しい皮膚の状態が続き、まるで母親が赤ちゃんに対して虐待しているように思われることもしばしばあります。しかも異物を皮膚から出し続けると、その傷から黄色ブドウ球菌やレンサ球菌が感染し、膿痂疹や癤(せつ)や癰(よう)が生じ、最悪の場合は敗血症に至ることもあり、新たなる感染症が生ずる危険が生まれるようになりました。つまりIgE抗体が作られなくなる自然後天的免疫寛容を起こすまではアレルギーの戦いのみならず、感染症の戦いも続くということです。従って私の治療は、この感染症をいかに防ぐかに力点が置かれることになります。現代の治療は痒みをいかに止めるかが最重要視されていますが、これはとりもなおさず免疫の遺伝子の働きを止めることになり、同時に免疫の遺伝子の働きである自然後天的免疫寛容も永遠に起こさないことにもなるのです。痒みはまさに掻くために生じるのであり、痒みがなくなるまで思い切り掻けばいいのです。掻くことは化学物質を皮膚から排除する正しい免疫の働きなのです。

 今まで何千年もの間、人間の生活に貢献してきた全ての草木の花粉は単なる化学物質の運び屋に過ぎないタンパク質なのです。化学物質がハプテンとなっているのです。除去すべきは食べ物や花粉ではなく、その中に運ばれている農薬や自動車排気ガスに含まれる全ての化学物質なのであります。しかしながら文明社会とは化学物質社会と同義語であり、文明社会に住む限りは化学物質から絶対に逃れられない宿命を背負わざるを得ないのです。

 ここで考え方をまるっきりかえて、コペルニクス的転回をすればアレルギーに対する治療法も極めて簡単なものになるわけです。私の考え方は、まず第一に、アレルギー反応は正しい。第二に、人間の頭脳が作り出した有害な化学物質がアレルゲンであること。第三に、従って絶対にアレルギーの免疫を抑制してはいけないこと。第四に、免疫反応の結果生じた症状の後始末だけをすれば良いこと。第五に、IgE抗体が使われる免疫反応の戦いは必ず負けるわけですが、つまり環境と平和的に共存できることになるわけですから勝つことになります。この五番目の考え方が私の提唱している後天的免疫寛容であります。もっと的確には後天的免疫敗北と言った方が良いかもしれません。つまり負けて勝つという高等戦術であります。私の治療は、何故全ての人に対してアレルギーを完治させる理論に成り得るかというと、どんな戦いも全戦全敗という結果を目指しているからであります。これほど簡単な勝利はないからです。つまり、初めから負けることが勝利であるという奇妙な戦いであるからです。

 断っておきますが、このような理論を私が勝手に作り出したのではなくて、まさに免疫の遺伝子の中に内蔵されている真実の働きなのであります。これを実践しているのが私の治療法なのであります。この治療法は激しい化学物質と免疫との戦いであるので、患者さんにもお母さん方にも大きな努力と忍耐が必要とされますが、一生治らないとされているアレルギーが必ず勝てる戦いであり、最後は化学物質と共存できる自然後天的免疫寛容が起こるので、希望をもって戦えるので、一時的な症状に一喜一憂せず頑張ってもらいたいのです。

 私の理論がこのように逆説的に聞こえるのは、まさにアレルギーが人間の文明が作り出した病気であるからです。どんな人でも、こんな戦いは自信を持ってできるわけであります。私がその司令官であるわけです。無限の汚染環境を敵に回して、有限である人間が勝てるわけがありません。さらに環境がなければ私達は生き続けることは不可能なのです。従ってこの戦い(アレルギー)の戦術(治療法)は、相手(汚染環境)を倒そうとするのではなくて、傷ついた味方の兵士(皮膚)をいたわることです。つまり皮膚が傷つけば免疫を抑制せずに出きる限り早く皮膚の傷を治し、そこに増殖する細菌が増えないようにすること、喘息であれば免疫を抑制せずに呼吸を楽にしてあげること、鼻炎であれば免疫を抑制せずに鼻水・鼻詰まりを取ってあげることであります。このような仕事は漢方煎剤の本領とするところであります。以上で私の革命的アレルギー治療法の意味は十分に理解してもらえたことでしょう。

 この理論は私自身がおびただしい患者さんを診察するなかで見出した事実でありますが、実験医学的には亡くなられたのですが免疫学の東大教授でいらっしゃった多田富雄先生が証明されている理論であります。

 

 最後になぜ漢方が免疫を強めるかを念のためにもう一度書き添えます。草根木皮は全て植物です。植物も害虫と常に戦い勝ち続けるために免疫の力を持った成分をたっぷり作っています。この苦い成分こそ免疫をアップしてくれるのです。

 (2) 何故アレルギー性疾患が増加したのか? 

 元来免疫とは生命を脅かす細菌やウイルスなどの人体で増殖する異物に対する感染防御の働きを意味しました。細菌やウイルスを殺す武器は体の中で作られるIgM やIgG と言われる抗体であります。一方、アレルギーは世間的には余計な否定的な過剰免疫反応と考えられていますが、免疫の正しい働きの一つであり、微量では生命を脅かさないが、大量では人間に害を与え、人体では増殖できない異物に対する排泄反応、防御反応であり、排泄に用いられる武器はIgE 抗体であります。もともとIgE抗体は化学物質を排除するために人類が作った抗体ではないのです。今でこそ衛生状態の良くなった現代文明では寄生虫に感染することはほとんどゼロでありますが、実は人類は何千年もの間、寄生虫と戦ってきたのです。この寄生虫を殺すためにIgEが必要だったのです。ところがさらに最近明らかになったことは、IgEもウイルスや最近を殺すために仕事をしていることが分かりました。    

 過剰という言葉について一言付け加えたいことがあります。まず第一に、免疫の働きの中に過剰はあり得ないのです。過剰という言葉は“不必要な”とか“不適当な”という批判的な意味合いを含みますが、38億年かけて作られた人類の免疫の遺伝子は完璧であります。38億年という絶対に創造できない時間の中で耐えられ進化してきた免疫の遺伝子を非難することは人間の傲慢であります。免疫の反応が過剰に見えても、実は過剰でも何でもないのです。人間の命を守るために免疫は粛々として遺伝子の命令に従って仕事をしているだけなのです。まさに文明が作り出した化学物質が過剰であるために、その過剰な化学物質を排除するために見かけは過剰にならざるを得ないのです。人体に過剰な化学物質が侵入していることを医学者は誰も認めようとしない点が間違いの大元であります。この事実を無視して免疫を非難することは本末転倒も甚だしい真実の歪曲であります。現在、我が母校の京大を中心に遺伝子を変えたiPSを用いて様々な愚かな試みがなされつつありますが、これらの試みは傲慢を超えて神に対する挑戦となり必ず失敗に終わるでしょう。なぜならば分化した細胞を本源的な万能細胞であるES細胞に変えるなどということは、38億年という無限の時間のなかで生じた生命の分化を解き明かすことは絶対に不可能であるからです。1個の卵子と1個の精子が結びついて1個のES細胞が作られます。このES細胞から10ヶ月母体で200種類以上の組織を作り、完璧な3兆個もの細胞を持った赤ちゃんがどのようにして遺伝子の命令により作り上げられるかというメカニズムを一切分からないのに、どうして分化し尽された細胞の遺伝子を変えることによって、新たに神経細胞や心筋細胞が作り上げられるメカニズムが分かるはずもないのです。

   

 念のために書き添えます。山中伸弥先生が作ったiPS細胞とES細胞とは全く違うことを知っておいてください。天と地の違いがあることを知っておいてください。自分で真剣に勉強しない無知な大衆は不正確なマスコミの報道に毒されて、iPS細胞とES細胞は同じだと思い込んでいる人が多いので注意を促したく思い書き記しました。iPS細胞とES細胞についても書きたいことは色々あるのですが、またの機会に譲ります。

   

 福島原発事故も人間の傲慢さから生まれたのです。絶対にこのような事故は起こらないと言いまくっていたのに起こりました。起こるべくして起こったのです。このような事故が起こっても放射能を完全に制御することができれば何の問題も出ないのでありますが、放射能を制御することは土台無理なことなのです。

 原子炉についてはこれからもっと恐ろしいことが起こりうる可能性があります。例えばダーティーボムといって、放射性物質を降下させる小型の核爆弾をアルカイダが手に入れることを世界中の為政者は恐れていますが、何もアルカイダが小型の核爆弾を手に入れる必要はないのです。クリーンボムである放射性物質が入っていない爆薬をアルカイダが仮にも原子炉に落としまくれば、地球に人類が住めなくなる可能性があるのです。専制国家が崩壊するときに独裁者がやけくそに世界中の原子炉に爆弾を落とすだけでダーティーボム以上の効果をもたらすことが可能になるのです。このことをフランスやアメリカは熟知しているので、ますます原子炉の守衛を厳重にしています。ところが敵はアルカイダだけではありません。人間は自暴自棄になったときに命を捨ててでも敵を道連れにしようとします。人類の未来などは一顧だにしないのです。このような輩がこれから先も出てこないとは限りません。こんなときに敵である人間ではなくて原子炉を攻撃されたらどうなりますか?地球が住めなくなります。このような地球絶滅の危機を避けるためにも原子炉はすぐさまやめるべきです。遺伝子を変えたり、原子炉を作ったりするのは、とどのつまりは人間の快楽を求めすぎる傲慢さから生まれる愚かさの骨頂でありますが、人類はいつこの愚かさを気づき反省するでしょうか?おそらく無理でしょう。

 余談になりますが、今は退職された東京医科歯科大の藤田紘一郎という学者がいます。アレルギーは清潔になりすぎて寄生虫が減り、アレルギーは増えたとのたまっています。これは100%間違いです。なぜ誤りかを説明しましょう。彼の犯した間違いの第一点は、寄生虫が減れば、IgE抗体が当然減るのにもかかわらず、なぜ新たにIgE抗体が増えるかについて考察がされていないのです。つまり新たなるIgE抗体を作らねばならない敵が何であるかについて全く触れていないところが学者としては失格であります。IgE抗体は常に特異的であり、必ず人体は特異的な敵を認識しない限りは絶対にIgE抗体を作ることはできないのです。にもかかわらず彼は漠然と清潔になって寄生虫が減ったためだと言い続けていますが滑稽千万です。彼にもう一度免疫学の初歩から勉強し直してもらいたいものです。さらに免疫学に全く無知なマスコミが彼を持ち上げ続けていることに辟易します。

 さて本論に戻りましょう。食べた異物である化学物質を皮膚から排泄する時はアトピ-性皮膚炎、鼻から入ってくる化学物質を排除するときはアレルギー性鼻炎、目から入ってくる化学物質を排除するときはアレルギー性結膜炎、気管支から入ってくる化学物質を排除するときはアレルギー性気管支炎、つまり気管支喘息であります。これらはすべて化学物質から同じように人体を守ろうとする働きであり、武器はすべてIgE抗体が用いられ、使われる場所が異なるだけであることは言うまでもありません。従ってこれらの全てのアレルギーを同時に治療するために新しくアレルギー科の標榜が許されたのであります。にもかかわらずアレルギー科の治療も免疫を抑えるという旧態依然の間違った治療法ですから、何の意味もないことです。残念です。厚労省の優れた官僚たちは同時代の偏差値ナンバーワンの集団ですが、残念ながら専門バカです。悲しいことです。

 

 文明が進歩するにつれて人間は科学の力によって人間だけに都合の良い便利な人工物質を大量に作りだしました。現代人の衣食住の生活の場で完全に自然から得られた物は何ひとつとして無いと言っても過言ではありません。とりわけ人体に取り込まれる水、食物、空気の中に人体にとって異物と認識される化学物質が極めて多く含まれ、それらが生きるために無理やり人体に入り込むようになり、人体の免疫はこれを排除しようとするのは全く当然のことであり正しい免疫の遺伝子の働きであります。例えば農薬入りの食べ物を知らず知らずのうちに食べているのですが、食品の中の農薬や抗生物質や添加物を分離して食べなさいと言われたときに、果たして可能でしょうか?

 私達はこのような化学物質で調味された食品を喜んで食べているのです。このような化学物質は、もちろん生理的には腎臓で処理されると尿となり、肝臓で処理されると糞の一部となって体外に排泄されるわけですが、あまりに多くの化学物質は腎臓、肝臓で処理できずに最後の手段である免疫によって処理されるわけです。そしてわざわざ正常な皮膚を破って、これらの異物を排除しようとするときに見られる症状をアトピー性皮膚炎と呼んでいるわけです。このような働きを過剰反応と言えるでしょうか?この時、化学物質は単独では小さすぎてタンパク質から構成されている免疫系に認識されないために、体内のタンパク質と結びついて初めて異物と認識されて免疫の働きが発動されるわけです。この化学物質をハプテンといい、このタンパク質をキャリアタンパク質ということは既に述べました。IgE抗体を作るためにはTリンパ球の働きが必要です。このTリンパ球は異物を認識する必要がありますが、この異物はタンパク質かもしくは、タンパク質と結びついた化学物質でないと認識できないのです。従ってタンパク質と結びつきやすい化学物質は抗原になりやすいわけです。

 さて現代文明にもっともよく見られる無理やり人体に大量に摂取される異物はまさに農薬と考えられます。日本の農薬の生産量と単位面積当たりの使用量は世界一であり、アレルギー大国であるのも頷けます。化学物質は神経に結びつきやすいものは化学物質過敏症を生じ、さらに多くなると化学物質アレルギーを生じ、さらに多くなると中毒死を起こすと言われています。従って農薬の使用量は厳しく制限されており、アトピ-は起こすことがあっても死を招くことは無いわけです。

 農薬が使用されない後進国においてはアレルギ-は極めて少ないものです。日本の四十年前がそうでした。インドやアフリカなどの後進国を旅行している日本のアトピーの患者の症状が消えてしまうことは良く聞く話です。また先進国においてもパンを主食とするヨ-ロッパではアトピーは極めて少ないものです。それはパンの原料である小麦の栽培には農薬が不必要であるからです。というのも小麦は害虫に対して極めて強靱であるからです。ヨ-ロッパに滞在中の日本人のアトピー患者の症状が改善するのもよく見聞きすることであります。ところが最近美味しいパンを作るために様々な化学物質が添付されるようになって、パンに対してもアレルギーを起こすようになりました。

 (3) 真のアトピ-の根本治療はなにか?

 

 アレルギ-を起こすアレルゲン、つまりタンパク質と結びつく化学物質を人体に入れないことです。積極的には文明社会から化学物質を一切除去することです。すくなくとも日本での農薬の使用を禁止することです。生後生まれてまもない赤ちゃんにアトピーが多くなっています。赤ちゃんにとってのアレルゲンは何でしょうか?もちろん母乳に含まれている化学物質であります。食べ物に含まれている農薬の使用を禁止すれば、簡単に赤ちゃんのアトピーは絶滅することができます。しかしこれは不可能なことです。政治的にも経済的にも社会的にも文明的にも作物を農薬なしに育てることは無理な話です。 しかしながら最近、完全な無農薬有機農業が脚光を浴びつつありますが、無農薬孤島でも作物を作らない限りは不可能なことです。大地は地続きですから隣地で農薬を使う限り、絶対的な無農薬栽培はあり得ないのです。消極的には農薬や他の化学物質のない国に永久移住することです。どちらも無理なことです。ひとたび文明のもたらす快楽さを味わえば、化学物質文明から逃れることはできないのです。

 (4) 次善のアレルギ-の根本治療は何か?

 

 一言で言えば、昔の様に医者に行かないで放置すれば必ず原理的には治ります。しかしながら既に述べたように毎日毎日新しい化学物質が利便さと金儲けのために作られつつある現代文明においては、無数の化学物質に対して戦い、最後は自然後天的免疫寛容を起こせば良いのですが、症状が重篤になり長期に続くので、細菌感染症が起こりやすくなるので、放置するだけでは手に負えなくなりました。自然後天的免疫寛容はあくまでもアレルギーを治す原理的な本質ではありますが、アレルギーの強い人は風邪をひくたびに喘息を起こしたり、ひどくなると息ができなくて死んだりすることもしばしばあります。毎年花粉のシーズンごとに花粉症で苦しんでいる人は仕事や学習ができなくなったりします。ましてや私のホームページに出会う前に既に間違った遺伝子を変える治療を受けてきた人は、勝手にステロイドをやめたりすると、そのリバウンドで感染を起こしたりすることがあるので、放置するだけで治るという訳にはいきません。私の治療はまさに医原病であるこのリバウンドをどのように乗り越えさせるかの一言に尽きます。私の治療法は3つの目的があります。ひとつは、抑えてはいけない免疫を取り戻すこと。ふたつめは、自然後天的免疫寛容を起こすこと。みっつめは、免疫と関係のない皮膚の遺伝子を元に戻し、黒皮症や赤皮症や薄皮症を正常な皮膚に戻すことであります。

 いずれにしろ、アレルギーとは汚染環境と人体との戦いであり、決して勝てる戦いではないのです。何故ならば人体は有限でありますが、汚れた環境は無限に広がっているからです。常に戦いは強い側が勝ちます。有限が無限に勝てることはありません。つまりこの戦いの武器であるIgE抗体は無限に作られるわけではなくて、自然後天的免疫寛容により自然に作られなくなり、体内から減っていくのであります。残念ながらIgE抗体は0になることはありません。全ての人は毎日毎日骨髄で何百億個のリンパ球を作り続けます。このリンパ球の中に化学物質をどうしても異物と認識してしまうTリンパ球が存在しているので、ほんの少しですが全ての人はIgE抗体を持っています。ですから大量のアレルゲンを投入されると、ときにアレルギーが起こることがあるのですが、それこそ一時的であり、放置すれば元の皮膚に戻ります。従ってアレルギーというのは、自然後天的免疫寛容を起こしてしまえば、何も怖い病気ではないのです。ましてやアレルギーがないと思っている人でも、多かれ少なかれ花粉症にしろアトピーにしろ、経験するものですから、特別な病気ではないのです。このような事実は私が発見したのであります。

 これが私のアレルギー根治の根本原理であり目標であり治療法であります。実際の治療において一番大切なことは、アトピ-の合併症である細菌感染症を起こさせないことであります。見かけの症状である皮膚の傷をできるだけ早く治し、同時にその傷にひっついて増殖し皮膚をつぶそうとする黄色ブドウ球菌やレンサ球菌を殺すことだけはいつも忘れてはならないのです。痒みは当然のことであり、思い切り掻いて楽しんでもらえばよいのです。掻き破って化学物質をどんどん吐き出す快感を楽しんでもらう気持ちで私の治療に臨んでもらいたいのです。化学物質との共存を目指して。

 もうひとつの敵がいます。ヘルペスウイルスであります。長い間ステロイドで免疫を下げ続けている間に、アトピーの患者の体内はヘルペスウイルスが跋扈しています。とりわけあらゆる神経線維や神経細胞や皮膚の上皮細胞におびただしいほど繁殖しています。このヘルペスとの戦いをヘルプしてあげないと、体中がチクチク、ピリピリする上に、大量に皮膚からリンパ液が流出し、ヘルペスとの戦いのために激しい倦怠感が続きます。元来ヘルペスウイルスは人の命を奪うことは決してないのですが、アトピーの患者さんの免疫が回復するにつれて、免疫がヘルペスウイルスを見つけだし、激しい戦いが開始され、上記の症状が出現するのです。

 この創傷と細菌感染とヘルペス感染の3つの問題だけに正しく対処しなければならない上に、血管から組織へのリンパ液の流出のために全身にむくみが生じたときには体重が10Kg増えたりするのはざらであり、私の経験では20Kgも増えた人がいます。ステロイドを自分勝手にやめて生ずるこのような状況を一人で乗り切ることは不可能です。しかしながらこのむくみは心臓や腎臓に問題があるから生ずるのではないので、命に別状はありません。ただ血管から皮膚の組織にリンパ液が出続けると、タンパク質、脂質、炭水化物、電解質、さらに水分が循環系から減っていきます。これを補うことが大切になります。つまり脱水症状や栄養不良の状態が出現することがあるのです。逆にリンパ液が体外に流出してしまうと体重が激減し、脱水症状や栄養不良となることもしばしば見られます。この状況を乗り切らせることが私の仕事となるのです。これを乗り越えればアトピーは免疫の力によって自然後天的免疫寛容を起こし、最後は汚染された環境と共存して治るのです。もちろんステロイドは免疫の遺伝子を変えるのみならず、あらゆる皮膚の細胞の遺伝子も変えてしまっているので、ステロイド性黒皮症やステロイド性皮膚線状症やステロイド性白斑症やステロイド性赤皮症やステロイド性薄皮症も治していかねばなりません。

 近頃、セレスタミンというステロイドと抗ヒスタミン剤が入った最悪の薬を長期に用いてくる患者が多くなりました。セレスタミンは世界最大のアメリカの製薬メーカーであるファイザーが作り出したものですが、セレスタミンに含まれているステロイドはリンデロンといって最強の免疫抑制剤であると同時に、最悪の副作用をもたらします。つまり免疫の遺伝子を変えるのみならず、あらゆる他の遺伝子の働きを変えてしまうので、これをやめることが極めて難しくなります。

 ここでどのようにリンデロンは免疫の遺伝子を人工的に変えるかについて説明しましょう。皆さん、遺伝子の働きとは一体何かをご存知ですか?そうです。タンパク質を作る暗号が遺伝子に書き込まれているのです。免疫はまさにタンパク質で100%作られているといえます。この遺伝子を発現させるためには、転写因子(トランスクリプション・ファクター)をONにしなければなりません。転写因子とはいわば、電気をONにしたりOFFにしたりするスイッチのようなものです。このスイッチは敵が人体に入ってくると、その敵の侵入を知らせる信号が複雑なプロセスを経て細胞の核に伝えられ、必要な免疫のタンパク質を作るためにONになります。このONをステロイドは無理やり変えてしまい、OFFにして敵が入ったことを知らせなくしてしまうのです。つまり異物との戦いを即座にやめさせてしまうのです。製薬メーカーが作っている薬は、多かれ少なかれ全てステロイドを同じ作用を持ち、免疫が敵との戦いに必要なタンパク質を作らせなくしてしまうのです。私が薬が毒薬だというのは、38億年かけて進化した完璧な遺伝子の働きを変えるからであります。

 アレルギーを治すのも、自然後天的免疫寛容を起こすサプレッサーT細胞の遺伝子の働きの結果であるので、免疫の遺伝子がアレルギーを治してくれているのです。にもかかわらず、近頃はセレスタミンの後発品が10種類以上も作られ、製薬メーカーは毒薬の製造に奔走しています。さらにセレスタミンの内服では効かなくなるので、リンデロン注射を毎週1回、数年にわたって打たれてくる患者も出てきました。日本は薬大国であり、薬が毒薬であるなどという教育は一切されていないので、無知で愚かな患者は医者に何の疑問も抱かずに喜んで毒薬を注射されてきますが、患者がおかしいと気がついたときには“時既に遅し”です。このようなリンデロン注射を大量に打たれてきた人は途中で治療をやめざるを得ないことがあるのです。残念です。病気を治すのは薬でも医者でもなく、患者さん自身の免疫の遺伝子なのです。このような真実の教育がなされない限り、患者は永遠にずる賢い製薬メーカーと医者の食い物になり続けるでしょう。本当に悲しいことです。それでは患者の免疫を下げる薬しかないときに、どうすれば患者の免疫を上げことができるのでしょうか?

 この時に漢方は絶大な力を発揮してくれるのです。アトピー治療に際して一番恐れるべき合併症は、表皮の感染が体内に波及して敗血症や髄膜炎になることです。ところが創傷さえなければ感染は起こり得ないわけですから、いかに早く皮膚の傷を治癒させるかが実際的な最大の目標となります。このとき漢方煎剤や漢方薬湯がいかなる他の西洋薬よりも著効を示してくれるわけです。このような完治の理論と実際とを教えてくれたのは、完治まで私の治療についてきてくれたステロイドを長期にわたってたっぷりと投与されてきたアトピーの患者さんであります。初めから治療法や完治の理論を私が知っていたわけではありません。私が初めから仮定をたてて、それを実践して証明したわけではなく、全てステロイドを使わずにアトピーを完全に治してあげた患者さんの経験から学んで打ち立てた理論であります。従ってこの理論は私のみが知っており、勿論優れた博士論文に成り得るわけであります。何故私だけがこの事実を知り得たかというと、恐らく世界で一切ステロイドを用いずにアトピーの治療を行ってきた医者は私だけしかいないからです。ステロイドは炎症のみならずこのような貴重な理論と事実を隠してしまうこともあり得ることを考えると、本当に罪の多い薬と言えます。(すでに私は医学博士号をもっているわけですから、機会があれば薬学博士号をも取得する予定でいます。さらにアメリカの学会に発表するために、英文の論文を準備しているところです。時間がなくてなかなかはかどらないのが現状です。)

 残念なことに“ステロイドを使わない”というキャッチフレーズでアトピーの患者をたくさん集めて繁盛している医院がいくつかあります。彼らはステロイドを使いたくないという患者さんを顧客につかまえているのですが、アトピーをはじめとするあらゆるアレルギーを絶対に治す事ができないのです。なぜかというと、ステロイドの代わりにたっぷりと抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤を患者に服用させ、さらに様々な非ステロイド系の抗炎症剤を使い続けるので、一時的には症状は良くなるのですが、免疫の遺伝子の働きを抑えているので必ずリバウンドが生じ、最後は当院に来られる患者さんとなります。患者さんはなぜステロイドが良くないのかについて説明されたことがないので、勝手にステロイドを使わなければ治ると思い込み、この無知な思い込みに乗じて間違った治療を続ける医者が増えてきました。患者さんは治す為に病医院に行くのですが、結局の医者のいいカモになっているだけです。私以外の治療は免疫を抑えるだけでありますから、ステロイドや抗アレルギー剤の全てが免疫を抑えることによって見掛けの症状をとっているにすぎないことにどの患者も気がついていないのです。

 日本の教育のみならず世界の教育は、根本的な教育がされていないので“なぜ”という問いかけを生徒にさせなくなってしまいました。教師も生徒も滑稽なことに“なぜ教育が必要なのか”という問いにさえ答えることができないぐらいです。皆さん考えてください。“なぜ勉強する必要があるのか”と。全ての人に説得できる答えをお持ちですか?

 

 本論に戻りましょう。さて、外部から侵入してくる異物を抗原またはアレルゲンと言います。しかし多くの場合は、化学物質は分子量が小さく、それ自身だけではアレルゲンには成り得ません。必ず分子量の大きいタンパク質と結びついてはじめてアレルゲンになるわけです。これらの化学物質をハプテンと呼ばれることは既に何回も書きました。優れた免疫機能を持った人体はハプテンとタンパク質とが結びついたアレルゲンを見つけると免疫機構を発動させて、最終段階でIgE 抗体を作りアレルゲンと結びつき、さらにこれらに皮膚の組織に居座っている肥満細胞や他の好塩基球や好酸球の三者が結びつき、これらのアレルゲンを排除しようとする戦いを始めます。この三者が結びつくと肥満細胞や好塩基球や好酸球からヒスタミンという化学物質が放出され、これが神経のH1受容体に結びついて痒みを感じさせます。この痒みが脳神経に伝えられ、筋肉に掻けという命令が発せられ、患者さんはわざわざ皮膚を破ってアレルゲンを人体の外に追い出そうとします。よりによって自分の皮膚を傷つけ、かつ痒みに耐えて異物をやはり排除しようとし続けるのは、その異物が体内に蓄積すると危険であるという免疫機構の認識によるものであります。いたいけ盛りの赤ちゃんの激しいアトピーの症状は、人間に対して化学汚染環境を自然な美しい環境に戻して欲しいという叫び声のようにも聞こえます。しかしこの抗原抗体反応の戦いは必ず敗北に至ります。何故ならば人体において特別に作られるIgE 抗体は有限でありますが、環境に見られる農薬や化学物質は無限であるからです。とりわけ新生児や赤ちゃんのIgE 抗体産生能力は極めて弱いものですから簡単に負けてしまうわけです。

 しかもこの戦いに敗北して農薬を排除できないからといって死ぬわけではない点が文明の病気であるわけであります。何故かというと日本の農水省は農薬の摂取があるレベルを超えると人命を奪い取ることを知っていて、農薬の使用量を厳しく制限しているからです。つまり負けて勝つという高等戦術といえます。ところが毎日大量に食物から入ってくる異物が細菌ですと、体内で無限に増殖してしまい負けると死ぬわけですからこのようにはいきません。しかし農薬は体内で増殖するわけではありませんし量も制限されているわけですから、戦いに自然に負けても汚染された文明環境と同居することができるわけです。

 三十年前にはアトピ-は自然に治るから放っておけばいいと言ったものです。(勿論このころは何故自然に治るのかは全く分からなかったのですけれども、経験的に知られていた事実であります。)私が世界で初めて見つけ出した理論と事実というのは次の事柄です。つまり、アトピーは放置しておけばIgE抗体は作るだけ作られ、使うだけ使われてしまい毎日体内に無限に侵入してくる大量のアレルゲンと戦い続けるのですが、遅かれ早かれIgE 抗体という兵士は作り尽くされ、使い尽くされて体内で起こっているアトピーの免疫反応は終わってしまうわけであります。これがいわゆる自然治癒であったわけです。

 この事実はいかなる優れたアレルギーの書物にも書かれたことがなく、私が初めて見つけ出した事柄であります。実を言えば私たちが見ている皮膚の症状は免疫反応であるアトピーの実体ではなく、アトピーの症状の跡である合併症と考えられる異物が排除されたあとの傷とその傷に繁殖した黄色ブドウ球菌から作られたα毒素による皮膚の崩壊をみているだけなのです。人間の目というのはいわば節穴みたいなものですから目に見えた症状に対してだけ医者も患者もアトピー、アトピーと騒いでいるわけですがこれはアトピーの実体ではなく、体の中で起こっているアトピーという免疫反応の跡を見ているというべきものです。従って体の中で起こっている免疫反応であるアトピーの実態に対しては人間は感謝こそすれ反応を無理にとめてはならないのです。ただ表面に現れた症状である創傷とその傷に繁殖した黄色ブドウ球菌とその菌から作られたα毒素による皮膚の崩壊だけに対処すれば良いのです。

 それでは近頃、自然に治るアトピーが減ったのはなぜでしょうか?それは、傷を治したりするわけでもなく、黄色ブドウ球菌の繁殖を抑えるわけでもないステロイドや抗アレルギ-剤や抗ヒスタミン剤を用いだして体の中で起こっている本体のアトピーの免疫反応を抑制して、その結果として症状だけを良くしてきたためです。それに加えて、数十年前に比べてはるかにアレルゲンとなる化学物質が増えたためであります。最近はアレルゲンがおびただしく増えたために、自然治癒、つまりいわゆる私の言う自然後天的免疫寛容になるまでに時間がかかりすぎて、アトピーを治す為に病医院に行く人が多くなりました。ところが皮肉にもアトピーを治す為に皮膚科に行ってステロイドホルモン剤、抗アレルギ-剤や抗ヒスタミン剤を使いだしたために、さらにアトピーの自然治癒がなくなったのであります。おまけにステロイドにより、アトピーの免疫反応に関係の無い皮膚の遺伝子まで変化させてステロイド皮膚症や黒皮症を作り出してしまったのです。従って現代のアトピーの治療はまさに病気を作り出しているのです。さらに体内でIgE抗体を一時的に産生したり使用することを抑制すると、薬が切れたときに必ず禁断症状(薬の効果が切れたときの症状)が出現し、IgE抗体がさらに増産され、血管を通じて体内を駆け巡り、他のアレルギ-であるアレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性気管支喘息をも引き起こしてしまうこともあるわけです。しかもこれらの病気の原因は全て同じ化学物質であるにもかかわらず、違った病気だと言いだすようになったのです。ところが、私のアトピーの根本治療は全て同じく自然後天的免疫寛容によってIgE抗体を大量に作ることを自然にやめさせるわけですから、他の全てのアレルギーも完治してしまうのです。

 (5) 何故ステロイドホルモン剤や抗アレルギ-剤や抗ヒスタミン剤を用い続けるとアトピ-は治らないのか?

   

 症状を一時的に止めるということは、IgE抗体の生産とIgE抗体の働きを一時的に抑制し、同時に他の様々な免疫反応を同じように一時的に止め、その結果、見かけの症状が一時的に良くなるだけです。つまり症状を根本的に良くしようとしているのではなくて、外から見えない体内の免疫反応を抑制することでしばらくの間は症状を起こさなくしますが、再びIgE抗体の産生と働きが勢いよく始まりアトピーをさらに悪くするわけです。つまりステロイドホルモン剤、抗アレルギ-剤や抗ヒスタミン剤などを使えば使うほど見かけはIgE 抗体を減らし、働きを止めることが出来ますが、実際はIgE 抗体生産のシステムを寝かせているだけです。強力なステロイド内服剤やステロイド注射を用いればIgE抗体をほとんどゼロにすることもできます。しかし使用を止めると必ず抑制した分だけ勢いよくIgE 抗体生産が再開して症状が使う前よりも必ず悪化するわけです。( 正常な人のIgE 抗体は100(IU/ml) 前後までと言われますが、150000(IU/ml) まで上昇したアトピ-患者がいました。もちろん完治させてあげました。現在ペンキ屋の仕事をしています。)

 元来、アトピーは皮膚の細胞の問題ではないのです。皮膚はただ単に体内に取りこまれた異物の排泄のルートにすぎないのです。従って、アトピーは人体全体の免疫の問題であって、決して皮膚の問題ではないのにもかかわらず、ステロイドホルモン剤を皮膚に直接塗布して吸収させ体内の免疫反応を一時的に止めることによって、見掛けの皮膚の症状を良くすると同時に、本来正しい皮膚の細胞をどんどん変性させ、ステロイド皮膚症を作り出していくわけです。さらに皮膚の崩壊を防ぎ炎症が皮膚におよばないようにコールタールを皮膚に塗り付ける医者もいます。いわば皮膚の正常な遺伝子を一時的に異常にして炎症を起こらないようにできるわけですが、そのために皮膚が薄くなりさらに赤黒くなってきます。見かけは炎症は抑えられてきれいに見えますがステロイドホルモンを使いすぎた人はインド美人の様な黒い皮膚になっていきます。より黒い皮膚はステロイドやコールタールによってもたらされたものであります。

 ところがステロイドホルモン剤や抗アレルギ-剤を止めると再び自分の皮膚の正常な遺伝子を取り戻すために皮膚が崩壊していきます。(異常な遺伝子を持った皮膚は癌でない限り分裂して成長することは出来ません。ただ正常な遺伝子を持った皮膚の細胞だけが正常に分裂・増殖して、その結果ステロイドの影響を受けて分裂できなくなった細胞が排除されて剥がれていくわけであります。)このようにステロイドをはじめとする抗アレルギ-剤を止めると必ず一時症状が悪化します。これをリバウンド現象( 反跳現象、禁断症状、離脱症状、つまり薬を止めたときに出現する症状) と言います。

 

 抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤はステロイドの作用の一部を持っており、アレルギーの免疫反応の一過程の働きを一時的にブロックするだけですから、薬が代謝されてしまうと一時的な反応の阻止力が無くなり、また再び反応が勢いよく開始されるので多少とも同じようなリバウンド現象が見られるわけであります。

 

 近頃、あらゆる大手の化粧品会社は尿素をクリームに入れ始めました。メンソレータムにも尿素を入れるようになりました。なぜでしょうか?人間の表皮は28日周期で入れ替わっています。表皮の一番上にある角質層が取れるときに、必ず多かれ少なかれ滑らかな感触がカサカサとします。このカサカサが尿素を塗るとなくなるのです。これはステロイドを化粧品代わりに使ったときと同じ働きをします。つまり遺伝子に影響を与えることで皮膚の新陳代謝、つまり皮膚の入れ替わりが一時的に抑制されてツルツルした皮膚の感触が続くのです。ところが長期に尿素入りの化粧品を使うと、必ず皮膚の崩壊が始まります。つまり尿素は表皮の細胞であるケラチノサイトの遺伝子を変えてしまうからであります。 長期に尿素を使いすぎると皮膚の組織に高濃度に尿素が蓄積し、タンパク質や核酸を変性させることによって、ステロイドと同じ作用を持つようになり、免疫の遺伝子のみならず、皮膚の細胞であるケラチノサイトの遺伝子も変えてしまうので、使ってはならない化学物質であるのです。尿素は元来アミノ酸やタンパク質や核酸塩基の窒素の最終分解産物であり、化粧品会社や製薬メーカーは一般大衆に知らせるべきです。

 

 さらに、ステロイドや抗アレルギー剤を用いてはいけないもっと重要な理由があります。それはこのような免疫抑制剤を用いれば用いるほど私の唱える自然後天的免疫寛容が起こりにくくなるからです。要するに自然後天的免疫寛容とは、相手が強すぎれば排除する戦いを止めざるを得なくなることなのです。ところが自然後天的免疫寛容といえば、いかにも簡単に自然にアレルギーの戦いが終わりそうに聞こえるのですが、実を言えばこの免疫寛容が起こるためにも免疫の働きが必要なのです。つまり勝てる訳ではない敵と、いつまでも戦い続けることは意味がないと認識しこの戦いを止めさせる命令を出す働きが必要なのです。この働きを担うのはサプレッサー(抑制)T細胞というリンパ球の一つなのです。 そして、このリンパ球から戦いを終結させる情報を持ったインターロイキン10やTGF-βなどのサイトカインという生理活性物質が出ない限りは、永遠に戦いは終結しないのです。

 

 ところが免疫抑制剤はこのサプレッサーT細胞の遺伝子をも変え、インターロイキン10やTGF-βを作る指令を担っている遺伝子の働きも止めてしまうのです。従って免疫抑制剤で一時休戦をさせて、見かけの症状を改善すればするほど、サプレッサーT細胞の働きも抑制されて、さらに根本治療から遠ざかるという皮肉な結果になるのです。従ってステロイド剤や、抗アレルギー剤の投与量が大量であればあるほどリバウンドが激しくなるだけではなく、サプレッサーT細胞の抑制が解除されるのに時間がかかり、その結果、自然後天的免疫寛容が起こるのにそれだけ長い時間がかかってしまうのです。

 実際、私の治療を途中で止めてしまう患者の多くは、単にリバウンドが激しくて耐えられなくなるためだけではなく、リバウンドが激しければ激しいほど、サプレッサーT細胞をそれだけ強く抑制して来ているので、サプレッサーT細胞が目覚めるまでそれだけ時間がかかりすぎ、自然後天的免疫寛容が起こるまで待てないのです。その結果残念なことに、アトピーは治らないと思いこむのです。(もちろんこのような患者の大部分は、アトピーは皮膚の問題ではなくて、免疫の問題であり、直接的にはIgE抗体の産生能力の問題であることを、はじめからいくら説明しても理解していない場合が多いのですが。)

 

 さらに免疫系が未熟である乳幼児期からアトピーの為に、リンデロンのシロップや顆粒を飲まされてきた人は唯単にサプレッサーT細胞が抑制されているのみならず、抑制Tリンパ球そのものの働きが傷害されている可能性があります。さらに当院に来られる前にステロイド注射を喘息の治療で用いられてきた人は、何回も何回もリバウンド現象を繰り返し、普通の生活が長期にわたってできないことがあります。従って私の患者の中には、治ったと思うと再び激しいリバウンドが起こることを繰り返しいつまでもいつまでもIgE抗体が減っては増えるという繰り返しを続け、免疫寛容が起こりにくい人がいます。

 このような異常が起こる理由は次のように考えられます。つまりあるアレルギーの免疫系の働きを終結させるサプレッサーT細胞の成熟を、ステロイドや抗アレルギー剤が阻害してしまったという印象があります。この意味でも乳幼児期にステロイドや抗アレルギー剤を使うことは許されないと考えます。ステロイドや抗アレルギー剤は止めたらリバウンドが起こるから使ってはいけないというよりも、このようにサプレッサーT細胞を抑制するために根本治療が出来ない上に、抑制Tリンパ球自身の障害をももたらすことのほうが実は遥かに重大な問題になるのです。言いかえれば、免疫抑制剤がアトピーを始めとするアレルギーを治すことが出来ない理由は、サプレッサーT細胞も抑制したり、障害したりするためであるのです。

 

 私は長い臨床生活の中で延べ数十万人のアレルギーや膠原病の患者さんを診てきました。ステロイドを使ってきた人は必ずリンパ球が減っています。言うまでもなく、ステロイドはリンパ球のエンドヌクレアーゼという酵素を増やして、リンパ球をアポトーシス(細胞自殺)に追いやるのでリンパ球が減るのは当然のことであります。このリンパ球の中にサプレッサーT細胞が含まれているのですが、元来サプレッサーT細胞はリンパ球の中でほんの数%だといわれています。現在のところサプレッサーT細胞の特異的なマーカーがないので正確な割合は分からないのですが、ステロイドを用いることによってこの数少ないサプレッサーT細胞も同じように減っているので、ステロイドを使ってきた人は自然後天的免疫寛容になりにくいのです。

 

 ここでサプレッサーT細胞の様々な働きについて簡単に述べておきましょう。例えば、風邪のウィルスに感染すると、そのウィルスをやっつけるために、免疫はそのウィルスに対する抗体を作ってウィルスを排除し、退治し終わると風邪は治ります。治ってしまえばこのウィルスの抗体を作りつづける必要はありません。従って免疫の働きの中にはこの抗体を作ることを止めさせる働きが内蔵されているのです。この働きを担うのがサプレッサー(抑制)T細胞なのであります。このTリンパ球が戦いを止めさせる指令が発令されて初めて、このウィルスに対する抗体が作られなくなるのです。

 このような働き以外にサプレッサーT細胞は、排除できなくなるほど大量に入ってきた化学物質と結びついて、自然後天的免疫寛容を起こすのもサプレッサーT細胞の働きであるのです。

 (6) したがって松本漢方クリニックにおける根本治療は何か?

 

 ステロイドホルモン剤、抗アレルギ-剤や抗ヒスタミン剤などの免疫抑制剤を絶対使わないで放置すれば治るという自然治癒を目指すことであります。ステロイド剤、抗アレルギ-剤や抗ヒスタミン剤を一度も用いていなければ、リバウンドもせずにはるかに簡単に治ります。完治の早さの度合いは、患者さんがどれだけ強い免疫の遺伝子を持っているかに依存します。つまりあらゆる化学物質の中でどれだけの種類の化学物質を異物と認識できる遺伝子の多様性によって、患者さんの免疫の強さが決まります。たった1種類の特定の化学物質だけに対して成人になって初めて異物だと認識して生じた成人の場合のアトピーは早く治る人で 1週間で良くなります。例えば、薬剤性湿疹などの場合であります。この場合は投与された1種類の薬剤を出し切ったら、異物が体内になくなってしまうので簡単に治ってしまうのです。ところが近頃は化学物質が極めて多種多様に人体に入り込んでくるので、母乳から入る化学物質が大量かつ多種類なので、昔は一ヶ月で治った赤ちゃんのアトピーがだんだん時間がかかるようになりました。もちろん、大人も赤ちゃんも一回の診療で完治する例もしばしば経験します。このような完治が簡単に生じるのは継続して異物が入らない場合であります。このような時はステロイド剤、抗アレルギ-剤や抗ヒスタミン剤を用いてこなければ、IgE抗体 は極めて簡単に化学物質と結びついて皮膚からその化学物質を排除してしまうからです。

 それでは治りにくいアトピーはどのようなときに起こりえるのでしょうか?化学物質が1回きりで終われば1回きりのアトピーの症状で終わってしまうのです。ところが継続して入る化学物質に対しては何回もアトピーの症状を出さざるを得ないのです。このときに初めて本格的なアトピーになるのです。元来、誰でもIgE抗体 はトータルで100(IU/ml)くらいは持っています。つまり既に述べたように、IgE抗体が0の人はこの世には存在しません。つまり異物に対してIgE抗体を作る能力を全ての人に付与されています。従って異物を認識する免疫の能力の高い遺伝子を持っている人は、濃度の極めて濃い多種多様の異物が体内に接触したり侵入すれば、それに対して大量のIgE抗体を作るのです。従って、異物を認識する能力の高い優秀な人はIgE抗体 を100(IU/ml) 以上に作って異物を排除しようとする時に目に見える症状がでるわけです。このようなとき症状が出たらすぐに来院され、すぐにひっかき傷を治し、さらに傷につく細菌をいち早く殺せば簡単にIgE抗体 は100(IU/ ml) を切ってしまうことがあります。

 しかしステロイド剤、抗アレルギ-剤や抗ヒスタミン剤を使用してから来られると、必ず一時的に症状が悪化しリバウンド現象( 反跳現象、 禁断症状、離脱症状) が出現し、どんどんIgE 抗体が上昇していきます。IgE抗体が上昇すればするほど、このIgE抗体とアレルゲンとの結びつきが増え、肥満細胞と結びつき、肥満細胞からヒスタミンが大量に放出され症状も激しくなります。このリバウンド現象はそれまで使ってきたステロイドや抗アレルギ-剤の量に比例します。またどのようなステロイドや抗アレルギ-剤を使ったかにもよります。ステロイド注射が最悪です。つぎにステロイド内服剤や抗アレルギ-内服剤が悪者です。次がステロイドの塗り薬です。最後が抗アレルギ-剤、抗ヒスタミン剤や非ステロイド系の抗炎症剤の塗り薬です。従って何はともあれ、まずはステロイドや抗アレルギ-剤、抗ヒスタミン剤や抗炎症剤の使用を止めさせることです。

 ところで、ステロイドホルモンという薬は人体で必要な量だけ作られ、多くても少なくても病気を引き起こします。ところが、臨床においては病気の治療に最もよく使用されている薬であるにもかかわらず、何故すべての炎症に効くのかが徐々に解明されてきました。すべからくホルモンは免疫の遺伝子に影響を与え、必要なタンパク質を作らせます。人間が生きている状況に応じて、必要なときに必要でかつ充分なタンパク質を作らせるので、このホルモンは多すぎても少なすぎても問題を起こすのです。

 とりわけステロイドは先ほど述べたように、人体の23000個余りの遺伝子の20%を占める6400個の遺伝子の働きをONにしたりOFFにしたりする遺伝子のスイッチの働きを担っていることが分かってきました。異物が入ってきたときにこれを排除する働きを担う免疫のタンパク質を作る遺伝子を免疫の遺伝子と呼ぶのでありますが、全ての人体に生まれたときから組み込まれた完全で絶対的に正しい存在であります。この絶対的に正しい遺伝子の命令によって作られたタンパク質の働きが炎症を起こし、人間にとって不愉快で不都合な症状をもたらすので、この炎症を止めるために闇雲に世界中で最もよく使われるようになったのがステロイドホルモンであります。絶対的に悪である存在はまさに化学物質であり、ウイルスであり、細菌であるのです。とりわけ化学物質が原因である現代の難病といわれる全ての膠原病や、リウマチ、アレルギ-、アトピー、喘息などに用いられて、一時的に極めてよく効くので世界中で重宝されていますが、止めると多かれ少なかれ必ずリバウンド現象(反跳現象) が出ます。時には他の華々しい副作用が出ることがあります。私はこの副作用に対処するために長い年月にわたり、延べ何十万人の患者さんを診察し病気を治してきたのです。

 ステロイドや抗アレルギ-剤を止めさせ、その後生ずるリバウンド症状に対処してきたと口で言うことは簡単ですが、しかし医者にとって実際はこれほど難しい臨床は他に何もないのです。何となれば医者がひとたび弱いステロイドを使い始めると、弱いステロイドではいずれ効かなくなり、さらに強いステロイドを用いざるを得なくなり、最後はあらゆるステロイドが効かなくなってしまいます。つまりステロイドによって異常にされた大量の遺伝子が修復され再び仕事を始めるので、使い始めよりも症状がひどくなるのは、まさにステロイドは麻薬の性質を持っているのです。従って必ず禁断症状(薬を止めたときに出る症状)が出現し、この禁断症状を乗り切らせることほど医者にとって難しいことはないのです。だからこそステロイドをやめさせ、かついかなる禁断症状においても絶対に用いない治療は世界で私しかできないことであったのです。

 もっとくわしく何故禁断症状が出現するかと言いますと、ステロイドや抗アレルギ-剤はリンパ球や他の免疫にかかわる細胞と結合して、それらの免疫細胞の遺伝子を変え免疫反応を一時的に抑制するだけですから、結合が切れると再び一挙に免疫反応を行い症状がひどくなるわけです。ステロイドや抗アレルギ-剤や抗ヒスタミン剤の使用が多ければ、それだけそのような薬剤に結合しているリンパ球や免疫細胞が多いわけですから、多いぶんだけ薬を止めた時の免疫反応が強くなるわけです。さらにステロイド自身が皮膚の細胞分裂を抑え皮膚を変性させステロイド皮膚症という新たなる副作用を起こしますから、この皮膚を剥がし新たに作り直すことがまた大変な仕事になるわけです。

 つまりステロイドで変性させられた異常な皮膚を剥がし、その後正常な新しい皮膚を作り替え、更にステロイドや抗アレルギー剤で止められていた正常なアレルギーの抗原抗体反応を起こさせます。最後は人体に大量に入り込んだ農薬をはじめとする化学物質という無限の抗原(アレルゲン)に対しては有限なIgE 抗体は永遠に作り続けることが出来ないのだという事をサプレッサーT細胞を通じて人体の免疫は自然に知るようになるわけです。とにかく文明社会の日本においても、何千万人ものアレルギーを引き起こす化学物質汚染環境を敵に回して、一人の人間の免疫がそれを永遠に排除する戦いに勝つことは不可能であることを免疫は知ってしまうのです。これを自然後天的免疫寛容と言います。このようにして最後は戦いに負けて環境と共存して生き延びていかざるを得ないのが化学物質を作り続けた文明社会の生き方です。この生存のしかたも遺伝子に組み込まれているのです。

 このような禁断症状を乗り切らなければ絶対にアトピーは治癒しません。体は正直ですから正しい反応であるアレルギー反応を抑制された分だけ記憶し、自分の正常な免疫機能を取り戻す際にこの禁断症状がでるわけです。免疫は記憶のシステムであります。一度出会った異物はリンパ球の遺伝子に刻印されているのです。言うまでもなく、一度かかった病気には二度とかからないために敵を記憶しておくというのが免疫、つまり疫(病気)から免れる(かからない)という意味です。一方正しい免疫反応を起こしているときに、無理やり遺伝子を変えてその免疫反応を抑制されると、免疫の遺伝子を修復する作用が開始され、変えられた分より一層強く敵を記憶し、遺伝子が修復されたときに一挙に強いアレルギー反応、つまり禁断症状を起こしてしまうのです。しかしこの禁断症状を耐えきった人だけが、つまり医者に無理やり遺伝子を変えられて、遺伝子を修復しきった人だけがアトピーを完治させる資格を得るわけであります。

 アトピーだけが完治するだけではありません。他の全てのアレルギーであるアレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、アレルギー性気管支喘息、アレルギー性咽喉頭炎も全て治ってしまうことはすでに述べました。また、この禁断症状を乗り切らせることが私の医者としての腕の見せ所となるのです。従ってこの禁断症状を起こさせるのはまさにステロイドホルモンや抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤であり、薬が作った病気、つまり医薬病や医原病といえる病気であります。医原病とは遺伝子を無理やり変えてしまうことによって生じる病気であります。ステロイドや抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤さえなければ起こりえない禁断症状であります。遺伝子の働きは38億年の進化の中で耐え切った絶対的に正しい働きです。遺伝子は人間が手を触れてはならない絶対的な神ともいえる存在です。病気を治すのは医者でも薬でも私でもありません。患者さんの免疫の遺伝子であります。この免疫の遺伝子を傷つける現代の医療は全て間違っています。さらに残念なことは、薬がただ単に免疫の遺伝子を無理やりに変えるのみならず、他の様々な遺伝子の働きを阻害してしまうので、薬のもたらす悪い影響は計り知れないのです。

 近頃、豚や牛から手に入れたプラセンタ(胎盤)をエキスにして免疫が上がると称し、肌が美しくなる化粧品としても医薬品としても売られていますが、全てステロイドと同じ性質を持ち、免疫を抑えてしまい膠原病になって受診される人が多くなったことも書き添えておきましょう。金儲けのために嘘をついて新しい病気を作っていることに何の呵責の念も感じない医療業界や化粧品業界に対して激しい憤りを感じます。

 (7)漢方とアレルギー(アトピー)

   

 現代のアトピー治療は全てアトピーの症状の根本である免疫活動を一時的に抑制するだけですから永遠に治らないことは何度も述べました。私が発見した治療法は、いかなる自然の免疫の働きも正しい反応ですから、抑制しなくてもいずれこの正しい反応も無限に続かなく、自然と終結するので症状の後始末だけをすれば良いということです。つまり薬や医者がアレルギーを治すのではなくて、患者さんの免疫自身が治してくれるということです。何もアトピーだけではありません。全ての病気は自分の免疫で治すものであり、ストレスに耐え続けるために自分の副腎皮質ホルモンが出過ぎないように、自分の心をコントロールすることによって免疫を上げて治すものです。

 アトピーの場合は、免疫がアレルギーに出会うと、免疫の働きにより体内から異物を皮膚から吐き出そうとし、このときに傷ができ、その傷にブドウ球菌やレンサ球菌が繁殖して様々の症状が目に見えている症状になるわけですから、傷を早く治すこととこれらの細菌を即座に殺すことが私の主な仕事になるわけです。この時に漢方の出番になります。漢方煎剤や漢方浴剤や漢方軟膏は傷をすぐに治し、同時に細菌の繁殖も抑えることができるのです。症状の出るたびごとに、傷を治し菌を殺すことをIgE抗体が下降しきるまで繰り返し行うわけです。

 赤ちゃんは生まれてすぐ母乳を飲まなければなりません。この母乳に5大栄養素と共に化学物質がたっぷり含まれています。この化学物質を異物と認識できる免疫の遺伝子を持った赤ちゃんは、早ければ生後1ヶ月で化学物質との戦いが始まり、アトピーの症状が出始めます。母乳に含まれるタンパク質と結びついた数多くの化学物質に対して排除しようとする赤ちゃんからほんの数種類の化学物質に対して反応する赤ちゃんまで様々であります。全身から化学物質を吐き出そうとして全身傷だらけの赤ちゃんから、耳たぶに引っ掻き傷が見られる程度の赤ちゃんもいます。とにかくひとつひとつの化学物質に対して、ひとつひとつ自然後天的免疫寛容を起こしていかなければなりません。食べ物に含まれる化学物質に対して免疫寛容を起こすのに個人差はありますが、5~6ヶ月かかります。免疫寛容がなりやすいのは、やはり生きるために無理やりに食べねばならない食べ物に含まれている化学物質に対してであります。次になりやすいのはハウスダストやダニに含まれる化学物質に対してであります。最後に花粉に運ばれる化学物質であります。それではなぜ免疫寛容になりやすい化学物質となりにくい化学物質があるのかを説明しましょう。

 まず免疫寛容を起こすメカニズムについて説明する必要があります。自然後天的免疫寛容を起こすためには、キャリアタンパク質と化学物質であるハプテンと結びついた大量のアレルゲンが組織に溜まり、そのアレルゲンを樹枝状細胞が取り込み、それをリンパ節に運び、数少ないサプレッサーT細胞に提示し続けることによって初めて、強力な免疫を抑制するサイトカインであるインターロイキン10やTGF-βが作られるのであります。この自然後天的免疫寛容を起こす場所はリンパ節だけでありますから、リンパ節に運ばれやすい化学物質が一番免疫寛容を起こしやすいのであります。特に毎日摂取しなければならない食べ物とともに大量に吸収された化学物質は、血中に吸収されて組織に運ばれ、そこで樹枝状細胞に取り込まれた化学物質はリンパ管を通ってリンパ節に運ばれ、そこで初めて本当に数少ないサプレッサーT細胞と出会うのです。この出会いの回数が一番多い食べ物に含まれる農薬をはじめとする化学物質ほど免疫寛容が起こりやすいのです。

 ハウスダストやダニも食べるものではないのですが、水や食べ物や空気にも侵入してくるのですが、やはり一番多い侵入経路は皮膚の傷からであります。最後に来るのは花粉にひっつく化学物質であります。ところがこれらは逆に免疫寛容が起こりにくい理由を説明しましょう。食べ物に含まれる化学物質は食べ物の栄養素と共に常に体中の組織に運ばれ、3000箇所もあるリンパ節に到達しやすいのですが、ハウスダストや花粉に運ばれる化学物質は、皮膚や空気によって運ばれることがほとんどでありますから、まず全身のリンパ節に到達する機会が少ないのです。さらにひとたびハウスダストや花粉に対して作られたIgE抗体は皮膚組織や粘膜組織に運ばれて、そこにある肥満細胞と結びついて再び皮膚や粘膜に入ってくるアレルゲンを待ち構えてひっつこうとしています。つまりこれらのアレルゲンはリンパ節に運ばれる前に、粘膜や皮膚で処理されてしまうので、さらにリンパ節にいる数少ないサプレッサーT細胞と出会うことがなくなってしまいます。この2つの理由でハウスダストや花粉に対して自然後天的免疫寛容が起こりにくいのです。実はハウスダストよりも花粉のほうが、もっと免疫寛容が起こりにくい理由があります。ハウスダストは年中出会いがありますが、様々な種類の花粉は1年に1ヶ月前後しか出会いがないのでますます免疫寛容が起こりにくいのです。だからこそ日本の花粉症の患者は3000万人といわれる所以であります。蛇足ですが、花粉に対して免疫寛容が起こりにくいのは今さら言うまでもないのですが、免疫寛容を起こさせないようにし続ける製薬メーカーの作ったステロイド剤や抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤であることは既にご存知でしょう。

 ここで免疫を上げる漢方の登場となります。原理的になぜ漢方が免疫を上げることができるのかについては既に説明しました。漢方は免疫を高めて早くIgE抗体を使い切るのに少しは貢献していることは言うまでもありません。例えば、他のアレルギーの気管支喘息やアレルギー性鼻炎やアレルギー性結膜炎や消化管アレルギーの場合も、漢方を飲めばたちどころに様々なアレルギーの症状を除去してくれます。しかしどんなアレルギーの漢方治療の場合も抑制されていたIgE抗体は必ず上がっていきますから、漢方は症状を除去しているのにもかかわらず、免疫を上昇させることがあっても決して抑制しているわけではないことがわかります。まさに漢方生薬に含まれている植物を害虫やウイルスや細菌から守る苦い免疫成分が人間の免疫をも増進させているのでしょう。一方で症状が楽になる点が漢方の偉大さであります。おそらくは漢方の効能はただ単に人間の免疫を手助けするだけではなく、異物を処理する能力も備わっていると思われますが、この漢方を現代医学は科学することができないのです。その理由は幾つかあります。

 漢方薬の研究においては、現代科学の力では生薬成分が未だ完全には特定できなかったり(全ての成分を特定することは今後も永遠に不可能でしょう。)、薬剤として常時一定の品質を保つことが難しいなどの問題がありすぎるからです。さらには個々の成分の相互作用を考えると、今盛んに話題となっている複雑系の分野に属する事柄になり、さらに漢方の研究を難しくさせています。また漢方の経験処方は、必ず二つ以上の生薬から成り立っています。従って漢方薬の効能は単一の生薬の成分の効能によるものではなく、複数の生薬の成分の相加・相乗・相減作用に基づく効果が発揮されていると考えられます。現代医学は単一の成分だけを用いるのが原則でありますが、漢方では単一の成分を用いるよりも複数の成分を併用することが、遥かに薬効を発揮でき、さらには副作用も軽減できることが経験的に分かっているのです。ここが現代西洋医学の要素還元主義的な薬の用い方とは異なり、漢方薬が複数の生薬を用いて組織的・総合的な力を発揮させる所以であります。

 一方、現代医学は漢方の考え方とは違って、薬の相加・相乗・相減作用などをはなから認めようとしません。認め始めると現代医学が成り立たなくなるためです。逆に西洋医学の薬は併用することによって副作用が出ることがしばしば問題になります。このような意味においても、漢方と西洋医学とは土俵が違うわけであります。

   

 古来から病気の大部分は見かけ上炎症という症状で現れます。この見かけ上の炎症を除去する努力を自然の力を借りて続けたのです。それが漢方煎剤であり、鍼でありお灸であったのです。勿論、免疫の働きや抗体やウイルスや細菌などについては目に見えないものですから全く知らなかったわけですが、その代わりにいかにして患者の症状を楽にしてあげようかと努力を注いだのです。そしてまさにこの炎症から生じる症状を改善することの出来る草根木皮を探し尽くしたのです。しかし炎症の症状や原因はいろいろあります。一番代表的な炎症は感染症によって生ずる発熱やだるさや痛みなどです。これらの細菌によって引き起こされる感染症は、衛生思想の普及やワクチンや抗生物質の開発により、一応根本的に征服されたと考えられます。次にウイルスでありますが、エイズウイルスでわかりますように、エイズウイルスそのものを殺すのにまだまだ時間がかかるようです。いずれにしろ漢方は結果的に人間自身が固有に持っている免疫力を上げることで対応し、さらに病人の症状だけをできるかぎり楽にしてあげようとした努力が漢方経験処方として私達に伝えられてきたのであります。

   

 ここであらためて私が考案した漢方煎剤が免疫を抑制しないことを詳しく証明しておきたいと思います。勿論いろいろと証明の仕方はありますが、言わば毎日毎日臨床免疫学を患者さんに施していると言える開業医の立場から一つの答えを出しておきます。免疫抑制剤の代表であるステロイド剤は使えば使うほどIgE抗体の産生を抑制することができます。IgE抗体をゼロにすることもできるのであります。例えば、アレルギー患者に毎日毎日ステロイドを注射するとか、ステロイド内服剤を毎日毎日大量に服用させれば理論的にはIgE抗体はゼロになってしまいます。ところが、そのステロイドを止めると急激にIgE抗体の産生が始まり、抑制されたIgE抗体がどんどん上昇していきます。と同時に症状がどんどん激しくなっていきます。こんなときに再び症状を一時的に除去する為にステロイドを用いると、症状も良くなると同時に再びIgE抗体が下がっていきます。これがステロイドの免疫の抑制の意味であり、基本的には現代医学のアレルギーの治療で行われていることであります。一方、ステロイドを止めると同時に漢方煎剤を用いてリバウンド症状を楽にしていくにつれてIgE抗体が上がっていきます。これは漢方煎剤が免疫を抑制することがないことの一つの証拠です。ここで賢い人は次のようなするどい質問をするかもしれません。「ステロイドの離脱症状の方が激しくて漢方煎剤の抑制作用が隠されているのではないか?さらにあなたの言う自然後天的免疫寛容というのは漢方煎剤の免疫の抑制の始まりを意味しているのではないのでしょうか?」と。それに対して私は次のように答えます。「ステロイドの抑制作用がいずれ取れ、同時にステロイドのリバウンド現象も終わったときに、もし隠されていた漢方煎剤の免疫抑制作用があればご指摘の通り再びIgE抗体は下がるでしょうが、同時にアレルギーが治ったから漢方煎剤を飲む必要が無いので漢方を止めるとしましょう。そうすれば再び漢方煎剤の免疫抑制作用の結果、必ずリバウンド現象が出てしまうでしょう。ところが私が後天的免疫寛容が生じ、全てのステロイドの副作用を除去できたのでアトピーが治り、鼻炎が治り、喘息が治ったので漢方煎剤を服用する必要は無いと宣言した患者には、絶対にリバウンドが出ることはないという事実をどのように説明できるでしょうか?つまり、漢方を止めたからといって再びIgE抗体が上昇し、症状が再発することはないわけですから、漢方煎剤には免疫抑制の作用は絶対に無いのです。」と答えます。

 この質問は自然後天的免疫寛容を漢方煎剤の免疫抑制の始まりと指摘するところにポイントがあるわけですが、実は免疫を抑えない限り、自然後天的免疫寛容が自然に起こる例を示しておきましょう。生後5~6ヶ月までの赤ちゃんは漢方を飲むことができません。それではどのような治療を私はしているのでしょうか?漢方を飲んでもらう代わりに漢方浴剤に入ってもらうのです。この漢方浴剤には免疫を上げる漢方生薬と傷を治す漢方生薬と、さらに細菌やウイルスの増殖を抑える漢方生薬が入っています。この漢方風呂に毎日入ってもらいます。そうすると5~6ヵ月後に症状が自然に消滅していきます。このように漢方を飲まなくても漢方風呂に入るだけで、アトピーの炎症の傷や引っ掻き傷を癒すだけで自然と後天的免疫寛容になってしまいアトピーが完治してしまうのであります。アトピーの治療における漢方煎剤というのは飲まなくても時間は掛かりますが、漢方風呂に入ることで傷を治しブドウ球菌を殺すだけで免疫を抑えない限り、免疫の働きに任せておけばIgE抗体は作られなくなり、自然後天的免疫寛容を起こし、アトピーは自然と治るということを再び強調しておきたいと思います。漢方がアトピーを治しているのではないのです。もちろん私が治したわけでもないのです。アトピーを治したのは患者さんの免疫の遺伝子の働きによるものであります。

   

 今さら言う必要は無いのですが、様々な漢方研究施設で実験的にも漢方処方が免疫を促進させることを証明しております。

 (8)実際の治療上の問題

   

 従ってアトピーは免疫を抑制しないで後始末だけを私がしてあげれば、自然に農薬環境をはじめとする化学物質環境に負け、環境に適応し、武器であるIgE抗体が作れなくなるという自然後天的免疫寛容の状態になり治癒するわけですが、実際はアトピーの合併症である創傷とブドウ球菌感染やレンサ球菌感染に如何に対処するかが一番重要になるわけです。私達が見ているのは体内で行われている免疫反応ではなくて、戦いの跡を見ているにすぎないのです。化学物質を吐き出した跡の傷、つまり創傷の処置が一番大切です。この傷跡にブドウ球菌が増殖して感染症を起こしてしまうからです。勿論創傷の中には免疫反応の炎症による直接的な傷と引っかき傷とが含まれています。従っていかに早く創傷を治し、そこに増殖する表皮黄色ブドウ球菌をやっつけるかが、医者がやるべきアトピー治療の全てといっても過言ではありません。

 次に炎症によってタンパク質が血管から漏出したために生じる栄養不良に対してや、タンパク質が水を同時に血管外へ引っ張り出した結果出現する浮腫や喉の乾きに対して、さらにこのタンパク質と水が体外へ出てしまうときに生じる体重減少などに対しての十分なタンパク質と水の補給が絶対に必要となります。他に眼科の領域に属するアトピー性白内障、アトピー性網膜剥離があるかどうかに対して慎重に観察しなければなりません。ところでアトピー性白内障はアトピーによる白内障ではなくて、ステロイドホルモンの過剰投与によりステロイドによってもたらされたステロイド性白内障であると考えられます。水晶体の細胞の遺伝子がステロイドのために異常になり、正常なタンパク質を作れなくなったり、さらに大量のステロイドはエンドヌクレアーゼという酵素を増やし、水晶体の細胞を自殺に追いやったりしてしまうからです。ここでなぜアトピー性白内障やアトピー性網膜剥離がないのかを証明しましょう。こういう病名も眼科医が勝手に自分の責任を転嫁するために捏造した病名に過ぎないことを説明しましょう。

 体内に取り込まれた化学物質であるアレルゲンを排泄するルートに、わざわざ頭蓋骨や眼球を通り最後に水晶体を通って化学物質を体外へ出す必要はないのです。さらに水晶体にはぎっしりと水晶体細胞と上皮細胞で詰め込まれ、異物が溜まる結合組織がほとんどないのです。しかも水晶体は透明性を維持する必要があるので、どの組織よりも異物が入りにくいのです。未だかつて“水晶体炎”という病気を起こした人は誰もいません。なぜならば水晶体に免疫の働きは必要ではなく、かつ異物が入り込むことが絶対にないからです。従ってアトピー性白内障というのは全てステロイド性白内障というべきものです。

 次にアトピー性網膜剥離も医者の間違った指導によって生じた病気であるのです。皮膚科医は『掻いたらアトピーが治らないから、顔が痒ければ叩け』ととんでもない間違った指導をするものですから、患者は掻く代わりに顔を叩く習慣を身につけます。叩き過ぎると眼底にひっついていた網膜が徐々に剥離していくために網膜裂肛や網膜剥離が起こるのです。このような医原病のために若いアトピー患者がどれほど苦しんでいるかを皮膚科の医者も眼科の医者も誰も知りません。

 痒みはアトピーの免疫反応の最終段階である皮膚の崩壊の前兆に過ぎないわけですから、どんどん引っ掻いて化学物質を含んだ悪い皮膚をつぶしてもらえればもらうほど理に適っているのです。さらに痒みは掻けば快適なものですから、掻くことを楽しみとして考えれば何もそれほど問題にはなりません。私の考えでは人間の体は進化の過程を通じて、合目的に作られてきました。痒みというのは掻けば気持ちの良いものでありますから、人体はいち早く引っ掻いてもらって、早く皮膚を崩壊させ異物を皮膚から出すことを望んでいると考えます。しかも痒いときは寝ていても掻いているわけですから、掻くということは本能の領域に属することだと思います。ちょうどお腹が減れば食べるということは正しいことであるのと同じ事なのです。従って『掻きたければ掻きなさい。』というのは当たり前のことなのです。掻いたら駄目だと言う皮膚科の医者はこのような二つの意味で全く不合理なことを言っているのです。勿論掻いた後の傷をいかに早く治すかが医者の第一の仕事になるのは既に述べました。どうしても掻きたくない人は痒みを止めたければ患部を氷で冷やせば楽にはなりますが、やはり掻くことにより異物を出そうとする免疫の遺伝子の働きに協力すべきです。

 

 実際の治療上の問題点を四つ下に挙げます。一言でいえば体温の上昇がないこと(つまり体内で感染が起こっていないこと)と、体重の増減がない限りにおいては、いかなるリバンドの状況になろうとも生命には全く問題はなく、必ず最後には正常な皮膚を取り戻してあげることができます。因みに同じアレルギーでも気管支喘息は常に死の危険がつきまといますが、アトピーの場合は死ぬ心配は全くないわけですから治療する者にとっては気楽なものであります。

 1)創傷

 

 この傷からタンパクがもれでて黄色ブドウ球菌のえさとなりブドウ球菌は分裂を繰り返し、α毒素をどんどん作り出して皮膚をつぶして症状をさらに拡大し深刻にしていきます。傷がなければ黄色ブドウ球菌も増えることができないのですから、いかに早くこの繰り返し生ずる傷を治すかがアトピ-の治療で最も重要なポイントになります。昔から傷は日ぐすりで治すと言われるように時間がかかりますが、傷が出るたびに漢方はこの傷を出来る限り早く治して傷を塞いでくれます。この傷を早く治し早く皮膚を作ることが漢方の仕事のひとつです。つまり漢方がアトピ-を治すというよりも、傷の後始末を早くしてくれるというわけです。というのはアトピーが治るというのは二つしか方法がありません。IgE抗体を作る力があっても化学物質が体内に侵入しなければアレルギーは起こらないわけですから、一つは化学物質を体内に入れないことであります。二つ目は何度も繰り返していますように、IgE抗体を使い尽くすことです。漢方が貢献することは二つ目のIgE抗体を作らせ、使い尽くすことです。

 2)感染( 黄色ブドウ球菌・ヘルペスウイルスによるカポジ-水痘様庖疹と単純ヘルペス)

 

 感染があるかどうかは体温計で37.2度以上の熱があるかどうかで判断します。黄色ブドウ球菌によるものであれば抗生物質を飲めば治りますすし、ヘルペスウイルスによるものであれば抗ウイルス剤を飲めば治りますが、人体の神経には無数のヘルペスウイルスが巣食っていますので、一度ヘルペスとの戦いが終わったからといっても、次のヘルペスとの戦いが待っています。ヘルペスとの戦いに見られる様々な症状は、免疫がヘルペスウイルスを殺そうとしているのです。このとき抗ヘルペス剤を飲むことによって、神経細胞でヘルペスウイルスが増えないようにしてくれるのです。従って免疫はその分、目の前のヘルペスウイルスを殺しやすくなるのです。

 37度前後までの熱はアレルギ-熱でアトピーの人によく見られるアレルギーの炎症による熱ですから心配はありません。しかし熱がなくても抗生物質や抗ウイルス剤を塗ったり飲む必要がある場合があります。それは次のような状況のときです。皮膚の傷があまりにも多いときや耳のなかの皮膚に黄色ブドウ球菌が繁殖して耳の中が痛い時は抗生物質を飲む必要があります。さらに時には頭痛がするときは抗ヘルペス剤を飲む必要があります。またリンパ節が腫れたりするときは抗生物質と抗ヘルペス剤を飲まなければならないときがあります。従ってリバウンドのある人は体温を毎日計って下さい。熱がある時は必ず抗生物質や抗ウイルス剤を飲む必要があります。何回も繰り返しますがアトピーの治療で最も大切なことは、結局は黄色ブドウ球菌とヘルペスウイルスによる感染症をいかに処理するかであります。まず熱が出たら黄色ブドウ球菌との戦いによるものがほとんどですから、抗生物質を飲むことです。さらにリバウンドで免疫が上昇したときに、過去にステロイドを使ってきた間に、神経に増殖したヘルペスウイルスをも見つけだしヘルペスを殺す戦いが始まり、様々な症状が出たときに抗ヘルペス剤を飲むことです。(ヘルペスについてはここを読んでください。)感染症による発熱が無い限りは、いかなるリバウンドも恐れるに足りません。しかしリバウンドは様々な恐ろしい症状を伴うことがあるので、常に私とコンタクトを取る必要があります。最近セレスタミンやリンデロンの注射などが長期に投与されてくる患者が多いので、これらのステロイドをやめさせるのはますます難しくなってきています。

 3)アトピー性白内障、アトピー性網膜剥離

 絶対顔を叩かない。無理やり目を叩かない。目を擦り過ぎない。つまり、眼球に強い振動を与え続けると眼球の網膜が眼底から剥がれてしまい、網膜裂肛や網膜剥離が生じ、手術が必要になることがあります。痒ければ掻いて楽しめば良いわけです。勿論、漢方で痒みを止める処方は全くありません。さらに痒みを止めるという事は、免疫反応を一時的に抑えるだけですから、アトピーの根治治療にとっては有害となります。(目が痒い時はアレルギー性結膜炎ですがこれは漢方で簡単に治ります。)これらはアトピーの皮膚の症状とは全く関係のない目の病気でありますが、間違ったアトピー治療による重篤な合併症であり、定期的に眼科の検査が必要であります。特に網膜剥離は手術せざるを得ない患者さんが何十人もおられました。発見が遅れると私自身は経験したことはありませんが、網膜剥離のために失明に至ることがあるようです。白内障はそれこそ何十回も見てきましたが手術で治ります。しかし、先ほど述べたように白内障はステロイド性白内障であり、水晶体が体内に入った異物を排除するルートとして用いられることは不可能であるために、アトピー性水晶体炎という病気はないわけですから、白内障は他の原因で生じているのです。突然に炎症ではなく変性疾患である白内障が起こるのはステロイドが水晶体の細胞に影響を与え、水晶体の細胞がアポトーシスを起こしたためであり、従って正しい病名はアトピー性白内障ではなくてステロイド性白内障と言うべきです。

 4)炎症

  炎症がひどい人は皮膚の崩壊もひどく、炎症細胞を多く含んだリンパ液とともにタンパクが血管やリンパ管から出ていきます。組織間にリンパ液が留まる時にはむくみが増え、従って体重が増えます。逆にリンパ液が皮膚から体外へ出てしまうと体重が減ります。どちらも栄養状態が悪くタンパク質を補う必要があります。こんな時には大量にプロテインを補給する必要があります。従ってリバウンドの激しい人は体重を毎日計って下さい。( 正常な人の血液の総タンパクは6.5(g/dl) 以上ですが, 血液の総タンパクが2.8(g/dl) まで減った人がいました。しかし生命には全く異常がありませんでした。この方も元気で社会復帰しておられます。)浮腫みがないのに体重が増え始めたら、もはやプロテインは飲む必要はありません。

 5)蕁麻疹

 

 アトピー性皮膚炎を治療していく中で、しばしば蕁麻疹が見られることがあります。しかもアトピーが完治に近い後半になって出現することがあります。蕁麻疹はいわゆるミミズ腫れと言われるものでありまして、数時間たてば自然に消えていくものであります。言うまでもなく蕁麻疹もアレルギーの一つでありますが、後に傷を残さないので言わばアトピーの軽症型とも言えます。なぜ蕁麻疹が私のアトピーの治療中の最後に出やすくなるかと言いますと、アトピーは異物を出しやすい皮膚の直下の表皮でアレルギー反応を起こし、痒みを感じさせ引っ掻けばすぐに皮膚が破れて異物が体内から体外へ排泄されてしまうのでありますが、後に必ず傷跡が残ります。ところがアトピーをどんどん起こさせ続けていきますと、表皮のアレルギーに関わる免疫細胞や抗体が使い尽くされてしまいますと、だんだん皮膚の奥深くの真皮で異物を排除しようとするときに起こるのです。真皮は血管が多く、このような血管の周辺にしかこれらの免疫細胞や抗体が見られなくなります。もちろん蕁麻疹もIgE抗体をどんどん使うことで生ずるものですが、皮膚の表面まで炎症が波及せずにただ血管の中から水性成分だけを大量に漏出させることができ、見かけはミミズ腫れとして観察されるのです。従って蕁麻疹はアトピーの不発型とも言えます。よく蕁麻疹は肝臓が悪いために起こるとか言われますが、100%アレルギー反応なのであります。時に蕁麻疹が全身に見られ、顔の形相が変わるほどミミズ腫れが見苦しいときに、患者はパニック状態になりよほど隠れた大病があるように考える人もいますが、こんな場合も数時間も経てば自然と跡形も無く後に傷も残らないので、アトピーよりもはるかに処置しやすいのです。

   

 蕁麻疹の場合も現代医療の治療はやはりアトピーの場合と同じくステロイドや抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤を用いますが、一時的に良くなっても再びリバウンドが出現し、再び苦しむのはアトピーと同じです。私が治してあげた蕁麻疹の例では10年も20年もこのような間違った治療を受けてきた人が何人もいました。元来、蕁麻疹は生死に関わりが無いもので、放置すればいずれは消滅してしまうということを、医者は患者に伝えるべきです。また私のアトピーの治療中に頻繁に蕁麻疹が出だした時にはアトピーの治療も終盤に入ったことを物語るものであり、喜ぶべきものなのです。

   

 ところで、アトピーでない人でも時に鯖のようなせびれの青い魚を食べた時に、蕁麻疹が出るときがあります。これはこのような青魚にヒスタミンに似た物質が含まれているからであります。ヒスタミンは血管を拡張させ、血管の中の水性成分を血管の外へ出させる力があるので、ミミズ腫れだけが見られることがありますが、この場合も放置しておけば数時間で蕁麻疹は消えてしまうので、何も心配することはありません。もちろん漢方にはこのような化学物質を処理する解毒作用のある漢方煎剤があるのは言うまでもありません。

   

 ただ理論的には蕁麻疹が全身に生じて全身の血管が拡張してしまうと、いわゆるアナフィラキィショックが起こり、血圧が急激に低下し、死ぬこともあると言われていますが、日常の生活で見られることは滅多にありません。私は全身に及ぶ蕁麻疹を何回か治療したことがありますが、このようなアナフィラキィショックを起こして血圧が測れない患者を診たことは一度もありません。もちろん病院などで特別な薬を注射で体内に投与した時にはしばしばアナフィラキィショックは経験するものでありますが、日常の普通の食べ物や飲み物を摂取するぐらいで全身の血管を拡張するほどの大量のアレルギー物質が侵入することは実際上あり得ることではないので、アナフィラキィショックは滅多に起こるものではありません。従って普通の生活の中で見られる蕁麻疹は生死に関わることはないと考えられます。

                       

 最後に二言。

 ●痒い人は掻きたいだけ掻きなさい。人間の体は嘘をつきません。人間の体は掻かれることを今か今かと待ち望んでいるのです。神様は人間が掻くために痒みを感じさせているわけです。しかも掻くことによって皮膚を傷つけ早く異物を体外にだす手助けを求めているのです。早く掻くだけ掻いて最大限の楽しみを味わいながら異物を吐き出してください。掻いたからといって、だれに迷惑をかけるというのですか?

 ●あらゆるリバウンドも責任をもって乗り越えさせてあげます。最後までついてくれば必ず必ず必ずアトピ-を治してあげます。わからないことがあれば何でも聞いてください。いかなる質問にも責任をもって答えます。ただ最近患者さんが長期に渡ってステロイド点滴をやってきた人や、セレスタミンを大量に投与されてきた人が多くなり、途中で治療をやめざるを得ない例があります。

 最後の最後に一言。

 ●どうしても言っておきたいのは、私が特別な名医であるからアトピーを治せるというのではありません。免疫を抑制しないでアトピーの炎症の後始末をし続ければ、最後は自然後天的免疫寛容を起こすことによって、化学物質と共存できるようになるのです。自然に逆らわなければ、必ず治る病気だからこそ、私が治せるのです。というよりも、患者さんの免疫の遺伝子が治してくれるのです。

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